読書感想222 廃墟に乞う
著者 佐々木譲
生年 1950年
出身地 北海道
出版年 2009年
出版社 (株)文藝春秋
☆☆感想☆
ある殺人事件の捜査のせいで精神に大きなダメージをうけた、北海道警察本部の仙道孝司は、自宅療養を命じられ勤務に復帰できる日を待っている状態だ。警察手帳もなく、捜査権のない仙道に、被疑者にされている者やその関係者、担当警官からも、警察が見落としている点を洗いなおしてほしいという依頼が飛び込んでくる。真相を明らかにする仙道の活躍を描いた短編6編。
1. オージー好みの村
舞台はニセコ。オーストラリア人が殺人の容疑をかけられている。
2. 廃墟に乞う
13年前に担当した札幌の娼婦殺しと同じ手口の殺人が千葉で発生。娼婦殺しの犯人は釈放されていた。犯人の故郷は夕張。
3. 兄の思い
殺されたのは道東の漁港で町一番の有力者の漁師で、殺したのが町で一番人望のある若い衆。なぜか。
4. 消えた娘
豊平川の河川敷でジョギングをしている仙道に声をかけた男は娘をさがしてほしいという。
5. 博労沢の殺人
日高地方の競走馬生産牧場のオーナーが殺された。今回の被害者は17年前の殺人事件の被疑者だった。
6. 復帰する朝。
帯広で妹に殺人の容疑がかかっていると姉から仙道に助けを求める連絡が入った。