家庭用の冷蔵庫をのぞいてみよう。家庭用冷蔵庫はほとんど大型で冷凍庫付きであり、製氷室の付いた冷凍庫一段、野菜室一段、魚肉類保管室一段の構造になっている。ここに食品を無造作に保管していると、食べ残し、食べ忘れ、使いのこしなどの食品や調味料などのビン缶類の食品がならぶ。
こうした食品は往々にして、人の口に二度と入ることなく、捨てられていく。こうした食品は、おそらく買った物の数十パーセントを占めることも珍しくない。何のことはない、でスーパーなどで「安く!」買った物が、食べない分だけ割り増しの値段を払いつつ、おまけに冷蔵庫の中で電気代を使い、場所代を使い、廃棄物処理代を使い、目の前から消え失せるのだ。そしてこの物質の運動は、年から年中休むことなく続けられる。
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「生きる」という原点から考えていく時、「生きる環境を整える」という営みが第一に来ます。「生きる環境を整える」という営為は交換経済を通じて発達してきます。
交換が高度に進んだ状態では、国家で秩序やルールを定めそれを保全します。
「生命」「生活」「市場」「国家」「世界」という5つのカテゴリーで、その関係を見ますと、その5つのカテゴリー間で相互関係があります。先ずは「生命」、そして「生活」、そして「市場」そして「国家」、そして「世界」という序列関係を見ることができます。ところが、それぞれのカテゴリーは同じ原理で同軸回転していない事に問題があります。例えば生命の原理と国家の原理は、往々にしてもの凄い衝突をします。生活の原理と市場の原理も常に摩擦を起こします。
一番基底的なものは何かといえば「生命」であることは言うまでもないことです。
現代は交換経済が高度に発達し、交換手段としての貨幣が支配しています。貨幣で命を買うことができ、貨幣で命を奪うこともできる、貨幣の独走が世界をブラックホールの中にたたき込んでいます。
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食品の安全問題は、今に始まったことではなく数十年来すでに、食が豊かになり、流通が発達するにつれて深刻になっていると言えます。公衆衛生の思想も体制も強化され、食品工場は大変近代化しているにも拘わらず、安全問題は深刻の度を増しているのは、いまさら証明しなければならないことではありますまい。
食の安全問題は、過去数十年来、食の構造を作り上げてきたことのなかに、深い根を持つ深刻な問題であることが理解される。
これは私が4年前にどこかに書いたエッセイの再録です。 . . . 本文を読む
Why you have no idea
―――ああ、偏差値教育!!
目立たぬように、お釈迦にならないように
「この仕事好き?」「別に…」「これについて意見は?」「別にありません」「頼んだ
ことやってくれたよね」「はい」「キミの5年先のすがたは?」「……」
偏差値教育のなせる技なのか、若い人たちと話の受け答えには気合いが入らない。
会話は成立しているのですが、「気」が抜けているというか、「気」が殺がれるとい
うか、1つの仕事にPLAN→DO→CHECKの「→」がなく、P、P、P…かD、D、
D…か、C、C、C…というように切れてしまっている。これはいわゆるマルバツ式
の反応規範で、P…C…Dの関係図式を論理的に掌握していないことから起こり
ます。 . . . 本文を読む
ベランダで世界のトマトをつくる勉強会を開きます。参加者を大募集します。
トマトフェスタは予想通り大変な反響を呼びました。世界のトマト、七色のトマトに参加者は酔いしれました。そうだ、昔ながらのトマトをもう一度食べたかった、そのトマトが目の前にあるではないか。。こうして多くの人が、特に年配者は昔ながらのトマトの前に立ちつくし、トマトを手にとって大切そうに買い込んでいきました。この思いを、今度は自分が栽培して・・と思われた方は多数いらっしゃいました。トマトは、その気になれば、ベランダでも作れます。デモ普通のトマトじゃあ今ひとつ乗れない、昔ながらのあのトマトの苗があって、ちょっとばかり教えて頂いて、出来れば仲間もつくって楽しみながら作りたい。こういう人のために、創造農学研究会は協力することにしました。「昔ながらのトマトの勉強会」の名前でトマト栽培教室を作ることにしたのです。
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7000億ドル、邦貨にして75兆円という途方もない税金が、アメリカの金融機関のために用意された。金融支援法の成立である。アメリカといえば、市場に任せておけば、経済も政治もうまくいくという新自由主義を世界に押しつけ、日本はその完全な追随者となっているわけであるが、そのアメリカの巨大金融機関が崩壊の淵に沈んでいる、すなわち信用不安が極限のところに来ているのだから、世界はどう言うルールでどう動いているのか、素人には分からないが現象は分かりやすくなっている。ここは直感で判断してもそうは間違いのないはずである。映画「シッコ」で米国社会の矛盾を浮き彫りにし、皮肉混じりに告発しているマイケル・ムーア監督は、米国社会はわずか400人の大金持ちが1兆6千億ドルの富を保有していて、この富は底辺に沈む1億5千万人(人口のほぼ半分弱だ)の富とほぼ同額であるといっている。何という格差社会なのであろうか?しかも驚くべきことに、このうち7千億ドルはブッシュ政権の8年間にふやされている・・そうである。ブッシュ政権はイラク戦争、アフガン戦争を遂行するために存在した政権である。イラク戦争の戦費は3兆ドルに達していて、このまま収まりそうもないし、アフガン戦争も拡大、悪化がうち続いているので、アメリカ政府の財政はまさに火の車なのであろう。 . . . 本文を読む
ブラジルで講演しました。 山代勁二
南ブラジルのパラナ州の自然豊かな農村を巡っています。ちょうど、同地の22町と州政府、フランス、イタリアポーランド、ルーマニア、および日本の総領事が集う「農業と地球環境セミナー」(8月4日)で基調講演をする機会がありました。以下に同地でしゃべったことを詳報します。 . . . 本文を読む
10月ともなると、もう高湿な夏の気配は去り、快適なシーズンになる。ここ数日、9月末は肌寒い日が続き、短袖のシャツでは我慢できなかった。夏から秋にかけて最近哀感を憶えるのは虫たちのことである。8月のお盆過ぎから我が庭は夕方から急にキリキリという虫の集く声が聞こえてくる。この声は雨が降っているときは決して聞こえない。しかし夕立が終わると一斉に復活する。我が庭を生活の場所にしているセミたちは、夏中木から木へと飛びかい、庭を歩くと体にしばしば触れるほどだ。巣くっているらしいセミどもは、夏の終わり頃にはさすがに繁殖を終えて、幼虫を地下に送り出すそうだ。そして陸上に出て短い一生を閉じる。今日3日、からりとした晴天のなか、あたたかい日差しがやや斜めになって窓から差し込んでいる昼のひととき、なんと、窓に接するようにたっているカリンの木の中に、突然ツクツクボウシの声を聞いた。 . . . 本文を読む
日時 2008年9月27日(土)午後2時から5時
第8回山代ブラジル会は下記のように行われた。
出席者(順不同)写真左から
藤田忍(㈱戦略コンサルテイング・ファーム)、栗田政彦(甲南学園平生釟三郎研究会 研究委員、㈱栗田工業監査役)、山地進(内外食糧経済研究会、元日経新聞)、山代勁二(当会会長、㈱地域事業研究所)、岡地慶直(伊藤忠商事特命担当)、藤沼寛次(富士通)、大木秀信(㈱自然)、田中満直(当会事務局次長、分析技術者)、草刈啓一(西本貿易顧問)、加藤忠(㈱マーケテイングミックス)、庄司豊。写真外は、高橋貞三(当会事務局長、㈱アーゼロンシステムコンサルタント社長)、山内偉生(当会顧問、日系農協中堅実務者研修コースリーダー、元全中)、以上13名
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