ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

祝!井上小百合10thアンダーセンター、新曲情報の出し方は断片的分散的でなく、統一的集中的に [27Sep14]

2014-09-27 17:00:00 | 芸能
井上小百合さん、10thアンダーのセンター就任、おめでとう!

これは、10枚目「何度目の青空か?」初回限定盤TypeC収録の「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」で、井上さんが、歌とダンスの中心になるということです。

さらに、1週間後の10月5日(日)に初日を迎える、15日間18公演というロングランのアンダーライブでも、パフォーマンスの要になると思われます。

図抜けた表現力を持つ伊藤万理華を擁して、8枚目「気づいたら片想い」から始まったアンダーライブが、9枚目でも成功を収め、今やアンダーセンターは、ライブの興行的な成否をも左右する、責任のある、非常に重要なポジションになっています。

その結果、次のシングルで選抜入りする最有力候補という以上に、将来、乃木坂パフォーマンスの中核を担うことが期待される、いわば「幹部候補」という雰囲気すら漂っています。

神宮ライブでは、以下の記事に書いたように、井上さんのダンスは、これまでの力強さに、女性的な柔らかさや繊細さが加わり、以前より成長して、一層魅力を増していると感じました。

彼女は、歌も上手く、さらに舞台「帝一の國」でも見せたように、抜群のステージ度胸があって、今回のアンダーセンターは、大いに納得出来る抜擢です。

神宮の森に乃木坂の歌が響く、全国ツアー最終公演は幻想的な光溢れる奇跡の夜 [01Sep14]


伊藤万理華、川村真洋、井上小百合、中元日芽香などなど、現在のアンダーにはそのパフォーマンスをぜひ観てみたいと思わせるメンバーが綺羅星のごとく並んでいて、アンダーライブは、乃木坂が誇る魅力的なイベントになってきました。

また、研究生も参加するので、メンバーの育成という役割を果たし始めていて、アンダーライブは、乃木坂が坂を上るための重要な推進力の一つになりつつあると思います。

井上さんには、持ち前の度胸と卓越したパフォーマンスで、10thアンダーを引っ張っていって欲しいし、彼女なら絶対大丈夫でしょう。

まずは、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」のMV、楽しみにしています。


ところで、井上小百合のアンダーセンターは、Rakuten SHOWTIMEによる乃木坂46レギュラー動画番組「のぎ天」第12回で発表されたのですが、乃木坂公式サイトには情報が載っていません。

また、10枚目TypeB収録の「私、起きる。」は、選抜アンダー関係なく、現役高校生メンバーが担当する曲だそうですが、これも公式サイトでは触れられていない。

カップリングの5曲はすべて、FM-FUJI「沈黙の金曜日」、NACK5「おに魂」、文化放送『乃木坂の「の」』で音源が公開され、その際に、参加メンバーが誰かといったことがトークの中で明かされた曲もあります。

しかし、公式サイトには、TypeA三番目曲「転がった鐘を鳴らせ!」のMV予告編告知以外、ほとんど何の情報もない。

10枚目シングルのプロモーションは、情報の出し方について、かなり疑問を感じます。


なぜ、乃木坂公式サイトに10枚目シングル専用ページを作って、曲のラジオ公開に合わせて、参加メンバー、作詞作曲編曲をした人の名前、MVの有無とその監督といった情報を載せないんでしょう。

現在のやり方を見ていると、新曲に関する重要情報が、あるときはテレビ番組から、あるときはラジオ番組から、あるときはネットから、ときどき公式サイトから(笑)、バラバラに出されています。

しかも担当メンバーは判明したけど、作曲者編曲者は分からない、MVはあるようだけど、監督や内容に関しては何も触れられていない。

断片的な情報が、分散して流されていて、統一感がありません。


もちろん、10月8日(水)の発売日になれば、CDやDVDが手に入って、付属の小冊子には歌詞、参加メンバー、制作スタッフなどの情報が載っています。

しかし、表題曲「何度目の青空か?」MVをフル公開し、カップリング曲をすべて音源公開しているのは、発売日までにシングルの話題性を高め、CD、ダウンロード、有線などの楽曲セールスにスタートダッシュを掛けるためです。

であれば、出せる情報は、一箇所で、集中的に出した方が、盛り上げ効果が高い。

スポンサーである楽天に配慮して、アンダーセンターが誰かを、「のぎ天」で発表するのは良いとしても、その後すぐに、乃木坂公式サイトで、アンダー曲「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」について、参加メンバーや制作陣を明らかにして、さらに、井上小百合を始めとするメンバーがブログで、曲やMVについてのコメントを披露するべきだと思います。

その他の曲についても、ラジオで音源公開したら、すぐに公式サイトとメンバーブログで、曲やMVに関する情報を発信する。

そうすれば、ネットニュース、テレビ番組、新聞雑誌などの紙媒体が、記事を書きやすくなって、乃木坂の情報が巷に溢れる可能性が高くなります。


記者からすれば、色んなところで情報を小出しにされても、乃木坂専属でもない限り(笑)、いちいちチェックしないだろうし、公式サイトに載らなければ、記事で取り上げていいのかどうか、躊躇する面もあるでしょう。

ツイッターが成功しているのは、情報が一箇所に集まっていて、非常に便利だからで、ジャンルごとに違うURLに飛ばなければならないとしたら、これほど人気にはならない。

シングルの最新重要情報は、乃木坂公式サイトを見ればすぐに全部分かるという状態にすれば、現在より遥かに多くの記事やニュースが出てきて、大きな宣伝効果になると思います。


とくに、分からないのは、曲やMVを先行公開しているのに、作曲者編曲者や企画監督の情報を発売日まで出さないケースが結構あることです。

その作品を誰が手掛けたかは、もっとも重要な情報で、ラジオやYouTubeで曲やMVを公開したら、それと共に明らかにするのが普通であって、シングル発売日まで秘匿する理由が見えません。

作曲者編曲やMV制作者の名前が公式サイトから出れば、過去の作品との関係性が話題になるかもしれないし、その人物の芸能界での知り合いが何かコメントしてくれるかもしれない。

勿体ないです、情報を出すだけで、作品を盛り上げるチャンスが広がるのに。


10枚目シングルのMVは、表題曲「何度目の青空か?」MVを無料でフル公開したものの、その後は、カプリング曲「転がった鐘を鳴らせ!」MVの予告編を流しただけで、「私、起きる。」と「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」については、予告編すらどうなるのか分かりません。

いつもであれば、表題曲MVに始まり、カップリング曲MVを順次フル公開することで、それぞれの曲に注目が集まり、テレビの早朝ワイドショーで紹介され、ファンの感想やネット記事が出てきて、発売日に向けて、だんだん盛り上がっていく感じがありました。

さらに、MVが公開されると、少なくとも参加メンバーは分かるので(笑)、「ああ、この曲はこういう感じか」と、収録4曲の選抜アンダーへの割り振りが見えてきて、シングル全体のコンセプトが伝わってきました。


ところが、今回は、断片的な情報が、色んなところから出てくるので、信憑性を含めて整理するのが難しく、未だに10枚目シングルの全体イメージがはっきりしない気がします。

私のように、かなり注意して情報を追っていても分かりづらいのだから、多くの人にとって、10枚目「何度目の青空か?」は、漠然としていて、かつ関連するネット記事もあまり見かけないシングルという印象になっている危険があります。

初回限定盤のセールスにとって、宜しくない状況です。


HKT48の4枚目「控えめI love you!」は、発売第1週の木曜日までオリコンデイリーが発表され、現在、累計で14万5千枚になっています。

前作初動が27万7千枚なので、ちょっと低いんじゃないかという声が上がっていて、一方、いやいや個別握手会の未発送分がこれから計上されるという意見もあり、結構、ファンの間で売り上げに関する議論が盛り上がっているようです(笑)。

個別握手会の完売状況をざっと調べてみましたが、前作と比べて、完売部数が大幅ダウンなんてことはなく、結構、好調に見えます。

そうなると、個別での売り上げが前作を大きく下回っている可能性は低いので、特定販売CD、つまり劇場盤のセールスは20万枚は期待していいと思うのですが、どうでしょう?(笑)。

握手会応募日程の前作との比較など、細かく検討したわけではないんですが、大量のキャンセルが出たとか、完売1部当たりのCD枚数が変わったなど特別なことがなければ、個別売り上げはそうそう急激には変化しないと思います。


ただ、「控えめI love you!」の店頭販売に関しては、木曜日が7千枚だったこともあって、ちょっと不安な面があります。

来週発表のサウンドスキャン第1週が出てからの話ですが、ミニライブ中止で全国握手会が転機を迎えるなか、HKT48の通常盤セールスは乃木坂にも関わってくることで、前作と比べてどうなるのか、個人的に非常に注目しています。

10枚目のシングルについて、乃木坂運営も、おそらく、同じような不安を抱いていると思います。

「転がった鐘を鳴らせ!」MVをフル公開せず、予告編に留めたのは、初回限定盤セールスへの危機感からじゃないでしょうか。


しかし、情報を出し惜しみするのは、逆効果だと思います。

もちろん、MVをフル公開するかどうかなど、どの情報を出して、どの情報を出さないという判断には、色んな考え方があると思いますが、どんな情報であれ、出すのであれば、乃木坂公式サイトという一箇所から、一気に流すべきです。

分散して、小出しにすると、取り上げる記事が少なくなり、感想を書くファンもまばらになるので、せっかくの情報がすぐ薄まってしまって、多くの人に届かず、出してないのと同じになってしまいます。

情報を上手く出すことによる新曲プロモーションを、もっと意識して欲しいです。


来週の木曜日に「何度目の青空か?」個別握手会第8次応募終了時点での完売状況が判明します。

第9次後の完売状況は、10月9日(水)に分かるので、第8次後が、オリコン初日が発表される前の最終情報であって、そこから初動算入される個別売り上げ分と店頭販売分を予想してみようかと思っています。

その際、もっとも焦点になるのは、初回限定盤セールスで、前作11万枚からどのくらい変動するかという点です。

「心のプラカード」は店頭販売第1週が前作の半分以下になり、AKB48のブランド力に陰りを感じさせるほど厳しいセールスになっています。

乃木坂には独自のブランド力があると信じたいので、全国握手会の日程すらまだ発表されてないけど、何とか前作並み、悪くとも、小幅減少に留まることを願っています。

しかし、運営の新曲情報の出し方を見ていると、どんどん予想が弱気になっていきます(笑)。


千秋楽の神宮ライブでの「何度目の青空か?」初披露へ向け、全国ツアーで生田絵梨花を救出する企画を行なっている矢先、HTCのメディア向けカンファレンスで、その舞台パフォーマンスがフルで先行公開されました。

乃木坂の運営は、新曲キャンペーンに際して、スポンサーやテレビ・ラジオ局へ、あれこれ細かい配慮をしているのだと思います。

しかし、シングルを買うのは、スポンサーでも、メディアでもなく、一般のファンなのだから、ファンを重視した新曲キャンペーンを打たないと、楽曲セールスが伸びる筈ありません。

そして、ファンが盛り上がらなければ、HTCも楽天も、テレビもラジオも、結局、乃木坂に関わるメリットは激減します。


「組閣」「総選挙」への参加が典型例ですが、ファンが受け入れづらいことを強引に進めても、結局、関係者のほとんどが損をします(笑)。

新曲情報の公開も、ファンの気持ちと利便性をしっかり考えて、多くのファンが素直に盛り上がれるようなやり方で、進めて欲しい。

関東ローカルのラジオ番組で新曲を流して、聴けなかったファンや地方のファンは、非公式サイトで音源を確認するしかないなんて、あまりにファンを軽視した姿勢じゃないでしょうか。

乃木坂の運営が、ファンより、スポンサーやメディアの方がずっと重要だと考えているのだとすれば、乃木坂46に未来はないと思います。

乃木坂がここまで人気を上げてきたのは、ファンのことを心から大事にするメンバーの気持ちがあったからこそで、運営がそれを無にするようなことをしちゃ、いけませんよね(笑)。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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「何度目の青空か?」7次後分析、個別握手CDセールスが初動算入時の歴代最高をうかがう勢い [25Sep14]

2014-09-25 18:30:00 | 芸能
最初に、神戸で起こった小学生死体遺棄事件のことを少しだけ書きます。

乃木坂やアイドルとは関係がなく、かなりヘビーな話でもあるので、興味のない方は、(参考記事)リンクまでの文章をスルーして下さい。







兵庫県神戸市で、行方不明になっていた小学校1年生の女の子が遺体で見つかった事件は、近所に住む47歳の男が容疑者として逮捕され、急展開を見せています。

2009年10月下旬、島根県浜田市の当時19歳だった女子大学生が行方不明となり、翌月、広島県の臥龍山で切断遺体として見つかった事件に関して、以前、このブログで犯人像を考えたことがあります。

その際、過去に発生したバラバラ殺人事件をあれこれ調べたのですが、小さな子どもの遺体を切断するというのは、ほとんど例がなかったと記憶しています。

遺体の入った袋に、身元特定につながる容疑者の診察券やタバコの吸い殻があったというのも、本当だとすれば不可解な話で、事件の異常性を際立たせています。


容疑者への取り調べや家宅捜索が始まり、誘拐、殺害、遺体損壊が行なわれた時間、場所、方法を明らかにすることが、焦点になってくるでしょう。

残念ながら、浜田の事件は、未だ犯人逮捕に至っておらず、遺族や関係者のお気持ちは察するに余りあります。

また、こういった常軌を逸した事件が未解決だと、何か社会全体が無念の思いを抱えたまま、時間ばかり過ぎていくような焦燥感が漂います。

犯人を逮捕して、全容を解明することが、同種事件を防ぐ抑止力となるので、浜田の事件も、神戸の事件も、警察には徹底した捜査を行なって欲しいです。

(参考記事)
島根・女子大生殺人事件 ~ 公式プロファイリングが意味するもの
島根・女子大生殺人事件 ~ 可能性を考える・その3
島根・女子大生殺人事件 ~ 可能性を考える・その2
島根・女子大生殺人事件 ~ 可能性を考える・その1
島根・女子大生殺人事件 ~ 過去のバラバラ事件を調べると







この事件に限らず、最近、毎朝、殺人、ひき逃げ、放火、盗撮、援助交際から、領海領空侵犯、地域紛争、誘拐処刑、空爆などなど、気分の滅入る話がテレビやネットで数多く報道され、全然爽やかではない感じに目が覚めて、一日のスタートを切っている気がします。

このブログでは、乃木坂の話題を通して、少しでも明るい記事を書きたいと思ってますが、アイドル業界もシビアな世界なので、とくに売り上げ関連になると、ひたすら楽しい話ってなかなかなくて、そんなこんなで、今回も数字の話です(笑)。

正直、私自身は、楽曲やMVの出来は気になるけど、CDセールスには、もともと興味がなかったのですが、乃木坂の場合、売り上げ枚数が、次の選抜陣容を左右したりするので、目が離せなくて、とくにシングル発売時期は数字の話が多くなってしまいます。

ということで、今日の午後に判明した、10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の第7次応募終了時点での売り上げ状況を見てみましょう。

(表1) 10枚目個別第7次応募終了時点で1部以上完売を出しているメンバーの推定売り上げ枚数による順位

凡例
[順位] 完売部数(前次からの積み上げ)/担当部数 メンバー名

# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある

[01] 35部(+5)/35部 西野七瀬
[02] 34部(+4)/35部 白石麻衣
[03] 32部(+4)/35部 橋本奈々未
[04] 31部(+3)/35部 深川麻衣
[05] 26部(+3)/35部 松村沙友理
[05] 26部(+2)/35部 秋元真夏
[07] 22部(+4)/35部 若月佑美
[08] 24部(+2)/30部 生田絵梨花
[09] 23部(+4)/30部 衛藤美彩
[10] 20部(+2)/30部 桜井玲香
[11] 01部(+1)/31部 中田花奈 齋藤飛鳥
[11] 01部(+0)/31部 永島聖羅
[15] 01部(+0)/29部 生駒里奈
[19] 01部(+1)/26部 斉藤優里
[27] 01部(+1)/14部 樋口日奈
[28] 05部(+0)/05部 松井玲奈
[29] 01部(+0)/10部 渡辺みり愛

# 完売部数ゼロのメンバーの順位部分は載せていない
# メンバー名の色は、松井玲奈と「1期10」(白石、西野、秋元、深川、橋本、桜井、松村、衛藤、若月、生田)が黒字、それ以外の1期メンバーである「1期20」は緑色「2期」はオレンジ色


30部を越える完売数というのは、もちろん初めて見る数字で、圧巻の光景なんだけど、メンバーが疲弊してしまうのではないかと心配になってきます。

今回は、「1期10」に加えて、「1期20」から、中田花奈、齋藤飛鳥、斉藤優里、樋口日奈が最初の完売を出しています。

ただ、「2期」は、渡辺みり愛以外の完売は出ませんでした。


さて、気になる売り上げ枚数ですが、完売状況に基づくシミュレーション計算から、推定34万8千枚という数字が出ています。

(表2) 10枚目個別第7次応募終了時点と9枚目、8枚目初動算入時期のグループ別売り上げ関連データ

凡例
シングル番号個別第X次終了時点「タイトル」個別握手会全体での推定売り上げ枚数
応募期間:(Yd)~((Y+1)d)
完売部数/担当部数 [完売率, 推定売り上げ枚数, 完売を出している人数/総人数, 1人当たりの平均完売部数]:グループ名

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある
# 応募期間の「-24d」は、オリコン初動集計締め切り日の24日前という意味
# 10枚目では、伊藤寧々の担当部を除いて計算している

10枚目個別第7次終了時点「何度目の青空か?」34.8万枚
応募期間:(-24d)~(-23d)
273部/335部 [81.5%, 21.9万枚, 10/10人, 27.3部]:1期10
006部/400部 [01.5%, 09.1万枚, 06/18人, 00.3部]:1期20
001部/162部 [00.6%, 03.5万枚, 01/11人, 00.1部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
285部/902部 [31.6%, 34.8万枚, 18/40人, 07.1部]:全体

# 初動算入は、9枚目が第9次分まで、8枚目は第8次分までと推測される

9枚目第9次終了時点「夏のFree&Easy」30.7万枚
応募期間:(-10d)~(-09d)
249部/270部 [92.2%, 18.0万枚, 09/09人, 27.7部]:1期10
007部/357部 [02.0%, 08.7万枚, 03/19人, 00.4部]:1期20
003部/149部 [02.0%, 03.7万枚, 01/12人, 00.3部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
264部/781部 [33.8%, 30.7万枚, 14/41人, 06.4部]:全体

8枚目個別第8次終了時点「気づいたら片想い」34.2万枚
応募期間:(-10d)~(-09d)
264部/294部 [89.8%, 19.5万枚, 10/10人, 26.4部]:1期10
027部/330部 [08.2%, 10.7万枚, 10/20人, 01.4部]:1期20
006部/135部 [04.4%, 04.0万枚, 03/12人, 00.5部]:2期
297 部/759部 [39.1%, 34.2万枚, 23/42人, 07.1部]:全体


メンバー間の人気格差は相変わらず大きいけど、総部数の増加に「1期10」が付いて来ていて、全体の売り上げ枚数が順調に積み上がっている状況です。

6番目と7番目の会場の追加が、途中で行なわれたので、シミュレーション計算の精度が通常より低い可能性はありますが、設定部数が増加しているのに、完売した部数がすでに前作初動算入レベルを越え、前々作に迫っているので、かなりのペースだと考えていいんじゃないでしょうか。

上表は、完売状況からシミュレーションで求めた数値の比較ですが、オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いた枚数と、10枚目現在の34万8千枚を並べると、以下のようになります。

(表3) 7枚目、8枚目、9枚目の発売第1週における売り上げ構造と10枚目個別第7次応募終了時点の推定売り上げの比較

凡例
シングル番号:オリコン初動 = 店頭販売第1週売り上げ + 個別握手会による初動算入売り上げ

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

07枚目:初動39.5万枚 = 店頭09.0万枚 + 個別30.5万枚 (5次分まで算入)
08枚目:初動45.8万枚 = 店頭11.8万枚 + 個別34.0万枚 (8次分まで算入)
09枚目:初動42.2万枚 = 店頭11.0万枚 + 個別31.1万枚 (9次分まで算入)
10枚目:初動???万枚 = 店頭???万枚 + 個別推定34.8万枚 (7次終了時点)


また、次の表に示した通り、設定100部あたりの売り上げ枚数は、10枚目第7次終了時点で、前作並みの3万9千枚に達している計算となり、大幅な増部にも関わらず、握手会人気の総量がそれに応じてアップしているようです。

(表4) 歴代シングル個別握手会における100部当たりの第1週売り上げ枚数

凡例
シングル番号 : 個別握手会第1週売り上げを設定100部当たりに換算した枚数 (個別総日数 総部数)

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「5次分まで」は個別握手会第5次応募分までがオリコン初動に算入されていることを示す

01枚目:1.9万枚/百部 (3日300部)
02枚目:2.8万枚/百部 (2日+ミニ4日300部)
03枚目:3.9万枚/百部 (4日330部)
04枚目:4.0万枚/百部 (5日430部)
05枚目:4.0万枚/百部 (5日437部)
06枚目:3.9万枚/百部 (6日630部)
07枚目:4.7万枚/百部 (6日664部, 5次分まで)
08枚目:4.5万枚/百部 (6日759部, 8次分まで)
09枚目:4.0万枚/百部 (6日786部, 9次分まで)
10枚目:3.9万枚/百部 (7日902部, 7次終了時点)


ん~、乃木坂の握手会人気、想像していた以上に強靭ですね(笑)。

これで、10枚目「何度目の青空か?」の個別握手会による売り上げ枚数が、前々作「気づいたら片想い」を越え、初動算入時の歴代最高をマークする可能性が高まってきました。

「1期10」が増部をものともせずに、完売部数を積み上げていることが大きいのですが、その一方、第7次応募で、「1期20」から新たに4人の完売メンバーが出たことは、人気の底上げを予感させる明るい材料です。

ただ、AKB48襲撃事件以前であれば、現段階で、オリコン初動が過去最高を記録する可能性が濃厚と威勢のいい記事が書けるけど、何度も指摘したように、ミニライブなしの全国握手会という制約があるため、まだまだ総売り上げの行方は分かりません。


10枚目CDセールスを考える上で、昨日発売されたHKT48の4枚目シングル「控えめI love you!」は、そのセールス動向が大変に気になるところです。

ちょっと、HKT48のCDセールスを見てみましょう。

(表5) HKT48の歴代シングルの売り上げ構造と特典イベント

凡例
シングル番号:タイトル [発売日]
オリコン第1週(A) = サウンドスキャン第1週(B) + (A-B)
店頭販売CDの特典
特定販売CDの特典

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「全国」と「個別」は、それぞれの握手会

1枚目:スキ!スキ!スキップ! [2013/03/20]
初動25.0 = 店頭9.2 + 特定15.9
店頭) 全国6日(関東2名古屋1大阪1福岡2)
特定) 個別3日(関東1大阪1福岡1)、写メ会2日 in 関東1福岡1

2枚目:メロンジュース [2013/09/04]
初動26.9 = 店頭9.2 + 特定17.7
店頭) 全国3日(関東1名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東1大阪1福岡2)

3枚目:桜、みんなで食べた [2014/03/12]
初動27.7 = 店頭8.0 + 特定19.7
店頭) 全国3日(関東1名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東1名古屋1大阪1福岡1)、抽選船上パーティー2日(東京1福岡1)

4枚目:控えめI love you! [2014/09/24]
オリコン2日目までの合計12.4万枚
店頭)「参観日」イベント2日(名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東2大阪1福岡1)、抽選HKT48SHOW!2日(東京1福岡1)


HKT48は、特定サイトでしか買えないCDの特典が個別握手会だけでなく、抽選制の船上パーティなど、結構多彩で、調べるのに苦労します(笑)。

さらに4枚目では、店頭販売される初回限定盤の特典も、全国握手会ではなく、「HKT48参観日~みんなで一緒にもりあがるっちゃん!」というイベントだそうです。

ただ、全国握手会の代わりに、何をやるのか、私にはちょっと分かりません(笑)。

個別握手会を軸とする4枚目特定販売CDの売り上げは、完売表を分析したわけではないですが、大幅に芳しくないという話は聞かないし、HKT48は勢いのあるグループなので、前作並の20万枚は十分に確保するんじゃないでしょうか。


問題は、店頭販売CDのセールスです。

AKB48の37枚目「心のプラカード」は、発売第1週の店頭販売セールスを前作の半分以下に減らしていて、握手会の過密日程と全国握手会のミニライブ中止の影響をダイレクトに受けた可能性がある。

これほど急激なセールス悪化は、AKB48Gのブランド力が低下しているのではという懸念すら抱かせます。

HKT48は、全国と個別の総日数が7日程度とまだ少ない方で、シングルの発売間隔も半年と余裕があるため、握手会券のダブつきはあまりないと思います。

従って、4枚目の店頭販売セールスの動向は、全国握手会でミニライブが出来ない中、新イベントである「参観日」への期待感でどのくらいファンを集められるのかが反映され、HKT48、さらにはAKB48Gのブランド力を測る機会になるでしょう。

もちろん、AKB48Gのブランド力が落ちた場合、乃木坂46が影響を受ける可能性があって、「控えめI love you!」の店頭販売セールスは、「何度目の青空か?」の売り上げを考える上で、重要な意味を持っていると思います。

サウンドスキャン第1週は、来週初めに出る筈で、乃木坂10枚目の発売を前に、非常に注目されます。


10枚目シングルでは、「何度目の青空か?」のダンスで、生田絵梨花、生駒里奈、星野みなみ、堀未央奈をフィーチャーしたり、MV付きカップリング曲「私、起きる。」に、選抜アンダー問わず高校生メンバーを起用したり、あるいは、15日間18公演に及ぶアンダーライブを予定したり、乃木坂には、将来を見据えたいい流れが出来つつあると思います。

しかし、こういった流れは、10枚目のCDセールスが転けると、一気に、従来のガチガチの握手会主義に戻ってしまう可能性がある。

9枚目「夏のFree&Easy」での前作割れに耐えられず、安易に個別日数増加を選んだことからも、CDの売り上げ枚数にしか価値を見出せない発想が、運営を依然支配していると思います。

10枚目が好調なセールスを叩き出し、生田絵梨花センターのような歌ダンス重視の道があること、いや、将来を考えると、この道しかないという意見が運営内部で力を持つのであれば、CD売り上げにこだわるのは良くないと言いつつ、細かく行なってきたこのブログでの分析も(笑)、少しは意味があったかもという気分になれます。


握手会の成績にこだわり過ぎて、売り上げ順に選抜メンバーを並べるような握手会主義を続けると、ごく一部のメンバーの知名度が上がるだけで、乃木坂全体の人気は上がらず、その結果、やがて握手会にも人が来なくなって、CDセールスの前作割れが起こる。

ちょっと考えれば分かることだと思うのですが、AKB48Gと比べても、乃木坂だけが異常に執着している握手会主義を根本的に見直そうという動きはなかなか起こらない。

10枚目は、個別握手会の日数を増やすという手法で、さらなる右肩上がりを演出しようとしているけど、メンバーの負担が限界に近づきつつあることや芸能活動が日程的に大きく制限されることを考えると、これ以上の部数増加はあり得ません。

警備費高騰で厳しくなっているイベントの収支からも、乃木坂の握手会スケジュールは危険水域に入り始めている可能性が高く、握手会依存を減らす根本的な方針転換が不可欠である状況は変わっていません。


多日数の大規模握手会で見せかけのヒットを演出しても、すぐに限界が来て、再び頭打ち感や停滞感に悩まされるでしょう。

乃木坂が本当のスターになるためには、全国ツアーやアンダーライブのような活動を重ねて、グループの音楽的評価を高めていくしかなく、歌ダンス選抜を実現出来ない握手会主義の放棄は絶対条件です。

10枚目個別で「1期20」に完売メンバーが前作以上のペースで出始めたのは、握手会人気が決してトップではない生田絵梨花がセンターに抜擢されたこと、つまり息苦しい握手会主義に風穴が空いたことが、ファンに希望を与えている部分はあるんじゃないでしょうか。

歌、ダンス、演技、トークなどスキル中心の起用を行なってグループ全体を活性化すれば、人気の底上げによって、100部あたりの売り上げ枚数が増え、日数増加という「禁じ手」を打たずに、CDセールスを効率よく維持する道が開けてきます。

運営には、安易な増部に頼らず、握手会主義の緩和を、さらに進めて欲しいです。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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「私、起きる。」は初のMV付き選抜アンダー混合ユニット曲、流れは変わりつつあるのか? [22Sep14]

2014-09-22 18:00:00 | 芸能
10枚目「何度目の青空か?」初回限定盤TypeBの三番目曲「私、起きる。」が文化放送『乃木坂の「の」』で流されました。

選抜とアンダーの高校生メンバーが担当するユニット曲のようですが、TpyeBの限定カップリング曲なので、MVが作られる可能性が高い。

選抜、アンダーそれぞれから数人を抜擢した混合ユニットによる曲は、6枚目「ガールズルール」のTypeA「コウモリよ」、7枚目「バレッタ」のTypeA「私のために 誰かのために」と通常盤「やさしさとは」、9枚目 「夏のFree&Easy」の通常盤「僕が行かなきゃ誰が行くんだ?」と、過去4曲ありますが、実は、MVが作られたものはないんですね。

もちろん、「そんなバカな」のように、選抜全員とアンダーの一部が担当するMV曲はありますが、少人数ユニットでは例がない。

つまり、「私、起きる。」にMVが付けば、乃木坂のシングル史上初めてのことで、選抜アンダーを問わず、若い高校生メンバーをフィーチャーする、画期的な出来事と言えます。


6枚目「ガールズルール」以降、握手会人気で選抜序列を決める発想が強化されたため、ファンへの対応がより洗練された年長メンバーが活動の前面に出ることが多くなり、この一年で、乃木坂は高校を卒業したお姉さんメンバー中心のグループになった感があります。

その一方で、中学高校生メンバーは、選抜でもなかなか前に抜擢されず、また、グループの平日活動が増えたこともあり、フィーチャーされる機会が少なくなってしまっています。

10枚目カップリングを高校生メンバーによる混合ユニット曲にして、MVを作るというのは、年長メンバーを重視しがちな従来の流れとはやや異なる動きです。

握手会主義を少しだけ緩和して実現した生田絵梨花のセンター抜擢もそうですが、10枚目に入って、若いメンバーを起用するという考え方が出てきたのだとすれば、非常に評価できることだと思います。

「私、起きる。」には、生田絵梨花と星野みなみが参加しているようで、「シャキイズム」MVでともに魅力的なキャラを演じた二人だけに、MVがどんな風になっているのか、楽しみです。

(参考記事)
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Jun14 ~ シングル収録全曲の簡易ハンドブック
記事中、「私、起きる。」のような選抜アンダー混合ユニット曲は「Usa」という記号で表されています


最近は、10枚目発売が迫り、次々に収録曲の情報が出てきて、しかも高校生メンバーによるMV付き「Usa」曲だったり、「 転がった鐘を鳴らせ!」MVが予告編のみのYouTube公開だったり、前例のないケースが多くて、なかなか目が離せません(笑)。

10th選抜発表のとき、橋本奈々未が「今回は変わる気がする」といった話をしていましたが、シングルの内容が分かるにつれ、段々とそういう印象が強くなってきました。

そして、乃木坂46だけでなく、AKB48でも、シングルの発売スケジュールに大きな動きがありました。

前回記事でちょっと触れたように、38枚目シングルが11月26日(水)に発売されることが判明。

これだけを見れば、「でっ?」となりますが(笑)、AKB48のシングル発売日は、総選挙投票券の付いた5月下旬発売のシングル、このブログではAシングルと呼んでいますが、を起点にして、毎年、判で押したように決まったスケジュールで進んできました。

(表1) AKB48シングルCD発売の総選挙サイクル

凡例
総選挙サイクル記号 シングル番号:発売日「タイトル略記」

2011年度
A 21枚目:2011/05/25「Every」
B 22枚目:2011/08/24「フラゲ」
C 23枚目:2011/10/26「風は吹」
D 24枚目:2011/12/07「マリコ」
E 25枚目:2012/02/15「GMF!」

2012年度
A 26枚目:2012/05/23「真夏」
B 27枚目:2012/08/29「ギンガム」
C 28枚目:2012/10/31「UZA」
D 29枚目:2012/12/05「永遠」
E 30枚目:2013/02/20 「SL!」

2013年度
A 31枚目:2013/05/22「クロール」
B 32枚目:2013/08/21「恋する」
C 33枚目:2013/10/30「エレキ」
D 34枚目:2013/12/11「鈴懸」
E 35枚目:2014/02/26 「前しか」

2014年度
A 36枚目:2014/05/21「レトリバー」
B 37枚目:2014/08/27「プラカード」
C 38枚目:2014/11/26

予想
C 38枚目:(2014/10/29)
D 39枚目:(2014/12/10)
E 40枚目:(2015/02/25)


2011年、2012年、2013年と踏襲された発売スケジュールがあり、2014年度もAシングルとBシングルは、それに従って発売されています。

そして、38枚目であるCシングルは、上表最後の「予想」のように、10月下旬にCDリリースされ、12月上旬に39枚目のDシングルが出るのが、例年の流れでした。

ところが、発表された11月26日(水)というのは、通常よりも1ヶ月遅い発売で、むしろDシングルの発売日に近い。


なぜ厳密に守ってきたスケジュールを変更したのか、理由はおおよそ推察出来ます。

AKB48襲撃事件のために、AKB48Gの多くの握手会が延期となり、事件前から超過密日程となっていたところに、延期と再開がのしかかって、にっちもさっちも行かないほど超超タイトになってしまった。

例えば、8月27日(水)に発売された37枚目「心のプラカード」は、最後の個別握手会が来年2月7日(土)パシフィコ横浜で、CDリリースからなんと半年近く後に予定されています。

10月8日発売の「何度目の青空か?」は、乃木坂史上で最長期間となる個別握手会日程が組まれていますが、以下のように、AKB48はそれを上回る長期日程です。

(表2) シングル発売と個別握手会の日程的関係

乃木坂46の10枚目
発売 =25日=> 第1回 =98日=> 最終第7回 (123日)

AKB48の37枚目「心のプラカード」
発売 =4日=> 第1回 =160日=> 最終第4回 (164日)


「心のプラカード」個別がこんなに長期になるのは、AKB48GがリリースしたCDの握手会がまだまだ未消化で残っていて、それらをこなしながらの開催となるからです。

また、全国握手会は7日が予定されていますが、具体的な日程はまだほとんど決まっていないようです。

こういった限度を越えた過密日程は、新しいシングルの握手会を入れる余地を奪うだけでなく、握手会券の過剰供給を生んでしまいます。

つまり、ファンからすると、すでにたくさんの握手会券を持っている上に、予定を決めづらい、随分と先の握手会に申し込むことになってしまう。

「心のプラカード」は、店頭販売CDの売り上げが大きく落ち込み、初動がギリギリでミリオンを確保するセールスになっていますが、特典イベントの過密化が、原因の一つである可能性は高いと思います。


こういう状況を考えると、今回、AKB48がCシングルの発売を1ヶ月先送りにしたのは、やむを得ない措置だったんじゃないでしょうか。

溜まっている握手会を、1ヶ月で全部消化出来るわけではないけど、新しいシングルを出す前に、これまでの握手会を少しでもこなして、日程的な余裕を作らないと、先に進めないのだと思います。

次の39枚目、順番的にはDシングルと呼ぶべきなんですが、その発売も1ヶ月先延ばしにするのか、それとも、さらに遅く、Eシングルと同じ来年2月下旬の発売にして、38枚目をC&Dシングルと位置づけ、年間5シングルを4シングルにするのか、その辺が注目されます。

38枚目の11月26日(水)発売は、CDリリースのスピードを落とさず、一方で握手会の規模拡大を続けてきたAKB48グループが、ついにシングル発売の「総選挙サイクル」を緩和して、ちょっと違った動きを見せたことを意味する出来事で、乃木坂46が10枚目において握手会主義を少しだけ緩和したことと共に、新しい流れの一つという感じがします。


しかし、乃木坂のアルバム構想や「こじ坂46」結成を見ていると、AKB48は、シングル発売速度を落としたとき、時間当たりの収益が低下するのを防ぐため、まだ握手会日程に余裕のある乃木坂を巻き込むつもりなのでは、という危惧が頭をよぎります。

「こじ坂46」は、AKB48の小嶋陽菜を中心に、乃木坂から中田花奈、永島聖羅、斉藤優里、川後陽菜が参加して作られたユニットのようで、現在、アンダーの4人にとっては、活動の場とメディア露出を広げる、絶好のチャンスだと思います。

その一方で、「こじ坂46」が曲を出し、それがAKB48のシングルに収録された場合は、AKB48特典イベントに、乃木坂メンバーの参加を要求される可能性があって、そうなると、現在の生駒里奈一人での参加から、さらに一歩進んだ関与になっていきます。

「交換留学」が続行中であり、松井玲奈が乃木坂選抜の1枠を占め、アンダーが活躍する場を、結果として狭めてしまっている現状を考えると、AKB48Gとの混合ユニットを作る前に、「兼任」解消を行なって、アンダーの選抜入りを進めるのが、筋ではないかという気がします。

こじはるは乃木坂の選抜に入るわけではなく、あくまで両グループの「交流」なので、かなりん、せいらりん、ゆったん、川後Pには、大いに活躍して欲しいけど、乃木坂が「組閣」の影響を色濃く受け続けている現在、どこか素直に見られない部分があります。


一つ言えることは、多くのファンが心から応援出来るやり方でメンバーを売り出せば、ヒットする確率は高くなるということです。

松井玲奈の乃木坂「兼任」にせよ、「こじ坂46」にせよ、運営がどんなに「グッドアイデア」と自画自賛しても、既存ファンの気持ちを上手く掴めなければ、物事が上手く進まないのは当たり前です。

自分たちの「正解」を押し付けるのではなく、ファンのテンションが自ずと高まるような、そういったプロらしい仕事を、運営には期待したいですね。


今週の24日水曜日、HKT48が4枚目「控えめI love you!」を発売します。

初回限定盤の特典として、「 HKT48参観日~みんなで一緒にもりあがるっちゃん!~」が行なわれるそうですが、どういうイベントなんでしょう、よく分かりません(笑)。

乃木坂も、先週土曜日、名古屋で行なわれた9枚目「夏のFree&Easy」全国握手会では、メンバーによるトークショーやファンへのプレゼントお渡し会があったそうです。

「心のプラカード」が、初回限定盤セールスを大幅に減らしたこともあり、各グループが、全国握手会のミニライブに代わる特典イベントを模索している感があります。

さまざまな試みから、どんな新イベントが生まれるのか分かりませんが、2014年が、AKB48Gと乃木坂46にとって、大きな転換点、あるいは正念場になりつつあるのは、間違いないようです。

乃木坂メンバーには、ここを何とか乗り越えて、より輝ける次のステージに進んで欲しいです。


関連サイト

9枚目名古屋全国握手会に関する乃木坂公式サイトの運営ブログ


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「何度目の青空か?」6次応募後分析、個別握手CDセールスが前作初動レベルに達した可能性 [19Sep14]

2014-09-19 17:00:00 | 芸能
9枚目「夏のFree&Easy」のオリコン累計が50万枚を突破、AKB48の38枚目シングルが11月26日(水)発売と発表、乃木坂10枚目TypeAの三番目曲「転がった鐘を鳴らせ!」のMV予告編が公開、「こじ坂46」が登場、色んな情報が一度に入ってきて、整理するのが大変です(笑)。

ということで、今日は、10枚目「何度目の青空か?」のセールス見通しを軸に、あれこれ書いてみたいと思います。

まずは、昨日判明した10枚目個別握手会第6次応募終了後の完売状況から、例によって、推定売り上げ枚数による順位表を。

(表1) 10枚目個別第6次応募終了時点で1部以上完売を出しているメンバーの推定売り上げ枚数による順位

凡例
[順位] 完売部数(前次からの積み上げ)/担当部数 メンバー名

# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある

[01] 30部(+5部)/35部 白石麻衣 西野七瀬
[03] 28部(+7部)/35部 橋本奈々未
[03] 28部(+6部)/35部 深川麻衣
[05] 24部(+5部)/35部 秋元真夏
[06] 23部(+5部)/35部 松村沙友理
[07] 18部(+2部)/35部 若月佑美
[08] 22部(+1部)/30部 生田絵梨花
[09] 19部(+4部)/30部 衛藤美彩
[10] 18部(+3部)/30部 桜井玲香
[11] 01部(+0部)/31部 永島聖羅
[13] 01部(+0部)/29部 生駒里奈
[27] 05部(+0部)/05部 松井玲奈
[28] 01部(+0部)/10部 渡辺みり愛

# 完売部数ゼロのメンバーの順位部分は載せていない
# メンバー名の色は、松井玲奈と「1期10」(白石、西野、秋元、深川、橋本、桜井、松村、衛藤、若月、生田)が黒字、それ以外の1期メンバーである「1期20」は緑色、「2期」はオレンジ色


第6次応募では、7番目会場である2015年2月8日(日)パシフィコ横浜の140部への申し込みが始まりました。

また、第5次応募から受け付けられた6番目会場、1月31日(土)東京ビッグサイトについて、白石麻衣と西野七瀬が早くも5部を全完売、橋本奈々未と深川麻衣が4部完売など、「1期10」メンバーが強さを見せています。

一方、握手会スター10人以外の新たな完売は出ず、第6次応募での積み上げ43部はすべて「1期10」によるもので、「1期10」と「1期20」「2期」の完売部数差は、第5次後よりさらに広がっています。


人気格差の拡大は深刻な問題ですが、その話はあとで書くとして、第6次応募終了時点で、個別握手会のCDセールス全体がどうなっているのかを予測しておきます。

(表2) 10枚目個別第6次応募終了時点でのグループ別の売り上げ関連データ

凡例
シングル番号第6次終了時点「タイトル」個別握手会による推定売り上げ枚数
応募期間:(Xd)~((X+1)d)
完売部数/担当部数 [完売率, 推定売り上げ枚数, 完売を出している人数/総人数, 1人当たりの平均完売部数]:グループ名

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある
# 伊藤寧々の担当部は除いて計算している

(A) 7番目会場を入れて計算した場合

10枚目個別第6次終了時点「何度目の青空か?」32.1万枚
応募期間:(-31d)~(-30d)
240部/335部 [71.6%, 21.1万枚, 10/10人, 24.0部]:1期10
002部/400部 [00.5%, 07.6万枚, 02/18人, 00.1部]:1期20
001部/162部 [00.6%, 03.1万枚, 01/11人, 00.1部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
248部/902部 [27.5%, 32.1万枚, 14/40人, 06.2部]:全体

(B) 7番目会場を入れずに計算した場合

10枚目個別第6次終了時点「何度目の青空か?」29.7万枚
応募期間:(-31d)~(-30d)
240部/285部 [84.2%, 18.7万枚, 10/10人, 24.0部]:1期10
002部/338部 [00.6%, 07.6万枚, 02/18人, 00.1部]:1期20
001部/136部 [00.7%, 03.1万枚, 01/11人, 00.1部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
248部/764部 [32.5%, 29.7万枚, 14/40人, 06.2部]:全体


採用しているシミュレーション方法の特徴から、新たな会場分が追加された直後は、各メンバーの売り上げ枚数を過大評価している危険があります。

例えば、白石麻衣の場合、7番目会場は担当5部の完売ゼロですが、全体完売率27.5%に個人完売率86.0%から、非完売部であっても89.9%がすでに売れているという推定計算になります。

白石さんの勢いを考えれば、7番目会場の応募が続けば、すぐに計算に追いつくだろうし、だからこそ全体完売率と個人完売率を併せて予測しているのですが、さすがに第1次応募段階では、そこまで達しないかもしれません。

従って、上表(A)における32万1千枚という推定の全体売り上げ枚数は、真の値を上回っている可能性があって、上限値であると考えた方がいい。

そこで、7番目会場での売り上げを一切入れない計算を行なってみると、(B)のように、29万7千枚という数字が出てきます。

7番目会場で1枚も売れていない筈はないので、29万7千枚は、逆に下限値ということになります。

つまり、第6次応募終了時点での個別による売り上げは、29万7千枚から32万1千枚の間と見るのが妥当だと思います。

シミュレーションの方法に興味がある方は、以下の記事をご参照下さい。

乃木坂の風 23Mar14 ~ 完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明(2)
乃木坂の風 22Mar14 ~ アレチの業務連絡、完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明


次に、この予想値を、前作、前々作の初動と比べてみましょう。

(表3) 7枚目、8枚目、9枚目の発売第1週における売り上げ構造と10枚目個別第6次応募終了時点の推定売り上げの比較

凡例
シングル番号:オリコン初動 = 店頭販売第1週売り上げ + 個別握手会による初動算入売り上げ

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

07枚目:初動39.5万枚 = 店頭09.0万枚 + 個別30.5万枚 (5次分まで算入)
08枚目:初動45.8万枚 = 店頭11.8万枚 + 個別34.0万枚 (8次分まで算入)
09枚目:初動42.2万枚 = 店頭11.0万枚 + 個別31.1万枚 (9次分まで算入)
10枚目:初動???万枚 = 店頭???万枚 + 個別29.7~32.1万枚 (6次終了時点)


9枚目「夏のFree&Easy」のオリコン第1週売り上げ、つまり初動の内訳として、個別握手会によるセールスは31万1千枚で、10枚目個別第6次後の推定値と比べると、現時点で、今作は前作とほぼ同じレベルに達している可能性が高いと言えます。

一方、8枚目「気づいたら片想い」は、個別握手会の初動算入分が34万枚で、10枚目はまだ前々作の初動レベルに至っていないということになります。

10枚目個別の初動算入は、第9応募分までと思われるので、第7次、第8次、第9次の三回の積み上げで、歴代最高である8枚目初動にどこまで近づけるかが焦点です。

総部数が増加すると、全体も個人も、完売率が低くなって、CDセールスの伸びが鈍化する場合もあり得るので、あと3次の応募があると言っても、どこまで枚数を積めるかは、まだまだ分かりません。

「1期10」全体のグループ完売率が現在の71.6%から(表2)、前作同様、90%ほどになれば、前々作の初動レベルに達する確率が高くなるので、まずは握手会スター10人の動向がポイントになると思います。


一方、アンダーや二期生の握手会人気には、非常に厳しいものを感じます。

10枚目では、10月5日(日)から19日(日)まで、千秋楽のスペシャルライブを含む15日間18公演の「アンダーライブ セカンド・シーズン」が行なわれます。

会場である六本木ブルーシアターは収容900人で、チケットは5千円なので、CD1枚1千円として、7万7千枚のCDに相当する額をファンが出費することになる。

もし、その影響によって、10枚目個別で「1期20」と「2期」のセールスが低調になっているのであれば、ブログに載せる表を作っていても、気持ちが少し楽になります(笑)。

しかし、過去の例を見ると、この手の公演イベントが、握手会でのCDセールスを左右するといった理屈は考えにくいんですね。


例えば、「16人のプリンシパル trois」は、1千人収容の赤坂ACTシアターで、17日間22公演、チケット7千円で開催されました。

CDに換算すると15万4千枚で、ファンがこれほど大きな出費をしたにも関わらず、チケット販売と個別応募の期間が重なった8枚目「気づいたら片想い」は、個別握手会で歴代最高の売り上げ枚数を記録しています。

8月30日(土)の神宮ライブは、チケット7千8百円で3万人だったので、23万4千枚に相当するCD分だけ、ファンが出費したことになりますが、上で計算したように、10枚目個別の売れ行きは、前作を凌ぐ勢いを見せています。

とくに、プリンシパルも、全国ツアーも、総出費のかなりの部分を「1期10」メンバーのファンが担っていると推測されるけど、「1期10」の握手会人気は8枚目、9枚目、10枚目でほとんど変化はなく、大きなイベントがあったから、個別売り上げが落ちたと見られる例はありません。


個別握手会におけるメンバーとファンの心理を考えても、プリンシパルやライブでお金を使ったので、今回は「推し」の握手会に行かないという選択をするファンは少ない気がします。

「乃木坂って、どこ?」の「大所帯アイドルあるある勉強会」の際、松村沙友理が、握手会では、ファンとの間に「信頼関係」があると言っていました。

今まで来てくれていたファンが、来なくなる、あるいは、大幅に握手券を減らすとなると、それはファンからメンバーへの「メッセージ」になってしまうので、心理的になかなか難しいんじゃないかと(笑)。

二人で向き合う個別握手会では、何度も来てくれるファンとメンバーの間に個人的な「信頼関係」が発生して、握手会に行く行かないは、お金の問題を越えた領域に入っていく気がします。


シングル毎の完売状況から考えて、アンダーや二期生のレーンでファン数が減っているのは、間違いないと思います。

7枚目「バレッタ」までは握手会に行ったけど、8枚目、あるいは9枚目から行かなくなったというケースが、少なからぬ数起こっていることは、容易に推察出来ます。

「大所帯アイドルあるある勉強会」では、野呂佳代さんがゲストでしたが、自分の長年のファンが橋本奈々未に「推し」変したと聞かされて、本番の収録中なのに、マジで凹んでいました(笑)。

アイドルとして色んな経験を積み、年齢も30歳に近い野呂さんですら、ファンが1人でも去って行くのは大変なショックということです。

今まで来れくれていた人が、姿を見せないというのは、乃木坂の若いメンバーにとって、極めて厳しい出来事だと思います。

とくに、乃木坂の運営は、個別握手会の成績順に選抜メンバーを並べるような、極端な握手会主義を取っているので、一層圧迫感があるでしょう。


全国ツアーのとき、自分の名前が入ったタオルや団扇を見ると、とても嬉しいと、多くのメンバーがブログに書いていました。

グッズの宣伝という面もあるだろうけど、やはり、自分を応援してくれるファンがちゃんといるという実感は、本当にタレント活動を続ける支えになるのだと思います。

10枚目のアンダーライブを通して、アンダーや研究生が、そういう実感を持つことが出来れば、それが一番の成功と言えるかもしれません。

握手会における人気は、タレントのさまざまな人気指標の一つ、しかもかなり特殊な尺度であって、それが人気のすべてということは、決してないですから。


さて、個別握手会のCDセールスは以上のような状況で、一方、店頭販売に関しては、不透明ながらも、少しヒントが出てきました。

明日9月20日(土)名古屋で行なわれる9枚目全国握手会は、やはりミニライブなしで、代替イベントもないようです。

そうなると、10枚目全国握手会も同様の形で行なわれる可能性が高くなる。

ライブなし、その他の特典イベントもなしであれば、初回限定盤の魅力が下がるのは避けられない気がします。

前作の店頭販売第1週は11万枚ですが、10枚目がこれを上回るのは、今のところ、なかなか厳しいという予想になってきます。


今日のお昼に、10枚目TypeAの三番目曲「転がった鐘を鳴らせ!」のMVがYouTubeで公開されましたが、全編を流すのではなく、予告編でした。

このまま予告編だけであれば、シングル収録MVの本編を無料公開しないわけで、乃木坂史上初めての出来事になります。

運営も初回限定盤の売れ行きを気にしていて、カップリング曲MVは予告編による宣伝に留めて、ファンのCD購入意欲を刺激しようという考えなのかもしれません。

こういった手法でどの程度、初回限定盤セールスが伸びるのか分かりませんが、従来とは異なることをせざるを得ない状況になっていることは、間違いないようです。

9枚目の全国握手会券のネットでの売買が、ややだぶついている印象を受けることから考えても、10枚目店頭販売は前作並みであれば「御の字」という感じで、下がってしまうのを覚悟しておいた方がいいのかなという気持ちになっています。

「心のプラカード」の店頭販売セールスが想像以上の下落だったので、どうにも強気になれないんですよね(笑)。


最後に、9枚目「夏のFree&Easy」が、オリコンの累計で50万枚を越えました。

現在、個別応募は第20次まで行なわれていて、まだ続くだろうから、累計もさらに伸びると思います。

まあ、こうなってくると、累計セールスの数字にどんな意味があるのか、てんで分からなくなってきますが(笑)。

一応、累計の推移を載せておきます。

(表4) 9枚目「夏のFree&Easy」のオリコン売り上げ枚数とチャート順位の推移

凡例
発売何週目:オリコンの売り上げ枚数 (順位, 前作同週との枚数差)

9枚目「夏のFree&Easy」
1週目:42.2万枚 (1位, -3.6万枚)
2週目:43.9万枚 (8位, -4.3万枚)
3週目:45.5万枚 (4位, -4.0万枚)
4週目:46.8万枚 (12位, -3.8万枚)
5週目:47.4万枚 (18位, -4.4万枚)
6週目:48.2万枚 (15位, -4.2万枚)
7週目:48.6万枚 (24位, -4.5万枚)
8週目:49.1万枚 (26位, -4.3万枚)
9週目:49.8万枚 (15位, -3.9万枚)
10週目:50.2万枚 (18位, -3.6万枚) [9月22日付最新チャート]

8枚目「気づいたら片想い」
18週目:54.6万枚 [8月11日付チャート]


AKB48の38枚目シングルが11月26日(水)発売になった話は、また次の記事にでも書きます。

実は、これも総選挙サイクルを変更する大きな出来事で、AKB48Gも乃木坂46も、最近、従来の方針を変えるやり方が、次々に打ち出され始めている気がします。

女性アイドルを巡って、何か、時代が変わりつつあるのかもしれません。


関連サイト

「転がった鐘を鳴らせ!」MVの予告編
# クリックすると動画がすぐ始まるので、音声などにご注意下さい


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「シミュレーション計算の方法について」

乃木坂の風 23Mar14 ~ 完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明(2)

乃木坂の風 22Mar14 ~ アレチの業務連絡、完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明


// 過去の記事を読みたい方へ

2014年7月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~)

2013年11月 ~ 2014年6月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)

2013年4月 ~ 2013年10月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)


// 星野みなみの溢れる魅力

7月18日14:18 星野みなみ

乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える

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アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー


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アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Jun14 ~ シングル収録全曲の簡易ハンドブック


# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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「何度目の青空か?」5次応募後分析、個別握手は前作越えがほぼ確実も、店頭販売は五里霧中 [16Sep14]

2014-09-16 18:00:00 | 芸能
先週の木曜日から金曜日、10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の第6次応募が行なわれ、それに伴って第5次終了時点での完売状況が判明しました。

第5次応募では、6番目会場である2015年1月31日(土)東京ビッグサイトの受付が始まり、総部数が640部から750部に増えています。

また、今回の第6次応募から、7番目会場である来年2月8日(日)パシフィコ横浜が受付開始で、総部数はさらに915部にアップです。

総部数の二段階増加に加え、各メンバーについても、桜井玲香と衛藤美彩のように、スーパーエキセントリックシアター記念公演「Mr. カミナリ」へ参加するため握手会を1会場休むケースがあったり、アンダーと二期生を中心に、担当部数がいつになく細かく割り振られるなど、握手会の構造が従来より複雑になっています。

例えば、齋藤飛鳥の最終的な担当部数は31部で、桜井玲香の30部より多いなんてことが、随所で起こってる(笑)。

そのため、完売表からCDセールスを予測するシミュレーション計算の結果をどこまで信頼していいのか、やや不安な面があります。

しかし、10枚目は「勝負になる」シングルということで、CDセールスについて、現状や予測はぜひ知りたいところなので、第5次応募後の完売状況から売り上げ枚数の分析を行なってみます。


まずは、各メンバーについての売り上げ順位表です。

(表1) 10枚目個別第5次応募終了時点で1部以上完売を出しているメンバーの推定売り上げ枚数による順位

凡例
[順位] (完売部数/担当部数) メンバー名

[1] (25部/30部) 白石麻衣 西野七瀬
[3] (22部/30部) 深川麻衣
[4] (21部/30部) 橋本奈々未
[5] (19部/30部) 秋元真夏
[6] (18部/30部) 松村沙友理
[7] (16部/30部) 若月佑美
[8] (21部/25部) 生田絵梨花
[9] (15部/25部) 桜井玲香 衛藤美彩
[11] (1部/26部) 永島聖羅
[13] (1部/24部) 生駒里奈
[23] (5部/5部) 松井玲奈
[28] (1部/8部) 渡辺みり愛

# 完売部数ゼロのメンバーの順位部分は載せていない
# メンバー名の色は、「1期10」(白石、西野、秋元、深川、橋本、桜井、松村、衛藤、若月、生田)が黒字、それ以外の1期メンバーである「1期20」は緑色、「2期」はオレンジ色
# 担当部数は、第5次に受付られた6会場分のみで、第6次から追加募集される7番目会場分は入っていない


第5次応募では、2015年2月8日(日)パシフィコ横浜は受付ていないので、「1期10」メンバーの最高担当部数は30部です。

ただ、この追加会場分が入ると、最高部数は35部と、過去最大になります。

順位表によると、白石麻衣と西野七瀬を先頭に、「1期10」が10位までを占め、握手会スターの10人がやはり圧倒的な人気を見せている。

松井玲奈は第2次応募後に担当5部を早々と全完売、分厚いファン層を感じさせます。

一方、「1期20」は永島聖羅と生駒里奈、「2期」は渡辺みり愛がそれぞれ1部完売。

10枚目も、少なくとも現段階では、「1期10」と「1期20」「2期」の間に、握手会人気に関して、大きな差が存在すると言わざるを得ないです。


ところで、10枚目個別第5次後を前作同次後と比べると、完売部数を1部以上伸ばしているのは、生田絵梨花を除いて、若月佑美、永島聖羅、渡辺みり愛の三人だけです。

(表2) 10枚目個別第5次応募終了時点の完売部数が、9枚目同次終了時点と比べて1部以上増えているメンバーの推定伸び枚数による順位表

凡例
[順位] メンバー名 (完売部数の増加分/担当部数の増加分)

[1] 若月佑美 (+6部/+0部)
[2] 永島聖羅 (+1部/+5部)
[3] 渡辺みり愛 (+1部/-1部)

# 9枚目個別不参加の生田絵梨花は除く


とくに若月佑美は、6部という大幅な完売部数の増加を見せていて、前作と比べて、急ピッチで売り上げ枚数を稼いでいます。

10th選抜で2列目から3列目になったこと、10月中下旬に演劇「生きているものはいないのか」の連続公演に出演が決定したこと、「二科展」に3年連続入選したことなど、色々と注目を集める出来事があり、握手会への申し込みスピードのアップにつながっているのかもしれません。

永島聖羅は、担当部数が5部増える中、前作より早く完売を出していて、引き続き好調を維持している感がある。

FM-FUJI「沈黙の金曜日」でのトークも板についてきたようで、固定ファンを掴んで、着実に人気が上がっているのだと思います。


ところで、渡辺みり愛がなんと第3次応募でいち早く1部を完売して、凄いですね、どうしたんでしょう(笑)。

ただ、「16人のプリンシパル trois」では、主役の「ポリン姫」を射止めた上、第2幕で披露した演技への評価も高いようで、こういった活躍が握手会の完売につながっているのかもしれません。

何にせよ、アピールの場が少ない研究生ながら、「1期10」以外の完売3人に入っているわけで、大いに自信を深めていいと思いますよ。

一方、9枚目個別で二期生が初めて完売を出したのは、第6次の堀未央奈だったので、二期生全体の調子が前作と比べて云々という話はこれからですね。


さて、10枚目「何度目の青空か?」のCDセールスを予想するとき、まず気になるのは、オリコン初動が前作を越えるかどうかという点です。

10枚目の置かれた状況を知るために、乃木坂9枚目までの発売第1週売り上げを振り返ってみましょう。

(表3) 歴代シングルに関する発売第1週目の店頭販売、オリコン、個別握手会のCD売り上げ枚数推移

凡例
シングル番号 : 店頭販売CD第1週売り上げ [オリコン初動] 初動(OC-CS)差 (個別握手会総部数、開催日数)

# 「店頭販売CD第1週売り上げ枚数」は、店頭販売される全タイプのCDについて、その第1週売り上げ枚数を合計したもの。
サウンドスキャンTOP20に初回限定盤しかランクインしていないときは、それらの合計枚数の4%を通常盤売り上げ、4.5%をアニメ盤売り上げと推測して、全タイプの合計を求めている
#「CS」は店頭販売(Counter Sale)、「OC」はオリコン
# 初動(OC-CS)差は、オリコン初動から店頭販売CD第1週を引いたもの。個別握手会によるCDの売り上げ枚数に等しい

1枚目 : 8.3万枚 [13.6万枚] 5.3万枚 (300部, 3日)
2枚目 : 7.3万枚 [15.6万枚] 8.2万枚 (300部, 2日+ミニ4日)
3枚目 : 6.1万枚 [18.7万枚] 12.6万枚 (330部, 4日)
4枚目 : 6.6万枚 [23.3万枚] 16.7万枚 (430部, 5日)
5枚目 : 7.2万枚 [24.2万枚] 17.0万枚 (437部, 5日)
6枚目 : 9.7万枚 [33.7万枚] 24.0万枚 (630部, 6日)
7枚目 : 9.0万枚 [39.5万枚] 30.5万枚 (664部, 6日)
8枚目 : 11.8万枚 [45.8万枚] 34.0万枚 (759部, 6日)
9枚目 : 11.0万枚 [42.2万枚] 31.1万枚 (786部, 6日)
10枚目:(915部, 7日)


乃木坂のシングルは、3枚目以降、個別握手会の総部数を一貫して増やしていて、それが功を奏して、8枚目までは個別による売り上げ枚数が常に前作を越えています。

店頭販売の売り上げ枚数は、前作を下回るケースもあったけど、個別握手会によるセールスアップによって、それを打ち消し、乃木坂は8枚目「気づいたら片想い」まで、オリコン初動の右肩上がりを実現してきました。

ところが、9枚目「夏のFree&Easy」は、総部数を増加したにも関わらず、個別による売り上げが前作を下回り、その結果、歴代初の初動前作割れとなってしまった。

一番の原因は、特定メンバー以外の握手会人気が伸びなくなり、メンバー間に大きな格差が出来てしまったことです。

「乃木坂のエース」と言っていい生田絵梨花を10枚目でセンターに抜擢したのは、NHK紅白歌合戦を睨んでという以上に、グループへの注目度を高めて、再び握手会に多くのファンを呼び込み、連続での前作割れを避けたいという思惑が、運営にあるのかもしれません。


10枚目で前作初動を越えるためには、発売第1週において、個別握手会で31万1千枚、店頭販売で11万枚を上回ることが目標になります。

果たして大丈夫なのか、ちょっと考えてみましょう。

(表4) 10枚目、9枚目、8枚目の個別第5次応募終了時点でのグループ別の売り上げ関連データ

凡例
シングル番号第5次終了時点「タイトル」個別による推定売り上げ枚数
応募期間:(Xd)~((X+1)d)
完売部数/担当部数 [完売率, 推定売り上げ枚数, 完売を出している人数/総人数, 1人当たりの平均完売部数]:グループ名

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある
# 応募期間の「-38d」は、オリコン初動集計締め切り日の38日前という意味
# 10枚目の表で、伊藤寧々担当の11部はそのまま計上している

10枚目個別第5次終了時点「何度目の青空か?」27.0万枚
応募期間:(-38d)~(-37d)
197部/285部 [69.1%, 17.7万枚, 10/10人, 19.7部]:1期10
002部/349部 [00.6%, 06.4万枚, 02/19人, 00.1部]:1期20
001部/136部 [00.7%, 02.5万枚, 01/11人, 00.1部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
205部/775部 [26.5%, 27.0万枚, 14/41人, 05.0部]:全体

9枚目個別第5次終了時点「夏のFree&Easy」25.4万枚
応募期間:(-38d)~(-37d)
188部/270部 [69.6%, 16.5万枚, 09/09人, 20.9部]:1期10
001部/364部 [00.3%, 06.1万枚, 01/20人, 00.1部]:1期20
000部/149部 [00.0%, 02.5万枚, 00/12人, 00.0部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
194部/788部 [24.6%, 25.4万枚, 11/42人, 04.6部]:全体

8枚目個別第5次終了時点「気づいたら片想い」27.7万枚
応募期間:(-32d)~(-31d)
195部/293部 [66.6%, 17.5万枚, 10/10人, 19.5部]:1期10
013部/327部 [04.0%, 07.3万枚, 06/20人, 00.7部]:1期20
003部/140部 [02.1%, 02.9万枚, 02/13人, 00.2部]:2期
211部/760部 [27.8%, 27.7万枚, 18/43人, 04.9部]:全体


10枚目個別は第5次応募終了時点で推定27万枚の売り上げとなっていて、前作同次の25万4千枚を1万6千枚ほど上回っています。

ただ、生田絵梨花の寄与分が推定1万7千枚ほどであることを考慮すると、9枚目の勢いと本質的にはそんなに変わらないペースという印象を受けます。

やはり、9枚目と同様、「1期20」と「2期」のセールスが低調なので、「1期10」のセールスがほとんどを占めて、積み上げパターンが似てくるんですね。

とはいえ、「1期10」が9人から10人になっている事情なんて、もちろん外から見ればどうでもいいことなので、とにもかくにも、いくちゃん分は増加しているのだから、前作を上回るペースと言っちゃいましょう(笑)。


さらに、10枚目では、第6次応募から、7番目のパシフィコ横浜会場を追加して、総部数を915部まで上げます。

「1期10」は、まだ1枚も売れていないまっさらな部を、新たに50部担当するわけですが、関東エリアということで、第9次までに、ほぼ全完売に近い売り上げを期待していいんじゃないでしょうか。

また、6番目の東京ビッグサイトは、まだ第1次応募に相当する段階なので非完売部に余地があって、臨海副都心という場所もプラスに働くだろうから、枚数を稼げる可能性は高い。

結局、「1期10」が7番目会場を全完売する、もしくは50部全完売に匹敵する枚数の売り上げを6番目7番目で出せば、3万枚ほどの積み上げとなり、現在の27万枚から見て、30万枚は確保できる計算になります。

9枚目個別の初動算入分は、31万1千枚なので、10枚目の第9次応募までに、あと1万枚ほど積めば、前作に手が届くわけです。


次の表は、9枚目と8枚目の個別による売り上げが、初動に計上される時期に、どこまで達していたかを示しています。

(表5) 9枚目と8枚目の初動算入時点でのグループ別の売り上げ関連データ

# 表示形式は、(表4)と同じ
# 9枚目は第9次応募、8枚目は第8次応募までがオリコン初動に算入された可能性が高い

9枚目第9次終了時点「夏のFree&Easy」30.7万枚
応募期間:(-10d)~(-09d)
249部/270部 [92.2%, 18.0万枚, 09/09人, 27.7部]:1期10
007部/357部 [02.0%, 08.7万枚, 03/19人, 00.4部]:1期20
003部/149部 [02.0%, 03.7万枚, 01/12人, 00.3部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
264部/781部 [33.8%, 30.7万枚, 14/41人, 06.4部]:全体

9枚目第5次 ==5.3万枚==> 初動算入時期:全体

8枚目個別第8次終了時点「気づいたら片想い」34.2万枚
応募期間:(-10d)~(-09d)
264部/294部 [89.8%, 19.5万枚, 10/10人, 26.4部]:1期10
027部/330部 [08.2%, 10.7万枚, 10/20人, 01.4部]:1期20
006部/135部 [04.4%, 04.0万枚, 03/12人, 00.5部]:2期
297部/759部 [39.1%, 34.2万枚, 23/42人, 07.1部]:全体

8枚目第5次 ==6.5万枚==> 初動算入時期:全体

# (表3)に示した個別握手会による第1週売り上げ枚数は、オリコン初動とサウンドスキャン第1週から求めたもので、この表での推定売り上げ枚数と少し異なっている。両者の違いには、シミュレーション計算の誤差、あるいは応募分が全部算入されなかったという理由が考えられる


10枚目では、関東で行なう6番目7番目会場に、申し込みが流れて、他会場の売れ行きが鈍る心配はあるけど、上表から計算すると、9枚目では、第6次から第9次までで、「1期20」が2万6千枚、「2期」は1万2千枚を積み上げています。

従って、「1期10」が第6次から第9次に、追加2会場で50部完売相当のセールスを挙げるという割と甘めの条件をクリアすれば、「1期20」と「2期」に余程のことがない限り、個別握手分が前作を越えるのは、まず確実と言っていいと思います。


しかし、8枚目「気づいたら片想い」個別を越えるかどうかとなると、現時点では、何とも言えない部分があります。

(表4)のように、第5次応募終了時点では、10枚目と8枚目はほぼ互角です。

ところが、10枚目個別では、この段階で完売を出しているのが「1期20」2人、「2期」1人であるのに、8枚目は「1期20」6人、「2期」2人。

第5次応募の時期は、初動算入から見て、8枚目の方が1週間ほど遅いので、単純には比較出来ないけど、前々作個別の方が、「1期10」以外のメンバーにまだ勢いがあったように見えます。

実際、(表5)に示されるように、8枚目は初動算入時期である第8次応募終了時点で、「1期20」は10人、「2期」は3人が完売を出していて、合わせて33部の完売です。

こういった「1期10」以外からの寄与によって、8枚目は第6次から第8次の間に、6万枚を大きく越える積み上げを達成しています。


一方、もし10枚目で、「1期10」のグループ完売率が、8枚目、9枚目と同じく90%程度になれば、第6次から第9次までに、100部ほどの新たな完売が出ることになり、それだけで5万枚近い積み上げを期待出来るので、「1期20」と「2期」の分を考えると、前々作個別を越える可能性が出てきます。

しかし、2会場追加の全95部という大幅な増部に耐えて、完売率90%を実現出来るかどうかは今のところ何とも言えません。

「1期10」の完売率がかなり下がった場合は、「1期20」と「2期」のセールスがポイントになるけど、9枚目と同じく、人気格差が再び発生すると、見通しは厳しくなります。

結局、10枚目個別は、9枚目個別を上回るのはほぼ確実と言っていい状況だけど、8枚目個別を越えるかどうかは、第6次、第7次と、今後の推移を見ないと分からないという感じです。

一応、「何度目の青空か?」個別の売り上げ推移表を載せておきます。

(表6) 10枚目「何度目の青空か?」に関する、個別握手会応募受付の次数と推定売り上げ枚数の推移

凡例
[個別握手会の応募受付次数] その応募での積み上げ完売部数 {その時点での推定累計売り上げ枚数} (受付時期、応募最終日から初動集計締め切り日までの日数)

# 積み上げ完売部数が赤色の数字で示されているものは、その全部がオリコン初動に確実に算入されたことを、ピンク色の数字は、その一部が算入された可能性が高いことを示す
# 売り上げ枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入したもの
#「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味
# オレンジ色の日付は予想される日程で、運営からの正式発表はまだない

10枚目「何度目の青空か?」
発売日 2014年10月8日(水)
オリコン初動集計締め切り 2014年10月12日(日)
受付間隔:1週間に1回
初動算入:おそらく第9次分まで
初動算入分:??万枚
第4次応募まで
発売 =25日=> 第1回 =77日=> 第5回 (102日)
第5次応募より
発売 =25日=> 第1回 =90日=> 第6回 (115日)
第6次応募より
発売 =25日=> 第1回 =98日=> 第7回 (123日)

[01次] +03 {003/640, 0.6万枚} (2014/08/08~08/08, -65d)
[02次] +75 {078/640, 12.0万枚} (08/14~08/15, -58d)
[03次] +64 {142/640, 19.7万枚} (08/21~08/22, -51d)
[04次] +39 {181/640, 23.1万枚} (08/28~08/29, -44d)
[05次] +24 {205/775, 27.0万枚} (09/04~09/05, -37d)
[06次] +?? (09/11~09/12, -30d)
[07次] +?? (09/18~09/19, -23d)
[08次] +?? (09/25~09/26, -16d)
[09次] +?? (10/02~10/03, -09d)
[10次] +?? (10/09~10/10, -02d)
[11次] +?? (10/16~10/17, +05d)


個別握手会のCDセールスに関しては、このように、ある程度予測をすることが出来ますが、一方、店頭販売は、本当に分かりません(笑)。

とくに今回は、全国握手会にミニライブが付くのかどうか、ないとすれば、それに代わるイベントを行なうのか、運営から日程も含めて、何も発表がないので、もともと難しい初回限定盤のセールス予想が、五里霧中状態になっています。

今週の土曜日に、9枚目「夏のFree&Easy」の全国握手会が名古屋で行なわれる予定で、近日中に、詳細が告知されると思います。

どういう形式で全国握手会を開催するのか、その際に判明するだろうから、10枚目の店頭販売セールスを考えるヒントになるでしょう。


全国ツアーが成功して、生田絵梨花が華々しく登場した神宮ライブは、ファンから高い評価を得ていて、新センターであるいくちゃんへの注目度は上がっているように思えます。

さらに、先週公開された「何度目の青空か?」MVはかなり評判が良く、新曲キャンペーンとして、なかなかの好スタートを切ったと言えるんじゃないでしょうか。

こういったプラス条件があるので、一般流通CDのセールスが、前作の11万枚から大幅に落ち込む心配は、少ないように思えます。


しかし、全国握手会にミニライブが付かず、その代替イベントもなければ、店頭販売の第1週売り上げ枚数が前作の半分以下になったAKB48「心のプラカード」(8月27日発売)の例もあって、何が起こるか、さっぱり分からなくなってくる。

万が一、10枚目の店頭販売が前作11万枚の半分近い6万枚になったら、オリコン初動前作割れを防ぐ為には、個別握手会分を、現在の27万枚から、上で考えた31万1千枚ではなく、36万1千枚万まで上げなければならず、相当にキツい話になります。

つまり、五里霧中の霧が晴れたら、いきなり崖っぷちに立っていたという可能性もあって、個別分の前作越えは堅いから、オリコン初動も大丈夫!、とは言えないんですね。

上で検討したように、握手会スターが10人に固定され、増えたり減ったりしない現在、個別握手会の売り上げは、上がっても下がっても、実は、大胆な変動をする可能性は小さい。

従って、初回限定盤のセールスが鍵を握るわけですが、10枚目全国握手会の内容はおろか、日程さえ判明していないので、もう何とも予想しようがない、というのが本音です(笑)。


特典イベントによるCDセールスは、コアファンの意識や動向と密接に絡むけど、収録楽曲のヒットとはほとんど関係がなく、初動や累計が前作を割ろうが越えようが、ヒット指標として、そんなに気にすることはないと思います。

むしろ、ダウンロードや有線のランキングに注目した方が、まあ、それもプロモーションの掛け方次第という話はあるけど(笑)、ヒットの度合いを測るのであれば、まだ実りがあるでしょう。

ただ、個別握手会を7日にして、総部数を増やし、「神曲」だと宣言して(笑)、運営が自ら10枚目のCDセールスに勝負をかける流れを作っているので、売り上げが伸びなきゃマズいという雰囲気が出来つつあって、ネットでは、70万枚、80万枚、いやミリオンだと(笑)、ちょっと現実離れした話まで出ているようです。

ちなみに、10枚目個別握手会の総部数915部が全完売した場合、その売り上げは62万枚ほどと推定されます。

同時に、店頭販売が30万枚に達すれば、オリコンは90万枚を突破して、握手会は人で溢れかえり、ネットは大騒ぎになると思いますが、まあ、そんな心配はしなくていいかと(笑)。


シングルの売り上げ予想をするメリットの一つは、数字が持っている本質的な意味、もしくは無意味に気づいて(笑)、オリコンやサウンドスキャンを冷静に眺められるようになることである気がします。

乃木坂が好きで、神宮ライブの生田絵梨花にしびれ、「何度目の青空か?」MVに感動して、メンバーをさらに好きになる。

それ以外はすべからく蛇足というのが、シミュレーション計算の真の答えなのかもしれません(笑)。



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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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「何度目の青空か?」MVは、巧みな構成と緻密な物語展開で、生田絵梨花が美しく香り立つ名作 [14Sep14]

2014-09-14 16:00:00 | 芸能
今日の記事タイトルは、10枚目表題曲MVの感想ですが、その前に、金曜日に発表されたメンバー卒業に関する話を。


何でしょう、このヘビーな虚脱感は。

伊藤寧々、矢田里沙子、米徳京花の三人が乃木坂46を卒業すると発表されました。

市來玲奈卒業の際、学業や進路の問題から今後、卒業が相次ぐかもしれないと覚悟はしていました。

9枚目ではシングル制作期間のど真ん中に17日間22公演に及ぶ「16人のプリンシパル trois」を入れ、平日活動が制限される学生メンバーのことを考慮しないスケジュールとなった。

また、10枚目の選抜構成は、9枚目から継続の選抜常連メンバーがほとんどで、「新顔」は初選抜となる斎藤ちはるのみ。

2チーム制やユニット結成なども行なわれず、アンダーや研究生の置かれた状況を考えると、乃木坂を離れる決断をするメンバーが出てきておかしくなかった。

ただ、頭では分かっていても、こうやって具体的に話が出てくると、あまりにショックです。


伊藤寧々は、大人の色気と子どもっぽい可愛らしさが同居しているような飛び抜けた美貌と抜群の運動能力を持ち、選抜回数は少ないながら、非常に存在感のあるメンバーです。

「制服のマネキン」のパフォーマンスでは、ロンダートという体操の大技を披露してステージを盛り上げ、また、5月に放送された「関ジャニの仕分け∞ 第4回Y字バランス女王NO.1決定戦」に出場、身体能力の高さと小柄な可愛らしさを存分に発揮していました。

穏やかで優しい性格なのか、インタビューなどでは、恥ずかしそうにやや小声で話すことが多く、彼女の醸し出す柔らかい雰囲気が私は大好きで、ねねころのいない乃木坂なんて、想像したくないです。


矢田里沙子は、親しみやすい笑顔と滲み出るような色気を感じさせる美人で、確か短大2年生だと思います。

米徳京花は、来春高校進学の中学3年生で、「銀幕のスター」という言葉が浮かぶほど、スケールの大きな正統派の超美人です。

二人とも、これからの活躍が大いに期待出来る逸材で、1年半での卒業は、あまりに惜しい、惜し過ぎます。


10枚のシングルで、伊藤寧々が選抜入りしたのは、5枚目「君の名は希望」の1回、また3枚目「走れ!Bicycle」では、カップリング曲「涙がまだ悲しみだった頃」でアンダーセンターを務めています。

乃木坂の場合、シングル収録6曲の中、多くの場合、4~5曲は「選抜曲」で、選抜メンバーのみか、そこにアンダーメンバーがごく一部参加する程度です。

結局、アンダーメンバーが確実に担当出来るのは1曲だけで、MVへの出演も、センターかフロントにならなければ、ごく一瞬というのが普通です。

こういった選抜・福神による楽曲の総取りシステムのため、選抜に入れない状態が続くと、乃木坂活動の要であるシングル制作に事実上、ほとんど参加出来ず、グループの中心から遠ざかってしまう雰囲気になってしまいます。

やはり、多くの楽曲に参加することこそがメディア露出と知名度アップの決め手で、さらに歌やダンスのスキルアップにもつながっていくので、担当曲数が少ないというのは、タレントとして大変に厳しいことだと思います。

とくに、研究生は、アンダー曲にすら参加出来ないので、自分が芸能活動をしているという実感が、持てなくなる場合があるかもしれない。


さらに、おそらく、テレビ番組や映画のオーシデョンを、自由に受けることは出来ないだろうから、選抜回数の少ないメンバーの閉塞感は察して余りあります。

伊藤寧々は、ブログに

乃木坂46というブランドがあれば
ステージに立って歌って踊れて
ドラマや映画や雑誌やバラエティ番組に
出ることが出来る。

と書いています。

しかし、卒業した宮澤成良の最近の活躍を見ても、「乃木坂46というブランド」が自分に与えてくれるもののプラス面とマイナス面を、選抜回数の少ないメンバーは、絶えず突きつけられていると思います。

10th選抜発表では、3列目に下がった若月佑美が涙を浮かべながら、「自分が前に進んでいるのかどうか分からない」と語っていました。

選抜常連の若月でさえ、これだけの焦燥感を抱えているのだから、ねねころが

ただ、現状歳を重ねるにつれ将来のことも
具体的に考えるようになって
沢山沢山悩みました

となるのも、もっともです。

10枚のシングルCDで、選抜入りが1回というのは、経験したものでないと分からない、苦しい場面が何度もあった筈です。

伊藤寧々は、3年近く、そんな状況に置かれながらも、明日への希望を持って、乗り越えてきたわけで、彼女の乃木坂への思いを考えると、胸が詰まります。

一方、矢田さんと米徳さんは、来春、短大と中学を卒業するので、タレントとしての将来展望という問題に、進路という要素が加わり、期限付きの決断を迫られたことと思います。


これで乃木坂は有望なメンバーを一気に3人も失ってしまうことになります。

実は、金曜日に卒業発表をネットで目にしたのだけど、詳細を見る気になれなくて、今日初めて、公式サイトをのぞいて、三人のブログを読みました。

今まで乃木坂の大切なメンバーだった人たちが、グループを去っていく姿を目の当たりにすると、まだ9月なのに、秋風がやけに涼しく感じます。

アンダーであれ、研究生であれ、直接の「推し」でなくても、メンバーの大量卒業は、多くのファンの心理を冷え込ませ、乃木坂の人気を下げてしまう危険があります。


実際、AKB48Gでは、大島優子のようなトップメンバーだけでなく、中堅、研究生と、次から次へ発表されるメンバーの卒業が、ファンのモチベーションを下げ、人気低落の主原因になっているという声がある。

伊藤寧々、矢田里沙子、米徳京花、それぞれに事情があって卒業を決めるに至ったと思うけど、運営は、今のような握手会主義による選抜決定や選抜・福神による楽曲総取りシステムで本当に良いのか、しっかり検証をして欲しい。

現状を考えると、今後、新たな卒業が起こる可能性は、残念ながら、決して低くありません。

これ以上卒業が続くと、グループを巡るテンションが下がり、メンバーの卒業を切っ掛けに、ファンをやめる人が増えて、乃木坂の人気が致命的なダメージを受けかねません。


少なくとも、超多忙で新曲キャンペーンにすら参加出来ないことがある松井玲奈を選抜入りさせ、一方で、選抜回数の少ないアンダーや研究生には1枠しか与えないというやり方は、改めるべきでしょう。

「乃木坂って、どこ?」における10th選抜発表の際、選抜に入らなかったメンバーの表情には悲痛なものがありました。

この選考結果は多くのメンバーに対して、「乃木坂ブランド」に残留するべきかどうかという心の葛藤に、大きな影響を与えている気がします。

芸能界を眺めると、アイドルをやりながら、有名大学をちゃんと卒業する人も少なくないし、何か資格を取って、専門アイドルになる人だっている。

運営は、メンバーに乃木坂で活動し続けることを選んで貰えるよう、今一度、現在のやり方を見つめ直すべきだと思います。


新しくメンバーを応募しても、人気が出るには時間が掛かるけど、既存メンバーが卒業したら、1人であっても、ファンの大幅減少を覚悟しなければなりません。

世界のどこを探しても、伊藤寧々は一人しかいないのだから、乃木坂がねねころを失うということは、彼女しか持っていない魅力を失うことを意味し、その魅力に引かれていたファンを失う可能性がある。

どんなに大規模な新規オーデョションを行なっても、伊藤寧々の代わりは、絶対に見つけることは出来ません。

今いるメンバーは、選抜、アンダー、研究生を問わず、乃木坂の一番大事な宝ものだと思います。


伊藤寧々さん、矢田里沙子さん、米徳京花さん、これからの1ヶ月、乃木坂での最後の活動を存分に楽しんで下さい。

そして、その後、次へ向かって大きく羽ばたかれることを心から願っています。

乃木坂での活動、本当にお疲れさまでした。


乃木坂公式サイトの「伊藤寧々の卒業」に関する記事

乃木坂公式サイトの「矢田里沙子と米徳京花の卒業」に関する記事

伊藤寧々の2014/09/12 _6:24ブログ

10枚目アンダーの
アンダーライブではありますが
スタッフさんにお願いをして全日程
出させていただくことになりました。

私の最後の活動はアンダーライブになります。

ねねころは、アンダーライブ千秋楽である10月19日(日)の「スペシャル公演」が最後のようです。

矢田里沙子の2014/09/12_16:30ブログ

最後の10/18の横浜での握手会まで
どうぞよろしくお願い致します。

米徳京花の2014/09/13_00:00ブログ

私にとって、
10月18日の横浜での個別握手会が
乃木坂46としての最後の活動と
なります。

10月18日(土)は、9枚目「夏のFree&Easy」の最後の個別握手会ですね。

(参考記事) 市來玲奈の卒業から見えるもの、学業との両立問題が招く乃木坂の卒業ラッシュと人材不足 [22Jul14]



さて、気を取り直して(笑)、金曜日に公開された10枚目「何度目の青空か?」MVについて、感想を述べてみます。

卒業発表でMVをゆっくり楽しむ気分が吹き飛んでしまった感があるけど、この作品は、素晴らしいです。

MVを見てない方は、記事を読む前に、まずはご覧になることをお薦めします。

以後の文章に、幾つかのシーンの内容や私の感想が書かれていて、先入観を持ってMVを見るのはあまり宜しくないかと思いますので。

「何度目の青空か?」のYouTube公開MV
クリックするとすぐに動画が始まるので、音声などにご注意下さい




何と言っても、脚本が良い。

昨年まで女子高だった学校が共学となり、今年、そこに入学した、たった一人の男子高校生。

授業中小さな紙が回ってきて、何かと思ってみたら「チャックが開いてます」(笑)。

トイレに入ろうとしたら、女子トイレで、隣に行こうとしたらそこも女子トイレ。

慌てて、男子トイレを探しに、学校中を走り回るはめに。


教室で体操服に着替えようとしたら、女の子たちから出て行くように言われ、階段の踊り場で着替えるものの、女子の集団がやってきて、パンツ一丁で逃げ回ることに(笑)。

体育の授業では、女子が楽しくバスケをする横で、一人だけ柔道をさせられ、大柄な男性教師に寝技をかけられ悶絶。

こういうキツめのスポーツは、男の友だちが一緒だと心強くて頑張れるんだけど、一人で、しかも他は全員女子って、かなりツライと思う。

クラスの女の子は、彼に興味はあるものの、素直に話しかけられなくて、一方、男の子は、自分がのけ者にされていると疑い、やや拗ねた感じになってしまって(笑)、クラスから離れ、一人で弁当を食べ、休み時間も一人で空を眺めている。


思春期の高校生、たくさんの女の子の中に男の子が一人という設定は、エピソードを考えやすく、珍しくはない気がするけど、女性アイドルグループのMVに、その設定を持ってくるのは、大胆な発想だと思います。

どうしても男の子が主人公になって、メンバーは脇役になってしまうので、学園ものなら、「ガールズルール」MVのように、女の子同士の友情や葛藤を描くことが多いんじゃないかと。

しかし、アイドルのMVとしては型破りな設定ながら、女の子たちと男の子の間に生まれる微妙な感情を、日常のちょっとした出来事に笑いを絡めながら、深刻にならないタッチで、丁寧に描いて積み上げていくドラマ展開は秀逸です。


相当に力量のあるプロでないと出来ないレベルだと感じたのですが、監督である内田けんじ氏を調べてみて、納得しました。

実は、「アフタースクール」(2008)という映画を、以前、映画館で観たことがあります。

大泉洋、堺雅人、佐々木蔵之介といった華のある俳優たちが主役で、日常世界と壁1枚隔てて存在するちょっと怪しい裏世界を舞台に、伊武雅刀など個性派がパンチのある演技を繰り出し、独特の空気感の中、映画の魅力に酔いしれました。

この映画の監督・脚本が内田けんじ氏だったんですね。

確かに、コメディ風味を維持しつつ、スピーディで小気味の良い展開、結末の見えない物語、そして最後にどんでん返しがあったりして、脚本が重要な役割を果たす作品でしたが、当時は、誰が監督で、誰が台本を書いたのか、そこまでは気にしませんでした。

もちろん、エンドロールには名前が出てきて、それを観たと思うけど、かなりの映画通でなければ、出演俳優は確認しても、制作陣はなかなかチェックしませんよね、申し訳ないです(笑)。


「アフタースクール」は、第32回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞、その後、再び内田氏が監督・脚本を担当した「鍵泥棒のメソッド」(2012)も、第36回日本アカデミー賞優秀脚本賞を始めとして、数多くの脚本賞を受賞したようです。

物語が生まれやすい思い切った場面設定とクスクス笑いを呼ぶような面白くてテンポの良い展開、「何度目の青空か?」MVには、「アフタースクール」に通じるテイストを感じます。

また、曲の詞とメロディは、出だし部分、低いキーによるやや暗い雰囲気で「僕」の苦悩が歌われ、それが徐々に明るく、高いキーによるアップテンポな調子となり、最後、解決編とも言うべき大団円風の晴れやかなフィニッシュを迎えますが、ドラマの展開も、その流れに沿った進行になっている。


男の子が、女子ばかりのクラスで疎外感を抱えた日々を送るなか、彼を心配そうに見つめる生田絵梨花の表情が何度かクローズアップされます。

高校を舞台にした物語部分とは全く別に、ステージ上でのダンスシーンが最初から挿入され、そこでは、いくちゃんがセンターという「主役」を務めていますが、ドラマでは、男子高校生が「主人公」となっている。

ところが、物語の最後、主人公と女子たちとの関係性が急激に変化、そして、それまで脇役だった筈の生田絵梨花が、一気に主役となる「転調」が起こり、楽曲も爽やかで壮大な世界に入っていく。

男の子の学校生活を緻密に描く手法に加え、音楽の「転調」と共に、脇役を主役に変えてしまう巧みな構成に、鳥肌が立つような、脚本の切れ味を感じます。


体育が終わった後、階段踊り場に畳んで置いてあった男の子の制服を、クラスの女の子たちが持ち去り、教室でうろうろ自分の服を探す彼の後ろに、男子の制服を着た西野七瀬がしらっと立っている。

やや度を越した、無邪気ないたずらですね(笑)。

ななせまるの服に気づいた男の子を見て、クラスの女子がみんなで笑う中、生田絵梨花がトントンと肩を叩いて、西野さんの制服を彼に差し出す。

そして、ちょっと笑いを含んだ目で、戸惑う男の子を見つめると、彼もニヤッと笑って、いくちゃんの意図を理解します。


曲の開始前と終了後に挿入された、主人公と別の学校に通う男友だちとの会話シーン以外、MVに一切台詞はなく、文字テロップもないので、このシーンでも目の動きだけの表現なんですが、いくちゃんはさすがに上手く、言わんとすることがよく伝わってくる。

そして、男の子がななせまるの制服を着て挑発、怒った西野に追いかけ回された挙げ句、最後に飛び蹴りをお見舞いされることに。

結局、この出来事が契機となって、男の子と女子の距離が縮まり、彼がクラスに溶け込むようになっていく。

憂鬱なスタートだった高校生活だったけど、主人公が周りの女子と心を通わすようになり、一緒に学校から帰ったり、色んなクラス行事を楽しみ、青い空が気持ち良く感じられる日々が訪れる。

曲調の変化に合わせて、物語世界の流れが変わり、音楽とドラマが見事に噛み合っています。


ななせまるの制服を男の子が着るあたり、どんでん返しとまではいかないけど、胸のすくような一発逆転の展開で、一歩間違えば、いじめになりかねないところが、いくちゃんの機転で、一気にクラスの雰囲気が変わっていく。

最後のシーン、クラスの女の子と一緒に写ったショットを見せられた男友達が、「お前、この子ばっかり撮ってるな」とスマホ画面を見せると、そこに窮地を救ってくれた生田絵梨花がアップで微笑んでいる。

生田絵梨花の優しさと美しさがパッと花開くようなシーンで、男子高校生が主人公だったのに、いくちゃんが一気に物語の中心に躍り出てきて、ダンスとドラマの両方で主役としての輝きを放つ。

ん~、見事な脚本です。

「ベン・ハー」(1959)という映画が、チャールトン・ヘストン演じるローマ時代のユダヤ人の半生を描きながら、「イエス・キリストの物語」という副題が付いているように、実は、救世主イエスの話でもある、そんなことを彷彿とさせる手法だと言ったら、言い過ぎでしょうか(笑)。


それにしても、この男の子、べらぼうに演技が上手いですね。

ドラマのほとんどが、彼の動きや表情の変化だけで進むので、そこがグズグズだと物語のベースが作れない。

加えて、主人公でありながら、最終的には、周りの乃木坂メンバーを引き立てる脇役としての働きを求められるわけで、目立ち過ぎてもいけないけど、大人し過ぎると、ドラマがつまらなくなる。

もの凄く難しいポジションですが、ハイレベルな次元で仕事をこなしていて、感心しました。

おそらく結構なイケメンだと思うけど、髪型や眼鏡で冴えない感じを作っていて、目を中心とした顔の表情と併せ、抜群に才能とセンスのある役者だと思います。


ドラマによる曲の途中ストップはなく、台詞や効果音が曲に被ることなく、文字テロップも曲中はなく、ダンスシーンを入れながら、音楽の尺に収まる物語にまとめられている。

MVの基本を踏まえた上で、練り込まれた脚本と質の高い演技で構成されていて、「何度目の青空か?」MVは、ドラマ系MVとしては、これ以上望めないくらいの傑作じゃないでしょうか。

とくに、日常的に起こるシーンが中心なので、飽きのこないドラマになっていて、何度も繰り返し観たくなるMVに仕上がっているのが良いですね。

実際、金曜日の公開以来、もう相当な回数観ていて、「何度目の再生か?」分からなくなっています(笑)。

これから多くの人の目に触れて、作品の評価が決まっていくと思いますが、個人的には、楽曲とメンバーの魅力を存分に引き出し、何度も観たくなる、最高レベルのMVであると感じました。


一つ要望を述べると、内田けんじ氏には、これからもぜひ乃木坂のMVを作って欲しい。

今回のMV制作で、何人かのメンバーの性格は監督に伝わったと思うので、次回は、そういった個々人の特徴を使った脚本を期待出来るのではないかと。

短い時間の中、しかも福神メンバーは何らかの形で登場させるという要求があるようで、乃木坂のMV制作は難しい仕事だと思いますが、これほど力量のある監督であれば、さらなる名作を生み出してくれそうで、楽しみにしています。

そうそう、途中から参加した星野みなみは、男子の制服を着て立っているななせまるの横で、最初から我慢出来ずに、少し笑っちゃってますね(笑)。

みなみは、ちょっとヌルい部分もあるけど(笑)、「シャキイズム」MVで見せたように、演技が上手くてセンスは抜群なので、主役級で起用すると面白いと思うのですが、監督、如何でしょう?。


乃木坂公式サイトの「何度目の青空か?」MV公開に関する記事

星野みなみの2014/09/13_23:06ブログ


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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「何度目の青空か?」個別握手会が7日915部へ緊急拡大、危険水域に入った乃木坂46とAKB48G [11Sep14]

2014-09-11 16:00:00 | 芸能
遂にやってしまいましたね、個別握手会の日数増加を。

(表1) 10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の日程

凡例
[順番] 設定部数:日付 場所

[1] 130部:11月02日(日) パシフィコ横浜
[2] 135部:11月24日(月祝) 幕張メッセ
[3] 120部:12月23日(火祝) ポートメッセ名古屋
[4] 115部:12月28日(日) 京都パルスプラザ
[5] 140部:01月18日(日) パシフィコ横浜
[6] 135部:01月31日(土) 東京ビッグサイト
[7] 140部:02月08日(日) パシフィコ横浜


10枚目「何度目の青空か?」個別は、6番目となる、1月31日(土)東京ビッグサイトが発表された後、間髪を入れず、2月8日(日)パシフィコ横浜が7番目として、追加されました。

6枚目「ガールズルール」から4シングル、関東4日名古屋京都各1日の個別6日が続きましたが、10枚目では、関東を5日に増やした個別7日になります。


乃木坂の個別握手会の売り上げ効率は、8枚目、9枚目と続落している

まず言いたいのは、現時点での日数増加は非常に危険だということです。

AKB48襲撃事件以来、厳重な警備が要求され、1部を設置する費用は格段に上がっている筈で、握手会の部数や日数を増やすのであれば、それに見合うだけの大幅な売り上げ増が不可欠です。

ところが、乃木坂の握手会人気は、7枚目「バレッタ」以降、勢いを失っていて、にもかかわらず部数増加を続けたために、以下のように、売り上げ効率が大きく落ちてきています。

(表2) 歴代シングル個別握手会の総日数、総部数、単位当たりの第1週売り上げ枚数

凡例
シングル番号 : 個別総日数 総部数 [個別1日当たりの第1週売上枚数, 100部当たりに換算した売上枚数]

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「5次分まで」は個別握手会第5次応募分までが第1週売り上げに計上されていることを示す

1枚目:3日 300部 [1.9万枚/日, 1.9万枚/百部]
2枚目:2日+ミニ4日 300部 [1.4万枚/日, 2.8万枚/百部]
3枚目:4日 330部 [3.2万枚/日, 3.9万枚/百部]
4枚目:5日 430部 [3.4万枚/日, 4.0万枚/百部]
5枚目:5日 437部 [3.5万枚/日, 4.0万枚/百部]
6枚目:6日 630部 [4.1万枚/日, 3.9万枚/百部]
7枚目:6日 664部 [5.2万枚/日, 4.7万枚/百部] (5次分まで)
8枚目:6日 759部 [5.7万枚/日, 4.5万枚/百部] (8次分まで)
9枚目:6日 786部 [5.2万枚/日, 4.0万枚/百部] (9次分まで)
10枚目:7日 915部 [?万枚/日, ?万枚/百部] (9次分まで)


3枚目「走れ!Bicycle」から「5枚目「君の名は希望」までは、100部当たりの売り上げは4万枚で一定していています。

6枚目「ガールズルール」で個別日数を5日から6日にして、総部数を大幅に増やしたときも、100部当たりの売り上げ枚数はほとんど変わらず、握手会の規模拡大に見合ったCDセールスを達成しました。

つまり、乃木坂の握手会人気には安定した勢いがあって、日数や部数の増加についていくだけの余力があったわけです。

しかし、7枚目「バレッタ」以降、総部数を増やす度に、100部当たりの売り上げ枚数が落ちています。

上表では、オリコン初動に算入された枚数から100部当たりを求めているのですが、8枚目「気づいたら片想い」、9枚目「夏のFree&Easy」は、流し込む応募次数を意図的に増やしているので、7枚目より8枚目、8枚目より9枚目と、条件はより有利になっているのだけど、逆に、数字が下がっている。

明らかに握手会人気の上昇率が落ちていて、部数増加に見合った結果を出せず、シングル毎に売り上げ効率が悪くなっています。


いやいや第1週がダメでも、その後、じわじわ人気が出て累計が良ければ問題ないという意見があります。

ところが、初動で勢いのないものが、累計で盛り返すというのは難しくて、「スルメ曲」なんて滅多にありません(笑)。

次の表は、8枚目と9枚目の100部当たりの売り上げ枚数を第17次応募終了時点で比べたものです。

(表3) 8枚目、9枚目個別握手会の総日数、総部数、単位当たりの第17次応募分までの推定売り上げ枚数

凡例
シングル番号 : 個別総日数 総部数 [個別1日当たりの第17次応募分までの推定売上枚数, 100部当たりに換算した売上枚数]

8枚目:6日 759部 [6.2万枚/日, 5.2万枚/百部] (17次分まで)
9枚目:6日 786部 [5.8万枚/日, 4.4万枚/百部] (17次分まで)


第1週時点、100部当たりのセールスで、9枚目は8枚目を0.5万枚下回っていたのが、第17次時点では、0.8万枚とさらに引き離されています。

8枚目と9枚目の個別応募受付は、ほぼ同じスケジュールで進んでいるので、同次数の成績はダイレクトに比べてもよく、9枚目における握手会人気の退潮傾向を明確に示しています。


5枚目から6枚目の時点であればいざ知らず、こういった状態で総部数を増やすと、握手会の売り上げ効率はさらに下落して、収支が一層厳しくなる可能性が高い。

とくに、日数を増やすとなると、新たに会場を借りて、新たにレーンを設営して、新たに警備を整えることになるわけで、莫大な追加費用が掛かってしまいます。

しかし、(表2)と(表3)に示されているように、それを賄えるだけの追加売り上げを期待出来る状況ではありません。

今回の個別日数増加は、握手会全体が大赤字になる危険があって、収支を考えれば止めた方がいい計画です。


乃木坂10枚目の初動前作越えは「心のプラカード」ショックで不透明に

もちろん、乃木坂の運営も、そういったことは十分承知していると思います。

にもかかわらず、なぜ総日数を増やそうとするのでしょう。

まず考えられるのは、AKB48の37枚目「心のプラカード」が、初動100万6千枚とミリオンぎりぎりとなり、とりわけサウンドスキャン調べの店頭販売CDセールスが23万枚という衝撃的な数字になってしまったことです。

前回記事に載せた表と重なる部分がありますが、以下のように、「心のプラカード」は、店頭販売CDの売り上げが、昨年同時期、同条件である「恋するフォーチュンクッキー」のほぼ半分で、それ以前の夏シングルと比べても、突出して低いセールスになっています。

(表4) AKB48歴代Bシングルの店頭販売によるCDセールス

凡例
シングル番号:サウンドスキャン第1週累計枚数の店頭販売CD全タイプについての合計「タイトル」

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目:49.3万枚「フライングゲット」
27枚目:45.2万枚「ギンガムチェック」
32枚目:43.9万枚「恋するフォーチュンクッキー」
37枚目:23.0万枚「心のプラカード」


さらに、発売2週目のオリコン週間売り上げが劇的に少なく、このデータからも店頭販売CD、つまり初回限定盤の売り上げが芳しくないことが分かります。

(表5) AKB48歴代Bシングルの発売1週目、2週目のオリコン成績

凡例
シングル番号 タイトル (発売日)
[1週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数
[2週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数

# 取り上げたのは2011年からのBシングル、すなわち総選挙によって選ばれたメンバーが担当する夏シングル
# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目 フライングゲット (2011/08/24)
[1週目] 1位:135.4万枚
[2週目] 2位:9.9万枚

27枚目 ギンガムチェック (2012/08/29)
[1週目] 1位:118.2万枚
[2週目] 3位:5.4万枚

32枚目 恋するフォーチュンクッキー (2013/08/21)
[1週目] 1位:133.0万枚
[2週目] 2位:5.7万枚

37枚目 心のプラカード (2014/08/27)
[1週目] 1位:100.6万枚
[2週目] 5位:2.2万枚


「心のプラカード」初回限定盤は、特典として全国握手会参加券が付いていて、10月以降に全7日を予定しているようです。

ただ、襲撃事件が全国握手会で起こったこともあって、AKB48Gの運営は警備に神経を尖らせていて、事前の身元確認が出来ない観客が多人数参加するミニライブは、中止する流れになりつつあります。

しかし、ミニライブのない全国握手会は、ファンからすれば魅力に乏しい筈で、「心のプラカード」の初回限定盤セールスが大きく落ち込んだことで、それが裏付けられた形になってしまいました。


乃木坂46も、全国握手会のミニライブは行わない方向で動いているように見えます。

ただ、そうなると、10枚目「何度目の青空か?」の初動を前作並みに持っていくのは、結構、大変な話になってきます。

10枚目個別を6日775部のままにした場合、9枚目個別と同じ、4万枚/百部の売り上げ効率であれば、31万枚ほどになって、前作レベルを維持するためには、以下の表のように、店頭販売を11万2千枚にしなければならない。

(表6) 10枚目オリコン初動が前作と並ぶ場合の個別100部あたり売り上げ枚数と店頭販売CDセールス

9枚目:6日 786部 [4.0万枚/百部] ==> 個別31.1万枚 + 店頭11.0万枚 (初動42.2万枚)

個別6日のとき
10枚目:6日 775部 [4.0万枚/百部] ==> 個別31.0万枚 + 店頭11.2万枚

個別7日のとき
10枚目:7日 915部 [4.2万枚/百部] ==> 個別38.4万枚 + 店頭3.8万枚
10枚目:7日 915部 [4.0万枚/百部] ==> 個別37.0万枚 + 店頭5.2万枚
10枚目:7日 915部 [3.8万枚/百部] ==> 個別34.8万枚 + 店頭7.4万枚
10枚目:7日 915部 [3.6万枚/百部] ==> 個別32.9万枚 + 店頭9.3万枚


「心のプラカード」のセールスを見ていると、「何度目の青空か?」でも、店頭販売が大きく落ち込む可能性があって、11万2千枚という目標は、かなりヘビーな数字に見える。

一方、個別を1日増やして、7日915部まで規模拡大を図った場合は、上表後半のように、売り上げ効率を4万枚/百部に保てれば、店頭分は5万2千枚で前作維持を達成出来る計算になります。

しかし、乃木坂の握手会人気は、特定メンバーは別にしても、全体として決して調子が上向きでなく、総部数増加に耐えて、4万枚/百部をキープ出来るかどうか予断を許さない、というより、(表2)と(表3)から考えると、売り上げ効率の減少が起こっても何の不思議もない。

もし、売り上げ効率が3.8万枚/百部、3.6万枚/百部と落ちてしまったら、オリコン初動の前作維持はどんどん厳しくなっていきます。


つまり、「心のプラカード」初回限定盤セールスで衝撃の数字が出た以上、「何度目の青空か?」個別を9枚目とほとんど変わらない6日775部に設定すると、前作維持は望み薄という状況が出来てしまう。

個別を7日にして、大幅に増部しても、必ず前作を越えるという保証はないけど、まだ確率は高くなるので、オリコンの数字にこだわるのであれば、赤字であっても、決行するしかない。

乃木坂公式サイトを見ると、当初運営は、10枚目個別を6会場に収めるつもりだったようですが、ここにきて、急遽方針を変え、7会場に踏み切ったのは、やはり、「心のプラカード」ショックが背景にあるのかもしれません。


では、10枚目は前作を越えられるのかどうかですが、現在分かっている第5次応募分までの完売状況を見ると、「大丈夫」という言葉は、一切口に出来ません。

個別セールスは今のところ、想像以上に厳しいです。

また、次のように、「何度目の青空か?」7番目の最終個別は、発売から4ヶ月以上先の開催で、しかも2月上旬というゴタゴタする時期なので、累計を押し上げる効果はともかく、初動にどのくらいプラスになるのか、ちょっと未知数の部分がある。

(表7) 各シングルの個別握手会期間

凡例
シングル番号:発売から最終個別までの日数 [最初の個別から最終個別までの日数]「タイトル」

01枚目:66日 [35日]「ぐるぐるカーテン」
02枚目:45日 [26日]「おいでシャンプー」
03枚目:66日 [55日]「走れ!Bicycle」
04枚目:60日 [56日]「制服のマネキン」
05枚目:47日 [44日]「君の名は希望」
06枚目:102日 [78日]「ガールズルール」
07枚目:95日 [77日]「バレッタ」
08枚目:110日 [106日]「気づいたら片想い」
09枚目:101日 [97日]「夏のFree&Easy」
10枚目:123日 [98日]「何度目の青空か?」


関東の会場なので、「1期10」の50部は全完売が期待出来て、それ以外のメンバーも完売が多数出なくても、それなりに売れるのは間違いないだろうから、4万枚くらいの新たな積み上げは見込んでいいという気はします。

4万枚の余裕が出れば、残り6会場が前作並みの売れ行きでも、店頭販売分は7万2千枚で初動前作割れを防げるので、まあ、何とか話が出来るレベルには持っていけるんじゃないでしょうか。

ただ、7番目の会場に申し込みが流れた分、残り会場が売れなくなることもあり得るわけで、初回限定盤のセールスと併せて、何一つ許せる予断はありません(笑)。

つまり、10枚目の初動前作越えは、今回の総部数増加でも、決して楽勝とは言えないということです。


AKB48運営会社の台所は想像以上に厳しいのか

もちろん、個別日数を増やして、多額の出費をする以上、前作をやや上回る程度の売り上げでは、収支はむしろ悪化する可能性が高く、一連の動きを見ていると、運営が握手会全体の会計を考えているとは、到底思えなくなってきます。

しかし、一方で、運営が赤字覚悟で、ここまでオリコンの数字に執着するというのも、ちょっと考えづらい。

乃木坂の場合は、ミリオン維持といった「記録」にこだわる必要はないので、二作連続での前作割れが起こっても、40万枚ほどの売り上げでオリコン1位となれば、とくに問題があるようには思えません。

もう、握手でCDを売っているのは、周知の事実で、多少数字が上がろうが下がろうが、メディアも気にしないでしょう(笑)。

そんな状況なのに、CDセールスを1ミリも落としたくないがために、赤字覚悟で、多額の出費が必要な握手会を追加で行なうかなと。


となると、個別の規模を緊急拡大したのは、とにかく目先のお金が必要ということで、かなり台所事情が宜しくないんだろうかと、疑いたくなります。

週刊誌の記事に、AKB48を運営する会社が、相当額の赤字を出していると読める情報が載っていました。

実は、37枚目「心のプラカード」の売り上げは、店頭販売の大幅下落だけでなく、今後のCDセールスを考える上で、極めてショッキングな内容です。

(表8) AKB48シングルCD売り上げの総選挙サイクル

凡例
総選挙サイクル記号 : OC第1週枚数 [SS第1週+初動(OC-SS)差, 初動(SS/OC)比, X万枚/日)「タイトル略記」

# 枚数はすべて万枚単位、小数点以下1桁目を四捨五入して表示
# 初動(SS/OC)比はサウンドスキャン第1週をオリコン初動で割ったもの。パーセント表示で、小数点以下1桁目を四捨五入
# 初動(OC-SS)差はオリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたもの。個別握手会によるCD売り上げにほぼ等しいと考えられる
# Xは初動(OC-SS)差を個別握手会の日数で割ったもの。握手会日数は、31枚目まで3日、32枚目から37枚目が4日で、35枚目だけは5日

2011年度
A 21枚目:133 [54+79, 41%, 26] (2011/05/25)「Every」
B 22枚目:135 [49+86, 36%, 29] (2011/08/24)「フラゲ」
C 23枚目:130 [38+92, 29%, 31] (2011/10/26)「風は吹」
D 24枚目:120 [22+97, 19%, 32] (2011/12/07)「マリコ」
E 25枚目:129 [50+79, 39%, 26] (2012/02/15)「GMF!」

2012年度
A 26枚目:162 [73+88, 45%, 29] (2012/05/23)「真夏」
B 27枚目:118 [45+73, 38%, 24] (2012/08/29)「ギンガム」
C 28枚目:113 [40+73, 35%, 24] (2012/10/31)「UZA」
D 29枚目:107 [26+81, 25%, 27] (2012/12/05)「永遠」
E 30枚目:104 [33+71, 32%, 24] (2013/02/20) 「SL!」

2013年度
A 31枚目:176 [59+118, 33%, 39] (2013/05/22)「クロール」
B 32枚目:133 [44+89, 33%, 22] (2013/08/21)「恋する」
C 33枚目:120 [31+90, 25%, 22] (2013/10/30)「エレキ」
D 34枚目:103 [20+83, 20%, 21] (2013/12/11)「鈴懸」
E 35枚目:109 [24+86, 22%, 17] (2014/02/26) 「前しか」

2014年度
A 36枚目:166 [49+117, 29%, 29] (2014/05/21)「レトリバー」
B 37枚目:101 [23+78, 23%, 19] (2014/08/27)「プラカード」
C 38枚目:(予想2014/10/29)
D 39枚目:(予想2014/12/10)
E 40枚目:(予想2015/02/25)


AKB48は、総選挙投票券付きのAシングルを5月に、総選挙選抜が担当するBシングルが8月に発売され、その後、10月にCシングル、12月にDシングル、翌年2月にEシングルとリリースされていくサイクルを、毎年繰り返しています。

2011年度は、店頭販売セールスが、A、B、C、Dと進むにつれ下がっていき、Eで戻すパターンを見せています。

オリコン初動には、AからEまで、このパターンが微かに反映されているけど、さほど大きな変動はありません。

というのも、個別握手会による売り上げ枚数には、規則的な変動がなく、店頭販売セールスのパターンをやや緩和する形になっているからです。

2012年度にも、店頭販売は、Aを頂点に徐々に下がっていく推移を見せますが、一方、個別セールスはかなり一定した数字となったため、オリコン初動にもこの漸減パターンが現れてきます。

そして、2013年度に入ると、それが一層顕著になって、オリコン、サウンドスキャンともに、Aシングルを頂点として、シングルごとに大きく売り上げを減らすパターンが明確になってくる。


こういう流れから、2014年度は、総選挙サイクルに伴って、さらに急激な売り上げの減少パターンが予想されていましたが、実際、Bシングルである「心のプラカード」は、Aシングルと比べて、オリコン初動が65万枚減少、また店頭販売セールスは半分以下となっていて、かつてないほど大きな下落幅になってしまった。

そのため、「心のプラカード」は、Bシングルでありながら、昨年のDシングルやEシングル並のセールスに留まっていて、2014年度のC、D、Eは極めて厳しい数字になる可能性があります。

AKB48Gの運営からすれば、今後、CDセールスによる収入は大きく減少する可能性が濃厚なわけで、「心のプラカード」セールスの数字は、これからの活動展開を左右するほど、重大な意味を持っているかもしれません。


(表8)で、各年度ごとを比較して、特徴的なのは、個別1日当たりの売り上げ枚数です。

Aシングルを除いて眺めると、2011年度は20万台後半から30万台前半あったものが、2012年度には、20万台半ばから後半となり、2013年度では、10万台後半から20万台前半と落ち続けていて、明らかに握手会の売り上げ効率が、年々、下がっている。

効率が下がると、握手会の収支を良好に保つのが難しくなってくる。

追い打ちをかけるように、2014年5月には襲撃事件が起こって、予定していた多くの握手会が延期となり、キャンセル料などが相当額発生した筈で、再開した握手会でも、以前より遥かに大きな警備費が掛かって、収支をさらに圧迫しているでしょう。

また、AKB48Gの握手会や特典イベントは、事件による延期と再開で、日程的に足の踏み場もないほど過密化していて、新たな握手会を入れることが、スケジュール的にだんだん限界に近づいています。

Cシングルは、本来なら10月29日(水)あたりに発売される筈ですが、握手会日程を眺めると、延期分をある程度消化するまで、先延ばしにすることさえあり得るんじゃないかと感じます。


「心のプラカード」セールスから低空飛行が予想される今後のCD売り上げ、効率低下と警備費高騰のダブルパンチで厳しさを増す握手会の収支、飽和状態になっている特典イベントのスケジュール。

これでAKB48G運営の経営が順風満帆だとすれば、むしろ首を傾げたくなるような状況です。


AKB48G運営が「乃木坂カード」を切り始めた可能性

運営から見ると、握手会は、借りたお金を返しているようなイベントで、開催しているときは、会場費、レーンの設置費、メンバーとスタッフの交通費宿泊費、バイトスタッフの人件費、警備費など、ただお金が出ていくだけです。

消化出来ていない握手会が大量に残っているのに、次のシングルが出せず、新たな応募受付が出来なくなると、収入のない状態で、ひたすら出費だけを強いられるわけで、台所事情が良くなる要素はありません。

こうなってくると、AKB48Gの運営にとって、乃木坂が重要になってくる。

9枚目「夏のFree&Easy」から、前作個別を残した状態でCDを発売する「前倒し」になっているとはいえ、AKB48Gに比べると、乃木坂の握手会消化は順調に進んでいて、また事件による延期はほとんどありませんでした。

新しいシングルを出して、応募受付を行い、取り敢えず収入を得るとすれば、もう乃木坂しかなくなってきている、それゆえの10枚目個別の日数増加?、という思いが頭をよぎります(笑)。


乃木坂を運営する会社の経営や資金繰りが、順調でなければいろいろ困るので、ここに書いていることは、私の取り越し苦労であって欲しいと思っています。

しかし、これまで出さなかったアルバムを、今になってリリースするという噂が流れていて、気になっています。

乃木坂の曲を集めたCDをただ発売するなら問題ないけど、当然、握手会のような特典を付ける可能性が高い。

そうなると、シングルの握手会に追加して、アルバムの特典イベントが入ってきて、メンバーはさらに過密なスケジュールを強いられてしまいます。


AKB48Gの運営会社を助けるために、特典イベントがバンバン増やされて、スケジュールが握手会などで埋め尽くされ、乃木坂も身動きが取れなくなってしまうなんてこと、絶対にあってはならない話です。

アルバムを出すのであれば、特典イベントを付けない形にすべきで、例えば、オリジナル曲が多く入ったアルバムを作って、握手会ではなく、全国ツアーを打つのであれば大歓迎です。

ポルノグラフィティや家入レオのように、コンサートツアーは、アルバムの宣伝という形で行うのが普通で、それこそ、アーティストの本来の姿ってやつですよ(笑)。

でも、乃木坂の運営は、なかなかやってくれませんね、普通のことを。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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「何度目の青空か?」MV は斬新な切り口? 「心のプラカード」に見る転機を迎えた全国握手会 [09Sep14]

2014-09-09 16:00:00 | 芸能
「何度目の青空か?」MVについて、秋元康氏が出来上がりをチェックしたと述べたそうで、今日明日にも、10枚目表題曲のMVが公開されておかしくない雰囲気になってきました。

チェック済みの報告に加え、秋元氏自身の大まかな感想が添えてあって、それから推察すると、今回のMVは、歌とダンスの直球勝負というより、かなりの変化球のようで、若干、不安が胸を過ります(笑)。

何と言っても、乃木坂の表題曲MVには、度肝を抜くタイプのものがありますからね。


7枚目表題曲「バレッタ」のMVは、当時の八福神が、悪の組織に捕われたセンター堀未央奈を救出すべく、派手な銃撃戦を展開するドラマです。

今夏の全国ツアー、拉致監禁された生田絵梨花をメンバーが救出する「茶番」劇で、ボス役でVTRに登場した手塚とおる氏が、このMVでも、非の打ち所のない悪役を見事に演じています。

手塚さんの演技があまりに上手過ぎて、「バレッタ」のMVを思い出そうとすると、メンバーの活躍ではなく、まりっかの太腿をペチペチ叩く「マエストロ」が真っ先に浮かんでくるほどです(笑)。

また、半端ではない「非」堅気感を爆発させている「お客様に大切なお知らせがございます」の役者さんも(笑)、名前は分からないんですが、オーラ出過ぎで、何も知らずに「新しい素材(=堀未央奈)お披露目」シーンを見たら、この俳優さんが主役のVシネマだと思う人は少なくないでしょう。

一方、8枚目「気づいたら片想い」の表題曲MVは、死んだ筈の人が短期間だけ生きることを許される、いわゆる「蘇り」ドラマで、「視聴者の67%が涙を流しました」的な有無を言わせぬ感動ストーリーです。

「バレッタ」MVは物語が荒唐無稽なだけに、視聴者を引き込むには、登場人物の演技力が重要になってくるけど、「気づいたら片想い」MVは、鉄板の筋立てなので、西野七瀬や白石麻衣が一歩動くだけでも、ひたすら切なく、観ていてずっと半泣き状態になります(笑)。


この二つのドラマは、個人的に、決して嫌いではなく、面白いし、出来も悪くないと思います。

まあ、私は乃木坂ファンで、色んなシチュエーションでメンバーがあれこれやってくれるだけで嬉しい部分があるので、観る目は相当に曇っていますが(笑)。

しかし、MVは音楽を「プロモーション」するためのビデオであり、それによって新規ファンを獲得するという役割もあるので、あまり楽曲とかけ離れたドラマやパンチのあり過ぎるシーンは、MVとして相応しくない、とくにシングルの顔と言ってもいい、表題曲MVには向いていないと考えています。


「バレッタ」の歌詞には、少女の剥製を売り飛ばす悪の組織は出てこないし、もちろん銃撃戦もない。

歌われているのは、図書館でヘミングウェイを読んでいる主人公が、友だちとひそひそ話をしているクラスメートの少女が気になって、彼女の髪に付いた蝶のバレッタをちらちら見ているという、超ど級に平和な内容です。

しかし、「バレッタ」MVでは、ベレッタ(拳銃)やバレット(弾丸)は重要な役割を果たすけど、バレッタ(髪留め)は、とくに意味を持っておらず、歌詞や曲名とは無関係なドラマが展開します。

「気づいたら片想い」の歌詞は、友だちである筈の人をいつのまにか好きになって、届かない自分の想いに苦悶する恋の話です。

交通事故で失った命を、少しの間だけ神様から借りて、現世でやり残したことを全うするMVのドラマとは、「切なさ」の質が違います。

また、MVには「片想い」の要素が入ってなくて、「すれ違う優しさ」みたいなところまで解釈を広げれば、「片想い」と言えなくもないけど、曲名にある言葉をしっかり表現しているとは言い難い。


さらに、二つのMVで気になるのは、肝心の楽曲をドラマのバックグラウンドミュージック(BGM)として扱っているように見える点で、「バレッタ」では台詞や銃撃音が曲に被っているし、二作品とも、シーンを効果的に見せるため、本来ない途中休止を入れてしまっています。

メロディには作曲家が意図した時間的流れがあって、それを勝手に中断するのは、テレビドラマや映画なら話は別だけど、楽曲を聴かせることが目的のMVでは、個人的にあまり評価する気にならない手法です。

ドラマ仕立てのMVにするのであれば、曲名や歌詞に関係のあるストーリーを作り、そこに音楽をきっちり入れて、歌われている言葉やフレーズを印象的に際立たせることを目指して欲しい。

つまり、楽曲が一番で、ドラマは二番という姿勢が重要じゃないかと。

例えば、5枚目「君の名は希望」に収録された「シャキイズム」MVは、歌詞の内容に忠実ながら、その上に奇想天外で魅力的なドラマを作り出していて、詞とメロディがちゃんと入ってくると同時に、物語の展開にも引き込まれ、ダンスもしっかり楽しめて、秀逸な出来だと思います。

「バレッタ」や「気づいたら片想い」は、特典映像としてなら面白いけど、YouTubeで無料公開して、世間に向かって新曲をアピールするビデオとしては、さすがにもう少し考えて欲しいという気になります。


ただ、10枚目表題曲も、秋元氏の言葉から察すると、かなり凝った作りになっていそうで、観てからショックを受けないためにも(笑)、あり得るかもしれない斬新な方向性を予想しておきましょう。

一つ考えられるのは、「ホラー・オカルト」系ですね。

例えば、横溝正史「犬神家の一族」ばりに、メンバーが次々と派手に殺されていき、最後に残った生田絵梨花が、ケタケタ笑いながら、大きな鎌を振りかざす堀未央奈に追いかけ回されるとか(笑)。

最近、堀ちゃんがホラー好きとしてめきめき頭角を表しているので、思い切って、自ら新しいキャラを作ってしまうのも面白いかと。

いくちゃんが逃げながら見上げる青い空、「この次の青空はいつなのか分からない」というフレーズも、ちょっと違った緊迫感を持って響きますね(笑)。


あと、案外ないのがドキュメンタリー。

「君の名は希望」MVは、映画のオーディションにメンバーが挑んだ話で、その時点で本人たちは100%真剣なので、ドキュメンタリーに近い。

しかし、メンバーを特定の条件下に置いて、反応を撮影するという手法が使われていて、山下敦弘監督ということもあって、「モキュメンタリー」と言った方がいいような気がします。

乃木坂メンバーの本当の日常を追いかけるような、「情熱大陸」風のドキュメンタリーは、MVとしては見たことがないので、実現したら斬新なのは間違いないんじゃないかと。

さらに、医療系ドラマ、宇宙ものSF、アニメとのコラボ、アドベンチャーなどなど、未開拓のジャンルは山のようにあって、夢は膨らむばかりです(笑)。


「何度目の青空か?」の歌詞は、特定の物語や情景を明確に指し示す感じではないので、自由度が大きく、MVの制作者は、やりがいはあるだろうけど、難しい面があるんじゃないでしょうか。

この記事がアップされる頃には、MVが公開されているかもしれず、一体何が飛び出すのか、期待と不安が入り交じります。

ただ、ちょっと気になるのは、秋元氏の「感想」が、「自分はMV制作に直接は関わってなくて、監督がここまで強烈なものを作るとは思わなかった。私は良いと思うけど、ファンはどう受け取るだろうか?」的なニュアンスに読めなくもない(笑)。

ん~、上に挙げた予想が吹き飛ぶほど、衝撃的なMVだったりするかもしれず、「箱の中味は何だろ?」みたいで、怖いですね(笑)。


さて、話は変わって、「心のプラカード」の売り上げについて、ちょっと書いておきます。

8月27日(水)に発売されて、今週で3週目となりますが、2週目のオリコンデイリーが、以下のようにあまり芳しくないです。

(表1) AKB48歴代Bシングルの発売1週目、2週目のオリコン成績

凡例
シングル番号 タイトル (発売日)
[1週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数
曜日 デイリーランキング
[2週目] 週間ランキング:週間売り上げ枚数
曜日 デイリーランキング

# 取り上げたのは2011年からのBシングル、すなわち総選挙によって選ばれたメンバーが担当する夏シングル
# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目 フライングゲット (2011/08/24)
[1週目] 1位:135.4万枚
月-火1水1木1金1土1日1
[2週目] 2位:9.9万枚
月2火3水2木2金2土1日1

27枚目 ギンガムチェック (2012/08/29)
[1週目] 1位:118.2万枚
月-火1水1木1金1土1日1
[2週目] 3位:5.4万枚
月1火6水5木3金4土3日3

32枚目 恋するフォーチュンクッキー (2013/08/21)
[1週目] 1位:133.0万枚
月-火1水1木1金1土1日1
[2週目] 2位:5.7万枚
月1火4水3木2金3土1日2

37枚目 心のプラカード (2014/08/27)
[1週目] 1位:100.6万枚
月-火1水1木1金1土1日1
[2週目] ?位:??万枚
月1火12水6木6金5土3日5


「心のプラカード」は、2週目火曜日のデーリーランキングが12位で、ベスト10に入りませんでした。

発売2週目の売り上げ枚数は、明日発表されると思いますが、デイリーランキングから考えて、高い数字は期待出来そうにありません。

そして、2週目が振るわないとなると、店頭販売CDのセールスが厳しい状況にある可能性が高くなっていきます。

(表2) AKB48歴代Bシングルの店頭販売と個別握手会によるCDセールス

凡例
シングル番号「タイトルのローマ字略記」 第1週SS [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「第1週SS」はサウンドスキャンによる店頭販売CD第1週累計売り上げ枚数の全種類合計
#「初動(OC-SS)差」はオリコン第1週売り上げ枚数から第1週SSを引いたもの。AKB48は店頭販売CDの全種類がサウンドスキャンTOP20にランクインするので、「初動(OC-SS)差」は個別握手会による売り上げ枚数に等しいと見なせる
#「初動(SS/OC)比」は、 第1週SSをオリコン初動で割ったもので、全CDセールスの中に占める店頭販売CDセールスの比率を表している

22枚目「FG」49.3万枚(36.4%)86.1万枚
27枚目「GC」45.2万枚(38.2%)73.0万枚
32枚目「KF」43.9万枚(33.0%)89.1万枚
37枚目「KP」23.0万枚(22.8%)77.6万枚


上表で青色の数字が店頭販売によるセールス、オレンジ色が個別握手会によるセールスです。

「心のプラカード」は、昨年のBシングルである「恋するフォーチュンクッキー」と比べ、店頭販売の売り上げ枚数が20万枚以上少なくなっていて、ほぼ半分の数字になっています。

サウンドスキャンのサイトによると、「心のプラカード」の発売1週目に当たる週間ランキングでは、システムトラブルによって一部販売会社の売り上げデータが算入されていないそうで、実際には、23万枚より大きな数字なのかもしれません。

しかし、オリコン2週目の成績と併せて考えると、「心のプラカード」の店頭販売CDセールスが前年同期、同条件である「恋するフォーチュンクッキー」を大きく下回っている可能性はやはり高い。


今回、37枚目シングルの売れ行きが芳しくないのは、AKB48襲撃事件によって、握手会が延期となり、ファンの間で握手会券が飽和状態になっていることが原因としてまず考えられます。

また、大島優子の卒業を機に、少なからぬファンが一気にAKB48を離れ、新規ファンの参入が追いつかないという面があるのかもしれない。

しかし、過去のBシングルと比較して、「心のプラカード」個別握手会によるCDセールスは、変化率としては、それほど大幅に下がっていません。

一方、店頭販売による売り上げ枚数は、厳しい落ち込みを示しており、これが初動100万6千枚、ミリオン維持を薄氷を踏む状況にした原因のようです。

実際、CDセールスの握手会依存度の指標となる初動(SS/OC)比は、「心のプラカード」が22.8%で、「恋するフォーチュンクッキー」から10%も低く、全売り上げ枚数の8割近くを個別握手に頼っている数字となっています。


店頭販売セールスの大部分は、初回限定盤による売り上げで、そこが伸びなかったのは、特典である全国握手会券の魅力が下がっていることを示唆しています。

確かに、襲撃事件以降、AKB48は、警備上の観点から、全国握手会でのミニライブを中止する措置を取っているようで、それが初回限定盤セールスを大きく下げたというのは妥当な見方だと思います。

全国握手会は、ファン1人あたりの握手時間は短かいけど、ライブのためにお得感があって、1500円近くする初回限定盤が売れていた部分がある。

しかし、ライブがなければ、1000円で一人のメンバーと、より長く握手できる個別握手会に行った方がいいと判断するファンが多く出ても不思議ではない。

ただ、それなら「心のプラカード」は個別握手会によるセールスがグンと伸びていいんですが、そうならないところに、今のAKB48を取り巻く状況の厳しさが反映されています。


私が「心のプラカード」の売り上げ推移にとくに注目しているのは、乃木坂46も、全国握手会のミニライブを止める方向で動いているからです。

10枚目「何度目の青空か?」の全国握手会は、日程も内容もまだ発表されてませんが、ライブなしとなれば、「心のプラカード」と同じく、初回限定盤セールスが大きく落ち込む可能性があって、二作連続での初動前作割れの懸念が出てきます。

実際、9枚目「夏のFree&Easy」全国握手会でのミニライブ中止が発表されて以降、ネットオークションで全国握手会券がだぶついている節があります。

一方、「何度目の青空か?」個別握手会の完売状況を見ると、特定メンバーの立ち上がりには勢いがあるけど、全体として伸びを感じさせる風ではなく、前作と劇的に異なる要素は今のところ見えてこない。

「1期10」と「1期20」「2期」の間に前作並の人気格差が再び発生すれば、CDセールスは、初回限定盤の売れ行き次第になって、ミニライブ問題が前作越えの鍵となってしまいます。


AKB48Gと乃木坂46の運営は、「心のプラカード」店頭販売CDのセールス下落を深刻に捉えているだろうから、「何度目の青空か?」全国握手会で、ミニライブを復活させる、あるいは、何か代わりのイベントを考えている可能性があります。

ただ、店でCDを1枚買えば、誰でも参加出来る全国握手会は、入場者数の予想がしづらい上に、事前の身元確認が出来ないので、より多めの警備体制が必要となって、無駄な出費を莫大に強いられる危険がある。

観客の人数を限って、8枚目のアンダーライブのように抽選制にする案はあるけど、そうなると割高感が出てきて、ミニライブじゃ物足らなくなってしまう。

難しいですね、どうするんでしょう(笑)。


いっそのこと、全国握手会を止めて、シングル毎に数千人規模のライブを10公演ほど開催したらいいんじゃないかと思うんですが。

つまり、アンダーライブの乃木坂全体版で、定期ライブですね。

で、初回限定盤は楽曲とMVの魅力のみで勝負ってことで(笑)。

そうなるとCDセールスが下がるのは不可避で、運営はそれが嫌だから、あれこれモガイているわけで、まあ無理な話なんでしょう。

ただ、個別と全国の握手会で高いCDセールスを叩き出すAKB商法が陰りを見せ始めているとき、自分からオリコンにこだわらない方向へ転換して、意図的に売り上げ枚数を減らした方が、無理に無理を重ねて、それでもしりじり数字が下がっていくより、ダメージは少ないんじゃないでしょうか。

CDセールスが落ちても、ライブ中心の楽曲勝負にシフトすれば、ももいろクローバーZのように、大規模な物販会を開いて、グッズで稼ぐ道があるし、MVの魅力がより重要になってきて、シングルの音楽的レベルにも好影響を与えます。

今の乃木坂は、単独野外ライブに3万人を集める動員力があるのだから、決して夢物語ではないと思います。


私の場合は、全国握手会やミニライブがあろうがなかろうが、店頭販売CDは全種類買うつもりなので、個人的には、特典内容はとくに気にしません。

そうそう、生写真はある程度選べるようにして欲しいっすね、今まで、結構枚数買っているのに、星野みなみが入ってたこと一度もなくて(笑)。

しかし、特典ではなく、乃木坂がまた「組閣」に巻き込まれたら話は別です。

グループをごちゃごちゃにするAKB48流のやり方には到底ついていけないので、乃木坂のシングルから気に入った曲をダウンロードするならともかく、初回限定盤を全タイプ買うようなファンを続ける気力はさすがに失せてしまうと思います。

シングル毎に、曲やMVの出来不出来、好き嫌いはあっても、どれも乃木坂が懸命に作り上げたものだから、自分にとって価値があって、CDやDVDを手元に置いておきたくなる。

でも、乃木坂のアイデンティティを保証するグループの垣根を、「組閣」によって壊してしまったら、それはもう乃木坂ではないという気持ちがあって、他のアーティストと同じく、曲が気に入れば、その曲をダウンロードすればいいだけの話になります。


オーディションで選ばれたメンバーが自分たちのグループを作り、他とは異なるオリジナリティのあるチームにみんなで育てていく、そういう当たり前のアイデンティティを、いとも簡単に放棄する考え方には、嫌悪の感情しか湧かず、とてもじゃないけど賛成出来ません。

「交換留学」ではあまりに腹が立って、発表された当時のシングル、8枚目「気づいたら片想い」は、未だに注文する気分にならないです。

松井玲奈は優れた素質を持ったタレントで、個人的に決して嫌いじゃないけど、乃木坂の選抜に入って、乃木坂を発展させていくのは、彼女の役目ではなく、それを担うのは、伊藤万理華であり、川村真洋であり、乃木坂のオリジナルメンバーであるべきだと思っています。


私が4枚のCDを買わなくなろうが、ブログを止めようが、ほとんど何の影響もないだろうけど(笑)、「組閣」って、一時的に注目を集めても、結局、長期的にはファンを減らしていくから、これだけは止めた方がいい。

AKB48Gは、本体も「支店」も、兼任と移籍の連発で人が変わり過ぎて、誰がどのグループやチームにいるのか、自分は一般の人より多少詳しいと思っているけど、柏木由紀くらいの有名メンバーでも、アイデンティファイ(identify)するのが難しく、知名度が少し下がるともう無理です(笑)。

メンバー構成がこれほど複雑で流動的では、新規ファンが生まれづらく、人気メンバーが卒業するたびに、ファンの総数が減っていっても不思議じゃない。

CM露出量の減少、「日経エンタテインメント!」タレントパワーランキングのポイント低下、そしてBシングル売り上げ枚数の大幅な落ち込み。

2014年度のこれらの現象の背後には、度重なる人事シャッフルによって、AKB48がチームとしてのアイデンティティを失いつつ状況があると思います。

AKB48とは何かが分からなければ、AKB48を新たに好きになる人が少なくなるのは当然です。

グループの顔であった大島優子の卒業は、AKB48とは何かを、さらに見えなくする出来事だったんじゃないでしょうか。

全国握手会のあり方が転機を迎える中、これ以上、チームのアイデンティティを薄める「組閣」のような人事シャッフルは、AKB48Gも乃木坂46も、絶対に行わない方がいいと思います。


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アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報


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若月佑美「二科展」作品は黒の不安定が面白い、今週「何度目の青空か?」MV公開の可能性高し [07Sep14]

2014-09-07 15:00:00 | 芸能
行ってきました、若月佑美が入選した「二科展」を観に、国立新美術館へ。

千代田線乃木坂駅が最寄りだから当たり前だけど、「乃木坂」と書かれた看板が多くて、見かける度に、写真を撮りたくなるくらい、ちょっと得した気分になります(笑)。

「二科展」は初めてなんですが、まず驚いたのは、作品数が膨大で、しかも多ジャンルに渡っていて、めちゃめちゃ大きい展覧会ですね。

国立新美術館の展示室は三階まであって、なんと全部の階に会場が設けられていて、そこに絵画、彫刻、デザイン、写真の部門に分かれて、作品が所狭しと展示されている。

そのため一階の会場入り口で入場券を買い、一緒に貰える「再入場券」を、違う階の部屋に入る際、見せるというシステムになっています。

観覧料は一般が千円で、同時開催の「オルセー美術館展」(一般1600円)の入場券を提示すると、少し安くなります(笑)。


若月さんの絵は、二階デザイン部門の展示室に置かれていて、「自由テーマ」での入選作品はA2面、「特別テーマ」の方は、ちょっとうろ覚えですが、C7面かC3面に掛けられていました。

「自由テーマ」の作品は、「食物連鎖」ならぬ「植物連鎖」が基本コンセプトで、「PLANT CHAIN」という単語がアルファベット1文字ごと中央縦に並べられ、植物の種子が飛んでいく様子を、抽象的なタッチで表現しています、というか、そういう風に見えました。

若月さんの「二科展」作品には、黒を効果的に使うイメージがあって、今回も、画面全体を黒ベースにして、そこに赤、黄、青などの暖色を散りばめていくという印象的な配色になっています。

この「若月ブラック」に加え、花、種子、文字といった個々のオブジェの画面配置に対称性などの規則を持たせず、一見バラバラにすることで、観るものに不安定感や不安感を与え、それが生命の儚さとダイナミズムを際立たせているように思いました。

美術的な才能を感じさせる作品ですが、本の表紙や挿絵、あるいは何かのポスターなど商業的にも使ってみたくなる魅力があります。

デザイン部門には、雑誌の表紙や演劇の広告ポスターに実際に使用されたものを、そのまま作品として評価しているものがあるようで、審査基準の中に、アンディ・ウォーホル(1928-1987)じゃないけど、そういった商業的アピール力も入っているのかもしれません。


「特別テーマ」は、ユニセフ「子どもの権利条約25周年」の広告啓蒙ポスターで、「だれもが大切な”ひとり”」という言葉を必ず作品中に入れる決まりになっているようです。

若様の作品は、画面上から下へ、ゆらゆら曲がる赤い糸に「だれもが大切な”ひとり”」が一文字ずつまとわりついて書き込まれ、さらに糸からところどころ赤い雫が滴っていて、ここでも「不安定さ」が見て取れます。

さらに画面下部には、大きな目のようなものが黒で描かれ、赤い小さな唇が右下隅に置かれていて、黒を基調とする配色手法が発揮されている。

子どもの無垢さや屈託のなさを表現する作品が多い中、若月さんは戦争、飢餓、病気、虐待など、厳しい状況に直面せざるを得ない子どもたちが数多く存在している今の世界を踏まえて、残酷な現実によりスポットを当てた作品になっているような気がしました。

生命の連鎖にしても、子どもの権利にしても、その根底にある不安定で厳しい現実を掬い上げようとするところに、かえって彼女の素直で真摯な魂を感じます。

二作品ともに、見応えのある絵で、三年連続入選も納得のセンスだと思いました。


ところで、デザイン部門は、若月さんの作品だけでなく、他にも素晴らしい作品がいくつもあって、観ていてテンションがめちゃめちゃ上がりました(笑)。

とくに「イラスト」と「マルチグラフィック」は、描き込みが感動的なまでに精緻だったり、そのままアニメに出来そうな魅力的なキャラクターが登場したり、次から次へ桁外れにハイレベルな作品が並んでいて、どれだけ才能のある人がいるんだと驚嘆しました。

日本のアニメや漫画が世界で人気なのも大いに頷けるような、そんな作品群で、これは一見の価値ありです。

とくに私が惹かれたものを挙げると、「イラスト」では梅村誠さん(東京)の精密機械のような外観を持つ建物を描いた作品で、まあ神懸かり的に仕事が細かくて、絵の前でしばし呆然としてしまいました。

また、10センチほどの紙皿12枚に、これでもかというくらいに繊細な絵が描き込まれている成田文さん(神奈川)の「マルチグラフィック」の作品も、度肝を抜かれました。

成田さんの作品は奨励賞を受賞されているそうで、美術好きの乃木坂ファンであれば(笑)、若月作品を観たあとにでも、足を運んでみては如何でしょう。


このようにデザイン部門は素晴らしい作品が目白押しだったので、作品集が売っていないかと受付に行ったら、今年のデザイン部門全作品を収めた本が2千円で置いていました。

一冊欲しいと言うと、係の女性の方が、「どなたかお知り合いがいらっしゃいます?」。

「はあ、まあ、ちょっと知り合いがいて」と、やんわり嘘をついたら(笑)、そうでしょそうでしょと笑顔で、「そうですか!では、お名前を教えて頂ければ」。

「ええ、わたくし乃木坂46のファンでして、若月佑美が今年も入選したと聞いたので、これは観ておかねばと。ただ、私自身は、若様も好きだけど、星野みなみのファンでして、いわゆるDDに近いかな、なんてね、ハッ、ハッハハ」

てなこと、もちろん言えないので(笑)、「いやいや、まあ、その、あの、知り合いと言っても、まあ、あの、二千円ですね」と、お金を渡して、相手の注意が千円札に向いている間に、作品集を取って、そそくさとその場を離脱しました(笑)。

観に来ている方の多くが作者の知り合いだったり、関係者だったりするようで、「二科展」は作品数が多くて規模は大きいけど、人間関係にはやや濃密な部分があるようです(笑)。


ところで、一階展示場の絵画部門を見ていると、いきなり隣にいたおじさんがデジタルカメラで作品を撮り始めて、びっくり仰天しました。

「これは警備員に取り押さえられるな」と、やや後ずさりながら距離を取ったけど(笑)、近くにいる係の人は何も言わない。

その後も、至る所で、観覧客が、パチパチ、パチパチ、しまいには、関係者と思しき人にカメラを頼んで、絵の前でピースサインしているおばさんまでいました(笑)。

いや~、随分と美術展に行ったけど、撮影OKというのは初めてで、実際に目撃すると、スーパーのお惣菜コーナーで唐揚げをそのまま手に取って食べちゃう人を見るくらいのショックを受けますね。

マジでびっくりした(笑)。


ただ、私自身が受付で本当に撮影OKなのか確認したわけではないので、もし写真を撮る場合は、係の人に一度訊いた方がいいと思います。

絵画部はいいけど、デザイン部はダメとか、撮ったものを自分で見るのはいいけど、ネット掲載はダメとか、ルールを作っている可能性もあるので。

若月さんの作品、受付で確認して、「大丈夫ですよ」と言われたらスマホで撮ろうかとも思ったんですが、止めておきました。

理由は、絵は撮るものではなく、その場で観るものだから、と言いたいことろですが、単純に勇気が出なかっただけで、案外、出来ないもんですよ、絵画展で写真撮影って(笑)。


「二科展」は、15日(月)まで開催していて、通常夜6時までですが、金曜と土曜は8時までやっているそうで、興味のある方は一度行かれてはどうでしょう。

個人的には、上に書いたように若様の作品のある二階のデザイン部がとくにお薦めです。

そうそう、9日(火)は休館日なのでご注意を。


あと、マネ、モネ、ドガなど19世紀の絵画、とくに印象派を集めたオルセー美術館展が同時開催していて、両方観る場合は、「二科展」への時間配分を考えた方がいいと思います。

私は、「二科展」の一階と二階を観てから、二階が会場のオルセーに行ったのですが、何と言うか入り口時点ですでにヘトヘトに疲れていて(笑)、ミレー「晩鐘」やドガ「舞台のバレエ稽古」など、好きな作品は多かったけど、じっくり鑑賞するにはややエネルギー不足で、集中力が維持出来なかった感があります。

絵を観ることは結構疲れる行為のようで、名画は体力と気力のあるときに観た方がいいと、ちょっと勉強になりました(笑)。

第99回二科展の公式サイト

国立新美術館公式サイトの「オルセー美術館展」ページ



さて、話題を絵画から乃木坂方面に戻しますが(笑)、10枚目「何度目の青空か?」のジャケット写真が公開され、新しいシングルが出る雰囲気が盛り上がってきました。

ファンへのステージ初披露は、8月30日(土)の神宮ライブですでに行われていて、次は、いよいよMVの公開ということになります。

何度か記事に書いていますが、表題曲MVの公開日は、比較的、予想しやすいんですね。

多日数握手会よりメンバーの独自活動優先を、10枚目初披露は松井玲奈出演の愛知公演も要注意 [13Aug14]

繰り返しになる部分があるけど、時期が迫ってきたので、もう一度、予想を書いておきます。

次の表は、これまでの表題曲MVが、CD発売の何日前に行われたかを示したものです。

(表1) 歴代表題曲MVの公開とCD発売の日程関係

1枚目:MV公開[2012/01/31(火)] =22日=> CD発売
2枚目:MV公開[2012/04/15(月)] =17日=> CD発売
3枚目:MV公開[2012/08/08(水)] =14日=> CD発売
4枚目:MV公開[2012/11/25(日)] =24日=> CD発売
5枚目:MV公開[2013/02/13(水)] =28日=> CD発売
6枚目:MV公開[2013/06/07(金)] =26日=> CD発売
7枚目:MV公開[2013/10/30(水)] =28日=> CD発売
8枚目:MV公開[2014/03/06(木)] =27日=> CD発売
9枚目:MV公開[2014/06/09(月)] =30日=> CD発売


表題曲MVの公開は、CD発売の14日前から30日前に行われていて、5枚目「君の名は希望」以降に絞ると、26日前から30日前という狭い範囲に入っています。

おそらく、表題曲のMVを発表することが、本格的な新曲キャンペーンの出発点という意識が運営にあって、そのためシングル発売日までが、キャンペーン期間の長さを決めるので、一定してくるのだと思います。

これらの日程関係から「何度目の青空か?」MVの公開日を考えると、

(表2) 10枚目表題曲MVの公開日予想

MV公開[09/08] =30日=> CD発売[10/08]
MV公開[09/12] =26日=> CD発売[10/08]
MV公開[09/24] =14日=> CD発売[10/08]


明日8日(月)はCD発売の30日前に当たり、ここでMV公開となると、9枚目「夏のFree&Easy」と同じく、過去もっとも早いスケジュールになります。

そして、5枚目以降の例に従うのであれば、8日(月)から12日(金)のどこかでMVが公開されることになる。

つまり、これから1週間が「何度目の青空か?」MV公開のヤマ場ということですね。

さらに、過去もっとも遅いケースと同じであれば、公開は9月24日(水)で、さすがにこの日までにはYouTubeにアップされている可能性が濃厚だろうから、タイムリミットと言えるんじゃないでしょうか。

まあ、MVの公開は、選抜発表と違って、早くても遅くても、さほど気にはならないので、あれこれ予想する意味は薄いかもしれませんが、この1週間で公開であれば、日程的にはいつもの通りということです。

ちなみに、カップリング曲のMV公開は、表題曲MVの後という以外、規則性が乏しく、過去の日程だけから予測するのはちょっと厳しいです。

毎回毎回、あれやこれや色んな事情が絡んで、紆余曲折の末に公開日程が決まるのかもしれません、カップリングの方は(笑)。


MVの日程予想から話を変えて、次は、神宮ライブに対する、メンバー辛口感想問題を(笑)。

桜井玲香が、昨日のブログで、次のように述べています。

私的には色々思っていることがあって、
特に神宮ライブは、もっと出来るのに!!
と、もどかしい気持ちが残ってしまいました。
でも、来てくれた方は良かった。と言葉を残してくれているから...ん~、難しいね( ̄^ ̄)

桜井玲香の2014/09/06_15:00ブログ

前回、前々回の記事に「もっと自分を褒めてあげてもいいんじゃないか」と書いたんですが、キャプテンの文章を読んでいると、少なからぬメンバーが最終公演に関して、不十分という感想を持っている理由が何となく分かってきました。

思うに、神宮ライブは、他の地方公演と比べると桁違いに会場が大きくて、それまでの経験が生かされず、ツアーで積み重ねたものを十分出せなかったという思いが残るのかもしれません。

しかも、そもそも神宮野球場でコンサートを行ったこと自体が、14年ぶりだそうなので、大型の屋根なしスタジアムでのライブは、ベテランアーティストでも満足の行く出来にするのは、難しいんじゃないかと。

もっと出来るのに」の詳しい内容が分からないので、憶測になってしまうけど、神宮ライブは地方公演の集大成だったのに、いざ始まってみると、新しい問題にあれこれ直面して、もどかしい気持ちが残ってしまった、そんな感じでしょうか。


ただ、反省点が多く浮かぶというのは、実は、ライブが上手くいった証でもあると思います。

ここが良くなかった、もっとこうすれば良かったと「分かる」のは、実現したい方向性が明確に見えているということで、一定レベル以上の力量がなければ、到達しない境地じゃないでしょうか。

例えば、試験のあと、「よく出来た」と言っている人より、「全然ダメだった」と反省している人の方が、答案が返ってみると、点数が遥かに高かったということは、よくあることです(笑)。

これは、「ダメだった」と感じる人は、どの問題をどう間違えたのか「分かる」ケースが多いということで、間違えたことに気づかないより、ずっと学力レベルが高いわけです。

そして、間違いが「分かる」のであれば、次からは、それを修正することが出来るということで、さらに力を上げていく余地があります。

多くのメンバーが不十分だった点を「分かる」ということは、それだけ乃木坂のパフォーマンス力やライブ力が向上して、修正すべき点が見えてきたということで、さらなる成長を期待出来るという非常に嬉しいサインだと思います。

全国ツアーの地方公演を通して、ライブのスキルが磨かれ、自分の出来なかった部分がより鮮明に「分かる」ようになり、その結果、却ってもどかしさを痛感するようになったんじゃないかと。


しかし、メンバーがさらにレベルアップしていっても、やはり、観客と出演者の気持ちの間に横たわる温度差は、解消しないかもれません。

アーティストとして表現したいもの、自分が正解だと考えるものが、必ずしもファンに受けなくて、逆に、不十分だったり、満足出来ないものをお客さんが喜ぶ状況は、今後もあるかもしれない。

「二科展」を観ていて、とくにデザイン部門で問題になる気がするけど、多くの人にアピールし、クライアントが喜ぶ娯楽性と、作家が追求したい芸術性は、必ずしも一致しないケースがあって不思議ではない。

乃木坂のライブも、ショーとしての娯楽性と音楽コンサートとしての芸術性の両方が要求されるエンターテイメントで、お客さんの喜ぶものを見せるか、自分のやりたいことを行うか、アーティストとしての実力が上がれば上がるほど、せめぎ合いは厳しくなっていく可能性がある。

つまり、そういう悩みを持ち始め、観客と意見が違ってきたとすれば、それはメンバーが成長して、より質の高いライブが出来ていることを示しているのだと思います。

結局、神宮ライブについて、少なからぬメンバーが不十分さを感じ、もどかしい思いを抱え、評価するファンとの間に温度差が生まれているのは、乃木坂メンバーが自分のステージにあれこれ欲が出てきて、エンターテイメントの作り手として、確実に一歩を踏み出したということであって、まさにライブが大きな成功を収めた証じゃないでしょうか。


「MUSIC FAIR」に出演したスキマスイッチの大橋卓弥が、トークのとき、「カラオケで自分の歌をうたう?」と訊かれて、あまり歌わないです、というのも、「自分の歌には正解がなくて」大変だから、と答えてました。

これほど歌の上手い人でも、プロは常に「正解」を探して、悩んでいるわけで、上手くなればなるほど、悩みもより高度に、より深くなるのかもしれません。

キャプテンのブログを読んで、神宮ライブは、メンバーを本当の意味で成長させたんじゃないかと、ちょっと嬉しくなりました。

強い向上心を持ったメンバーが数多くいる乃木坂は、今後も間違いなく坂を上っていけるでしょう。

楽しみです(笑)。


ところで、深川麻衣が空と雲の下で、背中を見せて神宮ライブのステージに立っている写真、ネットでも話題になっていますが、最高にカッコいいですね。

この写真はスタッフが撮ったものだそうですが、彼女の風景や人物を切り取るセンス、良い画像を選んで載せる能力の高さには、いつも感心させられます。

「空、雲、舞台、音楽、そして未来」。

こういう写真をどんどん出せば、乃木坂に興味を持ってくれる人が増えるんじゃないか、そう思いました。

乃木坂って、芸術センスに恵まれた人が多いよね(笑)。

深川麻衣の2014/09/04_13:00ブログ
3枚目の写真


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「何度目の青空か?」個別握手会は歴代最長日程も初の総部数減少、11th選抜発表は11月? [04Sep14]

2014-09-04 16:00:00 | 芸能
若月佑美さん、「第99回二科展」への入選おめでとうございます!

3年連続、しかも今回は、芸能人初の2作品入選ということで、快挙と言っていいんじゃないでしょうか。

公式サイトの説明によると、「16人のプリンシパル trois」の公演期間中に制作したそうで、若様がスーパーマンに見えてきます(笑)。

昨年の二人芝居「2LDK」も、稽古期間が代々木ライブの準備と本公演に、がっつり重なったにもかかわらず、あれだけの完成度を持った舞台を披露したわけで、若月佑美は、プロ向きの天才なんだと思います。


若月さんは、自作のデザイン画をときどきブログに載せていて、芸術的な評価もさることながら、装飾品として非常にセンスが良い。

全国ツアーがあったりして、最近、乃木坂の運営は「タオル」や「団扇(うちわ)」など、グッズ販売に力を入れている気がしますが(笑)、若月佑美作の絵が入ったマグカップやランチョンマットがあれば、少々高くても、手に入れたいという気持ちになります。

ただ、自分の画力を商業的に使うかどうかには、彼女の考え方があるし、乃木坂メンバーという状態で、著作者としての権利がしっかり守られるのかなど、色んな問題があると思うので、ファンとして「ぜひとも商品化を」とは言えない部分があって、出なければそれで良いし、出たら喜んで買うという気持ちです(笑)。

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ところで、神宮ライブ後の公式ブログを読んでいると、多くのメンバーが、まだまだ十分ではないというスタンスで感想を述べていて、ちょっと驚きました。

若月佑美のブログに関して、前回の記事に書いたように、もっと自分を褒めても良いんじゃないかと思うのですが(笑)。

確かに、神宮というステージがあり、気持ちよく晴れた天候があり、花火などの豪華な演出があり、生田絵梨花の復帰というタイミングがあり、それらの「舞台装置」の支えは大きいと思います。

しかし、そこに乃木坂がいたからこそ、これだけ観客が沸き立ったわけで、ライブを成功に導いた主役がメンバーであるのは間違いありません。

実際、メンバーのパフォーマンスやMCは、以前より格段に良くなっていて、小さなミスはあったのかもしれないけど、大きな失敗はなかったし、グダグダ感なく、小気味良く進行出来ていたし、自信を持っていい出来だったんじゃないかと。

せっかく自分たちの手で、大きな公演を成功させたのだから、威勢の良い言葉でもっと喜んだ方が、ファンもあの夜の楽しさを自信を持って再確認出来て、次への弾みになると思うんですが、演出家や現場スタッフが厳しいのか、メンバーはかなり謙虚、というか謙虚過ぎる気がします(笑)。


むしろ、今回の神宮ライブで一番反省して欲しいのは、メンバーではなく、運営の入退場時の観客誘導ですね。

金属探知器や荷物チェックに時間が掛かるのはしょうがないとしても、球場周辺に配置する案内役スタッフが手薄過ぎて、どこにどう並べばいいのか、どこが最後尾なのかよく分からないのは問題です。

さらに、公演後、規制退場なんて土台無理で、もっと観客の多いプロ野球の試合でも、そんな手法で退場させるケースを見たことがありません。

しかも、15分近く予定終了時刻をオーバーしているのだから、レストランを予約している人、駐車場の閉鎖時刻に間に合わない人、さまざまな理由ですぐに席を立つお客さんがいるのは当たり前です。


公式サイトには、ライブ当日、この駅を使うな、あの駅を使えと、ちょっと信じられないことが書いてあったけど(笑)、どの駅で降りるかは、お客さんがどこから来るかで決まるので、簡単に変更しようがありません。

3万もの人が来るのだから、無理なことを求めるのではなく、球場まで来た人を、しかるべき入り口に上手く誘導して、公演後は、自然な形で退場させる。

毎晩、どこの球場でも普通に行われていて、普通に混乱なく出来ていることが、乃木坂の運営はなぜ出来ないのか、猛反省して欲しい。

ネットの感想を読んでも、ライブの内容に関しては、評価する声が圧倒的だけど、入退場に対しては強い不満が少なからずあって、この点については、「大失敗」と言われてもしょうがないと思います。

もっと喜んでいい筈のメンバーはなぜか謙虚で、本来反省すべき運営からは、入場時の混乱や時間オーバーについて、何のコメントもなく、音沙汰なしで、メンバーばかり反省させられているとすれば、ファンとして、見ていてあまり気分の良いものではありません。


そんな中、星野みなみは、

真夏の全国ツアー頑張りましたー
完全燃焼かな?

と、15日間5都市9公演を2行で総括っす(笑)。

成功に奢ることなく、あれこれ悩むことなく、振り返れば、とんこつラーメン、牛タン、手羽先と思い出が蘇り、月刊エンタメ10月号とセブンティーンのグラビア出演告知オフショットで締める。

何でしょう、みなみのこの盤石感は(笑)。

サッパリした雰囲気が堪らなく魅力的で、これだからみなみファンは止められまへん(笑)。

星野みなみの2014/09/01_14:06ブログ


さて、昨日、10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の追加会場が発表され、最終的なスケジュールが以下のように確定しました。

(表1) 10枚目「何度目の青空か?」個別握手会の日程

[1] 11月02日(日) パシフィコ横浜
[2] 11月24日(月祝) 幕張メッセ
[3] 12月23日(火祝) ポートメッセ名古屋
[4] 12月28日(日) 京都パルスプラザ
[5] 01月18日(日) パシフィコ横浜
[6] 01月31日(土) 東京ビッグサイト


追加された来年1月31日(土)の東京ビッグサイトは、27レーン設置の135部で、10枚目個別握手会の総部数は775部となりました。

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実は、次の表から分かるように、10枚目の総部数は、前作より少なくて、これは歴代初の出来事です。

(表2) 歴代シングル個別握手会の総部数と総日数

凡例
シングル番号 : 総部数 (個別総日数)

1枚目:300部 (3日)
2枚目:300部 (2日+ミニ4日)
3枚目:330部 (4日)
4枚目:430部 (5日)
5枚目:437部 (5日)
6枚目:630部 (6日)
7枚目:664部 (6日)
8枚目:759部 (6日)
9枚目:786部 (6日)
10枚目:775部 (6日)

この総部数減少は、賢明な判断だと思います。

というのも、9枚目個別は、第16次応募終了時点で、全体完売率が以下のように38.5%で、786部中483部も非完売があります。

(表3) 9枚目の個別第16次応募終了時点でのグループ別の売り上げ関連データ

凡例
シングル番号 個別第16次終了後「タイトル」
完売部数/担当部数 [完売率, 推定売り上げ枚数, 完売を出している人数/総人数, 1人当たりの平均完売部数]:グループ名

#「1期10」は、白石、西野、秋元、橋本、深川、松村、生田、若月、桜井、衛藤の10人
#「1期20」は「1期10」以外の1期メンバー、「2期」は正規メンバーを含む二期生全員
# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
# 桁数を揃えるため、上位桁に「0」を挿入している数字がある

9枚目個別第16次終了後「夏のFree&Easy」
268部/270部 [99.3%, 18.2万枚, 09/09人, 29.8部]:1期10
022部/358部 [06.1%, 11.0万枚, 09/19人, 01.2部]:1期20
008部/153部 [05.2%, 04.6万枚, 05/13人, 00.6部]:2期
005部/005部 [100%, 00.3万枚, 01/01人, 05.0部]:松井玲奈
303部/786部 [38.5%, 34.2万枚, 24/42人, 07.2部]:全体


とくに「1期20」は358部中22部完売、「2期」は153部中8部完売と完売率が低く、どう考えても担当部数が多過ぎです。

総部数減少は、人気に陰りが出てきたと取られる可能性もあるけど、膨張させ過ぎた部数を調整するのは必要な措置です。

9枚目の完売率を考えると、もっと削減した方がいいと思いますが、見栄ではなく、実を取って、改革方向へ舵を切ったことは評価出来ます。


ただ、10枚目個別の日程は、総部数減少の売り上げへの影響を心配したのか、シングル発売から最終個別までが過去最長の115日になっています。

(表4) 各シングルの発売から最終個別握手会までの期間

凡例
シングル番号:発売から最終個別までの日数「タイトル」
発売 =日数=> 第1回個別 =日数=> 最終個別

1枚目:66日「ぐるぐるカーテン」
発売 =31日=> 第1回 =35日=> 最終第3回

2枚目:45日「おいでシャンプー」
発売 =19日=> 第1回 =26日=> 最終第2回

3枚目:66日「走れ!Bicycle」
発売 =11日=> 第1回 =55日=> 最終第4回

4枚目:60日「制服のマネキン」
発売 =4日=> 第1回 =56日=> 最終第5回

5枚目:47日「君の名は希望」
発売 =3日=> 第1回 =44日=> 最終第5回

6枚目:102日「ガールズルール」
発売 =24日=> 第1回 =78日=> 最終第6回

7枚目:95日「バレッタ」
発売 =18日=> 第1回 =77日=> 最終第6回

8枚目:110日「気づいたら片想い」
発売 =4日=> 第1回 =106日=> 最終第6回

9枚目:101日「夏のFree&Easy」
発売 =4日=> 第1回 =97日=> 最終第6回

10枚目:115日「何度目の青空か?」
発売 =25日=> 第1回 =90日=> 最終第6回
# 第6回分は第5次応募より受付


日程を長期化させれば、応募受付も長い期間に渡って、多くの次数行えるので、安心ということです(笑)。

どんなことがあっても、個別によるCD売り上げを落としたくないという姿勢が見え隠れしていますが、何をやろうとも、乃木坂がヒットを出せず、ステージ上で輝かなければ、やがて握手会にも人が来なくなり、累計ハーフミリオンを維持するのは困難になっていくでしょう。

AKB48の37枚目「心のプラカード」(2014/08/27発売)は、初動100万6千枚という薄氷を踏むようなミリオン維持となり、総選挙選出メンバーによる夏シングル(Bシングル)としては、異例の苦戦を強いられています。

SKE48も15枚目「不器用太陽」(2014/07/30発売)が3作連続での初動前作割れとなっていて、個別と全国の握手会によって高いCDセールスを叩き出すAKB商法が行き詰まりを見せ始めています。


もちろん、9枚目「夏のFree&Easy」(2014/07/09発売)で初めて初動前作割れを喫した乃木坂にとっても、他人事ではなく、握手会主義やイベント主義を緩和して、パフォーマンス中心の発想に切り換えないと、遅かれ早かれ、限界が来ると思います。

神宮ライブのように、メンバーが、ステージで歌やダンスによって輝くことは、とてつもないパワーを持っていて、コアファン、ライトファン、そして一般層関係なく、多くの人を惹き付ける力を持っている。

実際、握手会での成功は、マスメディアもほとんど取り上げないけど、大型ライブでの輝きは、広く報道され、何本も記事が書かれ、強力な伝播力を持っています。

握手会スターではなく、ライブやパフォーマンスのスターを作ることが、結局は、握手会にも長く人を呼ぶ原動力になるでしょう。


「心のプラカード」はサウンドスキャンの第1週が23万枚で、歴代のBシングルと比べると、衝撃的な数字になっています。

(表5) AKB48歴代Bシングルのサウンドスキャン第1週累計枚数

凡例
シングル番号:サウンドスキャンによる店頭販売CD第1週累計売り上げ枚数の全種類合計 [オリコン第1週売り上げ枚数] (発売日)「タイトル」

# 取り上げたのは2011年からのBシングル、すなわち総選挙によって選ばれたメンバーが担当する夏シングル
# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入

22枚目:49.3 [135.4] (2011/08/24)「フライングゲット」
27枚目:45.2 [118.2] (2012/08/29)「ギンガムチェック」
32枚目:43.9 [133.0] (2013/08/21)「恋するフォーチュンクッキー」
37枚目:23.0 [100.6] (2014/08/27)「心のプラカード」


「心のプラカード」店頭販売CDの第1週売り上げ枚数は、「恋するフォーチュンクッキー」のほぼ半分です。

サウンドスキャンのサイトによると、システムトラブルで一部販売会社の売り上げデータが今週計上されていないそうで、その分が、どれほどかは不明です。

しかし、もしトラブルの影響が小さければ、初回限定盤セールスが低調で、全国握手会による売り上げが大きく落ち込んでいることになり、逆に、トラブルの影響が大きく、店頭販売が前年並みだとすれば、オリコン初動が下がっているので、今度は、個別握手会の人気が大幅低下していることになる。

つまり、総選挙で各「支店」のエースをずらりと集めても、握手会に、今までほど多くの人を呼べないという現状が浮き彫りになっています。

大島優子の卒業が影響している可能性もあって、新しい「Rising Star」を生み出し、AKB48の人気を建て直さないと、Cシングル、Dシングル、Eシングルと進んだとき、いよいよミリオン割れが現実のものとなっていく可能性があります。

もちろん、スターが誕生するのは、あくまでステージの上であって、「ヘビーローテーション」のように、ヒット曲をパフォーマンスする歌手だけが、階段を上って行けるわけで、早急に、楽曲面の展開を考え直した方がいいと思います。

とくに時間調整がままならない「兼任」は、グループのパフォーマンス力を一番低下させるので、「組閣」なんかやってる場合じゃないのではないかと(笑)。


「何度目の青空か?」個別握手会の全日程が明らかになり、ちょっと早いけど、11枚目のスケジュールが、やはり気になってきます。

全国握手会と「お茶会」のスケジュールがまだ発表されていないので、大雑把な推測になりますが、ちょっと考えてみましょう。

乃木坂のシングルは9枚目「夏のFree&Easy」で、初めて前作個別を一つ残した段階での「前倒し」発売となり、10枚目「何度目の青空か?」も、個別が一つ未消化な状態で発売されます。

もし、11枚目シングルの発売も同様であるなら、2015年1月18日(日)の第5回個別と、1月31日(土)最終個別の間の水曜日、つまり1月21日(水)か28日(水)のどちらかが発売日となります。

選抜発表からシングル発売の間隔は、最近、9週プラス3日が基準となっているので、この二つの発売候補日から逆算すると、以下のようになります。

(表6) 11枚目スケジュールの予想1 ~ 個別握手会の日程から選抜発表日を考える

凡例
選抜発表(予想日) ==9週+3日==> CD発売(候補日)

選抜発表(2014/11/16) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/21)
選抜発表(2014/11/23) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/28)


つまり、11月16日(日)か23日(日)の「乃木坂って、どこ?」で11th選抜の発表という予想が出てきます。

一方、別方法ですが、10枚目個別の応募受付スケジュールからも、11枚目スケジュールを推測できます。

(表7) 10枚目「何度目の青空か?」に関する、個別握手会応募受付の次数と推定売り上げ枚数の推移

凡例
[個別握手会の応募受付次数] その応募での積み上げ完売部数 {その時点での推定累計売り上げ枚数} (受付時期、応募最終日から初動集計締め切り日までの日数)

# 積み上げ完売部数が赤色の数字で示されているものは、その全部がオリコン初動に確実に算入されたことを、ピンク色の数字は、その一部が算入された可能性が高いことを示す
# 売り上げ枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入したもの
#「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味

10枚目「何度目の青空か?」
発売日 2014年10月8日(水)
オリコン初動集計締め切り 2014年10月12日(日)
応募期間:36日以上
応募回数:6回以上
受付間隔:1週間に1回
初動算入:第?次分まで
初動算入分:??万枚
個別日程:
第4次応募まで
発売 =25日=> 第1回 =77日=> 第5回 (102日)
第5次応募より
発売 =25日=> 第1回 =90日=> 最終第6回 (115日)

[01次] +03 {003/640, 0.6万枚} (2014/08/08~08/08, -65d)
[02次] +75 {078/640, 12.0万枚} (08/14~08/15, -58d)
[03次] +64 {142/640, 19.7万枚} (08/21~08/22, -51d)
[04次] +39 {181/640, 23.1万枚} (08/28~08/29, -44d)
[05次] +?? (09/04~09/05, -37d)
[06次] +?? (09/11~09/12, -30d)
[07次] +?? (09/18~09/19, -23d)
[08次] +?? (09/25~09/26, -16d)
[09次] +?? (10/02~10/03, -09d)
[10次] +?? (10/09~10/10, -02d)
[11次] +?? (10/16~10/17, +05d)
[12次] +?? (10/23~10/24, +12d)
[13次] +?? (10/30~10/31, +19d)
[14次] +?? (11/06~11/07, +26d)
[15次] +?? (11/13~11/14, +33d)
[16次] +?? (11/20~11/21, +40d)
[17次] +?? (11/27~11/28, +40d)


11月16日(日)、23日(日)に11th選抜が発表される場合、11枚目個別の応募受付は、10枚目第16次、17次応募に重ねる形でスタートします。

しかし、9枚目と10枚目の個別応募は、ともに前作個別の第14次と重ねて始まっていて、16次や17次というのは、やや遅い印象があります。

もし、11枚目個別応募を10枚目第14次から始めるとすると、11th選抜発表は、11月2日(日)の「乃木どこ?」においてで、10枚目発売が10月8日(水)なので、10th選抜と同じく「えらい早いなあ~」という感じになります(笑)。

(表8) 11枚目スケジュールの予想2 ~ 前作応募次数から発売日を考える

凡例
11枚目第1次応募を重ねる前作応募次数:選抜発表(導かれる日付) ==9週+3日==> CD発売(予想日)

14次:選抜発表(2014/11/02) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/07)
15次:選抜発表(2014/11/09) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/14)
16次:選抜発表(2014/11/16) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/21)
17次:選抜発表(2014/11/23) ==9週+3日==> CD発売(2015/01/28)


まとめると、10枚目個別を一つ残して新曲発売という日程であれば、(表6)から11月16日(日)、23日(日)に選抜発表と予想されるけど、その場合、10枚目個別応募は16次、17次まで進んでいて、売り上げの谷間が出来てしまう可能性がある。

一方、10枚目の14次、15次で11枚目応募を始める場合は、11月2日(日)、9日(日)に選抜発表で、CD発売は1月7日(水)、14日(水)になる。

まあ、正月明け早々の1月7日(水)の発売はさすがに避けると思うので、結局、11月2日(日)、9日(日)、16日(日)、23日(日)に選抜発表で、11枚目発売は、来年の1月14日(水)、21日(水)、28日(水)というのが、現在の情報から出てくる予想となります。


但し、10枚目「何度目の青空か?」が本格的なヒットになったり、個別応募が14次を越えても、まだまだ順調であれば、11枚目スケジュールの開始は、この予想より、ずっと遅くなる可能性があります。

乃木坂のエースと言っていい生田絵梨花をセンターに据えて、10枚目は、ある意味、切り札を出したので、売り上げが余程芳しくないという状況でなければ、運営も10th選抜を長めにしたいという気持ちがあるかもしれません。

全国握手会や「お茶会」の日程がなかなか発表されないのは、運営自身、まだ11枚目スケジュールを決めかねているからという話もあって、10枚目特典イベントの全容が発表されるには、しばらく時間が掛かっても不思議ではないと思います。


最後に、9枚目「夏のFree&Easy」のオリコン累計を載せておきます。

(表9) 9枚目「夏のFree&Easy」と8枚目「気づいたら片想い」のオリコン売り上げ枚数とチャート順位の推移

凡例
発売何週目:オリコンの売り上げ枚数 (順位, 前作同週との枚数差)

# 枚数は万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入

9枚目「夏のFree&Easy」
1週目:42.2万枚 (1位, -3.6万枚)
2週目:43.9万枚 (8位, -4.3万枚)
3週目:45.5万枚 (4位, -4.0万枚)
4週目:46.8万枚 (12位, -3.8万枚)
5週目:47.4万枚 (18位, -4.4万枚)
6週目:48.2万枚 (15位, -4.2万枚)
7週目:48.6万枚 (24位, -4.5万枚)
8週目:49.1万枚 (26位, -4.3万枚) [9月8日付最新チャート]

8枚目「気づいたら片想い」
1週目:45.8万枚 (1位)
2週目:48.3万枚 (3位)
3週目:49.5万枚 (7位)
4週目:50.7万枚 (11位)
5週目:51.8万枚 (13位)
6週目:52.3万枚 (14位)
7週目:53.1万枚 (17位)
8週目:53.4万枚 (39位)
9週目:53.6万枚 (31位)
10週目:53.8万枚 (40位)
***************
18週目:54.6万枚 [8月11日付チャート]


前作累計には届いてませんが、なんだかんだ言って、50万枚に迫ってきました。

こうやってジリジリ伸びていくのを見ていると、乃木坂はまだまだコアファンをしっかり持っていて、人気があるなあと、素直に感心したくなります(笑)。

握手会人気に勢いがある間に、パフォーマンス面での成功を重ね、ライトファンや一般層を大きく巻き込んで、国民的正統派アイドルとして、頂点を極めて欲しいです。

ちょっと大き過ぎるかな、希望が(笑)。


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