田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

経済って?

2021年12月13日 10時44分29秒 | 昭和の寺子屋、田園調布本町

おじいちゃん「戦前の歴史学を代表したある東大教授が、一学生から農業を卒業論文のテーマとしたいと相談された時こういった。“やめておきなさい、百姓に歴史がありますか、ブタに歴史がありますか”」まあちゃん「えっ?その先生はどんな人かしら?」おじいちゃん「もちろん本当にそう言ったかどうかはわからないけど、まことしやかに伝わっている逸話なんだ。その先生はね、万世一系の天皇が国を治めてきた、これが日本の国体だという学説を広めた人物と言われている。今でも根強い支持がある」まあちゃん「日本は天皇を中心とした神の国である、という例のあれね?」おじいちゃん「何を思おうが主張は自由だけどね。まあちゃんが経済学を学ぶのは、人間の生活と歴史を見て、この社会を発展させてきた人間の労働の姿に迫らなければね」まあちゃん「労働の姿?」おじいちゃん「人間は衣食住の3拍子で発展してきた」まあちゃん「一人ひとりの働きが組み合わさって」おじいちゃん「そう、人間社会は衣食住を作るのに自然と取引をする能力を獲得し発展したんただね。おそらく数万年、数十万年をかけて人間は「群れ」から「社会」を作った」まあちゃん「社会・・ですか。数十、数百万年まえに!お猿さんから分かれたのね?」おじいちゃん「これは想像だけど、人間は雨露や野獣を防ぐ『住』を工夫しやがて、農業を発見して集落を作り、『衣』も『食』も組織的労働で得やすくなった。」まあちゃん「みんなが力を出しあって社会を作った。でも農業はわずか1万年前からと聞いたわ」おじいちゃん「そうだ、農業が文明を作ったのだろうな。農業のない文明などはない。それは今もこれからも同じ」まあちゃん「百姓に歴史がありますか・・という先生の見解とはひどく違うわね」おじいちゃん「この先生は天皇が日本の文明を設計し、国を作ったという “学説”を歴史学にした。天皇主権の明治憲法もそうした逆立ちした考えを取り入れて生まれた。知識人はこれに眉をひそめたが多くの人は歴史を考えることを邪魔されてきた。経済学の基盤は科学なんだ。 “妖しい経済学”は農民には歴史がないとう戦前の“妖しい歴史学”と手を結んで繁殖してきた」まあちゃん「科学・・ですね。経済学も歴史学も」



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