秋は
さよならの声にとまどう
一本の木だった
小さな葉っぱは小さなさよならを
大きな葉っぱは大きなさよならを
掌のような葉っぱは
手を振りながら
さよならした
葉っぱの青空から
たくさんの風の声が降ってくる
木の耳を伝って
はるかな中空から地中へと
水がしたたる音もする
すっかり軽くなって
葉っぱは木ノ川を流れていく
物語の始まりは
小さな一本の木だった
大きな風の手で植えられた
小さな木だった
そして物語の終わりも
一本の木だった
ふたたび物語が始まる
その日まで
北風が語る夢のつづきを
木はじっと聞いている
さよならの声にとまどう
一本の木だった
小さな葉っぱは小さなさよならを
大きな葉っぱは大きなさよならを
掌のような葉っぱは
手を振りながら
さよならした
葉っぱの青空から
たくさんの風の声が降ってくる
木の耳を伝って
はるかな中空から地中へと
水がしたたる音もする
すっかり軽くなって
葉っぱは木ノ川を流れていく
物語の始まりは
小さな一本の木だった
大きな風の手で植えられた
小さな木だった
そして物語の終わりも
一本の木だった
ふたたび物語が始まる
その日まで
北風が語る夢のつづきを
木はじっと聞いている