著者 大沢在昌<o:p></o:p>
生年 1956年<o:p></o:p>
出身地 愛知県名古屋市<o:p></o:p>
受賞歴 2012年第30回日本冒険小説協会大賞受賞<o:p></o:p>
初版 2011年<o:p></o:p>
出版社 光文社<o:p></o:p>
価格 1,050円 (電子書籍)<o:p></o:p>
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感想<o:p></o:p>
新宿鮫シリーズの10番目の作品。題名通りいくつかの絆が結ばれ、そして切れ、また新しく結び直されていく。そうした人間模様の中心に鮫島警部がいる。<o:p></o:p>
公安警察内部の抗争に巻き込まれてキャリアの道からはぐれた一匹狼の鮫島を、新宿署の中で庇い支え続けてくれた上司の桃井課長との絆や、恋人の人気バンドのヴォーカル青木晶との絆が、断たれるかどうかの瀬戸際に鮫島は立たされることになる。ことの発端は、警官を殺すのでチャカ(拳銃)はないかと尋ねてきたムショ帰りらしい大男がいるという情報だった。その情報をもたらした麻薬の密売人は鮫島の協力者として拳銃の入手先を探っているうちに何者かに惨殺される。そして一方ムショ帰りの大男の行方を捜して中国から一人の青年が日本に来る。<o:p></o:p>
この物語で新宿鮫は転機を迎えた。古い絆が切れていく中で、新宿署内部で鮫島を正当に評価し応援する体制が出来てきたのだ。まだ警察庁の上層部での鮫島への待遇は変わらないとしても、現場では名実ともにリーダーとして認められたのだ。新しくどう変貌するか次回作が楽しみだ。<o:p></o:p>
ただ中国残留孤児2世のグループを、アイデンティティの喪失した人達と決めつけて、表の生活と裏の生活を完璧に使い分けていると描いているが、それは絵空事だ。器用に使い分けられるはずがないからだ。鮫島と接触を多くして生活感のある肉声が聞きたかった。<o:p></o:p>
わがまま評価(5点満点)<o:p></o:p>
展開の面白さ ☆☆☆☆<o:p></o:p>
人物の存在感 ☆☆☆<o:p></o:p>
お勧め度 ☆☆☆☆<o:p></o:p>
長さ ☆☆☆☆<o:p></o:p>
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