夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『第3の愛』

2017年04月29日 | 映画(た行)
『第3の愛』(原題:第三種愛情)
監督:イ・ジェハン
出演:ソン・スンホン,リウ・イーフェイ,モン・ジア,
   オウ・ハンシェン,ジェシー・ジャン他

なんばと心斎橋で4本ハシゴの4本目。
さすがにもう劇場を移動するのはしんどくて、同じくシネマート心斎橋にて。
それに、昨秋テアトルグループの仲間入りをしたシネマート、
まだ交換していないポイントが残っていましたから。
『タレンタイム 優しい歌』はオンライン予約して観ましたが、
これは劇場に行ってからポイント鑑賞を申し出ました。
ポイントを全部使いきったつもりが、まだあと1本タダで観られるみたい。

監督は韓国出身、『私の頭の中の消しゴム』(2004)のイ・ジェハン。
このたび中国へ進出、本作を撮ったそうで、私にはその意味がよくわかりません。
そういえば『最後の晩餐』(2013)も韓国人監督で、舞台は中国でした。
中国でも日本や韓国の映画が人気だと聞きますから、
それを当て込んでのことなのでしょうか。

で、それを当て込んでいるとして、そらもう当たるでしょうというメロドラマ。
ベタベタやがなと思いながらきっちり泣かされてしまいます(笑)。
主演には韓国の人気俳優ソン・スンホンと中国の人気女優リウ・イーフェイ。
本作が縁でホントに交際中なのだそうです。へ~。

バツイチの女性弁護士ゾウ・ユー。
ある日帰宅すると、同居している鬱病の妹ユエが自殺を図っていた。
病院へ緊急搬送し、大事には至らずに済んだが、
ユエが彼女の勤務先の財閥企業“誘林”グループの御曹司で社長のリン・チージョンに
並々ならぬ想いを寄せていることを知る。

噂によれば、リン・チージョンはイケメンで頭のキレるモテ男。
てっきりユエが遊ばれているのだろうと考えたゾウ・ユーは、
リン・チージョンのもとへと乗り込む。

現れたリン・チージョンは確かにイケメンの色男。
しかし軽いところなどかけらもなく、息巻いて乗り込んだゾウ・ユーにも丁寧に応対。
ユエが勝手に想いを募らせていることをゾウ・ユーは悟る。
どうか社長の姿を見ることのできない部署へユエを異動してほしいと頼むと、
リン・チージョンは真摯にそれを受け止め、叶えてくれる。

リン・チージョンに強く惹かれるのを感じながらも、身分がちがいすぎる。
もう会うことなどないだろうと思っていたのに、偶然の再会が。
そのうえ、彼の会社の顧問弁護士を務めることになる。
やがて彼のほうから結婚前提の交際を申し込まれ、戸惑うゾウ・ユーだったが……。

もうホントにベタ。みんな純愛悲恋が好きですねぇ。
姉の幸せを決して喜べない妹はもう一度自殺を図るわ、
リン・チージョンが家庭教師をしていた若い美女が登場するわ、
さらにはその美女が大会社の娘で政略結婚を目論むわ、ベタベタでドロドロ。

ハッピーエンドを望みたいところですが、そうとは行かず。
とても切ない結末で、それもまた大衆が好きなのでしょう。

たまにはこういう王道のメロドラマを観るのも楽しい。

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『タレンタイム 優しい歌』

2017年04月28日 | 映画(た行)
『タレンタイム 優しい歌』(原題:Talentime)
監督:ヤスミン・アフマド
出演:パメラ・チョン,マヘシュ・ジュガル・キショール,
   モハマド・シャフィー・ナスウィップ,ハワード・ホン・カーホウ他

なんばと心斎橋で4本ハシゴの3本目。
1本目にTOHOシネマズなんば別館で『3月のライオン 後編』を観て、
2本目になんばパークスシネマで『スウィート17モンスター』を観て、
3本目の本作はシネマート心斎橋にて。
以前パークスとシネマートを徒歩で移動して倒れそうになったことがあるので、
おとなしく地下鉄御堂筋線をひと駅だけ利用しました。
地下鉄を利用しても徒歩で向かっても所要時間は同じくらいなんですけれども。
こうしてパークスを出てから35分後に上映開始の本作を。

元同僚が強く推していたマレーシアの作品です。
本作のヤスミン・アフマド監督は2009年に51歳の若さで他界。
遺作となった2009年の本作がいま公開されています。

多民族、多宗教の人びとが暮らすマレーシア。
ある高校で音楽コンクール“タレンタイム”が開催されることに。
オーディションを受けた数多くの生徒のうち、
最終選考に残った7名が歌や踊りで競うことが決まる。

美しい歌声を持ち、ピアノが得意な女子学生ムルー。
ギターで自作の曲を弾き語りするのは、転校してきたばかりのハフィズ。
ハフィズに成績トップの座を奪われた優等生カーホウは二胡を演奏。

タレンタイム当日までは、会場で練習とリハーサルが重ねられる。
会場までの送迎についても主催する教師から指示があり、
ムルーの担当となったのは聴覚障害者のマヘシュ。

ムルーはイケメンのマヘシュに好感を抱くが、
耳が聞こえないとは知らないから、挨拶に返事もしない無礼者だと憤る。
誤解が解け、いつしかふたりは恋に落ちる。

宗教のちがいから、マヘシュの母親は交際に強く反対。
また、ハフィズの母親は闘病生活中。
カーホウは厳格な父親からたびたび殴られている。
それぞれに葛藤がありながら当日を迎えるのだが……。

複数の生徒の事情を映し出す群像劇であり、青春ドラマでもあります。
マレーシアという国の理解が浅い私には驚くことばかり。
家族で話していてもいろんな言葉が飛び交い、
宗教のちがいから起こるご近所さんトラブルは殺人に発展することも。

そんななかにあっても音楽は共通。
母親を亡くしたハフィズが上がる舞台のシーンでは涙がこぼれます。
かける言葉はわからなくても、一緒に演奏ができたなら。

監督のご冥福をお祈りいたします。
その思いも、きっと万国共通。

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『スウィート17モンスター』

2017年04月27日 | 映画(さ行)
『スウィート17モンスター』(原題:The Edge of Seventeen)
監督:ケリー・フレモン・クレイグ
出演:ヘイリー・スタインフェルド,ヘイリー・ルー・リチャードソン,
   ブレイク・ジェナー,キーラ・セジウィック,ウディ・ハレルソン他

なんばと心斎橋で4本ハシゴの2本目。
前週にシネ・リーブル梅田とTOHOシネマズ梅田でその間10分のハシゴをして
ぶっ倒れそうなほど疲れたのに、性懲りもなくまた無謀なハシゴ。
TOHOシネマズなんば別館で『3月のライオン 後編』が終わったら、
なんばパークスシネマで10分後に開始の本作を観るために小走り。
ウラなんばの一角を駆け抜けてぜぇぜぇ言いながら到着。あ~、疲れた。

だけど、走った甲斐のある1本。とってもいい作品です。
シネ・リーブル梅田でも公開中で、リーブルやテアトル梅田などでは
マナームービー(上映中の注意事項を呼びかけるショートムービー)にも使用されていましたね。

ネイディーンは、幼い頃から2歳上の兄ダリアンのことが大嫌い。
ダリアンはいつでも自信満々、頼れるイケメンでモテモテ。
それに引きかえ自分と来たら、何の取り柄もないブス女。

小学生時代、学校に行きたくなくてゴネるものだから、母親と大喧嘩。
取っ組み合う母親と娘の双方を上手くなだめるのは優しい父親。
私のことをわかってくれるのはパパだけ、だったのに。

ある日突然、父親が死亡。
母親は兄にしか興味がなく、学校に友だちはひとりもいない。
家庭でも学校でも居場所を見つけられないネイディーン。

そんな彼女の前に救世主のごとく現れたのが同い年のクリスタ。
生まれて初めてできた友だち。
以来17歳になるまで、ふたりは親友としてずっと一緒に過ごす。

母親の留守中、ふたりでパーティー三昧していたが、
酒を飲み過ぎたネイディーンは泥酔。
翌朝目覚めると、ダリアンの部屋からクリスタの声が。
ドアを開けてびっくり。ダリアンとクリスタができてしまったなんて。

どうせ一夜かぎりのこと。クリスタが捨てられるに決まっている。
ところが予想に反して、ふたりはちゃんとつきあい始める。
兄と自分、どちらかを選べとクリスタに詰め寄ると、
クリスタはそんなの選べるわけがないと言う。
唯一の心の支えだったクリスタに裏切られ、ネイディーンはうちひしがれるのだが……。

ブスなわけじゃない、魅力いっぱいのネイディーンなのに、
自分で自分の良さに気づかず、卑下してばかり。
そのせいで周囲を振り回してしまいます。
17歳、その頃にはありがちなこと。
自分のことが嫌いだなぁと思ったこと、多くの人にあるでしょう。
私もそんな時期がありました(笑)。

ネイディーン役のヘイリー・スタインフェルドがめちゃくちゃイイ。
教師役のウディ・ハレルソンもいい味。こんな先生がいたらサイコー。

泣いて笑って青春。
ありそうでない、月並みではない作品です。大好き!

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『3月のライオン 後編』

2017年04月26日 | 映画(さ行)
『3月のライオン 後編』
監督:大友啓史
出演:神木隆之介,有村架純,倉科カナ,染谷将太,清原果耶,佐々木蔵之介,
   加瀬亮,伊勢谷友介,前田吟,高橋一生,岩松了,伊藤英明,豊川悦司他

なんばと心斎橋で4本ハシゴの1本目。
最近休日になんばまで出るのがしんどかったりして梅田止まり。
TOHOシネマズなんばへ行くのは久しぶりな気がしていたけれど、
「すち子」を見に行ったのは1カ月半前でした。
しかしそれもなんば本館のことで、別館に行くのはもしやこのとき以来。
ほぼ1年3カ月ぶりだったから、あのトイレが懐かしい。
改良されて、もう全力で押し続けなくてもよくなってしまったのですね。
そうなるとなんだか寂しい。人間って勝手です(笑)。

『3月のライオン 前編』を観てから1カ月。
その間にNHK制作のTVアニメ版もTSUTAYA DISCASでレンタルして観ました。
これがかなり丁寧につくられていて面白い。
明るいとはいえない話だけれど、ユーモアたっぷりに描かれていて、
実写版より笑えるシーンがいっぱいありました。
もしこのアニメ版を先に観ていたら、実写版の感想も多少変わったかもしれませんが、
いずれにしても娯楽度が高くて面白いことは間違いありません。

桐山零(神木隆之介)が川本家の三姉妹と出会ってから1年が経過。
長女・川本あかり(倉科カナ)、次女・ひなた(清原果耶)、三女・モモ(新津ちせ)、
それに彼女たちの祖父・相米二(前田吟)との交流に癒やされている。

ふたたび獅子王戦トーナメントが始まり、零は順調に勝ち進むが、
零の師匠であり義父である幸田柾近(豊川悦司)は負傷して不戦敗。
本人は家の中で転んだと言っているが、何かあったらしい。
また、幸田の娘・香子(有村架純)はA級棋士・後藤正宗(伊藤英明)と不倫関係のまま。
その後藤の妻は病院で植物人間状態にある。

そんななか、あんなにも明るかったひなたが塞ぎはじめる。
泣きじゃくって帰ってきた彼女に話を聞くと、
クラスでいじめられていた同級生をかばったがために、
今度はひなたがいじめのターゲットとなり、陰湿ないじめを遭っているのだ。

さらには、三姉妹の父親・甘麻井戸誠二郎(伊勢谷友介)が突然現れる。
もう何年も前によそに女をつくって家を出て行ったくせに、悪びれる様子もなく、
自分の新しい妻子も含めてみんなで一緒に暮らそうと言いだし……。

そんなにてんこ盛りにせんでも……というぐらいあれこれ起こるわけですが、
まとまりに欠ける印象はありません。

ただ、どんなにあれこれ起ころうと、印象に残るのはやはり将棋の対局シーン。
伊藤英明演じる後藤との対局、加瀬亮演じる宗谷冬司との対局は
静けさをともない、観る者の心を捉えて離しません。
何も語らずとも棋譜には彼らの気持ちが表れる。凄いよなぁ、将棋って。
感動的な台詞などなくても泣きそうになりました。

140分、ちっとも長いと感じませんでした。
TVアニメ版はまだ全体の半分までしかDVDが出ていません。
しかも秋からは続編も始まるようで、人気は止むことがなさそうです。

ところで川本家の三女、モモちゃん役は、新海誠監督のお嬢さんだということでいま話題。
私の最近いちばんのお気に入りは、彼女がアテレコに挑戦したたまご“きよら”のCM
すち子と共演というのがさらに嬉しい。めちゃ可笑しい。

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『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』

2017年04月24日 | 映画(か行)
『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』
監督:橋本昌和
声の出演:矢島晶子,ならはしみき,森川智之,こおろぎさとみ,
     沢城みゆき,宮迫博之,蛍原徹,志田未来他

なんか“まんがまつり”みたいになってますけど、
『名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのラブレター)』とハシゴ。
109シネマズ箕面にて、駐車サービスを受けられないハシゴの2本目。

25周年記念作品にして、劇場版第25弾。
監督は『映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』(2015)と同じ、橋本昌和。

ある夜、空に流れ星を見つけた野原一家は、それぞれ願い事を必死で口走る。
ところが流れ星だと思われた物体はそのまま野原家の屋根へ、2階に突き刺さる。
恐る恐る様子を覗きに行ってみると、そこにはUFO。
搭乗者とおぼしきお尻のような顔かたちの宇宙人シリリがいた。

驚いたのはお互いさま。身の危険を感じたシリリは謎のビームを発し、
それを受けた野原家の父親・ひろしと母親・みさえは子どもの姿になってしまう。
シリリは自分には大人の姿に戻す力はないといい、
父親のもとへ連れていってくれるならば戻してやるという。

仕方なく、シリリの父親がいるとおぼしき九州の南辺りを目指して一家で出発。
シリリの姿は人前にさらせないから、しんのすけのお尻に隠すことに。
かくして野原一家と宇宙人シリリの日本縦断の旅が始まるのだが……。

コナンくんも良いけれど、相変わらずブレないしんちゃん、楽しいです。
人間を下等動物と言い切り、見下した態度ばかり取っていたシリリが、
何の偏見も持たないしんのすけに救われて、友情を知ります。

たくさん来場していた子どもたちもよく笑っていました。
笑い声があふれる劇場というのはやはりいいものです。
これだけ笑わせてくれつつ、親世代の人が見ればいろいろ考えるはず。
野原一家のパワーはすごいのでした。

次の劇場版も観ますよ、もちろん!

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