夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

〈番外編〉甲子園、最終戦。

2009年10月05日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
先週の金曜日、人生初の血尿が出てビビりました。
一旦出勤したので、帰宅するのももったいなく、
終業時間までは耐えていましたが、帰りに病院へ駆け込み。
土曜日の外出予定はキャンセルしておとなしく寝ていました。

で、昨日は今季の甲子園最終戦へ。
体調がちょっと戻ったかなと実感したのは、
隣にいる人のチューハイが美味しそうに見えたとき。
前日まではお酒のことなんて考えられませんでしたから。当たり前?

阪神には多大な期待は寄せない体質ができあがってしまっていますが、
それでも昨日の試合は1年のオイシイとこ取りみたいないい試合。
何よりもよかったのは、甲子園中に響いた立浪コールでした。

新聞によれば、「右翼席に立浪コールが起こった」とのことでしたが、
右翼席なんてもんじゃありません。
立浪が代打で登場したさい、そこここからわき上がる拍手と歓声。
内野ゴロに終わり、ベンチに戻る立浪にまた送られる大拍手。
そして、試合終了と同時に、
甲子園の観客席全体に地鳴りのように響いた立浪コール。
深々と頭を下げる立浪の姿に目頭が熱くなりました。

立浪がダッグアウトに下がっても、立浪コールは止みませんでした。
このままじゃ終われないので、阪神の選手たちがそろそろと動き始めると、
もう出てきそうにない立浪に代わって、
左翼席の中日ファンから「ありがと、ありがと、タイガース」のお礼エール。
グッと来ました、またしても。

今年は、9月の横浜戦で登板した工藤にも、
昨日と同じく大拍手が送られるのを聞くこともできましたし、
ちょっと寂しい、でも、野球が好きで良かったと思える試合を
たくさん生観戦することができました。

ところで、番外編とはいうものの、一応映画ネタも。
先日観た『地獄甲子園』(2002)は、漫画太郎の同名コミックの実写版映画化。
甲子園出場を目指す星道高校が、殺人野球で有名な外道高校と対戦するのですが、
漫画太郎が原作自体を思い出したくもない作品として挙げていることに納得。
殺人野球といえども、野球シーン満載なのだろうと思いきや、
試合進行のシーンなんてひとつも出てきません。
同じ滅茶苦茶野球なら、『逆境ナイン』(2005)のほうが好き。

阪神が情けない試合をしたときには、現実逃避で野球映画。
いい試合をしたときには、現実回帰で野球映画。
結局、いつでも観たい野球映画。

ともあれ、今の時分にまでプロ野球が楽しめていることに感謝。

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〈番外編〉高校野球観戦記

2009年08月13日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
映画と全然関係ありませんが、あまりに楽しかったので。

先週の土曜日、おそらく25年ぶりに、
甲子園で高校野球を生観戦してきました。
しかも、開会式をその場で観るのは初めてです。

歩き方って、学校によって全然ちがうものですねぇ。
やる気なさそうな学校も、いくつか見受けられます。(^^;
気持ちいいほど元気な歩きっぷりに、
声援を送りたくなったのが青森山田高校。

それにしても、世間の人がこんなに高校野球好きだとは。
6時半開門で8時前にはアルプス席完売。
500円のアルプス席チケットを買い損ねた人は無料開放の外野席へ。
私はかろうじてアルプス席に入ることができましたが、
試合と試合の間、再びアルプス席に空きができると、
外野からアルプスめがけて観客が大移動してきます。

最高気温36度。暑いなんてもんじゃありません。
日陰も風もなし。水を2リットルぐらい飲んでも全然足りない。
上半身裸の男性多数、ジリジリ焼けています。
女性は完全武装の人がやたら目につきます。
そないな格好をしてまで来んでもええやんと思いますが(私も含めて)、
それでも観たいのが高校野球なのでしょう。

1試合目の途中、このままでは倒れると思い、通路に出てみてホッ。
なんや~、ヨレヨレなん、私だけとちゃうやん。
食べ物屋さんの前でもないのに、
なぜか廊下に数カ所、人だかりのできているところが。
近寄ってみて納得。通風口の下なんですね。
廊下のその部分だけ押しくらまんじゅう状態で、かなり異様。
余計に暑そうだったりして。でもみんな幸せそう。

可笑しかったのは、お手洗いで耳にしたおばちゃん同士の会話。
1人が「あかん、暑すぎる」。もう1人が鏡を覗き込みながら、
「あかん。今日はあかん。どないしても、ぐちゃぐちゃや」。
ほんま、化粧なんてデロデロよ。

2試合目の沖縄興南高校の応援席は、
オレンジのポロシャツが目に鮮やかでした。
私の斜め前に座っていた男女二人連れは、
小柄でスリムなおっちゃんが普通に着ているのに、
少々太めのおばちゃんはどうしても焼けたくないと見え、
長袖シャツの上に無理やり半袖ポロシャツを着ているものですから、
背面に書かれた校歌がところどころ伸びて読めません。
二人のポロシャツが同じものとは到底思えませんでした。

……なんてことも楽しかった、久しぶりの高校野球。また行きたい!
もう一度『ひゃくはち』(2008)を観ようっと。

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そうだ、甲子園に行こう。

2009年07月23日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
なかば意地で購入し続けている甲子園の年間予約席。
昨日は前半戦最後の試合、ほとんど何の見どころもないまま終了。
帰宅したら、虎ファンのはずの近所のおっちゃんの家から歓声が。
どうやらおっちゃんは現実を直視できず、
延長戦で西武に勝ったオリックスに逃避していた模様です。

他球団に心のよりどころを求めるのは私にはムリなので、
こんな日は高校野球に行っとこ。

これまで書くタイミングを逸していましたが、
『ひゃくはち』(2008)は、今年前半に観た映画の中でも
上位3本に入るほど、心をがっちり掴まれた作品です。
キャッチコピーは「青春って、甲子園って、こんなに泣けたっけ」。

雅人とノブは、甲子園の常連、京浜高校野球部の補欠部員。
2人そろってベンチ入りしようと誓い合い、猛練習に耐える。
しかし、彼らに与えられる役回りといえば、
他校の偵察隊やレギュラーの世話係ばかり。

彼らにとって最後の年がやって来る。
ベンチ入りの当落線上ギリギリの2人が、
夏の甲子園では共に夢を果たせるかと思いきや、大物新人が入部。
ベンチ入りの枠は残すところ1つとなり、
あろうことか雅人とノブが最大のライバルとなってしまう。

……というストーリーです。

補欠部員にスポットを当てた、今までありそうでなかった映画。
タイトルの「ひゃくはち」は煩悩の数。
酒にタバコに女子大生との合コンなどなど、
いくら甲子園を目指す名門校の生徒といえども、
男子高校生の頭から煩悩が消えることはありません。
それが可笑しくもあり、切なくもあり、
いつしか彼らと毎日を過ごしている気分にさせられます。

純粋な野球少年らしからぬ彼らの姿を見て絶句する新米女性記者や、
そんな彼女を甘いとせせら笑う先輩記者。
プロ野球のスカウトと癒着しまくりの野球部監督。
綺麗事ばかりじゃない世界もきっちり描かれています。

ネタバレですが、
レギュラー選手が故障して、ベンチ入りできることになったとき、
喜んでいいかどうかわからない友だちに向かって、
「不謹慎だけど、喜べ!」という台詞は、
それこそ不謹慎ですけれど、心に響きました。

ベンチ入りしても、試合に出られることはきっとない。
だけど、一瞬でも甲子園の土を踏めることがあるならと、
雅人とノブが懸命にあることを練習するシーンは、
そのタネ明かしがされたとき、もうボロ泣き。

野球を愛するすべての人に。
あらためて、野球が好きになります。

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野球のことだらけ。

2009年06月24日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
某球団ネタを書いた日は、ありがたいことに、
ちょこちょこ励ましのお便りをいただきます。
ん?励ましじゃなくて傷の舐め合いか。(^^;

暗黒時代にあった頃は、試合が終わるやふて寝して、
翌朝、ラジオで道場洋三さんの凹みぶりを聞き、
こんなズド~ンと落ち込んでいるのは私だけちゃう!
と、気を取り直したものでした。

交流戦後の休みが明けたら、
きっとプロ野球ネタには触れたくなくなると思うので、
今のうちの過去の阪神ネタ日記を列挙しておきます。

まずは、思わず遠い目になってしまいそうな、
阪神、優勝。〈前置き〉
阪神、優勝。〈本番〉

それから、勝手に野球映画特集。↓

野球の話、いっとけ~。
野球の話、もういっちょいっとけ~。

野球の映画、ひとつめ。
野球の映画、ふたつめ。

ほとんどヤケクソで、野球ネタ。

ほかにも、「野球」「阪神」「某球団」などでブログ内検索していただくと、
いろいろヒットしますので、お試しくださいませ。
全然関係のない「阪神淡路大震災」までヒットしますけれど。

あれこれ書いた野球映画のうち、
特に泣ける台詞を引用しているのがこの2本かも。↓

『ライフ・イズ・ベースボール』
『サマーリーグ』

阪神に限らず、野球に限らず、応援するチームのある人は、
この気持ち、わかってくれるでしょ!?きっと。

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さりげなく、阪神ファン、阪急ファン。

2009年06月22日 | 映画(番外編:映画とスポーツ)
シーズン中、こうして野球の映画を観たくなるのは、
たいてい現実逃避したくなる年。
ひそかにプロ野球ネタが出てくる映画を2本。

こっそり阪神ファンが登場するのは『空の穴』(2001)。
北海道に恋人の登とふたりでやってきた妙子は、
ガソリンスタンドでトイレに入っている隙に置き去りにされる。
空腹に耐えかねて訪れたのが、ドライブイン“空の穴”。
豚丼を掻き込むと、無銭飲食を図るが、
店主兼料理人の市夫にあっけなく捕まる。
野宿を続けていた妙子を見るに見かねて、
市夫はアルバイトとして雇うことに。

「一緒に寝ます?」と平然と言ってのける妙子と
一緒に寝るようになるものの、
本気で好きになってしまったとはどうしても言えない市夫。
妙子役には、当時、菊地百合子と名乗っていた菊地凛子。
彼女のペースに乗せられる市夫役には寺島進。

「阪神タイガース」の「は」の字も出てきませんけれど、
妙子が着られそうな服を探そうと、
市夫が開けた段ボール箱に丁寧にしまわれていたのは
黒地に黄色のひさしのついた懐かしの阪神の帽子。
子どもの頃の回想シーンには、必ずその帽子をかぶった市夫の姿が。

キャッチコピーは「人生は曇ってばかりじゃない」。
そう真弓監督に言って差し上げたいところですが、苦しおます。

マニアックな阪急ファンが登場するのは『ココニイルコト』(2001)。
広告代理店に勤務する駆け出しのコピーライター、志乃は、
上司と不倫の末に、その妻から手切れ金を渡され、
東京から大阪へ左遷される。本人からは一切連絡なし。
傷心の志乃は何もやる気が起こらない。
そんな彼女の前に現れたのは、能天気っぽい営業社員、悦朗。
やがて、悦朗が心臓を患っていることを知るのだが……。

志乃役に真中瞳、悦朗役に堺雅人。
こちらは、志乃のほうが悦朗のペースに乗せられて、
いつしか笑顔に。

得意先の社長に向かって暴言を吐き、
窮地に追い込まれた志乃を悦朗が救います。
悦朗が次々と持ち出すのは阪急ブレーブスの話題。
志乃が生まれたのは阪急が優勝した1975年、
彼女の誕生日は1988年の阪急最後の試合の日と同じ日付。
それを聞いて、大の阪急ファンである社長は驚喜。
悦朗の話が単なる調子合わせではない証拠に、
社長のどんな阪急の話にも悦朗は完璧について行きます。

悦朗の口癖は、「ま、ええんとちゃいますか」。
現実に目を向ければ、
ええことないっちゅうねん、阪神もオリックスも。はぁ。

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