「負けっぷり悪く 最後まで粘れ」
胃を切る前の検査入院時に病院を抜け出して、伊勢へ会社の慰安旅行に行った。
父親の法事と偽って。
内緒のはずだったのに看護師(当時は看護婦さん)にバレた。
「どうせ胃を切り取ってしまうんだから、胃に悪いものでもなんでも腹いっぱい食べてきたらよかったのに・・・」。
皆がそう思うのはもっともなことだ。
しかし、手術を前にした者にとっては、たとえ腹を切られる瞬間までも、命を大切にして、なんとか無事に手術が終わってほしいと願うものある。
「これが現代」
人はいつも現在で評価されます。かつて何をしたかではなく、これから何をするかより、今何をしているかが常に周囲の関心ごとである。
その意味では、過去の栄光も、将来の希望も現在の充実に比べれば意味は小さい。
よき現代を持つことも無しに、よき過去もよき将来も存在もしないのである。
平成11年4月1日記