アメリカ国立がん研究所(NCI)の統計を見ると、前立腺がん死亡率(人口10万人あたりの年齢調整死亡率)は、白人で1992年から、黒人も1994年から、それぞれ減少に転じています。
特に黒人は劇的に減少していますが、その理由はあまり明確ではないようです。
1994年には、血液検査(PSA検査)による前立腺がん発見法がほぼ確立しており、このせいかとも思ったのですが、少なくともアメリカでは、このPSA検査では死亡率が低下しないという研究結果が出ているそうです。
(ただし、スウェーデンでは、PSA検査の有効性を認める研究結果が報告されているそうです)
そうなると別な原因があることになりますが、以前ご紹介したように、アメリカは1990年から「デザイナーフーズ計画」という国家プロジェクトを立ち上げ、がん予防に効果がある食品を調査しています。
そして、1991年からは「5 A Day」運動という、1日に5皿(350g)以上の野菜と200g以上の果物を食べるよう国民を啓蒙する活動を始めています。
この活動は、がんやその他の生活習慣病の予防が目的ですが、1992年ごろからアメリカのがん死亡率は全体的に減少し始めており、ひょっとすると食生活の改善が、がんの治癒や延命に効果があったのかもしれませんね。
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