万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌3370 足柄の3115

2019年09月25日 | 万葉短歌

2019-0925-man3370
万葉短歌3370 足柄の3115

足柄の 箱根の嶺ろの にこ草の
花つ妻なれや 紐解かず寝む  〇

3115     万葉短歌3370 ShuG302 2019-0925-man3370

あしがりの はこねのねろの にこぐさの
  はなつつまなれや ひもとかずねむ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3353-3428、76首)の第18首。男。
【訓注】箱根の嶺ろ(はこねのねろ=波故祢能祢)[「箱根の峰」。「ろ」は前出「子ろ」に準じる。下記注]。にこ草(にこぐさ=尓古具佐)[下記注]。花つ妻(はなつつま=波奈都豆麻)[「花のごとく実のない妻」]。
【依拠本注-ろ】ほかに「青嶺ろ」(3511)、「伊香保ろ」(3435)、「背ろ」(3375)、「家(いは)ろ」(20-4406)、「横山辺(へ)ろ(3531)」など。
【編者注-にこぐさ】湿地に多いやわらかい草。はこねしだ(うらぼし科)ともあまどころ(ゆり科)とも。全て恋情をうたうなかにみえる。初々しくにこやかな女性を比喩。(『万葉集事典』)