青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

なぜ増える?~スポーツマンの犯罪と自動車事故

2020-11-03 | 今を考える

ハンドボール元日本代表の宮崎大輔容疑者が逮捕されました。スノーボードの五輪メダリスト・平岡卓がひき逃げで有罪になりました。中学校の柔道部顧問で、中学校教諭・上野宝博容疑者は、中学1年生の男子生徒2人に暴行を加えて背骨を折るなどの重軽傷を負わせ、逮捕されました。この事件では、容疑者の名前が伏せられているマスコミ報道も多く、その報道姿勢には疑問を持ちます。逆に法律違反ではない、某水泳選手の不倫には、プライバシーにまで踏み込んで過熱報道を行う。マスコミの報道姿勢は、本当に疑問だらけです。

いわゆるスポーツマンは昔から美化されて来ましたし、体育会系は時には馬鹿にされたりもしますが、概ね社会で活躍する優秀な人材が多いと、僕は考えています。でも、それも今は昔・・・。最近はスポーツをする人が犯罪を犯すことが多く、スポーツマンの社会的立場を危うくさせています

本来、厳しいトレーニングを自分に課し、精神的にも肉体的にも鍛えられた人間は、目標達成への努力の継続方法や大切さを知っているだけではなく、何より心や身体の痛みについても熟知しています。だから、人に無益な痛みを与えることを慎むのが当然だし、それが出来るのです。それが全く逆。人を大切にすることを忘れ、自分の有り余る力にモノを言わせたり、恥ずべき行為をする。

こういう人は、そもそもルールを守るということを知らないのではないか?勝つためには何をやっても良いという考えの下で、スポーツに励んで来たのでしょう。また、スポーツの成績だけで「ちやほや」されて来たために、社交性にも欠けている。自分が1番エライと錯覚している人も多い。どうしてこんなことになったのか?それはスポーツの練習の在り方が、変わってしまった為ではないでしょうか?

昔は「褒めて伸ばす」なんてことはありませんでした。教えたことは出来て当たり前。それだけ教える方も必死ですから。教えてもらったことに、更に自分で創意工夫を重ね、その以上の結果を求めるのは普通でした。やれと言われたことは、やるのが当たり前なのに、そこで褒めるという育て方が違うと僕は考えています。その上、効率ばかりを求めてしまう鍛え方にも問題が山積しています。

うさぎ跳びやスクワットなどの地道な基礎トレーニングは、全て「膝に悪い」ということで廃止!同じように回数をこなすようなトレーニングは、非効率的だと嫌われます。

しかし、こういうトレーニングこそが身体ではなく、心を鍛え育ててくれるのです。苦しみに打ち克つこと、耐えるということを教えてくれるのです。だから、ここ一番に強い人間を作りました。ところがこういう運動は、古臭いと言われ、昔からあるいろいろなトレーニング方法には、常に「なぜそれをやる必要があるのか?」という問いかけばかりがされるようになりました。結果、苦しい事=心を鍛えることが忘れられ、身体的能力を高めることばかりが良しとされるようになりました。スポーツマン精神など、どこへやらです。

ただ、競技で勝つことだけを求め、人間形成を考えない。そういう社会の風潮が変なのです。スノーボードを楽しまれている方には申し訳ありませんが、逮捕されたメダリスト、日頃の態度がまるでなっていませんでした。ああいう人間に税金を投入し、ただメダルを獲ることで業界の利益を上げようとするから、ろくでもない人間が集まる!

精神性や、普通に暮らしている人と同じような常識を持ち合わせていない人を、一芸に秀でているだけでチヤホヤするのは、もうそろそろ止めるべき時代ではないでしょうか?スポーツだけではなく、勉強でもそうです。そうでないと、心の歪んだ人間ばかりが増えてしまいます。能力は大切ですが、精神性も持たせないと、エンジン性能だけは向上しても、ブレーキの付いていない自動車を大量生産しているのと同じです。

そう、自動車はオートマック車になり、パワステが当たり前になり、運転操作がどんどん容易になりました。そしてエアバッグやシートベルトなどで安全性も高まり、カーナビで地図を見ることも必要ではなくなりました。

その結果、運転中にスマホをいじるドライバーが増え、運転マナーを知らない煽り運転や、当て逃げ・ひき逃げが増加している。スポーツマンの不祥事増加と、運転事故の増加は、世界が「人間性の喪失・欠如」という大問題に直面していることを語っているような気がします。