田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

いよいよ食糧不足の時代が始まった・・農死と亡国の淵をさまよう日本(2)

2008年01月14日 13時20分20秒 | 時評
日本にはかつて(昭和の30年代)には600万ヘクタールの田畑がありました。それでも、日本人の食料は不足し、工業で外貨を稼いで食料を外国から輸入するという食糧輸入国の姿をとってきました。日本人の主食はお米でした。お米は亜熱帯の作物であるので、お米を作った冬場にはムギを作っていました。日本は島国で、長い間鎖国をしていましたから人々は、ムギばかりでなく芋も蕎麦も豆も、ヒエも粟も、あらゆる農地をしっかり働かせて、食料を生産していました。昭和の35年を境にして日本はそんな農業を捨て始めます。農業は効率が悪いので工業を起こす、工業製品を売って外貨を稼ぎ、人は都市で暮らすという形の国造りを始めました。農地はどんどん工業用地や住宅地に変わり、山奥の農地は山林に戻っていきました。こうして現在、日本で実際に働いている農地は300万ヘクタールそこそこになり、農民も高齢化しました。日本の農業は壊滅寸前にあるといってもいいのではないかと思います。
 日本が輸入している食料を生産している農地は200万ヘクタールに相当します。工業や都市のために削った農地の代わりに、外国に植民地を買ったと同じことをしています。しかし、それは植民地でも何でもなく、外国にとってはれっきとした優良な農地ですから、もしも、もしも、その国の人たちが飢えるようなことになったらとか、もしももしも日本よりも高く買うという強い国が現れたら、もしももしも、凶作で生産量が減ったとしたら・・など、もしも、もしもという状況が起こった場合、日本への輸入が困難になります。その時、日本では、捨てた農地を急いで現役復帰させて自給するという政策が取られたとしても、実際問題として、不可能なことはおわかりでしょう。お手上げと言うことになります。今日本はそういう飢餓の淵を歩いているのに、誰も警鐘をならさないと言う異常な国になっています。それどころか、飽食の国になり、食べ物をむちゃくちゃ粗末にして恥じません。世界には今でも8億人も飢餓で苦しむ人々のすむ途上国があります。そういう国は食料を生産する能力がないのではなく、飢餓をがまんして食料を売っているのです。日本が、すさまじい飽食の国になった陰に、世界の途上国をそこまで貧乏にしたという責任もかぶらなければならないのです。(写真は鹿児島県の名産サツマイモ)

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