「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

スピーチ活動を楽しむ

2008-09-23 19:12:51 | スピーキング
はたと気がつけば、エントリーの多くが受験指導と研修の感想になっている。少し前向き、あるいは英語教育らしい書き込みを・・・ということで、昨年行ったスピーチ指導から感じたことを箇条書き的に。

1 コミュニケーション活動はプロセスで力がつく。
 例えばスピーチをさせるときには実際のスピーチというよりも、スクリプトを書かせたり、デリバリーの練習をさせたりするときに力がつくのではないか。試合だけでは力はつかないというのはスポーツと同じ。
 予め用意した題材をもとに話をさせることにより、即興的なコミュニケーションの力を直接育むことはできないかもしれないが、それを可能にするための手数を増やす下地になるのは間違いない。

2 短めの活動を何度もさせる。
生徒は友人の活動を見て刺激を受け、次回はもっとうまくやりたいと感じてくれる。大きなプロジェクトを数少なく行うよりも、短い時間でできる小さな活動をいくつも投入した方が効果的である。

3 ファストラーナーをしっかり育てる。
 生徒の中には音読がうまい生徒や、コミュニケーション能力の高い生徒が必ず何人かいる。浮きこぼれ感を感じさせずに、その力をクラスの前で披露できる環境を作ることが大切。彼らを少数派のままにしておかず、徐々に輪を広げる仕掛けが必要。また、ファストラーナーを褒めるときは慎重に。クラス全体の前で褒めると逆効果になることがある。

4 スピーチをしやすくするための雰囲気を作る工夫をする。
・指導者がお手本を見せる。ただし、あまり上手にやっては意味がない。自分にもできそうだと感じさせるのがよい手本。
・スピーチ大会をするときにはクラス全員を輪の形で座らせ、自分の席の前に立ってスピーチをさせる。教室の前まで出て行く時間が節約できるし緊張感も減らせる。
・スピーチの後には、予め用意した自分のスピーチに関する質問を2つ級友に問いかける。男女一名ずつ指名して質問に答えさせる。このときに質問に答えられないのは自分の責任だとスピーチをしたものの多くが分かっているのに気づいたのだ。

2年生の皆さん、重ね重ね途中で一旦お別れすることになり申し訳ない。来年、より楽しい授業を皆さんと体験したいと切に願っています。

沈黙は金

2008-08-15 16:27:58 | スピーキング
体調はすっかり戻っているものの、思うところあって思うところを思うままに書くのは抑えている。ただ、それなりにアンテナは伸ばしているつもりなので、夏休みといえども感じることは結構あったりする。なんだか訳が分からないが、かなり前からの疑問を一つ。畑中豊先生の「英語授業マネジメント・ハンドブック」を読んでいて思い出したのだ。

ローマ字表記の話で、タ行にはchiやtsuなどがある。その他にもザ行ではziではなくjiであったりする。こういったところは普通に理解できる。自分が納得できないのはカ行である。以前に日本語教育を専門とする先生に聞いてみたこともあるが、納得のいく説明は得られなかった。

カ行は普通、ka、ki、ku、ke、koで表記され、無声軟口蓋破裂音などと呼ばれる。ただし、キだけは、調音点が他のカ行音より前方になり硬口蓋化するため後部硬口蓋になると説明されるようだ。これに納得がいかない。ケもキと同様ではないのか?

例えば「ka」と同じ調音法でカ行を発音してみると、例えば「カ」「クィ」「ク」「クェ」「コ」のようになるのではないのだろうか。逆に、「キ」と同じ調音法でカ行を発音してみると、「キャ」「キ」「キュ」「ケ」「キョ」のようになると自分には感じられるのだ。

理論上それは間違っているというような答えを聞いて苦笑するしかなかったが、私の咽の感覚はおそらく他の人とは違っているのだろう。(ちなみに、私はOKを発音する時には「クェ」の方を使います)