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シリア:人影絶えた第3の都市ホムス旧市街 無数の弾痕

2015-11-26 21:32:35 | 戦争立法
毎日新聞より転載


シリア:人影絶えた第3の都市ホムス旧市街 無数の弾痕

毎日新聞 2015年11月26日 19時10分(最終更新 11月26日 20時53分)




シリア中部ホムスで、内戦で破壊された旧市街の商店街。内戦前は小売店が軒を連ねていた=2015年11月24日午前、秋山信一撮影

【ホムス(シリア中部)秋山信一】2014年5月まで反体制派の拠点だったシリア第3の都市ホムス旧市街に入った。住宅や商店、モスク(イスラム礼拝所)など、あらゆる建物に無数の弾痕が残り、空爆を受けた建物は屋根がひしゃげていた。ホムスを舞台に激戦を繰り広げたアサド政権軍と反体制派は14年に停戦合意。戦闘は収まったが、1年半以上たった今も生々しく残る傷痕が、再建への道のりの険しさを物語っていた。

 24日朝、ホムス中心街では、仕事や学校に向かう市民が行き交っていた。内戦下とは思えないほど穏やかな風景は、車で5分ほど走ると一変した。屋根が崩れ、コンクリートむき出しの中層ビル群--。旧市街に人影はない。

 11年3月に民主化要求運動「アラブの春」に触発されたデモが始まる前、旧市街には2000以上の商店が軒を連ねていた。だが、政権の武力弾圧に反発する反体制派が11年秋ごろ、一帯を軍事拠点化。商品は略奪され、建物も軍事用に改変された。さらにアサド政権の空爆や砲撃で、建物自体も大きな被害を受けた。

 商店のシャッターには必ずといっていいほど弾痕が残る。店内の壁には狙撃や移動用の穴が作られ、室内には人さし指大の薬きょうや手投げ弾の破片が散らばっていた。入り組んだ路地には、政府軍の狙撃を避けるための地下通路も張り巡らされていた。

 「拷問や処刑に使用された部屋だ」。同行したアサド政権の情報省職員が指し示した。壁や床には血痕のようなものがべったりと残る。壁から30センチほどの棒が突き出ており手錠として使われたとみられる金属製の輪が二つぶら下がっていた。シリアでは政府軍側も、反体制派に対する処刑や拷問を行ったと非難されている。

 ホムスを包囲した政権側は物資や電気の供給路を断ち、疲弊した反体制派側が折れる形で14年に停戦が成立。反体制派は域外に撤収し、政権側が支配権を取り戻した。

 だが、各地で続く内戦への対応に追われる政府に、ホムスの再建を推進する余裕はない。旧市街には反体制派が残した政権批判の落書きさえ、そのまま残されている。商店主の大半も国内外に避難したままだ。

 旧市街にいたのは外部に住む人間ばかりだった。ダマスカス在住で、旧市街の商店主から復旧を頼まれたという建築デザイナーのサメル・ワルダさん(52)は「物価高騰の影響で資材を集めるのも一苦労だ」と話した。

 ホムス郊外では今も政権側と反体制派の戦闘が続き、9月以降は政権を支援するロシア軍の空爆も加わった。「一番苦痛を受けるのは市民だ。戦争はもうたくさんだ」。ホムスの別の地区に住み、旧市街でがれきになった商店を片付けていた建設作業員のターレク・アブドさん(33)が小さく首を振った。

 ◇シリア内戦

 中東の民主化要求運動「アラブの春」に触発されて2011年に始まった反体制デモをアサド政権が徹底弾圧し、反体制派側との内戦に突入した。隣国イラクで勢力を伸ばした過激派組織「イスラム国」(IS)が混乱に乗じてシリア国内に侵入し、情勢が複雑化。米国などが昨年からIS拠点への空爆を開始し、ロシアも9月末から空爆に踏み切った。一部地域は停戦したが、国土の大部分で戦闘が続く。国連によると、内戦で25万人以上が死亡、人口約2200万人のうち約1200万人が家を追われ、約430万人が難民となっている。

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疑惑の島尻大臣を告発…始まった安保法賛成議員「落選運動」

2015-11-26 10:55:16 | 政治
日刊ゲンダイより転載

疑惑の島尻大臣を告発…始まった安保法賛成議員「落選運動」
• 2015年11月26日

 安保法賛成議員の「落選運動」がいよいよ始まった。島尻安伊子・沖縄北方担当相関連の自民党支部が借入金の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった上、自身の名前や顔写真入りのカレンダーを無償配布していたのは政治資金規正法や公選法に違反する疑いがあるとして、市民団体が24日、那覇地検に告発状を送った。

 市民団体は、戦争法に賛成した国会議員の落選を目的に今月結成された「安保関連法賛成議員の落選運動を支援する弁護士・研究者の会」(落選運動を支援する会)。議員の関連政治団体や資金管理団体のカネの流れを徹底的に調べ、違法の疑いがあれば刑事告発する方針を示している。島尻大臣はその「第1号」だ。

 告発状によると、島尻大臣が代表を務める「自民党沖縄県参議院選挙区第2支部」は2011年に計9回、総額650万円を島尻大臣本人から借り入れたとの記載がある。ところが、その後、返済の記載は見られず、政治資金規正法で義務付けられた資産の欄にも記載がなかった。さらに12年も計4回、総額400万円を島尻大臣から借り入れたのに、翌13年の報告書を見ても返済の記載がなかった。

 12年12月の第2次安倍内閣発足で内閣府政務官に就任した際の資産公開で、島尻大臣は貸付金を「ゼロ」と報告している。これが事実なら、少なくとも総額1050万円のカネが「消えた」ことになる。島尻大臣が債務免除したのか、実は全額返済されていたのか。それとも貸付金の本当の原資は島尻大臣じゃなかったのか。カネの出入りがサッパリ分からない。出と入りのツジツマが合わない記載がOKならば、収支報告書の意味がなくなる。

 市民団体はまた、12年12月~15年10月ごろにかけて、「参議院議員 島尻あい子」と印刷された顔写真入りのカレンダーを選挙区内で配ったことが「寄付」に該当し、公選法違反と指摘している。告発状に対し、島尻大臣は「単純な記載ミスがあり、申し訳ない。監督責任を果たしたい」と釈明しているが、ミスで済む問題ではないだろう。


「島尻大臣は(違憲の)安保法制に賛成したばかりでなく、米軍普天間基地の県外移設を訴えながら反故にした公約違反の政治家です。そして、今回、1000万円を超える政治資金が消えていることが分かりました。これは極めて悪質と判断し、会として第1号の告発に踏み切りました」(告発人に名を連ねる上脇博之・神戸学院大教授)

 落選運動を支援する会の取り組みは始まったばかり。島尻大臣以外の国会議員もよ~くクビを洗って待っていた方がいい。

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