がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

免疫療法

2011-06-17 23:31:14 | 健康・病気

がんを攻撃する手段として、人間に本来備わっている免疫力を利用するのが免疫療法です。

人間には、体内に侵入した病原菌などを排除する免疫機能が備わっていて、がん細胞が発生しても、通常はこれを免疫細胞が異物と認識して攻撃します。

しかし、がんを発症した人の体内を見ると、この免疫機能が十分に働かない「免疫抑制」という状態になっているそうです。

そこで、免疫力を高めるための様々な免疫療法が研究され、臨床に用いられています。

例えば、人工的に作った抗体を投与するモノクローナル抗体療法、抗原ペプチドを投与するペプチドワクチン療法、免疫物質を投与するサイトカイン療法、生体応答調節剤を投与するBRM療法などがあります。

しかし、がんの特効薬的な免疫療法はまだ存在しないようですし、一般的に高度な技術を駆使するものが多く、治療費が高いことが多いようです。

しかも、免疫抑制は、生命を維持する上で必然性があって生じている可能性もあるので、無理やり免疫力を高める前に、まずは生活習慣の見直しが不可欠ではないかと思います。

ところで、免疫療法と聞いて、最初に丸山ワクチンを思い浮かべた方も多いと思います。

丸山ワクチンは、もともと皮膚結核の特効薬だったそうですが、結核患者はほとんどがんにならないことから、がんの治療に用いられるようになったそうです。

しかし、なぜがんに効くのか、どんながんに効果があるのかが不明で、実際に効果がない場合も多いため、がんを専門とする医療機関ではあまり取り扱っていないようです。

ただ、末期のがん患者が丸山ワクチンで救われた例も少なからずあるようですし、副作用もほとんどなく、注射薬20アンプル(40日分)が9000円と安いので、治療法の選択肢に入れておいて損はないと思います。

特に、がんを自分で治す自信がない方で、1日おきに皮下注射をすることが苦痛でなければ、まず最初に試してみるべき治療法かもしれません。

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


分化誘導療法

2011-06-15 16:58:06 | 健康・病気

白血病には様々な種類がありますが、急性前骨髄球性白血病に関しては、レチノイン酸という薬がよく効くそうです。

レチノイン酸というのは、ビタミンA(レチノール)の誘導体(活性型ビタミンA)で、このレチノイン酸を服用するだけで、9割以上の患者が寛解(治癒ではなく、症状の解消)に至るそうです。

ここで少し、白血球の種類と白血病についてご説明しましょう。

白血球は、顆粒球、リンパ球、単球の3つに大きく分けられ、顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球に、リンパ球はB細胞・T細胞・NK細胞に、それぞれ分類されます。

なお、白血球の様々な細胞はそれぞれ役割が異なり、リンパ球のなかのNK細胞(ナチュラルキラー細胞)ががんを攻撃する主役です。

こういった白血球の様々な細胞は、基になる細胞(骨髄の造血幹細胞)が様々に分化し成熟することによって作られますが、この造血幹細胞の遺伝子に異常が起きて白血球の分化・成熟が止まり、白血球が未分化のまま増殖して骨髄や血液中に増加する病気が急性白血病です。

そして、前骨髄球というのは、造血幹細胞が好中球へと分化・成熟する過程の一段階で、ここで白血球の分化・成熟が止まったまま増殖するのが急性前骨髄球性白血病です。

ところで、レチノイン酸は、アメリカではシワやニキビの治療薬として、また、皮膚の若返り薬として使用されているそうです。

その効能は、表皮の細胞分裂を促進させることだそうで、つまり、細胞の分化・成熟を促す作用があるため、急性前骨髄球性白血病に効果があるようです。

このように、未分化のまま増殖を続けるがん細胞の分化・成熟を促す治療法を分化誘導療法といい、抗がん剤に比べて副作用が非常に少ないのが特徴です。

また、急性前骨髄球性白血病に限らず、がん細胞というものは基本的に未分化のまま増殖するそうなので、分化誘導療法の他のがんへの応用が期待されているようです。

素人考えで恐縮ですが、食事療法でがんが治るのも、ひょっとすると、体内の環境が改善されて、がん細胞の分化・成熟を促すスイッチが入るのかもしれません。

また、以前ご紹介したゲルソン療法では、人参ジュースを大量に飲むそうですが、人参にはβ-カロテン(ビタミンAの前駆体)が多く含まれているので、これもがん細胞の分化誘導と関連があるかもしれません。

なお、余談ですが、アメリカでは、レチノイン酸の一種のイソトレチノイン(商品名はアックテイン)が、よく効くニキビ治療薬として用いられているそうです。

しかし、ご存知の方も多いと思いますが、ビタミンAには催奇形性があり、妊娠中にビタミンAを多く含む野菜ジュースなどを大量に飲むことは、奇形児を生む危険を高めます。

このアックテインにも強力な催奇形性があることが分かっていて、「妊娠中は禁忌」という警告文をつけて販売されているそうですが、多数の若い女性に処方されたため、中には妊娠した人もいて、実際に38%という高い発生率で奇形児が生まれたそうです。

このため、この薬は日本では許可されていません。

もし、個人輸入でニキビ治療薬や若返り薬を購入する場合は、こういった点にもご注意ください。

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


分子標的薬

2011-06-13 17:11:02 | 健康・病気

最近は、抗がん剤による治療法も進歩して、分子標的薬とよばれる薬が多く使われるようになっています。

分子標的薬とは、がん細胞に特有の分子を見つけ出して、その分子の働きを阻害するように調整した薬のことで、これまでと比べて劇的な効果を発揮する場合もあるようです。

例えば、慢性骨髄性白血病には、イマニチブという分子標的薬がよく効きくそうです。(5年後の生存率は95%以上)

私の父は、肺に線がんが見つかり、それが手術できない位置にあったので、分子標的薬のイレッサを使って治療することになったのですが、その結果、がんがきれいに消滅し、副作用もなかったそうです。

しかし、だからといって、分子標的薬だけに頼るのは問題だと思います。

父の場合は、数年後に、がんが全身に転移しているのが見つかり、それから1年ちょっとで亡くなってしまいました。

まあ、ある程度の延命効果はあったのかもしれませんが、がんの原因を排除しない限り、がんの再発は防げないということだと思います。

以前、がんが生まれたのは「低体温・低酸素状態」という体内の過酷な状況下で細胞が生き延びるために適応した結果だという説をご紹介しました。

これが本当なら、がん細胞だけを敵視する治療法は間違っていることになります。

がんになったということは、これまでの人生が間違っていたということですから、まず最初に生活習慣をすべて見直してから、治療法を選択すべきでしょう。

また、分子標的薬治療を選択するにしても、まず「がん薬物療法専門医」という資格を持った人を主治医に選ぶべきです。

一般に、分子標的薬は正常細胞を傷つけないとされますが、それでもイマニチブに関しては、吐き気や下痢、肝臓や腎臓の機能低下といった副作用が報告されていますし、イレッサに関しては、死亡事故が多発して訴訟沙汰になっています。

くれぐれも、使用する分子標的薬の毒性や副作用について十分に説明を受け、その内容を自分なりに検証してから治療を受けるべきでしょう。

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


健康博覧会2011

2011-06-10 17:41:46 | 健康・病気

昨日は、東京ビッグサイトで開催されていた健康博覧会2011に行ってきました。

400社以上が出展していて、とてもすべてを見ることはできなかったのですが、全体の印象としては、健康食品系の会社が多かったように感じました。

そのなかで気になったのは、タヒボジャパン株式会社の健康茶「タヒボNFD」です。

タヒボというのは、南米のアマゾン川流域に生育するノウゼンカズラ科の樹木だそうで、その樹皮をお茶にして飲む習慣が古くからあったそうです。

タヒボは、20世紀になってブラジルの植物学者がその薬効を研究して有名になり、欧米では今でも抗がん食品として愛用されているようです。

5グラム×30包入りの製品が、定価2万円とちょっと高価ですが、それだけ自信があるということだと思いますので、お金に余裕があれば、ちょっと試してみたいと思いました。

その他に試食・試飲してみて印象が良かったものは、三健食品株式会社の「三健の黒にんにく」や、株式会社越後薬草の「野草酵素 萬葉」がありました。

また、株式会社クリアーは、自宅でラドン浴ができる設備を販売していました。

ラドンは気体の放射性物質ですが、低レベル放射線は健康にいいという「放射線ホルミシス効果」なるものがあるそうで、実際、ラドン温泉はがんの湯治客に人気があるようです。

しかし、本当に健康食品やラドン浴でがんが治るのなら、がん死亡者数はとっくに減少に転じているはずですから、あまり期待しすぎないほうがいいかもしれませんね。

面白いものとしては、「気」を発生する装置やプレートが展示されていたり、オーラを測定してくれるブースがあったりと、スピリチュアル系の事象をビジネスとして扱っている会社が何社かありました。

また、「気」が分かる人も来場しているようで、通りすがりのおじさんから「あんた、すごい気が出てるね」と声をかけられたのには驚きました。

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


紫外線の害

2011-06-07 15:45:20 | 健康・病気

生物学者のマーク・ラッペという人が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊)という本には、紫外線の害が分かりやすくまとめられているので、少しご紹介しましょう。

著者によると、日焼けは健康そうに見えますが、実は皮膚が損傷を受けたしるしにすぎないそうです。

太陽光にはさまざまな波長の光が含まれていますが、そのうちの波長の短い紫外線が肌を傷つけている犯人です。

紫外線は、その波長によってUVA(320~400ナノメートル)、UVB(290~320ナノメートル)、UVC(200~290ナノメートル)の3つに分けられます。

UVAを浴びると、数分以内に皮膚のメラニンが酸化され、黒く変色しますが、これは適応的な反応で、皮膚の防御体制が補強されたことを示すものです。

UVBは、大部分がオゾン層によって吸収され、地上に届くのは数パーセントだそうですが、UVBを浴びると、皮膚にはサンバーンとよばれる紅斑と、焼けるような感覚が生じます。

白人では、熱帯の直射日光を15分以上浴びるとサンバーンが生じるそうで、このようなサンバーンが何年にもわたって断続的にでも生じると、おおよそ15年後にはがん性の皮膚病変が生じるそうです。

UVCは最も危険ですが、通常はオゾン層によって吸収されるので地上には届きません。

近年、オゾン層の破壊が問題になっていますが、それは、オゾン層が破壊されるとUVCが地上に届くようになり、皮膚がんが発生する危険性が高まるからです。

しかし、紫外線によってがん細胞が生じても、免疫細胞によってがん細胞が破壊されれば何も問題がないように思われますが、実は、紫外線は免疫機能にも影響を与えるそうです。

すなわち、紫外線を1時間も照射すると、皮膚の免疫系は機能しなくなり、がん細胞は野放し状態になるため、皮膚がんが発生する危険性が高まるのだそうです。

なお、日焼けサロンなら管理されているから大丈夫だと思いがちですが、若いころ日焼けサロンに通っていた人に、中年になってから乳房や臀部など直射日光が当たらない部分にがん性の皮膚病変が生じた例もあるそうなので、日焼けサロンもできるだけ避けた方がよさそうです。

また、最近は日焼けどめクリームが売られていますが、これを過信するのは禁物で、動物実験によると、日焼けどめクリームを塗っても、紫外線による悪性黒色腫の発生を防げないそうです。

ところで、これは余談ですが、ほとんど太陽光を浴びずに生きてきた人の肌は、70歳を超えても非常に若々しいそうです。

つまり、皮膚にシワがより、弾力がなくなるのは、老化のせいではなく、太陽光を浴びすぎたのが原因だそうです。

ただし、まったく太陽光を浴びないのも問題があるようです。

年をとると骨が弱くなるのは、外出が減って太陽光を浴びる時間が少なくなり、同時に小腸によるカルシウムの吸収や皮膚のビタミンDの合成能力が低下するためだそうです。

また、太陽光は、睡眠と覚醒のサイクルを調節するのにも必要不可欠で、一日一回は太陽光を浴びることで生活のリズムを正しく保つことができるそうです。

したがって、私は1日30分程度の日光浴や散歩はむしろ必要だと思います。紫外線が気になる夏場は、日傘などで光量を調節すればよいのではないでしょうか?

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村