ウォッチメイカー
THE COLD MOON (原題)
著者 : ジェフリー・ディーヴァー
生年 : 1950年
出身地 : USA ミシガン州シカゴ市
出版年 : 2006年
邦訳出版年 : 2007年
邦訳出版社 : (株)文藝春秋
訳者 : 池田真紀子
★★感想☆☆
リンカーン・ライム・シリーズの第7作。リンカーン・ライムは元ニューヨーク市警科学捜査部長。現場鑑識中の事故で脊髄を損傷し、四肢麻痺の体になり、首から下を動かすことができない。現在は市警の捜査顧問として自宅の居間を科学捜査研究室に改造して難事件の指揮を執っている。アメリア・サックスはニューヨーク市警の新米刑事で、ライムに代わって現場の鑑識に出かける。ライムの足と目となっている。彼女抜きではライムの捜査はできない。トムはライムの虐待に6週間以上耐えた最初の介護士。彼なしにはライムの生活は成り立たない。さらに今回から、尋問のエキスパートのカリフォルニア州捜査局捜査官キャサリン・ダンスが加わる。
最初の殺人事件はハドソン川にかかる桟橋に凍った血だまりと血だらけの爪で引っかいた痕がついていたのを発見したことから始まった。死体は川に落ちたのか見当たらないが、黒い箱が置いてあった。中に古風な置時計が入っていた。第2の殺人事件はブロードウエイの近くの路地で4キロの金属バーで喉をつぶされた遺体が発見された。ハドソン川の事件と同じく古風な時計が見つかった。時計の販売元から、同一人物が同じ時計を10個購入したことが判明する。犯人2人組、ウォッチメイカ―(時計師)のジェラルド・ダンカンと相棒のヴィンセント・レノルズは廃屋と化した教会を根城にしている。
「ひもじい・・・
飢え・・・・
女性に性的暴行を働きたいという衝動は一種の飢えであるーヴィンセント・レノルズにそんなことを自分で考えつく頭はない。その理屈を教えてくれたのは、セラピストのドクター・ジェンキンスだった。」
「並んで1階に下り、教会の裏手の路地に出る。
ダンカンが南京錠をかけた。『ああそうだ、忘れるところだった。明日の予定だが、次も女だ。二人連続ってことになる。』」
いくつもの網が絡み合って最後まで引っ張って行く。