夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2024年4月に読んだ本まとめ

2024年05月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年4月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1523ページ
ナイス数:652ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/4

■夏の終わりの時間割 (講談社文庫)
200頁ちょいの薄さに反して内容は厚い。誰しも行動の裏には理由があるのですね。さらっとうわべを見ているだけではわからないことがある。そこに考えを及ばせたとき、本作で「何かを起こした人」それぞれの気持ちに想いを馳せると切なくなります。生活の節約術だったり蜂避けのおまじないだったりは初耳で目からウロコ。それがまた切ない要因。余談ですが、先月から母が危篤状態にあります。死ぬ間際の人は嘘をつかない。もともと嘘はつかない人だけど、病床でいま言うことは本心でしょうね。最期の時間を大事にしたい。
読了日:04月05日 著者:長岡 弘樹
https://bookmeter.com/books/18098406

■晴れときどき涙雨 髙田 郁のできるまで (幻冬舎文庫)
不思議なもので、何気なく読み始めた本に、いま自分が置かれているのと同じ状況の描写が出てくることがあります。同じ状況ならば気づくというだけで、不思議でも何でもないことなのでしょうけれど。先月からずっと母が危篤状態にあります。本作のひとつめの話『抱擁』で高田さんの心配ばかりしているPさんが母と重なりました。93歳の母が残る私の心配をするのはおかしいと思うのに(笑)。心配をする相手がいるのはきっと幸せなことなのですね。タイトルだけで心に刺さる。高田さんがこんな人生を送られてきたとは知らず。明日はきっと味方だ。
読了日:04月06日 著者:髙田 郁
https://bookmeter.com/books/9020770

■ぎょらん (新潮文庫 ま 60-22)
先月から危篤状態が続いていた母。今朝病院から「意識が低下して呼吸が浅くなっている」と連絡があり、駆けつけました。それからおよそ1時間半、眠るように母逝く。母の手を握りながらいろんな話をして、あと50頁ほどだった本作を開き、「お母さん、これな、人が死ぬときに遺す珠の話やねん」とぽつぽつ声に出して読みながら過ごしていたら、ちょうど全部読み終わりそうになったときに、母の心拍数がゼロに近づきました。「お母さん、ありがとう」と言ったら、スーッと涙ひと筋。聞こえていたならいいなぁ。明後日のお葬式ではぎょらんを探すよ。
読了日:04月11日 著者:町田 そのこ
https://bookmeter.com/books/21308313

■20歳のソウル (幻冬舎文庫)
死にゆくの枕元で町田その子の『ぎょらん』を読み終えてから1週間と少しが経過しました。母は癌だったというものの、90歳を超える高齢でしたし、こちらの覚悟もできていたから、今の私は寂しいけれど悲しくはない。だけど本作を読むと、2年前に亡くなった弟のことを思い出し、弟の半分よりも短い生涯を閉じた大義くんを想って悲しさでいっぱいになります。ロードショーの折に劇場にて鑑賞しましたが、本作を読むと、市船に丹念に取材をしなければ書けない話だなぁという思いはひとしお強くなりました。空の上も音楽が溢れていればいいと思う。
読了日:04月22日 著者:中井 由梨子
https://bookmeter.com/books/18041920

■そこに無い家に呼ばれる (中公文庫 み 50-3)
母が亡くなってから2週間と少し。こんな話を読む心境ではないはずが、三津田さんにはスルスルと吸い寄せられ、母の遺影に見守られながら読みました。巷で大ヒットを飛ばしているいくつかのモキュメンタリーも読みましたが、やっぱり私は断然こっちが好き。なんとも言えない余韻があって、深い。何かが一つずつ減っていたり増えていたりしたら気をつけよって、わざわざそういうのを見つけて数えてしまうじゃあないですか(泣)。ラスト3頁は『逆転美人』並みの労力を感じました。というのは『逆転美人』の藤崎さんに失礼ですかね(笑)。怖かった。
読了日:04月30日 著者:三津田 信三
https://bookmeter.com/books/21364304

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2024年3月に読んだ本まとめ

2024年04月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3328ページ
ナイス数:880ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/3

■52ヘルツのクジラたち (単行本)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】公開2日目に鑑賞しました。読了から約2年半経っているせいで記憶がおぼろげ。どれくらい原作に忠実かわかりません。映画版の上映時間の半分以上はキナコの話。原作はもうちょっと少年とのシーンも多かったかしらなどと思うのですが、それは単なる印象でしょうか。『パーフェクトワールド 君といる奇跡』のような恋愛もののヒロインを演じるときの杉咲花には違和感がありますが、『市子』や本作のような、凄絶な過去を持つ女性を演じるときの彼女には圧倒されます。52ヘルツのクジラの声、聴きたい。
読了日:03月05日 著者:町田 そのこ
https://bookmeter.com/books/15533416

■テロリストの家 (双葉文庫 な 47-02)
息子にかかる容疑は違えども、映画『望み』(2020)を観たときの気分にさせられました。あちらは「息子は殺人犯なのか」。こちらは「息子はテロリストなのか」。もしもそうなら、いっそ死んでくれたほうがいいという思いもよぎる父親と、どうであっても生きていてほしいと願う母親の姿が似ていて。妹がいるところまで同じだったからデジャヴに思えたほどです。このまま終わるわけはないと身構えてはいたけれど、残り10頁ほどで大どんでん返しを披露する七里センセ、やっぱり凄い。でもこれはいつになく嫌な終わり方。これからどう生きますか。
読了日:03月05日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/21730943

■変な家
へ〜、去年いちばん売れた小説なんですね。今まで怖くて手を出せず、しかもこんな話だとは想像もしていませんでした。何かがあるとおぼしき歪な間取り図が並んでいて、どこが変なのかを解説してくれる本だと思い込んでいたのです。全然ちがった(笑)。何しろ『近畿地方のある場所について』を読んだ後だから、いちばん怖かったのは柿が出てくるシーンです。柿を勧められると何かが起こるの!?って。とにかくこれなら、怖くてパスしようと思っていた映画版も耐えられそう。桃弥くんに泣かされかけたけれど、嫌なオチだなぁ。これってホラーですか。
読了日:03月10日 著者:雨穴
https://bookmeter.com/books/21776893

■木になった亜沙 (文春文庫)
芥川賞作家の頭の中はどうなっているのかわからなくて、たいてい私はついて行けずに疑問符だらけで読了します。だけどこの作家だけは怯むことも愕然とすることもなく読める。自分が手渡したものを誰にも食べてもらえない少女。的にされるのに絶対に当たらない少女。ずっと寝そべって暮らしてきた女性。今村さんの表現はいつもやわらか。彼女らを描写するとき、難しい言葉はちっとも使われていなくて、もしかしたら私にでも書けるのではと思うほど。でも絶対に書けない。やはりこの人の頭の中がどうなっているのか不思議。それでいて吸い込まれます。
読了日:03月11日 著者:今村 夏子
https://bookmeter.com/books/20770857

■四月になれば彼女は (文春文庫 か 75-3)
私はたぶん川村元気をやっかんでいます。手がけた作品は常にヒット。小説を書けば映画化確実、人気俳優を起用して大ヒットを飛ばす。『億男』なんて、億万長者のあなたが書いてもねぇと嫌みを言いたくなる(笑)。本作も間違いなく映像化ありきの小説。出てくるアイテムがとにかくお洒落で、住まいはタワマン、リーデルのグラスを傾けてミモレット、猫の名前はウディ・アレンかよ。焼酎飲みながら畳敷きの部屋で読んだらあかん気までしてきます。それでも映画は楽しみ。今まで敬遠していた藤井風なのに、『満ちてゆく』は聴くだけで泣きそうになる。
読了日:03月14日 著者:川村 元気
https://bookmeter.com/books/13885820

■ファミレス行こ。 上 (ビームコミックス)
映画『カラオケ行こ!』がツボにハマり、ついでに本作もポチッと。中学生だった聡実が大学生になっているのを見るだけで、保護者になったような気分で感慨深い。狂児に対してだいたいは「ですます」調でしゃべっているけれど、たまにものすごくくだけた感じになるところは笑ってしまう。「プレゼントがあるねん」とか。そうそう、もう親戚のおっちゃんだなぁ。狂児のキャラも相変わらず。漫画家先生のファンの真相にはふきそうになりました。漫画を読むこと自体、この間まで久しぶりだったのに、こんなにハマってしまうとは。下巻も楽しみです。
読了日:03月15日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/21573707

■変な家
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】公開初日だった昨日レイトショーで観ました。シネコンで客ひとりということも年に何度かあるなか、本作は大人気で8割の入り。原作よりもビビらせ要素が多い。調査を開始した雨宮が首を突っ込まぬように警告を受けるシーンなんて、ホラー苦手な私は直視できず。お面が怖いのよ。なのに雨宮と柚希と栗原は片淵家の間取り図を見て想像するだけではなく、現地に乗り込んじゃいます。いやいやいや、無謀やろ(笑)。案の定、洗脳された村人たちから襲いかかられる展開。最後はやっぱり嫌なオチが待ってます。
読了日:03月16日 著者:雨穴
https://bookmeter.com/books/21776893

■事故物件探偵 建築士・天木悟の執心 (角川文庫)
『変な家』を購入したさいにこれも目に留まってなんとなく。軽いけれど、ほどよい怖さのホラーでした。主人公は、中学生のときに修学旅行先の町で住宅地に迷い込み、目の前に現れた家に一目惚れ。その建築士に憧れて大学の建築学科に進みます。憧れの相手の特別講義を聴講する機会に恵まれたというのに、壇上の君にかぶさる幽霊。嬉しくもない「見える」能力のせいで、図らずも建築士の事務所でバイトをすることに。またシリーズものに手を出してしまったわけですが、心理的瑕疵物件の話にもかかわらず、心理的負担はなく読めそうなのがありがたい。
読了日:03月19日 著者:皆藤 黒助
https://bookmeter.com/books/21660960

■四月になれば彼女は (文春文庫 か 75-3)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】予告編を観たときからキャストにものすごく違和感がありました。佐藤健35歳の元カノが大学時代の後輩で森七菜22歳って。佐藤健の今カノは長澤まさみ36歳。原作を読んだときには気にしないようにしていましたが、映画を観るとやっぱり無理。原作のタワマンもお洒落なつまみもなければ、お色気たっぷりの妹はパチンコ店勤め。竹野内豊が見られるのは嬉しいけれど、この役が必要だったかどうか。ラストシーンはちょっと素敵。個人的にはそことエンドロールの曲だけがよかったという結果になりました。
読了日:03月23日 著者:川村 元気
https://bookmeter.com/books/13885820

■俺と師匠とブルーボーイとストリッパー (角川文庫)
久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。
読了日:03月25日 著者:桜木 紫乃
https://bookmeter.com/books/21662385

■藩邸差配役日日控
時代小説に対する苦手意識はなくなったとはいえ、まだまだ自分から積極的に手を伸ばすほどではありません。それを知っている人なのにわざわざ貸してくれるのは、相当良い本ゆえのことでしょう。江戸藩邸の差配役が主人公。「何でも屋」と陰口を叩く者がいるとしても、『勤め』はおしなべて誰かが喜ぶようにできているものだという言い草に思わずにっこりしてしまう。聡い若君とのやりとりも楽しい。明るい話ばかりではなく、物騒な事件もたまに起きたりして、硬軟のバランスがちょうどいい。四季を通して藩邸を見ていたような気持ちになりました。
読了日:03月26日 著者:砂原 浩太朗
https://bookmeter.com/books/20918244

■おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行
ヤバイヤバイ、今月も10冊読めるかどうかの瀬戸際よと思っていたら「これどう?」と職場の先輩が貸してくれる。おおっ、すぐ読めるとときめきつつ開くと、ことわざのアタマの言葉とカラフルなイラストから成る目次からして楽しすぎる。どの国にもほかにいくらでもことわざがありましょうが、ここで取り上げられていることわざはホンマかいなと言いたくなる楽しげなもの。トップバッターが「表面に振りかけたパクチー」ですからね。どういう意味を想像されますか。冊数を取り繕うにも最適な絵本(笑)だけど、覚えておきたい名句多数。とても素敵。
読了日:03月27日 著者:金井 真紀
https://bookmeter.com/books/20439667

■オーシティ 負け犬探偵 羽田誠の憂鬱 (幻冬舎文庫 き 21-22)
木下半太に品を求めるつもりはないけれど、いつもこんなに下品でしたっけ(笑)。のっけから万力でキ○タマ潰されて、潰される痛みは女の私にはわからず、でも潰されても生きていられるものなんだわと妙に感心。想像したくないシーンの連続なのに、大阪生まれは惹かれるロケーションと、映画ネタも多ければ桂米朝の落語を聴く盲目の少女の登場にずるずると引きずられて最後まで。お宝の耳が何たるかを知らずにはやめられない。インドの天才数学者と聞けば映画『奇蹟がくれた数式』を思い出し、それも絡ませたわけじゃないよね半太、と思うのでした。
読了日:03月30日 著者:木下 半太
https://bookmeter.com/books/20272904

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2024年2月に読んだ本まとめ

2024年03月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3010ページ
ナイス数:996ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/2

■超怖い物件 (講談社文庫)
映画『変な家』の予告編を劇場で観るたび、怖い、観たい、怖いという思いの繰り返し。原作には手を出せなかったけど、これなら読めそうな気がして。書き手は魅力的な11人。曰く付きの家だったり部屋だったりが登場します。内藤了の“よろず建物”シリーズ中にあった座敷牢の話が凄く怖くて、以来座敷牢をイメージさせる物語にビビりまくり。ここにもひとつありました。全話読んで思うのは、「出られない家」は恐ろしいということ。当たり前か(笑)。怖くて飲酒しつつテレビで『アメトーク』をつけたまま読んだ最終話は読み直さなければ。(^^;
読了日:02月02日 著者:平山 夢明,宇佐美 まこと,大島 てる,福澤 徹三,糸柳 寿昭,花房 観音,神永 学,澤村 伊智,黒木 あるじ,郷内 心瞳,芦花 公園
https://bookmeter.com/books/20097635

■処方箋のないクリニック (小学館文庫 せ 2-10)
白衣高血圧の私は『血圧陰謀論』に興味を引かれて読み始めました。でも結果的にいちばんあれこれ考えさせられたのは『奇跡のメソッド』。長期間手指の湿疹に悩まされていましたが、約10年前、もうステロイドが効かなくなっていると感じ、思いきって脱ステ脱保湿に挑戦した過去があります。このタイトルにこの装丁ならばひたすら和みながら読める話だろうと思っていたけれど、弟が癌になったときには自由診療の医師の話も聴きに行ったこともあったりして、私にとっては心穏やかではいられない話となりました。これが自由診療でなくなればいいなぁ。
読了日:02月06日 著者:仙川 環
https://bookmeter.com/books/21489579

■夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)
タイムリーすぎて笑ってしまいました。というのも、半分ほど読んだ後たまたま『ボヘミアン・ラプソディ』のScreenX版を観に行ったのです。私が劇場で観るのは31回目の『ボラプ』。で、帰宅して続きを読んでいたら、なんとなんと、観に行ってるよ美紗ちゃんが。こんな偶然がありましょうか。余計なお世話かもしれないけれど、『ボラプ』未見の方は観てから読んでと言いたくなる。そしてやっぱり優しく温かい瀬尾さん。手段はひとつじゃないと少し考えればわかりそうなものなのに、焦るとわからなくなるものだなぁ。明日の自分に聞かせたい。
読了日:02月09日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21509737

■夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】まず「栗田金属」ではなくて「栗田科学」であることに驚く。夜明け→夜空→プラネタリウムなのかしら。栗田社長と山添の上司・辻本はグリーフケアの会で顔なじみ、山添の彼女はそのまんまで治療に口出し。いきなり散髪に来たんじゃなくてチャリをあげに来たんだし、雑草抜きではなく洗車する。そして『ボラプ』は観ない(笑)。山添は元の会社に戻る算段を辻本に頼み、藤沢は実家に戻るために転職活動をしている。原作にないことを詰め込み過ぎな気はするけれど、キャストはよかったと思います。景色も。
読了日:02月10日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21509737

■白日 (角川文庫)
月村了衛といえば『槐』のアドレナリン全開のイメージが強烈だったので、アクションシーン皆無の本作には乗れそうで乗れないまま、それでもなりゆきが気になって終盤まで引きずり込まれました。出版社の教育部門局長の息子の死亡は事故か自殺か。それが会社の新規プロジェクトの行方に関わるとはどういうことなのか。中学生の自殺がほぼ確定し、その理由が「大人の事情」によって秘匿される。人として恥ずかしくない行動をしようと覚悟を決めた主人公。だからこそのこの結果に現実の社会でもなればいいのに。最終章◎。ゲシュタポ飴屋、グッジョブ。
読了日:02月12日 著者:月村 了衛
https://bookmeter.com/books/21662372

■私の命はあなたの命より軽い (講談社文庫)
どの方向へ話が進むのか皆目見当がつかずにドキドキしながら読みました。里帰り出産することになって帰った実家。仲良し家族だったはずなのに、なんだか様子が変。新築の家を早くも手放そうとしている父親。ぎすぎすとした空気は、両親と妹の間に何かあった故なのか。それともこの家自体に問題があるのか。事故物件の可能性も当然頭によぎるけど、新築だもの。ならば曰く付きの土地に建てられたとか。見事にどれも外れ、最後は最近読んだどのホラーよりもゾワっとした嫌ミスになりました。あ、『スイート・マイホーム』よりは嫌じゃないか。(^^;
読了日:02月13日 著者:近藤 史恵
https://bookmeter.com/books/11916807

■警官の道 (角川文庫)
「警官」という職業に焦点を合わせているのが面白い。するっと読むつもりだったのに、好きな作家が多すぎて没入。急いで読むことができなくて、思いのほか時間を要しました。まずひとつめの葉真中さんで掴みバッチリ。以降コロナに寄せた話もちらほらあり、余りに寄せすぎるのは私は苦手なのですが、世間がパニックになっている間に作家たちはなんとかこれに絡めた話を書けないものかと考えていたのだなぁと思ったりも。警官だって普通の人間。LGBTをカミングアウトする時期に悩む姿なども描かれ、その生き様が興味深い。柚月姐さん、好きです。
読了日:02月20日 著者:呉 勝浩,下村 敦史,長浦 京,中山 七里,葉真中 顕,深町 秋生,柚月裕子
https://bookmeter.com/books/21662351

■カラオケ行こ! (ビームコミックス)
子どもの頃はものすごく漫画を読んだものですが、今は映画と本にもっぱら時間をつぎ込んでいるため、漫画にまで時間を割けません。しかし本作に関しては映画版がめっちゃ楽しかったから。先に原作を読んでいたら、狂児も聡実も組長も、見た目のイメージが違うと思ったかもしれません。でもこの性格なら、これ以上になくピッタリのキャスト。映画版では聡実の悩みを後輩がまったく理解していなかったという点を除けば、とても忠実な映画化。本編後の描き下ろしまで映画版に上手く盛り込まれていました。愛すべき映画であり、愛すべき原作漫画でした。
読了日:02月20日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/16043727

■モネのあしあと (幻冬舎文庫)
以前も言ったことがありますが、私は世間で人気なほどにはマハさんファンではないんです。むしろ妹にすっかり追い越されて今やもう追いつけないほどの差をつけられた兄の宗典さんのほうが気になります。でも母の通院に付き添った際に病院の売店で買った本作はよかった。絵画の知識がまるでない者にもこの上なくわかりやすい解説で、強く興味を引かれます。モネの作品そのものについても、人生についても、浮世絵が印象派に及ぼした影響についても、面白く教えてくれる。易しくて優しい。モネ展ではリクエスト通りに《大睡蓮》が展示されていますか。
読了日:02月21日 著者:原田 マハ
https://bookmeter.com/books/17782834

■スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
慣れとは恐ろしい、いや、素晴らしいもので、あれだけ眉をひそめながら読んでいたウジがわくシーンも、今は素通りできるようになりました。それでもプチプチ踏んで歩くところはギョエ~と叫びたくなるけれども(笑)。およそ金持ちには見えず、人から恨まれることもなかった様子の老人が空き巣に狙われたのか殺される。今回も赤堀先生大活躍で心底惚れそう。さらには内藤了の藤堂比奈子シリーズの永久みたいな少年・夏樹も登場して、最後は泣いてしまいました。岩楯刑事はもちろんのこと、新相棒・深水も○。次巻はいったいいつですか。待てません。
読了日:02月28日 著者:川瀬 七緒
https://bookmeter.com/books/18098533

■ふしぎな図書館 (講談社文庫)
ごめんなさい。今月読んだ本をどうしても10冊にしたかったから、昨日書店で目についたいちばん薄い本を買いました。だって今年まだ2月なのに、ひと月10冊の目標をクリアできなかったら来月からテンションが下がる。初出から40年以上経っていて、昔読んだことがあるはずです。そのときは何も思わなかったけれど、なんと黒い話。羊男に体罰を加えるパワハラ老人職員。図書館にやってきた少年を拉致監禁して脳みそチューチュー予定って(笑)。ストップモーションアニメにしてくれたら、『オオカミの家』にも勝るホラーファンタジーになるかも。
読了日:02月29日 著者:村上 春樹,佐々木 マキ
https://bookmeter.com/books/546771

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2024年1月に読んだ本まとめ

2024年02月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2024年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2874ページ
ナイス数:724ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/1

■その扉をたたく音 (集英社文庫)
はたして瀬尾さんは朝ドラ『ブギウギ』のヒットを見越して本作をお書きになっていたのか。主人公の宮路は全くもってアカン奴。29歳無職で資産家の親のスネを齧り、「仕事がカネのためならば、俺は働く必要がない」などとのたまう。老人ホームで働く渡部のサックスに魅了されたのはいいとして、自分だけの都合で渡部を振り回そうとします。だけどまるで振り回されない渡部が凄くイイ。宮路のことが好きになれずに読むのをやめたくなるところ、瀬尾さんだもの、最後はちょっといい奴になって泣かされることが目に見えている。私の心も揺さぶられる。
読了日:01月01日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21644016

■神戸怪談 (竹書房怪談文庫 HO 639)
阪急六甲駅前の書店で平積みされているのが目に入り、即座に手に取りました。怖いか怖くないかと聞かれたら、ホラーにあまり耐性のない私でも怖くない。どちらかといえば怪談としてよりもガイドブック的に読むほうが良いかと。何しろいちばん怖かったのは、登場人物の姓は鈴木さんのはずだったのにいつのまにか佐藤さんになってまた戻ること。入り乱れる鈴木さんと佐藤さんに、私の頭がおかしくなったのかと思って、その章だけは三度見ぐらいしました(笑)。三宮のセンター街を落武者が歩いているのを想像すると笑ってしまう。笑ったら祟られる!?
読了日:01月04日 著者:田中 俊行
https://bookmeter.com/books/21440780

■ルポ 国際ロマンス詐欺 (小学館新書 452)
インスタをやっていると、ちょっとネオンが綺麗なぐらいの画像に「これはどこで撮ったのですか」とコメントが付く。それだけではまだ怪しい人かどうかわからないから、どこそこで撮りましたと返信すると、途端に怪しい人まるだしに。あなたは写真を撮るのが上手、いろいろ教えてほしい、フォローし合いましょう。アホか、誰が乗るか。と思っていたけれど、乗ってしまう人がこんなにもいるのですね。そういうことかとは思わない。DV親父に金を借りてまで何百万と払うのはやっぱり不思議。ナイジェリアの若者の8割は詐欺で稼ぐって、目が点になる。
読了日:01月06日 著者:水谷 竹秀
https://bookmeter.com/books/21265987

■グランドシャトー (文春文庫 た 95-3)
大阪人なら、行ったことはなくとも名前は知っている京橋グランシャトー。「グランシャトー」やなくて「グランドシャトー」やったん!?と驚きましたが、実存するのは前者ですよね。どこまでがホンマなんですか。この著者のことだから、きっとモデルがいらっしゃいましょう。いわゆるお勉強はでけんでも、人生の機微を知る人たちがここにおる。ルーと共に何十年という時を私も過ごしたような気分になりました。すべての光景を思い浮かべることができるからこそ浸れる小説だという気もして、大阪人以外の人が読んでも面白いのかどうかは聞いてみたい。
読了日:01月14日 著者:高殿 円
https://bookmeter.com/books/20418565

■灼熱 (PHP文芸文庫)
帯の「一気読み必至」はホント。同著者の作品の中ではあまり好きだと思えなかったにもかかわらず、どうなるのかが読めなくて途中で止まれませんでした。自分の夫を殺したとおぼしき男に復讐するために、顔を変えてまで近づいて結婚する。でも相手の男はどうやらそれに気づいているらしい。怖っ。しかしその後は意外な展開。意外すぎてしばし目が点になりました。「ほおっ」というよりは「そんなん、あり!?」の気持ちのほうが本作に関しては強い。いつもの、かなりどんよりさせられる嫌ミスのほうが好きかもしれません。って、性格が悪いか(笑)。
読了日:01月15日 著者:秋吉 理香子
https://bookmeter.com/books/19773017

■ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
文庫化された直後に読んでいるはずなのですが、当時は読メなし。先週映画版を観て申し訳なくも私は興ざめしてしまったため、原作は果たしてどんなだっただろうと再読(たぶん)することにしました。少なくとも私の思う東野圭吾ではないような。30年前ってこんな感じでしたっけ。登場人物の口調なども含めて好きになれる人は見当たらず、「私のせいよ」「いいえ私よ」みたいな応酬に「茶番だ!」と言いたくなりました。重岡くんをキャスティングしたのは面白いけど、原作とはかけ離れる。あの頃は、東野圭吾も若かった。そうさ私も若かった(笑)。
読了日:01月17日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/577402

■魔邸 (角川ホラー文庫)
怖がりのくせして好奇心に負けて読んでしまうホラー小説。三津田信三作品は特にお気に入りです。これまで読んだ中で私がいちばんビビった三津田作品は、『ついてくるもの』に収録されている「八幡藪知らず」でした。母親が再婚し、継父の海外赴任でひとり日本に残されることになった少年が預けられたのは、神隠しが噂される森近くの屋敷。「森」と聞いて八幡の藪を思い出し、背筋がぞわっとしたものの、追いかけられる怖さはあっちのほうが上。単なるホラーではなくて、幽霊も出るけどミステリー。最後の一文でものすごい嫌ミスになりました(泣)。
読了日:01月19日 著者:三津田 信三
https://bookmeter.com/books/16853515

■超短編! 大どんでん返し Special (小学館文庫 ん 2-2)
34人が1話4頁ずつ。ものすごくとっつきやすい。お目当ての作家もいれば、お初の作家に会えるのもこの手の本の良いところ。しかし、おそらくこのシリーズはいずれもそうだったかと記憶していますが、痛快爽快などんでん返しはほぼなくて、嫌ミス的などんでん返しばかりゆえ、少々どんよりします。想像したくないオチのものもあったりするけれど、軽いおかげで後を引くことはありません。タイトルひとつ取ってもセンスが感じられて、センスのない私は脱帽です。今年こそいっぱい本を読みたいから、月末あと読了冊数を稼ぎたいときにピッタリか。
読了日:01月23日 著者:
https://bookmeter.com/books/21641463

■うるはしみにくし あなたのともだち (双葉文庫 さ 50-02)
ルッキズムという言葉を頻繁に見かけるようになりました。私ももっと可愛く生まれたかったな〜とは思うけど、そんなのどうでもよい歳にもなりました(笑)。もしも自分がこんな力を使えるなら、身近にいる美人がブスになりますようにと祈るでしょうか。それとも、自分が美人になりますようにと祈るでしょうか。きっと後者だけど、それは叶わないというルールだなんて。終盤までいったい誰が犯人かわからず、引っ張られます。わかってみると、そんなもんかという思い。途中まで凄く面白かったけど、最後はちょっと無理くりの感が否めません。(^^;
読了日:01月27日 著者:澤村 伊智
https://bookmeter.com/books/21394070

■特殊清掃 (ディスカヴァー携書)
少なくとも私のまわりには映画『ヘドローバ』を観た人は私を除いていません。怪しげな新興宗教の信者に住まわせているアパートで自殺者が出るとそれを片付けるまさに特殊清掃人が描かれていました。誰にも薦めたくないほど不愉快極まりない作品で(すみません)、本作を読む前はあんな世界を想像していました。でもこの著者は亡くなった人に敬意を払っているのがわかります。凄絶な最期を迎えたであろう人の尊厳を守る。昨年観た香港映画『星くずの片隅で』の1シーンを思い出しました。人はいつ死ぬかわからない。「ありがとう」の気持ちを大切に。
読了日:01月30日 著者:特掃隊長
https://bookmeter.com/books/8286824

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2023年12月に読んだ本まとめ

2024年01月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2023年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2077ページ
ナイス数:631ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2023/12

■こちら空港警察 第4話 【単話】こちら空港警察 (野性時代連載)
第3話は思いっきり途中で終わってしまうので、第4話を続けて読まねばなりません。搭乗間際に慌てさせられたものの、なんとか無事搭乗したトラブルメーカーの客。しかしやっぱりそのままでは終わらず、爆弾テロ騒ぎに発展。が、仁志村署長が狙いを定めていたのはそいつだけじゃなかったんですねぇ。……なんて書きはじめると、15分あれば読めてしまう話を全部ネタバレしてしまうことになりそうです(笑)。毎回だいたい2話完結型の事件が発生すると思ってよろしいですかね。12月中に既刊の全話を読めば、読了冊数を荒稼ぎできるでしょうか。
読了日:12月01日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/20932600

■【2019年・第17回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】怪物の木こり (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
映画版は公開初日のレイトショーにて、この原作をまだ半ばほどまでしか読んでいない状態で鑑賞しました。そうですか、菜々緒演じる戸城を刑事ではなくプロファイラーということにしたのですね。それも含めて、登場人物を若干減らしたからか、映画版のほうがスッキリしている印象。原作の二宮よりも映画の二宮のほうがずっと好きだと思えるのは亀梨和也のおかげなのか。原作ではこうなる日が来るだろうと剣持から示唆されていたことが映画のラストシーンになっています。人の心を持った二宮が映美に対して取った行動がちょっぴり切なくもありました。
読了日:12月03日 著者:倉井 眉介
https://bookmeter.com/books/15100550

■僕が死んだあの森 (文春文庫 ル 6-7)
そうよ、あのルメートルだよと覚悟はできていたはずなのに、またしても絶望の底に叩き落とされました。友達のいない12歳のアントワーヌ。そんな彼に唯一なついていた6歳のレミを故意ではないとはいえ殺してしまった。いつバレるのだろうかと、私たちはアントワーヌと共に緊張を強いられることになります。しかしバレない。ずっとバレない。その年も、10年以上が経過しても。だけど、バレていなかったわけではないと知ったら。彼のことは好きになれません。でも、彼がこの先どう生きていくのかは気になる。確かにあの時、あの森で死んだも同然。
読了日:12月13日 著者:ピエール・ルメートル
https://bookmeter.com/books/21511805

■アイズ 猟奇死体観察官・児玉永久 (角川ホラー文庫)
あらっ、内藤さんの新シリーズ!?と一瞬思い、スピンオフかと少し遅れて気づく。名前を見ただけで気づかなきゃいけなかったよ、永久くん、ごめん。おそらくこの1冊だけを読んでも話についていけなくはないと思いますが、シリーズを読んでいた者にとっては感慨ひとしお。たぶん、親のような気持ちになる。さらにはオールスターキャストでウハウハ状態に。さすがに曳き屋までは出てきてくれませんけれども(笑)。生来邪悪なものというのは存在して、おそらくそれは変わらないと思っている派ですが、永久を見ていると、変わるのだと思う。思いたい。
読了日:12月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/21619038

■花腐し (講談社文庫)
やっぱり私には芥川賞を理解するアタマがありません。一字下げの段落にはなっているものの、行は詰まったままだから、どこで休めばいいのか困惑したまま最後まで一気に読む。きっと私にはわからないと思っていたので、先に映画版を鑑賞しました。そうしたら主人公の職業も違う、心中もしない、同じ女性を巡る話でもなくて再び困惑(笑)。わかりやすいぶん、映画版のほうに惹かれるものの、比べてみるのはとても面白い体験。映画版は芥川賞受賞作を直木賞にちょっと寄せたふうに私には思えましたが、最後だけは芥川賞。でもエンドロールは直木賞か。
読了日:12月19日 著者:松浦 寿輝
https://bookmeter.com/books/467202

■八月の銀の雪 (新潮文庫 い 123-13)
凄く良かったかと聞かれるとそうでもなかった気がするのに、妙な心地良さが残ります。ぎすぎすした世の中で、自分の思うようには事が運ばず、ふて腐れているところを人に見せたりはしないけれど、鬱々とした気持ちで毎日を過ごしている主人公たち。でも意外とまわりには幸せな瞬間が落ちていて、それを拾えば前向きになれるかもしれない。少なくとも、嫌いだった自分のことが好きになれそうに思います。どの話も好きでしたが、『アルノーと檸檬』が心に残りました。伝書鳩に詳しくなり、苦手だった鳩の見方が180度変わる。愛らしくすら感じます。
読了日:12月25日 著者:伊与原 新
https://bookmeter.com/books/21243042

■虐殺のスイッチ ――一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか? (ちくま文庫 も-19-3)
ロングラン上映中の映画『福田村事件』の森達也監督。私が彼の名前を知ったのは20年以上前のこと、映画監督としてではなく『放送禁止歌』の著者としてでした。何も知らずに過ごした小学校時代。中学校に入って初めて同和地区の存在を知って驚いたものです。そして大人になって『放送禁止歌』を読み、また衝撃を受けました。本作でその衝撃再び。映画『シティ・オブ・ゴッド』のことも思い出す。平然と殺戮を繰り返す少年たちには、自分が生きるためなら良い悪いもないのだと。誰かの指示がなくても虐殺は起きる。ひとりひとりは優しいはずなのに。
読了日:12月26日 著者:森 達也
https://bookmeter.com/books/21349028

■BEAST 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)
“よろず建物因縁帳”の春菜のことをあまり好きでないという人は結構多かったかと思いますが、私は春菜のことは好きで、それよりもこっちの清花のことのほうが最初は鼻についたものです。それが今やこんなにも温かみのある人になっている。彼女の義母がまた素晴らしくて、私はひそかに澄江ファン。親による虐待が頻繁にニュースとなる昨今、少年のことを思うと胸が苦しい。襲ったわけではない、助けてくれたのだとわかったときは涙が溢れました。星が見えるほうが幸せだと人間の尺度で思いがちだけど、そうとは限らない。チームの決断に賛同します。
読了日:12月29日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/21619039

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