90年代後半、私は「英語で授業」に傾倒していた。思い出せば笑ってしまうが、文法を英語で教えたらイマージョンもどきにならないかと考えていた時期さえあった。
教科書の内容を英語で確認する手順は、徐々にではあったが確実に進歩もあった。パラグラフごとに聴解+黙読をしたあとに行うこと、教科書科書を伏せさせて説明でなくインタラクションによって行うこと、絵やカードを活用すること、新出語句をフラッシュカードで定着させてから内容確認に入ることなど、小さなバージョンアップを積み重ねた。
しかし、Input重視の授業にはやはり限界があった。目に見える形での成果がなかなか現れない。定期テスト、実力テストの成績も芳しくない。生徒の中には英語による授業に強い拒否反応を示すものもいる。
おそらく、オールイングリッシュの授業を展開する指導者には、程度の差はあれ同様の問題があっただろうと思われる。これは、私と私の同僚に限ったことではない。校長からオールイングリッシュの授業を止めなさいという「指導」を受けたという話はざらにあったから。
考えてみれば滑稽な話だ。中央研修での「英語で授業をしないのは実力がないからだ」という言葉に挑発されて、もとい、奮い立たされて、それに応えるべく英語で授業をしたはずなのに、その研修に送り出した側からお叱りを受けるとは。
生徒の不満は親に伝わり、親が改善を求めるのは極めて自然なことだろうから、校長の言い分も分からぬではない。
ただ、一つ言えることは、オールイングリッシュで授業を運営することは、極めて大きな変化であり、それが受け入れられ、定着し、改善され、効果が上がるまでには相当な時間と労力(とお金)が(教える方にも学ぶ方にも)かかるということだろう。その覚悟は現在のオールイングリッシュ論の中にあるだろうか。
話がそれたので、元に戻す。
多くの実践者は、オールイングリッシュによる英語シャワーは、少なくともそれだけでは上手くいかないという実感を持つようになった。そして、新たな救いを求めるようになった。
時を同じくして、クラッシェンに対する批判も多くなった。スウェインのOutput仮説も裏返せば、クラッシェンの言うとおりには行かないよということだ。
「第3回山口県英語教育フォーラム」
今こそ、豊かな「ことば」の生きる教室を求めて ~ ことばへの気づき、学びへの気づき
・開催日時:2010年10月23日(土)
10時00分から17時30分頃 (受付開始 9時30分~)
・開催場所:パルトピアやまぐち(財団法人 防長青年館)
・所在地:山口市神田町1-80(TEL:083-923-6088)
・主催: 長州英語指導研究会
・協賛: 山口県鴻城高等学校、ベネッセコーポレーション
主な内容:
I.柳瀬和明 先生 ご講演 (10:10-12:00)
初級から中級への「壁」を考える ─ 話題の「広がり」と「深み」という視点から
II.大津由紀雄 先生 ご講演 (13:00-14:50)
「母語起着点、ことばへの気づき経由、外国語周遊券」のお勧め
III. 加藤京子 先生 ご講演 (15:10-17:00)
「言葉として英語を教える」- 中学英語と侮るなかれ -
今年こそ、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
教科書の内容を英語で確認する手順は、徐々にではあったが確実に進歩もあった。パラグラフごとに聴解+黙読をしたあとに行うこと、教科書科書を伏せさせて説明でなくインタラクションによって行うこと、絵やカードを活用すること、新出語句をフラッシュカードで定着させてから内容確認に入ることなど、小さなバージョンアップを積み重ねた。
しかし、Input重視の授業にはやはり限界があった。目に見える形での成果がなかなか現れない。定期テスト、実力テストの成績も芳しくない。生徒の中には英語による授業に強い拒否反応を示すものもいる。
おそらく、オールイングリッシュの授業を展開する指導者には、程度の差はあれ同様の問題があっただろうと思われる。これは、私と私の同僚に限ったことではない。校長からオールイングリッシュの授業を止めなさいという「指導」を受けたという話はざらにあったから。
考えてみれば滑稽な話だ。中央研修での「英語で授業をしないのは実力がないからだ」という言葉に挑発されて、もとい、奮い立たされて、それに応えるべく英語で授業をしたはずなのに、その研修に送り出した側からお叱りを受けるとは。
生徒の不満は親に伝わり、親が改善を求めるのは極めて自然なことだろうから、校長の言い分も分からぬではない。
ただ、一つ言えることは、オールイングリッシュで授業を運営することは、極めて大きな変化であり、それが受け入れられ、定着し、改善され、効果が上がるまでには相当な時間と労力(とお金)が(教える方にも学ぶ方にも)かかるということだろう。その覚悟は現在のオールイングリッシュ論の中にあるだろうか。
話がそれたので、元に戻す。
多くの実践者は、オールイングリッシュによる英語シャワーは、少なくともそれだけでは上手くいかないという実感を持つようになった。そして、新たな救いを求めるようになった。
時を同じくして、クラッシェンに対する批判も多くなった。スウェインのOutput仮説も裏返せば、クラッシェンの言うとおりには行かないよということだ。
「第3回山口県英語教育フォーラム」
今こそ、豊かな「ことば」の生きる教室を求めて ~ ことばへの気づき、学びへの気づき
・開催日時:2010年10月23日(土)
10時00分から17時30分頃 (受付開始 9時30分~)
・開催場所:パルトピアやまぐち(財団法人 防長青年館)
・所在地:山口市神田町1-80(TEL:083-923-6088)
・主催: 長州英語指導研究会
・協賛: 山口県鴻城高等学校、ベネッセコーポレーション
主な内容:
I.柳瀬和明 先生 ご講演 (10:10-12:00)
初級から中級への「壁」を考える ─ 話題の「広がり」と「深み」という視点から
II.大津由紀雄 先生 ご講演 (13:00-14:50)
「母語起着点、ことばへの気づき経由、外国語周遊券」のお勧め
III. 加藤京子 先生 ご講演 (15:10-17:00)
「言葉として英語を教える」- 中学英語と侮るなかれ -
今年こそ、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。