毎日新聞より転載
中年男性:低所得者ほど通院控え入院増 千葉大調査
毎日新聞 2015年11月17日 15時00分(最終更新 11月17日 16時01分)
働き盛りの中年男性は、低所得者ほど医療機関に入院する割合が高くなるとの研究結果を、千葉大の研究チームが日本公衆衛生学会で発表した。治療費の節約で日ごろの通院を控えた結果、逆に健康を悪化させているとみられ、所得による「健康格差」の一端が浮かび上がった。
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藤田美鈴・千葉大助教(疫学)は「自分の健康状態を顧みず、仕事を頑張りすぎている恐れがある。重症化すれば医療費の負担も大きくなるため、早めの受診を促す必要がある」と指摘する。
チームは、関東地方のある自治体が管理する2012年4月から1年間の所得と診療報酬明細書(レセプト)のデータ22万8041人分を使用。男女別に年齢を0〜15歳▽16〜39歳▽40〜59歳▽60〜74歳--の四つに分け、医療機関での外来、入院割合と所得との関係を分析した。
その結果、性別に関係なく、全ての年齢層で所得が低くなると外来での受診割合が低下した。一方、40〜59歳の中年男性は、低所得ほど入院する割合が上昇。401万円以上の所得があると3.9%だった入院割合が、無所得だと5.6%にまで増えた。
性別の比較では、男性は外来での受診割合が女性に比べて軒並み低くなる一方で、60〜74歳の高齢者になると入院割合が所得に応じて2.7〜5.2%も女性より高かった。健康に関心が低い人は、高齢になって病気で入院する可能性が高くなるとみられ、藤田助教は「男性の方が女性より健康への関心が低いことの表れではないか」と話す。【河内敏康】
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毎日新聞 2015年11月17日 15時00分(最終更新 11月17日 16時01分)
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その結果、性別に関係なく、全ての年齢層で所得が低くなると外来での受診割合が低下した。一方、40〜59歳の中年男性は、低所得ほど入院する割合が上昇。401万円以上の所得があると3.9%だった入院割合が、無所得だと5.6%にまで増えた。
性別の比較では、男性は外来での受診割合が女性に比べて軒並み低くなる一方で、60〜74歳の高齢者になると入院割合が所得に応じて2.7〜5.2%も女性より高かった。健康に関心が低い人は、高齢になって病気で入院する可能性が高くなるとみられ、藤田助教は「男性の方が女性より健康への関心が低いことの表れではないか」と話す。【河内敏康】