田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

150615環境圧力

2015年06月16日 10時51分36秒 | 時評

大田区の蒲田~北糀谷へのバス路線を毎日通う私が脅威に感じるものは、羽田空港に向かう大音響の貨物トラックと道路の両脇にどんどん作られているマンション群である。ワンルームマンションらしい鉛筆型の建物もぎっちり建っている。その中に小さく動いているのが町工場と商店街である。これらの立地も、後継者が減ってきて何れ消去され、鉛筆マンション群とかゲームセンターなどに生まれ変わるのだろうか?。この「町」は、住民が不在のように見える。多くの人が居住しているのは確かなのに、人々の会話や子供たちの元気な声が圧殺されているかのようだ。人と人が対話するのは、平面を共有する場合である。人々が健康に暮らせるには一定の広さと景観の区切りを有する、だだっ広くない人々がのんびり過ごせる緑(土)が必要である。これが人々の分断を防ぎ、地域を作る。今住人に与えられているのは、ショッピングセンターや駅前ビルの中にあるささやかなコーヒーハウスやゲームセンターのような施設だ。何れカジノがやってくるかも知れない。現在でも文化センターや公民館、図書館などは決して多いとは言えない。暮らしには家族だけではなく地域、近隣の日常的な会話やお祭りが必要である。それがなければ環境圧力にストレスをため、慢性病、そして認知症などを生み出すに違いない。経済が繁栄しても、町場においてこうした最低の需要が満たされない「町」を作り出してもは、やがて経済も衰滅に向かうだろう。


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