夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈わ行〉

2006年12月31日 | 映画(わ行)
《わ》
『私の頭の中の消しゴム』(英題:A Moment to Remember)
韓流映画の典型的なタイプ、純愛、悲恋物語。
泣かされるもんかと思いつつ、号泣してしまいました。
不倫相手の上司と別れたスジンはチョルスと出会う。
運命を感じ、恋に落ちたふたりは結婚。
幸せそのものだったはずが、あるとき、スジンは
家への帰り道さえ忘れる自分に気づく。
医者の診察結果は若年性アルツハイマーだった。
何が悲しいって、認知症って、最近のことから順に忘れるんですね。
目の前に最愛の人がいるのに、その人が誰だかわからない。
思い出すのは昔のことばかりだなんて。
記憶の戻っている短い時間に、最愛の人であることを伝えようと
スジンがチョルスに宛てて書く手紙には胸が震えました。

《を》《ん》
例年どおり、なし。

今年もおつきあいをありがとうございました。
いつになく、たくさん邦画を観た年だったような。
日本語っていいなぁと思いました。
私がそこそこの本数の映画を観ていると知る人の中には
少々の台詞やシーンには私の心は動かないと思っている人もいてはりますが、
そんなこたぁありません。
少々のことで泣いたり、憤ったり、笑ったりできるからこそ
300本以上観られたんだと思います。
邦画、洋画にかかわらず、グッと来る台詞がいっぱいだった今年、
言葉の大事さをあらためて知ったような気がします。
来年も素敵な言葉にたくさん出会えますように。

どうぞよいお年をお迎えください。

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今年観た映画50音順〈ら行〉

2006年12月31日 | 映画(ら行)
《ら》
『ラヴェンダーの咲く庭で』(原題:Ladies in Lavender)
英国のコーンウォール地方の浜辺に、
ひとりの青年が打ち上げられているのを老姉妹が発見。
彼は難破船に乗客で、ポーランド人のヴァイオリニストらしい。
言葉の通じない彼を家に連れ帰って手厚く看病するうち、
姉妹はこの若者に淡い感情を抱くようになる。
姉妹に名優マギー・スミス(ハリポタのマクゴナガル先生)とジュディ・デンチ。
特に恋心を抑えきれなくなるジュディ・デンチの表情は
ちょっと引いてしまうぐらいコワイんですけど、
いくつになれども女は女?

《り》
『リトル・イタリーの恋』(原題:Love's Brother)
オーストラリア・イギリスの合作。
1950年代、オーストラリアのイタリア人街に住む兄弟。
内気で見た目もイケてない兄と対照的に、弟は男前で社交的。
女性に縁のない兄は、写真付きの手紙交換という、
当時一般的な見合い方法で結婚相手を探していた。
しかし、その手紙での見合いすら惨敗続き。
思い余った兄は、ある日、こっそり弟の写真を同封する。
さて、弟の写真に一目惚れした美しい女性が
はるばる南イタリアからやってきて……。
キャッチコピーは「本当に好きな人と結ばれたい」。
誰と誰がくっつくのかは内緒ですが、素敵なエンディングに乾杯。
村人たちが初めて見るエスプレッソマシーンに湧く姿も楽しい。

《る》
『ルパン』(原題:Arsène Lupin)
言わずと知れたモーリス・ルブラン原作。
ルパン・シリーズ生誕100周年を記念して作られたそうです。
泥棒の息子に生まれついたルパンは成人し、
父親譲りのセンスで怪盗として世に名を馳せる。
従姉のクラリスと再会し、恋に落ちるが、
男を次々と骨抜きにするカリオストロ伯爵夫人と出会い……。
ルパン初心者には持ってこい。

《れ》
『レオポルド・ブルームへの手紙』(原題:Leo)
イギリス・アメリカの合作。
20世紀の最重要作家のひとりとされる、
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』をモチーフにした作品。
第一級殺人の罪で服役し、刑期を終えたスティーヴン。
彼の心の支えとなっていたのは、
母親の愛を得られずに育った少年レオポルドとの手紙のやりとり。
言葉が、人を救う。

《ろ》
『ローレライ』
第二次世界大戦終盤、広島に最初の原爆が投下され、
日本軍はドイツ軍から入手していた潜水艦に
特殊兵器「ローレライ」を搭載し、次の原爆投下を阻もうとするが……。
香椎由宇の姿はコスプレマニア向け、堂々のオタク映画。
そんな特殊兵器、ありかよっ?

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今年観た映画50音順〈や行〉

2006年12月30日 | 映画(や行)
《や》
『やさしくキスをして』(原題:Ae Fond Kiss)
イギリス・ベルギー・ドイツ・イタリア・スペインの合作。
スコットランドのグラスゴー。
カソリックの高校の音楽教師ロシーンは
パキスタン移民二世の生徒の兄カシムと恋に落ちる。
しかし、ロシーンには別居中の夫がおり、
また、厳格なイスラム教徒であるカシムの両親は
異教徒との結婚を絶対に許そうとしない。
愛を選べば家族と別れることになり、
家族を選べば愛を手放すことに。
宗教や移民社会のしきたりの問題はむずかしい。
いろんなことを教えてくれる映画に感謝。

《ゆ》
『ユニットバス・シンドローム』
別れた彼女を忘れられないフジモトは
トイレの天井裏に彼女との思い出の品の数々をしまい込んでいる。
そんな彼を元気づけようと、友だちのダイスケらが宴会を企画。
ダイスケの家を訪れたフジモトは、ついついトイレの天井裏を覗いてしまう。
そこにはシノハラという女性がたたずんでいた。
彼女は数年前にその部屋で自殺した女性の幽霊。
シノハラは過去に未練があって成仏できないらしい。
別れた彼女に似たシノハラを放っておけず、
フジモトはシノハラを外へ誘い出す。
語り合い、行動をともにするうちに、未練がどこかへ飛んでゆき、
ふたりの気持ちが少しずつ晴れやかになっていくのがわかります。

《よ》
『歓びを歌にのせて』(英題:As it is in Heaven)
スウェーデンの作品。
世界的に有名な指揮者ダニエルは体調に異変を来し、引退を決める。
ひっそり余生を送ろうと大昔に過ごしたことのある小さな村へ。
ところが、村の聖歌隊の指導を依頼され、断れなくなる。
聖歌隊は順調に上達しているかに見えたが、
男性がひとり現れただけで変わってしまうのが閉鎖的な村。
ダニエルに声をかけられた女性は舞い上がり、
嫉妬心を抑えきれない女性も出てきます。
暴力亭主が歌の練習中に乗り込むこともあれば、
牧師は自分の妻がダニエルに恋しているのではないかと疑ったり。
小さな村では昔から人間関係が変わらず、
幼い頃にいじめられていた者は大人になってもいじめられ、
その状態が聖歌隊にも持ち込まれたり、とにかくトラブルだらけ。
著名な人が余生を静かに送ろうとしてそうは行かなくなるというのは
前述の『ムースポート』と同じですが、こちらはお笑いはなし、超真面目。
ラストの歌声の溢れるシーンは圧巻。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

2006年12月30日 | 映画(ま行)
《ま》
『マイアミ・バイス』(原題:Miami Vice)
1980年代の同名の大人気ドラマの映画化。
マイアミ警察特捜課の刑事、ソニーとリカルド。
ふたりが犯罪組織に潜入して捜査を進めるうち、
別の捜査の極秘情報が麻薬の密輸組織に漏洩していることがわかる。
漏洩ルートを突き止めるよう、ふたりに新たな任務が下される。
最後までスタイリッシュでテンポよく。
愛想のないコリン・ファレル(ソニー役)のファンですが、
これはジェイミー・フォックス(リカルド役)のほうがかっこいいかも。
中国の大女優、コン・リーがこんなハリウッド映画に出演。
コリン・ファレルとのきわどいラブシーンにびっくり。

《み》
『ミュンヘン』

《む》
『ムースポート』(原題:Welcome to Mooseport)
米国大統領を2期に渡って務めた人気者、モンロー・コールが
のんびりと隠居生活を送るべく、田舎の町ムースポートに引っ越す。
そんな大人物を住人たちが放っておくわけがなく、
ぜひ町長にと請われる。まんざらでもないモンローは受諾。
対立候補はいないはずだったのに、
魅力的な女性獣医サリーを見初めてデートに誘ったところ、
彼女の恋人である配管工ハンディが出馬を宣言。
田舎の町長選挙に元大統領が出馬すると聞きつけたマスコミも騒ぎ出し……。
自分の名声に傷をつけたくないモンローと、恐れるものは何もないハンディ。
サリーをオッサンに奪われたくない一心で闘いを挑む姿は健気。
笑って泣けて見応え十分。

《め》
『メゾン・ド・ヒミコ』
某会社の事務員、沙織のもとへ、春彦という男がやってくる。
聞けば春彦は、沙織が幼い頃に出て行った父の恋人らしい。
父は末期癌で、ゲイのために自ら建てた老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」で
最期を迎える心づもりをしていると言う。
春彦は沙織にホームを手伝わないかと誘うのだが……。
キスシーンの素敵な映画はたくさんありますが、
オダギリジョーと柴咲コウのキスシーンはかなり記憶に残りそう。
ゲイなのに、突然沙織にキスしてしまう春彦。
沙織が「今の、何!?」と聞くと、「え、キス」。いい!

《も》
『モンド』(原題:Mondo)
1995年のフランスの作品。
もはや誰にも借りられることのなさそうな
ボロボロのビデオをレンタル。2週間100円。
南仏ニースの町にやってきた不思議な少年モンドと
彼と心を通わせる大人たちを描いています。
美しい景色のなかで、特に何が起こるわけでもなく、眠気が。
でもめっちゃ気持ちよくウトウトできます。

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今年観た映画50音順〈は行〉

2006年12月29日 | 映画(は行)
《は》
『初恋』
1968年、日本中が驚いた「三億円事件」。
真相はこんなふうだったのではという思いつきから生まれた同名小説の映画化。
宮崎あおい演じる高校生のみすずは幼いころ母親に捨てられ、
叔母一家のもとへ身を寄せているが、
悪意に満ちた言動を浴びせられ、誰にも心を開けない。
ある日、母が連れて行ったはずの兄を名乗る男がみすずに会いにくる。
彼から受け取ったマッチを頼りに学校をさぼって訪れたジャズ喫茶。
そこには世間に不満を持つ若者たちが集まっていた。
自分の居場所を見つけたみすずはそこに顔を出すようになり、
常連の東大生、岸に想いを寄せるようになる。
岸は世間をあっと言わせてやろうと三億円強奪事件を計画、
みすずを呼び出すと、「おまえにしか頼めない」と協力を求める。
あり得ね~と思いつつ、恋する相手の力になろうと懸命なみすずの姿にはジーン。
「あなたとなら、時代を変えられると信じていた」、このコピーも好き。

《ひ》
『火火』
滋賀県信楽町、焼物の里。
夫が女を連れて逃げ、女手ひとつでふたりの子どもを育てた陶芸家、
神山清子を描いた実話。食べる物にも困るような生活を続けながら、
自分の信じた方法によって焼物を作ることを諦めず、やがてそれが実を結ぶ。
そんな矢先、同じく陶芸家を目指すことを決意した息子が白血病で倒れる。
金策に駆けずり回り、それでもどんな夢もあきらめない姿には
めちゃくちゃパワーをもらいました。
骨髄バンクの設立に尽力した彼女の生き方は必見。

《ふ》
『ふたりの5つの分かれ路』(原題:5X2)
フランスの作品。ストーリーは常に説明しにくい作品ばかり、
でも目が離せないフランソワ・オゾン監督。
ある夫婦の恋愛の奇跡を離婚から順にさかのぼる手法を取っています。
離婚、特別なディナー、出産、結婚式、出会い。
それぞれが分かれ路になっているんですね。
キャッチコピーは「出会わなければ よかったの?」。
でも、出会わなきゃ何もないし。何もないほうがよかったの?

《へ》
『ヘレンとフランクと18人の子供たち』

《ほ》
『ホテル・ルワンダ』(原題:Hotel Rwanda)
未見のときに書いたこちら参照。
こういう民族紛争の歴史は知っておきたいです。
内容が良いとか悪いとかは別にして、
私たちが平和に暮らしている間に、
こんなことの起きている地があるんだということを。
ちょっと偽善的かなぁ、このコメント。

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