夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『女と男の観覧車』

2018年06月30日 | 映画(あ行)
『女と男の観覧車』(原題:Wonder Wheel)
監督:ウディ・アレン
出演:ジム・ベルーシ,ジュノー・テンプル,ジャスティン・ティンバーレイク,
   ケイト・ウィンスレット,ジャック・ゴア,デヴィッド・クラムホルツ他

なんばパークスシネマにて、『キスできる餃子』の次に。
ウディ・アレン監督だから、ズシンと来るようなヘヴィーさではないけれど、
超辛辣で苦笑いしてしまいました。爽快ではなくて痛快。

1950年代、ニューヨーク郊外のコニーアイランド。
海と遊園地に人びとが押し寄せるリゾート地

ジニーはアラフォーの元女優、今は遊園地のレストランのしがないウェイトレス。
息子のリッチーを連れてメリーゴーランドの操縦係ハンプティと再婚。
かつての舞台が忘れられず、こんな騒々しい生活に苛立ちを募らせている。

そんな彼女の生活が一転。
海岸の監視員を務める脚本家志望の若者ミッキーと出会ったのだ。
家に帰れば粗野な夫と問題児に悩まされる日々だが、
ミッキーとの逢瀬に身を委ねる時間さえあれば、持病の偏頭痛も消える。

ところがある日、ハンプティの娘キャロライナがやってくる。
彼女は5年前の20歳だった頃、ハンプティの反対を押し切ってギャングと駆け落ち。
何があったか今は夫から逃れていて、もし捕まれば殺されると言う。
絶縁したハンプティのもとへ逃げ込むとは夫も思わないはずだから、匿ってほしいと。

最初はキャロライナに対して怒りを露わにしていたハンプティだが、
器量好しの娘に頼られて嬉しくないわけがない。
もともと賢い娘なんだからと、学費まで工面して夜間学校に通わせる。

ジニーが働くレストランでアルバイトを始めたキャロライナは、どんな男も虜に。
それでも安心していたのも束の間、キャロライナとミッキーが出会ってしまう。
義母と青年の不倫など疑いもしないキャロライナは、
無邪気にミッキーのことをジニーに相談するのだが……。

ジニー役はケイト・ウィンスレット
ウディ・アレン監督作品に初登場とは思えないほど、ドはまり。
疲れた中年女が若い男に言い寄られて有頂天になり、
美人で肉感的な義理の娘の出現に嫉妬する態度は実に痛々しい。
ミッキーからいったいどうしたのかと尋ねられて
「嫉妬しているのよ!」とキッパリ言うところは好感が持てましたが(笑)、
とにかくイタイ女を見事に演じていて、唸ります。

これもオバハンの妄想。どうして近頃こんなに妄想ネタが多いのか。
それだけみんな妄想にすがりたくなっているということかしらん。

すごく面白かったけど皮肉っぽいから、ウディ・アレン監督が好きな人にしか薦められない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『キスできる餃子』

2018年06月29日 | 映画(か行)
『キスできる餃子』
監督:秦建日子
出演:足立梨花,田村侑久,佐野ひなこ,中島広稀,古川凛,
   大石吾朗,佐藤美希,勇翔,浅野和之,麻生祐未他

恐怖に立ちすくんでしまうほど揺れた大阪北部地震後、初の映画鑑賞。
気分転換にあまりヘヴィーなのはしんどくて、軽く観られそうなやつ。
なんばパークスシネマにて。

『クハナ!』(2016)で三重県桑名市を舞台にご当地ムービーを撮った秦建日子監督。
今度の舞台は餃子の街、栃木県宇都宮市
ほんとだ、「餃子」という字は「食べて交わる子」。
「食べて、交わって、子ができる」、そんな縁起の良い食べ物だなんて知らなんだ。

陽子(足立梨花)が考える真実は世の中に3つ。
その1、イケメンに性格の良い奴はいない。
その2、餃子はデートに向かない。
その3、バカは死ななきゃなおらない。

そうとわかっているくせに、面食いの陽子はイケメンに恋をしては泣きを見る。
イケメンに一目惚れしてできちゃった結婚、可愛い娘に恵まれたものの、
夫はやはり性格悪く、慰謝料を取り損ねたまま離婚。
スーパーのパート勤めもリストラに遭い、実家に戻るしかなくなる。

実家は宇都宮市で「餃子のふじた」という餃子の名店を営む。
しかし、結婚を反対した父親の信介(浅野和之)と大喧嘩して家を飛び出した形。
帰郷した陽子を幼なじみの麻里(佐野ひなこ)と優太(中島広稀)が出迎えてくれるが、
実家と音信の途絶えている間に信介が腰を痛め、「ふじた」は廃業したという。

突然帰ってきた陽子に信介はいらだち、取り付く島もないが、
陽子の娘で信介の孫に当たる美咲(古川凛)に「おじいちゃん!」と抱きつかれたうえに、
「おじいちゃんのつくる餃子、大好き!」と言われて信介はメロメロ。
「ふじた」を再開するという陽子に「勝手にしろ、協力はしない」と言い放つ。
曲がりなりにも餃子屋の娘。意地で店を再開する陽子。

一方、イケメンゴルファーとして人気の亮(田村侑久)はスランプに陥り、
取材に来たメディアに向かって、思わず「ひじの手術をしたせい」と嘘をつく。
しばらくゴルフを休まざるを得なくなった亮は、
マネージャーの麗子(麻生祐未)とともに宇都宮市内のホテルに滞在。
朝刊の新聞配達をしていたところ、徹夜で餃子を焼いていた陽子と会い……。

イケメンの設定ではありますが、少なくとも田村侑久くんは私のタイプではありません。
ご当地ムービーはご当地を知る人でなければあまり楽しめないことも多いので、
ほとんど期待せずに観はじめたのですが、結構面白かった。

思うにそれは、餃子の力によるところが大きいのではないかと思います。
だって餃子だもん、美味しいもん、見ていると食べたくなりますもん。

最初はイマイチだった陽子の餃子がそもそもどのようにつくられたのか、
そしてどう改良されたのかをもっと知りたかった気持ち半分、
あまり餃子の製造過程について語られてもという気持ち半分。
大作ではないけれど、誰が観てもまぁ楽しめる内容で、これはこれでよかったかと。
何より前向きな気持ちにさせてくれるのが○。

私は好きです、ご当地ムービー。
これからもいろんなところの映画を観たい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『劇場版 ドルメンX』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の24本目@西宮)(完)

2018年06月28日 | 映画(た行)
『劇場版 ドルメンX』
監督:小室直子
出演:志尊淳,浅香航大,小越勇輝,玉城ティナ,桐山漣,堀井新太,白洲迅,
   青木さやか,ほんこん,MAG!C☆PRINCE,横山由依,徳井義実他

ついにフリーパスの有効期限がやってきて、ラスト1本。
『羊と鋼の森』をもう一度観たかったのですが時間が合わず、
フリーパスを所持していなければ絶対にスルーしている本作で〆。

原作は高木ユーナの同名コミックなのだそうです。

地球を侵略するためにやってきた宇宙人5名。
そのうち4名はイケメン男子で、
隊長(志尊淳)、イチイ(浅香航大)、ニイ(小越勇輝)、サイ(堀井新太)。
もう1名はアイドルオタクの女子で、ヨイ(玉城ティナ)。

どのようにして地球侵略を果たすか作戦会議を開いた彼らは、
アイドルになって地球人をぞっこんにさせることを思いつく。
4人が雑誌のモデルオーディションに応募すると、サイのみ書類選考で落選。
隊長とイチイとニイを応援しようと最終選考についていったところ、
宇宙人が持つはずのない感情、すなわち嫉妬の感情がサイに芽生える。

楽しそうにステージに立つ3人を見て耐えきれなくなったサイは、
審査員としてその場にいたプロダクション社長の羽多野(徳井義実)に直訴し、
自分をアイドルにしてほしいと叫ぶ。

3人ともグランプリは獲得できず、
羽多野のもと、4人でグループを結成し、売り出すことに。
ヨイはそのマネージャーを務めるのだが……。

相当アホくさいのですが、なんだか憎めない。
4人のグループにわけあって加入するミュージカル俳優役で登場する桐山漣も好演。
気がつけばなぜか泣いている私。
なんでこんなんで泣くねんと笑ってしまいました。

劇場で観るまでもなく、DVDでもレンタルしたかどうか疑問。
でもこういうのを観られるのもフリーパスの醍醐味です。
24本で打ち止め、今回も楽しいフリーパス鑑賞でした。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『メイズ・ランナー:最期の迷宮』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の23本目@西宮)

2018年06月27日 | 映画(ま行)
『メイズ・ランナー:最期の迷宮』(原題:Maze Runner: The Death Cure)
監督:ウェス・ボール
出演:ディラン・オブライエン,カヤ・スコデラーリオ,トーマス・ブロディ=サングスター,
   キー・ホン・リー,ジャンカルロ・エスポジート,ローサ・サラザール他

TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポートの期限を迎えました。
未見のシネコン上映作品は2本のみ。そのうちの1本が本作です。

3部作ならとっとと公開してくれないと。
『メイズ・ランナー』(2014)、『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』(2015)、
完結編までこんなに間が空いたら、話を忘れてしまいます。
迷路で繰り広げられるサバイバルが面白いと思った第1部だったけど、もはや迷路じゃないし。

フレアウイルスの抗体を有するグレーダーたちの生き残り、
トーマス、ニュート、フライパンの3人は、
同じく抗体所持者のミンホを“WCKD(ウィケッド)”から救出しようとする。
ミンホが乗せられている列車を追い、車両ごと引き上げることに成功するが、
そこに乗っているはずのミンホの姿はなかった。

なんとしてでもミンホを救いたい。
3人はホルヘとブレンダの力を借り、「ラスト・シティ」と呼ばれる隔離地域を目指す。
そこに連れ去られたと確信して乗り込もうとするが、
厚い警備の敷かれたラスト・シティには容易に入れそうにない。

悩むトーマスらの前に現れたのは、死んだと思われていたギャリー。
ギャリーによって教えられたラスト・シティへの侵入方法は、
かつてトーマスを裏切り、今はWCKDに勤めるテレサに協力させるというもの。
そんな手は使いたくないと思うトーマスだったが、それしか方法はなく……。

って、いつものようにあらすじを書いてみたけれど、
前2作を観た人でなければ、まったく意味わかりませんね。(^^;
はい、前作を観た人のみ、完結しないと気持ち悪いでしょうから観に行ってください。

スケジュールの都合で、4DX版を観ました。
フリーパス鑑賞の場合は、追加料金1,200円を払えば観られます。
毎度思うことですが、4DXってまるで一体感がない。
IMAXや3Dはそれなりに高い料金を払う価値があると思いますが、
4DXにその価値があるとは思えません。
急にシュボッとかって風が出てきたり、ふくらはぎを乱打されたりして、
それほど内容と合っているとも思えないから、話に集中できないのです。

話自体は頭からっぽにして楽しめるものだから、
余韻はまるでなくとも良しとして。
今後4DXは観たくない!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『それから』

2018年06月26日 | 映画(さ行)
『それから』
監督:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ,キム・ミニ,キム・セビョク,チョ・ユニ他

シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの3本目。

ホン・サンス監督がどうやら人気らしい。
本作に続き、『正しい日 間違えた日』(2015)、『夜の浜辺でひとり』(2017)、
『クレアのカメラ』(2017)と立て続けに公開。
私はたぶん、『よく知りもしないくせに』(2009)、『ハハハ』(2010)、『次の朝は他人』(2011)、
加瀬亮が主役に起用された『自由が丘で』(2014)を観たぐらい。
内容はよく覚えていなくて、人がダラダラしゃべっていた印象。
どうやらその印象は正しそう。

従業員1名の小さな出版社を経営するキム・ボンワン。
実はそのたった1名の部下イ・チャンスクと不倫中。
毎朝早起きして会社での逢瀬を楽しんでいたところ、妻から浮気を疑われる。

ところがチャンスクが退職。
後釜としてまだ若い美人ソン・アルムを採用する。
初出勤の日、ボンワンの妻が会社に乗り込んできて、
夫の浮気相手をアルムと勘違い。
頬をひっぱたかれたアルムはわけがわからず……。

最初はボンワンとその妻がウダウダ。
次にチャンスクとボンワンがウダウダ。
そしてボンワンとアルムがウダウダ。

これがもう、どうしようもなくウダウダ。
ボンワンの駄目駄目さは呆れるほど。
ボンワンとチャンスクが浮気を隠そうと相談するところなど、
アンタらアホかと言いたくなります。

そんな会話に男性のお客さんは結構笑っていましたが、わ、笑えない。(^^;
おそらく男性と女性で見方が変わる作品だと思います。
こんな駄目オヤジでも女性にモテる、優しくしてもらえると思っているのかしらん。

語弊があるかもしれませんが、私、不倫は否定しません。
好きやったら好きにしたらええがな、
遊びだとしても、バレないように、貢がないように(笑)、
上手いことやるならええがなと思っています。

だけど、本作のボンワンはホントに駄目。
だいたい見た目だってちっともイケてないし、女性がどこに惹かれるのかわからない。
バレバレなのにその場しのぎで取り繕い、責任を人に押しつけて、情けないのなんのって。
これがウケるというのは、やはりオッサンは妄想を抱きたいのかと。

ちなみに、ホン・サンス監督とアルム役のキム・ミニは不倫関係にあり、
破局説と結婚説の両方が飛び交っています。実話ベースか!?
どっちゃでもええけど、そんな後日談まで付いてくるから、
「オッサンの妄想が妄想に終わらないかもしれないという妄想を掻き立てる作品」なのかも。(^o^;

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする