夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈わ行〉

2007年12月31日 | 映画(わ行)
《わ》
『ワールド・トレード・センター』(原題:World Trade Center)
2001年9月11日の早朝。
いつもどおりに出勤する港湾警察官たち。
それぞれの現場へと向かう部下たちを送り出すマクローリン巡査部長。
ところが、ほどなくして米国同時多発テロが起きる。
緊急召集をかけられた警察官らの中から救助チームを結成、
マクローリンを班長として世界貿易センタービルへと急行する。
もちろん実話がベースです。
警察官による救出劇を取り上げた感動ものかと思ったら、
救助に向かった警察官が瓦礫に埋まってしまい、
彼らが救出されるまでの時間を意外と淡々と描いたものでした。
天下のオリヴァー・ストーン監督作ですし、
ニコラス・ケイジを主役に据えていますし、
お金がかかっていることは一目瞭然ですが、そのわりに大げさではなく、
あの日起こったことをきっちり描いているのではという気がします。

《を》《ん》
ありません。

去年、年間300本超えをした反動か、
今年はグッと減りましたけど、
1本への集中度は増しました。
300本観ると、タイトルを聞いても
観たかどうかすら思い出せない作品がちらほらしていましたから。
映画評論家ってすごいっすね。

今年もいっぱいありがとう。
巡り会った映画たちにそう言いたいです。

みなさん、どうぞ良いお年をお迎えください。
今年もおつきあいいただき、本当にありがとうございました!

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今年観た映画50音順〈ら行〉

2007年12月30日 | 映画(ら行)
《ら》
『ラッキーナンバー7』(原題:Lucky Number Slevin)
これもジョシュ・ハートネット主演。
仕事はクビ、彼女は浮気、不運続きの青年スレヴンは、
友人ニックを頼ってNYへとやって来る。
ところがニックは不在で、ニックを訪ねて来た怪しい面々に
ニックと間違われて拉致される。
どうやらニックはギャングに借金があるらしい。
借金を帳消しにする条件として、
敵対するギャングのボスの息子を殺すように言われて……。
豪華キャストでテンポ良く、最後はあっぱれなどんでん返し。

《り》
『Little DJ 小さな恋のものがたり』
つい先日、ロードショーにて。
函館に住む野球少年の太郎は、ひそかにラジオが大好き。
野球中継や音楽番組のDJをそのまま真似るのが得意。
ある日、試合中に倒れて、入院生活を送ることになる。
昼休みに院内に流れるクラシック音楽の発信源を探ってみると、
それは院長の部屋だった。
院長にDJに抜擢された太郎は、翌日から音楽番組を開始する。
ボロ泣きしてしまいました。
今から約30年前の設定で、当時に小学生だった人なら(まさに私)、
何もかも懐かしく映るかも。

《る》
『ルワンダの涙』(原題:Shooting Dogs)
実話に基づく。
フツ族出身の大統領暗殺を、ツチ族の仕業だと考えたフツ族が、
ツチ族を皆殺しにしようとする。
海外青年協力隊の一員としてルワンダにやってきた英国人教師ジョーは
クリストファー神父とともに、公立学校にツチ族を匿う。
昨年話題となった『ホテル・ルワンダ』と同じ虐殺事件を
白人の視点から描いています。

《れ》
『レイヤーケーキ』(原題:Layer Cake)
6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ主演。
腕のいい麻薬ディーラーである男が、
全盛期の間に足を洗おうと決めた矢先、仕事の依頼が舞い込む。
それは、闇社会の大物の娘を探し出すことと、大量の麻薬を売りさばくこと。
安易な仕事だと思って引き受けたところ、殺し屋に命を狙われるハメに陥り……。
これぞ英国の犯罪サスペンス映画。地味だけど、好き。

《ろ》
『ローズ・イン・タイドランド』(原題:Tideland)
変人テリー・ギリアム監督のグリム童話シリーズ。
『不思議の国のアリス』を愛する少女ローズは、両親共にヤク中。
母親が亡くなり、父親はローズを連れて里帰り。
草原に建つ一軒家に転がり込むが、そこで父親も死んでしまう。
怪しげな女性の世話になることになったローズだが……。
「部屋が荒れている人は心も荒れているのよ」という言葉が
なぜか心に残りました。

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今年観た映画50音順〈や行〉

2007年12月29日 | 映画(や行)
《や》
『やわらかい生活』
寺島しのぶとトヨエツ共演。
東京、蒲田の町。
両親と親友を突然失ったのをきっかけに、
躁鬱病で入退院をくり返している優子。
怪しげなサイトで見つけた痴漢ごっこの相手と、不思議な関係を続けている。
そんな彼女の家へ、従兄の祥一が転がり込む。
妻と離婚寸前の彼は、言うこともすることも適当に見えるが、
ひどく陽気だと思えば急に落ち込む優子の扱いに困りながらも
あれこれと世話をするようになる。
タイトルのまま、ゆる~りと描かれる物語。
ふたりの会話は実際の会話のようで和みます。
それだけに、エンディングはかなり切なくなりました。
どうすればいいのよ、この気持ち。

《ゆ》
『ゆれる』
都会で写真家として成功をおさめている猛は、母親の一周忌のために帰郷する。
葬式にすら顔を出さなかった彼に、父親は怒りをあらわにするが、
故郷で父親と共にガソリンスタンドを経営する兄の稔は
昔と変わらぬ温和な態度で猛を迎える。
猛の久々の帰郷に、稔は兄弟の幼なじみである智恵子を誘い、
近くの渓谷へと3人で出かける。
ところが、吊り橋から智恵子が転落し、死亡してしまう。
当初は事故死かと思われたが、稔が自分が突き落としたのだと言い始めて……。
結局真相はどうなのか、私も自信がない、とても難解な作品です。
猛役にオダギリジョー、稔役に香川照之。
香川照之、むちゃくちゃ怖いです。だけど、本当に怖いのは誰?
人間は誰しも嫉妬深く、残酷な一面を持っているのだと言われているような。
救われません。

《よ》
『善き人のためのソナタ』
上記の『ゆれる』と正反対。
最後の最後に救われる。絶品。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

2007年12月28日 | 映画(ま行)
《ま》
『ママの遺したラヴソング』(原題:A Love Song For Bobby Long)
数年前に実家を飛び出した十代後半の女性パーシーは、母親の訃報を受けて帰郷する。
実家にはアル中とおぼしき、見知らぬ男が2人。
ひとりは元大学教授で初老のボビー、
もうひとりは彼の助手で作家志望の青年ローソン。
実は遺言では家はパーシーに譲られることになっていたが、
行くあてのないボビーとローソンはそれを隠し、
パーシーの母親の同居人だった自分たちにも住む権利があると主張。
3人の奇妙な同居生活が始まる。
「もっともセクシーな女優」に君臨するスカーレット・ヨハンソン主演でなければ
3年も経ってから公開されることはなかったかも。

《み》
なし。

《む》
『麦の穂をゆらす風』(原題:The Wind That Shakes the Barley)
昨年度のカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した作品。
1920年代のアイルランド。
イギリスからの独立を目指すこの地だったが、
両国の間で講和条約が締結されたあと、条約の内容を巡って、
アイルランド人同士の間で賛成派と反対派に分かれ、内戦が勃発している。
南部の町に住む青年デミアンは、医師として国外へ出発しようとした矢先に、
兄弟や友人が戦う姿を見て、自らも武器を取らざるを得なくなる。
社会派といわれるケン・ローチ監督の作品。
同監督の作品は一様に重く、笑えるシーンなど皆無に近いので、
観るのにはかなり体力が要ります。
だけど、観終わるといつも、充実した時間を過ごせた気がします。
重くて暗い、でもそこに必ず希望がある。
そんな作品を撮り続けているのが同監督。

《め》
これもなし。

《も》
『モーツァルトとクジラ』(原題:Mozart and the Whale)
前々からかなりお気に入りのジョシュ・ハートネット主演作。
ドナルドは見た目、普通の青年。
しかし、彼はアスペルガー症候群という障害を持っている。
これは、会話の能力はあるけれど、
人とコミュニケーションを取ることができないと言われる発達障害の一種。
ドナルドは同じ障害を持つ仲間を集めたサークルを主催し、
定例会を開いて、みんなが社会に適応できるようになることを望んでいる。
そのサークルへ、新メンバーとしてやってきたのが美容師のイザベラ。
何でもズケズケ言う彼女に、最初はみんなとまどうが、
次第に彼女のペースに引き込まれて行く。
いつしか惹かれ合うようになるドナルドとイザベラだったのだが……。
障害を持つ男女が主人公ではありますが、
それを抜きにしても成立してしまうラブコメディ。

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今年観た映画50音順〈は行〉

2007年12月26日 | 映画(は行)
《は》
『ハサミを持って突っ走る』(原題:Running with Scissors)
オーガステン・バロウズのベストセラー小説の映画化。
大学教授でアル中の父親と、詩人で情緒不安定な母親を持つオーガステンは、
両親の離婚に伴い、母親の主治医宅に居候することに。
しかし、この精神科医がまた変人で、
ドッグフードを食べる精神科医の妻、
堅物の娘と、対照的にイケイケの娘。
いつしか同性愛に目覚めたオーガステン。
これが自伝だというんだから凄絶。

《ひ》
『秒速5センチメートル』
3部から成る珠玉のアニメーション。
小学校の同級生で、想いを寄せ合う貴樹と明里は、
明里の転校によって卒業と同時に離ればなれになる。
手紙のやりとりだけが続いたある日、
貴樹は明里に会いに行く決意をする。その日は大雪で……。
山崎まさよしの“One More Time, One More Chance”を挿入歌に
淡々と進む本作は、その風景が信じられないほど美しいアニメです。
空の色、光の射し方など、本当に素晴らしい。
こんな想いをしたことのある人に、ぜひ。

《ふ》
『不都合な真実』(原題:An Inconvenient Truth)
アル・ゴア元米国副大統領が環境問題について訴えた超話題作。
世界各地でおこなっている講演活動を撮ったドキュメンタリー。
本作を観て、地球温暖化への考えが変わりました。
ところで、ゴアさんは、光熱費がベラボウな自宅を建てて偽善者だと言われ、
つい先日、誰もが環境に優しいと認める家に改修したそうな。

《へ》
『ヘンダーソン夫人の贈り物』(原題:Mrs. Henderson Presents)
実話に基づく。
1937年、富豪の夫を亡くしたヘンダーソン夫人。
お金の使い道に困り、劇場を買い取ることを思いつく。
支配人として雇ったヴァンダムの手腕で、劇場は大繁盛。
しかし、後発の劇場に真似をされ、次第に客足が途絶える。
そこで考えたのは、前代未聞のヌードレヴュー。
検閲の厳しかった当時、
裸の女性が絵画のごとく動かなければOKと
役所の担当官に渋々認めさせて……。
戦争により、劇場が封鎖されかけたときの彼女のスピーチが絶品。
思わず笑みがこぼれる佳作。

《ほ》
『ホリデイ』(原題:The Holiday)
米国と英国に住む、お互い面識のない女性2人が、
インターネットのサイトを通じて、
クリスマスの休暇中だけ家を交換することに。
どちらも失恋しての旅だったが、それぞれ異国で恋に落ちる。
米国人がキャメロン・ディアス。英国人がケイト・ウィンスレット。
軽く観られるラブストーリーですが、
登場人物が皆そこそこの年齢なので、それなりの深さが。

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