「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

地元大学英語教育研究会

2013-12-08 19:14:23 | 研修
昨日は地元大学の研究会に参加。20周年記念大会ということで、通常の研究発表に加え、広大の山田先生、学芸大附属の小菅先生のご講演・ワークショップなど盛りだくさん。お二方ともお話を拝聴するのは初めてで貴重な経験となった。特に、山田先生のお話は耳にしたことのないことばかりで非常に興味深かった。中身についてはもう少し寝かせてから触れることにします。

と言いつつ、今回の大きな目的は、ある中学校の校長先生にお会いすること。来年度以降の高英研理事長引き受けに関連して大きな動きがあり、その件でお世話になることになるので、ご挨拶に上がったのだ。普通は、管理職になると学校経営のほうばかりで教科教育から一歩ひいた立場をとられる方が多い中、発表者として参加されるということで本当に頭が下がります。

実は、今回のご発表に関する調査を現役教員へのアンケートという形で先に実施されており、それに私も参加していたのです。テクストの結束性・一貫性に対する学習者の気付きがどうであるかというもので、正直なところ中学生レベルにはきついかなと思っていたが、予想以上に面白い意見が多数集められ非常に有意義だった。

ディスコース・アナリシスは以前と変わらぬ注目を保ち続けてきたわけではないかもしれないが、内容・論理性が求められる時代の到来とともに、特に表現の指導において体系的な指導を構築する上でのカギとなるはずだ。

紋切り型の主張文をただフォーマットに当て嵌めて書かせるだけでなく、様々なパターンの流れ、つながり、まとまりのある文を提示し、それに倣ってコンパクトなパッセージを書かせ、作品を内容の面から相互評価させるという学習活動をシリーズで行うことが一つのゴールになりそうである。

にほんブログ村 教育ブログ 英語科教育へ



協調学習2・・・そんな甘いもんではないのだよ

2013-12-03 20:16:59 | 研修
協調学習校内研修の続き、後半はワークショップ形式で。

雲はなぜできるのかというお題が与えられ、まずは、それに関するいくつかの基本的な仕組みに関する知識を、分割されたエキスパート・グループ内でシェア。私のグループは空気の垂直方向の移動の仕組みというテーマでノルマ知識を学習。その後、新グループで異なる分野の知識を持ち寄り、それを統合して雲ができる仕組み全体を解明するというわけ。

グループワークを体験しながら初めに考えたのは、複雑で紛らわしい課題を、独立した分かりやすい別々のパーツに分けてそのパーツ一つのみを理解し、色々なパーツの持ち主が集まって意見交換することによって問題を解決するという手法。例えば、英文法の準動詞の分野に分類される問題に、分詞、不定詞、動名詞のエキスパート知識を持つものが集まったグループで取り組み、その過程で必要に応じてそれぞれのエキスパート知識を持つ者が解説するというもの。

しかし、より深く考えるにつれ、この手法で準動詞のグループ学習を行うのはあまりよさそうではないことが分かってきた。なぜなら、すべてがすでに分かってしまっているファストラーナーには茶番に見えてしまうだけだからだ。

課題の設定レベルが低い場合、指導者がそれをさらに細分化することは、できる学習者にとっては、まどろっこしいだけだ。だから、教科書を読めばわかる程度の課題では、この手法の真価は発揮されそうにない。このことは、グループワークで長い文章を手分けして訳し、それをシェアするのが協同学習にならないのと同様である。

おそらくキーになるのは「角度の違い」であり「重なり」であろう。つまり、色々な角度から撮った写真から立体を再構築するようなイメージ、あるいは、0.1を10個集めて1にするのではなく、1を10個集めてより本質的な1の姿を探るということなのかもしれない。

にほんブログ村 教育ブログ 英語科教育へ