NHK 転載
川内原発再稼働 鹿児島県知事が同意
原子力発電所の新しい規制基準に初めて適合しているとされた鹿児島県の川内原発の再稼働について、伊藤知事は7日、「やむを得ないと判断した」と述べて、再稼働に同意する考えを示しました。
すでに立地自治体の薩摩川内市が同意しており、原発事故のあとに作られた新しい規制基準に適合しているとされた原発の再稼働に立地自治体と県が同意をしたのはこれが初めてです。
鹿児島県の伊藤知事は7日午後2時半から県庁で記者会見を開き、「川内原発1号機、2号機の再稼働についてはやむを得ないと判断した」と述べて、再稼働に同意する考えを示しました。
また、国に対し、再稼働後の川内原発の監視体制を強化し安全確保を図ることや避難計画のさらなる充実のための支援や確認を継続することなどを求めました。
川内原発を巡って、原子力規制委員会はことし9月、九州電力の安全対策が新しい規制基準に適合していると判断し、地元の薩摩川内市は先月28日、再稼働に同意することを決めました。
また、鹿児島県議会も7日の本会議で、再稼働を求める市民団体からの陳情を最大会派の自民党と公明党などの賛成多数で採択し、議会として川内原発の再稼働に同意しました。
原発事故のあとに作られた新しい規制基準に適合しているとされた原発の再稼働に立地自治体と県が同意をしたのはこれが初めてです。
ただ、再稼働の時期は原子力規制委員会による認可や新しい設備の検査といった手続きが残されているため、年明け以降になる見通しです。
これに関連して鹿児島県議会は7日の本会議で、「再稼働に向けた国の関与は十分と言えず、地元自治体は極めて困難かつ多大な負担を余儀なくされている」としたうえで、国に対し原子力発電所の安全性や再稼働の判断について国が前面に立って明確かつ丁寧な説明を行い理解を得るよう求める意見書を賛成多数で可決しています。
九電「大変重く受け止める」
九州電力は「鹿児島県知事と県議会の判断を大変重く受け止めています。原子力の安全性に対する責任を持つ事業者として、福島第一原発の事故から得られた教訓を踏まえ、新規制基準などの法令を順守することはもとより、今後とも自主的かつ継続的に安全性の向上に取り組んでまいります」とするコメントを出しました。