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今夜もdon quixote 2019




英国ロイヤル・バレエで公演中の『ドン・キホーテ』を見るためにベルギーから飛ぶように帰ってきた。

主役の二人がMarianela Nunez(キトリ)とVadim Muntagirov(バジリオ)だから...


書き進める前にちょっと立ち止まってみると、2013年の公演時にも書いたが、わたしはこのカルロス・アコスタ版『ドン・キホーテ』があまり好きではない。

例によってロイヤル・バレエ色が強く、つまり全部説明しすぎが少々煩いと思うのだ。


しかしこのバレエの核は、筋がどうだ、役柄がどうだ、語り口がああだこうだというよりも、音楽が鳴ったら踊りたくなるでしょう?! という感じの直接的な喜びにあふれている。

しかもMarianela NunezとVadim Muntagirovが踊るならば...彼らのパートナーシップを見るためならば、わたしはたとえどこからだってロンドンへ帰ってくるだろう!    


もし、わたしが先週のオープニング・ナイトを見ていなかったとしたら、今夜最高だったと感想を書いただろうと確信しているが、オープニング・ナイトの出来(特に第3幕のパ・ド・ドゥ)があまりにも神がかっていたので...いやいや、それでも最高だった。

マリアネラの踊りは、ごく平均的なプロ・ダンサーの立場がないだろうと思うほど、他とは全然違う。

普段はマリアネラから目が離せないのに、今夜は不覚にもモンタギロフから目が離せなかった...彼にはそういう華があり、もちろんバレエダンサーとしてのすべてが備わっている(あの首の長さよ!)。
ロシアバレエと英国バレエの昇華。美しい。


プリンス・オブ・ウェールズとコーンウォル侯爵夫人(チャールズ皇太子とカミラ夫人ね)がご臨席で、まわりの英国人マダムらは色めき立っていた。
暗くなってからロイヤル・ボックスに入り、カーテンコールでも一番最後まで丁寧に拍手しておられた。
わたしの隣のご婦人は「先週も来てたわよ」と。
ならきっと大ファンなんでしょうね...



(写真はROHから拝借。Andrej Uspenski)
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