風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

光の朝は光の虫をおって

2021年07月22日 | 「新エッセイ集2021」

 

あさ
ベランダの手すりに
きれいな虫が止まっていた
久しぶりのタマムシだ
あの法隆寺の玉虫厨子の玉虫だった
もう絶滅したのではないかと思っていた
それが光っている輝いている
カポックの葉っぱに止まらせて写真をとった
じゅうぶん撮ったところで
虫は翅をぱっと開いてすばやく飛び去った
この朝から
ずっとさぼっていたウオーキングを再開した
玉虫が集まるという榎のある公園をあるく
その木は大きくて空まで広がっている

 

 

 

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