河北新報より転載
元幹部に実刑判決 岩手・山田NPO横領
岩手県山田町から緊急雇用創出事業を受託したNPO法人「大雪りばぁねっと。」(北海道旭川市、破産手続き中)の元代表と共謀し、事業費で私的にマンションを購入したとして業務上横領罪に問われた元幹部橋川大輔被告(35)=千葉県市川市=に盛岡地裁は4日、懲役2年4月(求刑懲役3年6月)の判決を言い渡した。被告側は「判決内容は納得できない」として即日控訴した。
岡田健彦裁判長は、元代表の岡田栄悟被告(35)=旭川市、同罪で公判中=の指示の下で「犯行の重要な役割を積極的に担った」と指摘した。
橋川被告の共謀共同正犯が成立すると判断。「(岡田被告に)従属的立場だった」として、岡田被告が犯行を主導したことを事実上認定した。
弁護側は「事業費を流用したという認識はなかった」と無罪を主張したが、判決は「(橋川被告は)岡田被告が個人の支払いを事業費で立て替えて多額の使途不明の支出を計上していたことを知っていた」と示し「事業費の流用に思いが至らなかったとは考え難い」として退けた。
判決によると、橋川被告は岡田被告と共謀し、営業実態のないリース会社(旭川市)に送金した2012年度の事業費3000万円で、岡田被告が購入した同市のマンションの代金を支払った。一連の事件で実刑判決が出たのは3人目。
2014年11月05日水曜日