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二度目の候補地<指定廃棄物の行方> 環境省、抗議よそに3度目のDM

2015-12-17 10:40:53 | 原発
東京新聞より転載

二度目の候補地<指定廃棄物の行方> 環境省、抗議よそに3度目のDM

2015年12月15日

 高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)候補地がある塩谷町の全世帯に、環境省が処分場計画への理解を求める三度目のダイレクトメール(DM)を送ったことが、町への取材で分かった。国の手紙は九、十月にも届き、塩谷町側が再三抗議していた。町は候補地を「返上」したと議論に応じない考えだが、国は淡々と接触を続けることで、計画を推進する姿勢を印象づけようとしている。 (大野暢子)
 環境省によると、手紙は十一日付で、約四千世帯に送った。担当者は「九月に送った最初の手紙で質問や意見を募ったところ、約九百通の返信があった。町からも抗議を含む意見が寄せられたため、丁寧に回答している段階だ」とした。
 文面は、住民から寄せられた声に答える一問一答の形式。国が目指している候補地の詳細調査を「施設の建設を前提とした調査なのか」とただす意見を紹介し、「あらかじめ建設することを決めた上で実施するのではない」と回答した。調査の目的は地質や地盤、降雨時の影響の解析で、国の有識者会議が安全上の問題がないか評価した後、国が建設の可否を判断するとした。
 候補地から約四キロの距離にある名水百選の「尚仁沢(しょうじんざわ)湧水」への影響を心配する意見も紹介し、「水の流入や排水がない、二重のコンクリートで囲んだ堅固な構造」と施設の安全性を強調。湧水と候補地の間には尾根があり、流域が違うとして、「影響は考えられない」と結論づけた。
 国からの手紙にたびたび抗議してきた塩谷町の見形和久町長は七日、井上信治環境副大臣に候補地選定の「返上」を明言。しかし、井上氏は「詳細調査についての地元説明会を催せるまで続けたい」と、町との対話を模索し続けている。
 三通目の手紙を受け、塩谷町の担当者は「既に候補地を返上したのに、多額の税金を使って手紙を送る必要があるとは思えない」とした。

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