山の上ホテル
潮時を知らぬわが手を滑り落ち
形見のグラス砕け散りたり 「晴詠」16号「冬あからさま」より
わが家にバカラのグラスがあって
立派な箱に入った頂き物であった
へぇバカラを贈り物に使うのか
住む世界が違う人だとすぐにわかった
ところが距離はどんどん縮まって
グリーンのグラスを時に取り出しては眺める暮らし
穏やかな緑の日日が遠ざかっていったある日
そのひとの意識はすでになかった
グリーンのグラスで水でも飲んでみたのだったか
大切にとっておこう 二度と使うまい 仕舞うとき
バカラが手から滑って落ちた そして砕けた
死にたくて死ぬ 生きたくて死ぬ
人間にはふたとおりの死があってそれしかない
潮時だったんだよ‥と言われた気がした
1/28(日)晴
今朝、工場へ来ると工場長が一人作業中。
私は明日の現場打合せの準備と工程表づくり。
成田空港に行かないといけないんだよ~。
それともろもろの書類を作る。
神田の山の上ホテルが2月13日をもって休業だそうで。
川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、伊集院静らの作家が
定宿としていたそうです。
芥川賞受賞後第一作はここで書くとか?聞いたことがある。
ボクはここで出版社の社長と打ち合わせをしたことがあるぞ。
カンヅメになりたかったわ~。
おしまい。