田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

資本主義の終焉か・・・蘇生の妙薬はあるのか

2009年02月25日 19時23分03秒 | 時評
090220国際的金融危機
金融面と経済面から国際的金融危機を捉える必要がある。
金融面ではこれは未曾有の21世紀型危機であることは間違いない。1987年、ニューヨーク株式市場は22%の暴落を経験したがこれは短期で収束した。1997年にはタイ国のバーツ暴落からアジア通貨危機が起こり、21世紀型の金融危機というネイミングがつけられ、その走りと認識された。この時はロシアの金融危機を連鎖的に招いたが、これはその時ひゃじめて名前を聞いたが、ヘッジファンドといわれるもののなせる技であり、同時にヘッジファンドが大きく破綻したといわれた。
その10年後、サブプライムローン危機の招来である。このもたらした破壊的影響は語るまでもない。ところで、もう1つの側面として、ドルという通貨の歴史的退潮が語られなければなるまい。退潮といっても自然現象ではなく、歴史的にそうなるべくしてなる根拠があっての現象である。1945年にプレトンウッズ体制により、世界の基軸通貨の地位は英国ポンドから米国ドルに変わったが、これは大英帝国の没落を意味するものであった。いわゆるドル支配は、金ドル兌換システムを保有する米国の第二次大戦後の一人勝ちによってもたらされた。米国は資本主義世界の雄となった。しかし、それは長くは続かなかった。1971年には金ドル交換停止、ついで変動相場制に移行する。あえなくドルと純金の結合が解かれ、純金に変わる求心力、すなわち基軸通貨としての要件が消失する。米国の経済の健全性を担保として要求された国際通貨体制1980年代にニューヨークの市場を基礎として、世界のドルが米国に還流し再流通されるというとなる。これをてこにいわゆる金融自由化が各国で進み、そこにヘッジファンドのような、実体経済の外にある投機マネーが大量に発生し流通するようになった。

世界同時不況という観点から、この100年の歴史を見る時、第一次大戦後の1929年、大恐慌をチェックする必要がある。この時、私は生まれていなかったからその様子を語るすべは持たないが記録によると、日本では不況深刻で「大学は出たけれど」米価50%、繭価66%下落・農村経済崩壊、小作農家(45%)破綻、欠食児童、身売りの婦女続出等社会が総崩れ状況となった。その環境は政治腐敗のもと資本の集中、独占が進み貧富の格差拡大、財閥の発言力増大などの事象が起こっている。今日の姿をかなり重なり合う。しかしその大恐慌も数年後には収束した。ケインズの経済学が救いになった。戦後になって1970年代には、今度はスタブグレーションが起こった。不況と物価上昇が同時に起こる資本主義の業病であるとされ、石油ショックなどと重なったことは記憶に新しい。個々では契印図の理論は無効だったらしい。そして今回のサブプライムローンに端を発した金融危機である。おそらく個々でもケインズの理論は無効だろうと思われるが。これは資本主義の3度目の大病であるといえなくもない。金融危機と経済危機が重なり合って病気が長引くという姿が今地球上に出現しているが、これが不治の病なのか、治療に妙薬があるのか、第二ケインズが現れるのか、それは誰も知らないという状況のようである。

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