水、土、火、空気を知ろう
H君は身近な自然を「手に取って」みんなで観察させようという方針を出してきました。
勉強の中身は教科書を離れ、目の前の現実と現象を学習の対象として、見て、触って、変化させて、その変化を記録し、原因と結果を考えるという実践でした。理科は自然が教師です。自然の観察を一緒に行い、気が付かなかったものに法則があることを示唆することでした。今から55-60年前のことですから、生徒は既に高齢者になっていますが、ほとんどは私たちの“寺子屋”学習会をいまでも記憶してくれているとのではないか思います。部屋の中の学習と庭に出たり川べりを歩いたり、動物や植物を採集したり、幼稚園の延長戦のようなことをたくさんしていました。
学生教師たち
私と下丸子のH君が発起して始めた教室でしたのでお父さん、お母さんたちとの接触を図りながらの基本方針は前述の通りでしたが、学生教師の人数が足りません。そこで徐々に理科系の大学生を増やしました。後に薬学研究者となったH 君の他に、医者になったZ君、農学部の先生となったM 君、S君、物理学者になったT君などが思い出されます。授業は基本的に「遊び」だったんです。難しく教えないことがモットーでした。
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