夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『海底47m』

2017年08月31日 | 映画(か行)
『海底47m』(原題:47 Meters Down)
監督:ヨハネス・ロバーツ
出演:クレア・ホルト,マンディ・ムーア,サンティアゴ・セグーラ,マシュー・モディーン他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの3本目。
『ギフト 僕がきみに残せるもの』『LUCK-KEY/ラッキー』の次に。

絶対B級、ひょっとするとC級と思いながらも
私がついつい観てしまうのが海洋パニックもの。
『パニック・マーケット』(2012)(これは正確には「海洋もの」とは言えない?)、
『ロスト・バケーション』(2016)はまだいいとして、
『シン・ジョーズ』(2016)みたいな酷すぎてワラけるやつまで、ついつい。
これもきっとそうでしょう。そうでしたけど、憎めない(笑)。

イギリス出身のヨハネス・ロバーツ監督のアメリカ作品。
この監督の作品には『ストレージ24』(2012)なんてのもあり、
閉じ込められるシチュエーションがお好きな様子。

メキシコの海辺へバカンスにやってきた仲良し姉妹のリサとケイト。
宿泊先のホテルで夜中に泣いている姉リサ。
心配する妹ケイトが理由を尋ねると、彼氏にふられたのだと言う。
その元彼が言うには、リサは「退屈で面白みのない女」らしい。

ケイトはリサを元気づけようと、夜更けの街に連れ出す。
そこで地元の若者たちと意気投合。
別れ際、翌朝の“ケージ・ダイビング”に誘われる。

“ケージ・ダイビング”とは、檻の中からサメを見ようというもの。
沖合いに船を停泊させ、そこから海中へ檻を降ろす。
水深5mの辺りで檻を止め、間近を通過する体長6~8mの巨大なサメを見るのだ。

怖くて乗り気になれないリサに対し、好奇心旺盛なケイトはゴリ押し。
サメを撮影した写真を元彼に送りつければ、
もう退屈な女だなんて言われないわよ、見返してやろうよと。

ようやくその気になったリサにケイトは大喜び。
ダイビングスーツに着替えて檻に入り、海中へ。
水深5mまでたどり着くと、思ってもみなかった景色にふたりとも大興奮。
恐ろしいサメも檻の中から見るなら安全。

ところが、檻を支えていたワイヤーが突然切れる。
ふたりは水深47mまで落下し、恐怖のどん底に叩きつけられる。
無線は圏外で届かないばかりか、船が遠のいていくエンジン音が。
酸素の残量はどんどん減って行き、サメの姿もちらついて……。

当初はビデオオンデマンドで配信する予定が劇場公開に。
公開してみたら意外に客が入ったという作品だそうです。
青春ものに出ていたことが懐かしいマシュー・モディーンが船長役で出ているほか、
主演のマンディ・ムーアを含む俳優陣、演技、怖さ、すべてがそこそこ。
意外に客が入ったのがなぜかは不明ですが、この「そこそこ感」がいいのかも。

まぁとにかくマンディ演じるリサがやかましいんです。
妹のケイトがあれこれ考えてくれているというのに、
姉である彼女はひたすら泣いたり叫んだり。
何が怖かったって、サメの接近よりも、窒素のせいで幻覚を見はじめた彼女。
あ、これってネタバレですよね。(^^;

なんとなく嫌~な終わり方に笑いました。
ホラー苦手な人でも耐えうる、絶妙に半端な怖さで○。

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『LUCK-KEY/ラッキー』

2017年08月30日 | 映画(ら行)
『LUCK-KEY/ラッキー』(英題:Luck-key)
監督:イ・ゲビョク
出演:ユ・ヘジン,イ・ジュン,チョ・ユニ,イム・ジヨン他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの2本目。

内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』(2012)をリメイクするとはお目が高い。
ものすごく笑えるとのレビューも見かけましたが、
大阪人としては爆笑までは行きません。(^^;
でもそこそこ以上には笑えて、かつちょっぴり泣けます。
韓国では大ヒットを飛ばしたそうです。

売れない役者のジェソンは、仕事にありつけないから金もない。
首を括る前にせめて体ぐらい洗っておこうと銭湯へ出向いたところ、
ジェソンの石鹸で足を滑らせて転倒したのがヒョンウク。

頭を強く打ったヒョンウクは記憶喪失に陥った様子。
入湯前にヒョンウクを脱衣所で見かけて金持ちだと踏んでいたジェソンは、
こっそりロッカーの鍵を交換。ヒョンウクになりすます。

ヒョンウクの車に乗り、ヒョンウクの自宅である高級タワーマンションへ。
ジェソンはヒョンウクの金を使って出前も取りまくりの好き放題。
どうせ長くは続けられないことだし、自分は死ぬつもりなんだから、
今ぐらい豪遊してもいいでしょとばかりに好きなことをやり倒す。

そんな折り、ふと、ヒョンウクの部屋のモニターに映し出される美女を発見。
彼女は同じマンションに住むウンジュで、ヒョンウクはおそらく殺し屋。
ヒョンウクの記憶が戻るまでにウンジュを逃がさねばとジェソンは考える。

一方のヒョンウクは、持ち物から自分がジェソンだと思い込む。
退院時に支払う金がなく、困り果てたヒョンウクの金を立て替えたのが、
銭湯で転倒したジェソンを病院に運び込んだ救急隊員のリナ。

ジェソンの住まいである安アパートを自分の家だと信じるヒョンウクは、
あまりの汚部屋にビックリ。自分はこんなにも不衛生な奴なのか。
しかし自殺を図った跡があるから、自暴自棄になっていたのかもしれない。
そもそもは自分は綺麗好きらしく、瞬く間に掃除完了。
その他、自分の得意そうなものを書き出してみると、刃物の扱いに長けている。

それを聞いたリナは、病院代を取り返すついでに、
彼女の母親が経営する食堂でヒョンウクを雇う段取りをつける。
いかつい顔だが見事な包丁さばきを見せるヒョンウクは店の人気者となり……。

こうして改めて書いてみると可笑しい。
ものすごく笑うつもりで観に行ったのでそれほどでもと思いましたが、かなり面白かったのかも!?
実際、声を上げて笑ったシーンは何カ所もありましたし。

オリジナルでは、ヒョンウクに当たる殺し屋を香川照之
ジェソンに当たる役者を堺雅人が演じました。
リナに当たる女性役は広末涼子、ウンジュに当たる女性役は森口瑤子でした。
女性陣についてはオリジナルとリメイクでは設定が異なります。

女性ふたりがどちらもめっちゃキュート。
特にリナ役のチョ・ユニ、ほんとに可愛いです。

ヒョンウクが食堂で包丁をふるうシーンや撮影現場のシーン、笑えます。
対するジェソンはあまりにだらしなくてたまに腹立たしい。
だけど最後はお決まりながら幸せで、ほんわかできるはず。
楽しい作品を見せてもらえました。

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『ギフト 僕がきみに残せるもの』

2017年08月29日 | 映画(か行)
『ギフト 僕がきみに残せるもの』(原題:Gleason)
監督:クレイ・トゥイール

水曜日は2週連続で節電のために全館休業
のっぴきならない事情があるとき以外は休むようにとのお達しで、
当然そんな事情はないから休み。
シネコン上映作品はほとんど観尽くしてしまっているため、久々にシネマート心斎橋へ。
映画1本無料になるポイントがあるけれど、レディースデーに使うのはもったいない。
期限は3カ月以上先なので、この日は使わずに3本ハシゴ。

ところでシネマート心斎橋は、心斎橋ビッグステップの4階にあります。
同じ階にライブハウスのビッグキャットがあり、
夜にライブが開催される日は若者が並んでいるのを見かけます。
この日は朝10時前だというのにすでに行列ができていて、しかもジジババばかり(失礼)。
いったい何があるのかと思ったら、浪花演歌倶楽部による“流行歌ライブ”だとか。
Vol.252って、252回目ということ? 凄すぎるぜ演歌。
朝のアメ村に似合わなすぎるけど、演歌でも何でも、歌を楽しむのは素敵です。

さて、3本ハシゴの1本目はドキュメンタリー。

アメリカンフットボール好きなら知っているであろう名前、スティーヴ・グリーソン。
“アイス・バケツ・チャレンジ”の発起人としても有名です。

1977年生まれ、現在40歳の彼は、ワシントン州東部のスポケーン出身。
ワシントン州立大のアメフト部で活躍し、卒業後はニューオーリンズ・セインツに入団。
2006年、ハリケーン“カトリーナ”がニューオーリンズを襲い、同地が壊滅。
被災後初めてのホームゲームでスティーヴがスーパープレイ。
チームが劇的な勝利を飾って、スティーヴは一躍英雄となりました。

引退後も華やかに、妻ミシェルや友人たちに囲まれて暮らしていたのに、
ある日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されます。
ちょうどミシェルの妊娠が判明したばかり。
スティーヴはまだ見ぬわが子に向けてビデオダイアリーを撮りはじめます。

徐々に口が回らなくなり、体を動かせなくなるスティーヴ。
そのビデオダイアリーの映像をもとに綴られた作品です。

本人がすごいのはもちろんのことですが、奥さんがすごい。
明るく前向きな彼女は、介護は自分の仕事だからと、
スティーヴと自宅で暮らすことにこだわり、
息子リヴァースが生まれてからも決して人任せにはしません。

そんな彼女も時に疲れ果ててぐったり。
いつしか彼女に面倒をみてもらうことが普通になってしまったスティーヴは、
彼女からの思いやりが感じられないとか、やることが雑だとか、不平を言ったりもして。
この辺りは言い返すのも面倒だったようにも思いますが、
言い返すことなく、自分の非を認めるところがまたえらい。

キャッチボールはできなくても、父親としてできることはある。
スティーヴのことをすごいなぁと思いつつ、
いちばんすごいのはミシェルだと思うのは、同性だからでしょうか。

どれもこれも、お金があるからこそ叶うことだなぁとは思います。
その辺りはシビアな目で見てしまったりするけれど、
高額な機器のことなど、ALS患者の置かれた現状を知るためにも観ておきたい作品。

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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

2017年08月28日 | 映画(あ行)
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』
総監督:新房昭之
監督:武内宣之
声の出演:広瀬すず,菅田将暉,宮野真守,浅沼晋太郎,豊永利行,
     梶裕貴,花澤香菜,立木文彦,櫻井孝宏,松たか子他

前述の『ベイビー・ドライバー』とハシゴ。
梅田ブルク7からTOHOシネマズ梅田別館アネックスに移動する途中、
高校時代からの友人に遭遇。こんなところで会うもんだ。
向こうの用事は知らないけれど、こちらが映画を観るのは向こうもわかっているから、
「今日はどこで映画?」と尋ねられました(笑)。

1990年代は岩井俊二監督が大モテだった時期。
『Love Letter』(1995)なんぞは日本のみならず韓国でも大ヒット。
私はタイプじゃないけれど、岩井監督のルックスも人気を呼びました。

そんな監督の出世作で、もともとはTVドラマ『If もしも』のために製作され、
1993年に放映された本作の実写版。
当時もちろん観ましたが、25年近く前のこと、詳細を覚えているはずもなく。
楽曲が麗美の書き下ろしだったことも忘れていました。そうでしたっけ。

主人公は海辺の町に暮らす中学1年生の典道となずな。
母親が再婚するせいで夏休み中に引っ越すことになったなずなは、
それをかろうじて担任教師に伝えただけ。
少ない友だちの誰にも言えずにいるけれど、転校なんてしたくない。

なずながひと気のないプールでぼんやりしているところへ、
掃除当番の典道と祐介がやってくる。
ふたりが「勝ったほうの言うことを聞く」を賭けて50メートル競争を企てると、
なずなもそれに乱入。結果、なずなが1位、2位は祐介。
典道がまだ泳いでいる間に、「一緒に花火を見に行こう」と、なずなは祐介に耳打ち。

なずなに想いを寄せているくせに、恥ずかしくてたまらない祐介は、
なずなとの約束を破って友だちらと花火を見にいくことにする。
男子たちの目的は、打ち上げ花火を横から見たら丸いのか平べったいのかの確認。
花火を真横から見ようと、灯台に向かうのだが……。

上記のように、なずなの次にゴールインするのが祐介だったらという設定で始まり、
今度は典道だったらどうなるのかという話。
が、純粋に「もしも」ではなく、典道だけが何通りかの展開があることに気づき、
選択の地点まで戻ってみるという構成です。

オリジナルを面白く観たことは覚えていますが、こんな展開でしたっけ。
脚本が大根仁なので面白いかもしれないと期待。
しかしどうにもついて行きづらく、終盤は睡魔に襲われました。またかよ(笑)。

世間で言われているとおり、広瀬すずの声に若干違和感あり。
ここは普通に声優さんを使ったほうがよかったのでは。
酷評されるほどだとは思わないけれど、いまこんなふうにアニメ化するのは
『君の名は。』(2016)の大ヒットに便乗したと言われても仕方がない。
どちらも川村元気の企画・プロデュースだし。(^^;

オリジナルが観たくなります。
たぶん、25年前だったから新鮮だったとかではなく、
出来がよければ今つくりなおしても面白い物語のはず。

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『ベイビー・ドライバー』

2017年08月27日 | 映画(は行)
『ベイビー・ドライバー』(原題:Baby Driver)
監督:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート,ケヴィン・スペイシー,リリー・ジェームズ,
   エイザ・ゴンザレス,ジョン・ハム,ジェイミー・フォックス,CJ・ジョーンズ他
声の出演:ウォルター・ヒル

近ごろ日曜日といえば伊丹にばかり行っていましたが、
これは梅田まで出なければ観られません。
面倒くさいけれどどうしても観たかったから、気合いを入れて起床。

アンセル・エルゴートの主演作品が2本、同時期に公開。
これともう1本は『ダイバージェントFINAL』。
前作の『ダイバージェントNEO』(2015)をさして興味もないのに
TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポートで観てしまったので、完結編も一応気になる。

だけどそれ以上に気になるのが本作。
なにしろ監督がエドガー・ライトで、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)とか、
『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)とか、
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2013)とか、
とにかくめっちゃ面白い作品を撮る人。
日本での知名度はたぶんイマイチだから、空いているだろうと思ったら、
梅田ブルク7にはたくさん客が入っていました。へ~、意外。

これまでの作品のオープニングとはちがう雰囲気の、
マジメな(?)銀行強盗のシーンから始まってちょっとビックリ。
全体を通して観ても、監督の新境地かなという印象です。
めっちゃ面白かった。

天才的なドライビングテクニックを持つ青年、通称ベイビー。
あることがきっかけでギャングのボス、ドクのもと、逃がし屋として雇われている。
ドクが招集した悪党とともに作戦を練り、彼らが強盗を働く間、ベイビーは路上で待機。
出てきた彼らを車に乗せて、追っ手をかわしてドクの待つ場所へ。
ベイビーの逃走はいつも見事で、一度も失敗したことはない。

そんなベイビーだが、幼少時に乗っていた車が事故に遭い、両親は死亡。
自身も後遺症で耳鳴りに悩まされ、それを消すためにiPodが手放せない。
両親の亡き後は、車椅子に乗る聴覚障害者の老人ジョーの世話になっている。
といってもジョーはほとんど動けないから、身の回りの世話をするのはベイビー。
耳は聞こえずとも優しいジョーと過ごす時間は穏やか。
ドクからの呼び出しを受けるベイビーを見ると、ジョーは毎回心配で仕方がない。
ベイビーは悪に手を染めるような人間ではないのにと。

ある日、ベイビーが行きつけのダイナーに寄ると、
新入りのウェイトレス、デボラが注文を取りにくる。
彼女に一目惚れしたベイビーは、この世界から足を洗おうとするのだが……。

役者、アクション、音楽、すべて楽しい、かつ知的。
この人、大丈夫かなというような風貌のベイビーが、
ハンドルを握ってその日の気分の曲を選んだ瞬間にクレイジーに。大興奮。
ベイビー役のアンセル・エルゴート、デボラ役のリリー・ジェームズ
思わず応援したくなるカップルです。
脇を固める俳優陣は曲者揃いで、ドク役にはケヴィン・スペイシー
強盗チームにはジョン・ハムジェイミー・フォックス、どちらもイカレてる。

悪党を退治してカップルが逃げ切り、新天地でふたり、
などというオチも考えられましたが、
単なるハッピーエンドに終わらないオチがむしろ清々しく、好感が持てます。
デートムービーにも向いているかと。オススメ。

ところでこの日、自宅でオンライン予約したのに、
プリントアウトしたQRコードを持って出るのを忘れました。
スマホもないのにどうするねん。
なんとかしてもらえるかなぁとそのまま劇場へ。
ちゃんとなんとかしてもらえました。ぼけぼけで嫌になる。(--;

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