夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

阪神、優勝。〈本番〉

2005年09月30日 | まるっきり非映画
一昨日の観客の応援も凄かったですが、
昨日は本当に地鳴りが聞こえました。

試合の経過は省略するとして、
球場内でその光景の凄さにウルッときたのは
藤川がマウンドに上がったときのフラッシュです。
数千の星のごとく瞬くカメラのフラッシュに
宇宙にいる気分にさせられました。
試合の邪魔だったでしょうが、あまりの美しさに感激。

久保田は相変わらずのプチ・サスペンス劇場。
一昨日の試合だって、スポーツニュースで見れば
危なげなかったように放送されていたけれど、
ホームランを打たれてドキドキ。
昨日もふたりも続けてランナーを出してハラハラ。
でも、ハラハラドキドキが始まってからの久保田がいつも凄いから、
これがやはり「サスペンス劇場」の醍醐味ですね。

そのサスペンス劇場も1点に抑えて終幕。
選手全員の記念撮影のさい、下柳が隣の金本のほっぺに
終始チュッとしようとしていたのがお茶目でした。
格闘家の桜庭和志と大の仲良しのシモちゃん、
ゲイ疑惑は仕方なし。それでも私は好きやで!

試合後の50,000人近くのウェーブ、壮観でした。
今年の甲子園でのオールスター、
広島の前田に対するスクワット応援を見て泣きましたが、
昨日のウェーブも感涙もの。
こうして満足感いっぱいで甲子園を後にしました。

毎年、年間予約席を購入するにあたり、
阪神の強い弱いにかかわらず、
シーズン通してどのカードでも喜んで行ってくださる方に
わが家の割り当て分の買い取りに協力していただいております。
9月はどうせ消化試合だろうと思って
巨人戦は早い時期のものをお渡ししたら
私自身がおいしい思いをすることになってしまいました。
ごめんなさい。そして、本当にありがとうございます。

今日は地上波の放送はないようですが、
1992年のヤクルトの優勝が決まった翌日の試合を思い出します。
優勝の決まったヤクルトに阪神がエールを贈り、
ヤクルトからは感謝のエール。泣きました。
しかし!酔っぱらいばかりのはずのヤクルト。
古田がシャレでセンターを守ったりしてたのに、
そんなチームに阪神は完敗でした。
今日はちょうどその逆。頼みますよ、阪神の皆様。

最後に、昨日の巨人ファンに感謝。
ウェーブのときにも欠けたところがあるように見えなかったのは、
巨人ファンも残ってくれていたということだと思います。
敬意を表したいです。

阪神におめでとう。
しばらく余韻に浸らせてもらいます。

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阪神、優勝。〈前置き〉

2005年09月30日 | まるっきり非映画
本日は映画にはまったく関係のない話です。あしからず。

私の母は神戸の出身ですが、父は秋田の出身。
巨人戦しか放送のない地方だったであろうに、大のアンチ巨人。
こんな父に似たのか、巨人を目の敵にするうちに
私もいつしか阪神ファンに。

独身時代は毎カード、甲子園に通いました。
ひとりで観戦するのも大好きで、
秋空の下、がら空きの外野席でよく観たものです。
「ネエちゃん、ひとりで来てるんか」と
近くのおっちゃんにビールをご馳走してもらうことも。

顔も思い出せない外国人選手、ディアーがいた1994年、
“Deer”の1文字ずつを書いたプラカードを持った4人組が
ビールの売り子さんを呼ぶさいに
“D”だけ“B”に変えて掲げていたのが
これまでに見た洒落たプラカードNo.1です。

あるとき、ダンナと出かけた甲子園で、
ダンナの勤務先の人にばったり出会いました。
会社では結構怖い先輩で通っていた人らしいのですが、
「なんや、お前、阪神ファンやったんか」、
「いや、僕じゃなくて嫁さんが」という会話になり、
その人が応援団の一員であることも判明。
弱い阪神にもかかわらず、
シーズン通して甲子園通いしていることをよく思ってもらえたのか、
応援団員の席に入れてくださるようになりました。

それから数年後、その人が脳梗塞で倒れました。
一命はとりとめたものの、半身に後遺症が残り、
立ち上がることも思いのままになりません。
振り絞るように出す声も、聞いていて辛かったです。

倒れられてから数ヵ月が経過したオフシーズン、
入院中のその人から電話があり、
「年間予約席2席を一緒に買わへんか」とお誘いを受けました。
半身が不自由な状態では、身動きの取りやすい席でなければ
甲子園で観戦することはできませんから。
いつかは手に入れたいと思っていた年間予約席ですが、
ホイホイと買える値段ではありません。
電話を受けたダンナは一瞬悩んだようですが、
ここで断れば、値段的にその人も年間予約席を断念せざるを得ない。
これは話に乗っとこうと即決。

後日、奥様からメールをいただきました。
「シーズンが始まったら甲子園に行くことだけを楽しみにして
主人はリハビリに励んでいます」とのこと。
ただし、熱狂的な巨人ファンである奥様は
こう結んでおられました。
「主人に阪神の優勝を見せられたらと思うものの、
私の心中は少々複雑です」。(^_^;

やっと昨日の話に進みます。

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『ウィンブルドン』

2005年09月27日 | 映画(あ行)
『ウィンブルドン』(原題:Wimbledon)
監督:リチャード・ロンクレイン
出演:キルスティン・ダンスト,ポール・ベタニー,ニコライ・コスター=ワルドウ他

タイトルどおり、テニス4大トーナメントのひとつ、
全英オープン「ウィンブルドン」を舞台にしたラブ・コメディ。
私はテニスをしないので、今年春の公開時、
テニスというよりも役者に惹かれていました。

絶頂期は世界11位にランクされるも、今は落ち目のテニス選手ピーター。
ウィンブルドンにワイルドカードで出場することが決定し、
勝っても負けてもこれを最後に引退を考えている。
家族が観にくると必ず負けるため、両親は縁起を担いで観に来ない。
弟は相手選手に賭ける始末。

暗い気持ちで宿泊先のホテルに向かったピーターは、
フロントでスイートルームの鍵を渡される。
まちがいだと知りつつスイートルームに入ってみると、
女子の優勝候補である超人気選手リジーがシャワーを浴びている最中。
慌てて詫びると部屋を後にする。

翌日、練習中に出会ったピーターとリジー。
早速約束を取りつけようとするピーターに、リジーはOKの返事。
こうしてふたりの交際が始まる。

恋のおかげでピーターの調子は急上昇。大穴として勝ち進む。
対してリジーは大乱調。彼女の父親も交際を認めず、試合に専念するように叱る。
ウィンブルドンと恋の行方は如何に。

『ノッティングヒルの恋人』(1999)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)、
『ラブ・アクチュアリー』(2003)の製作者たちが名を連ねているといえば、
作品の雰囲気は察しがつくでしょう。

気に入らなかったのは字幕。
ふたりの台詞が常に同時に出されるので、
まだ喋ってもいないうちから片方の台詞も丸出し。
非常に読みにくく、わかりづらいです。

とは言うものの、テンポはそれなりに良く、テニスのシーンも迫力がありました。
ウィンブルドンの大会中、センターコートにカメラが入ったのは
これが初めての作品だとか。
クリス・エバート・ロイド、ジョン・マッケンローも
解説者として登場、出演を楽しんでいたようです。

ピーターの親友が○。
友人同士の対決となってピーターに破れたあと、ピーターを心から応援します。
強豪との試合の前にはこんなアドバイスも。
「我々のテニス観を見直してみた。案外簡単だ。
 球をネットの向こうへ。できるだけ強く、深く。
 それを数多くおこなう」。

テニスをされる方、どうですか。

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『タッチ・オブ・スパイス』

2005年09月23日 | 映画(た行)
『タッチ・オブ・スパイス』(英題:A Touch of Spice)
監督:タソス・ブルメティス
出演:ジョージ・コラフェイス,タソス・バンディス,マルコス・オッセ他

2003年のギリシャの作品。
日本では今年に入ってから公開されました。

ギリシャのアテネに暮らす中年のファニスは
少年時代をトルコのイスタンブールで過ごしたが、
両国がキプロス島の帰属問題で対立していた1960年代初め、
ギリシャ人だった父がトルコ国外への退去を命じられ、
家族とともにギリシャへ渡る。

それ以来、会う機会に恵まれなかった祖父が、アテネへやってくると言う。
祖父はイスタンブールで長年スパイス店を営み、
幼い頃、店に入り浸りだったファニスは自然と料理を覚えた。
ファニスは大好きな祖父とその友人たちをもてなすため、
得意の料理を用意して待つが、祖父が倒れたとの連絡が。

ここからファニスの過去を回想する形で物語は進みます。
ストーリーよりも、出てくるスパイスや料理の楽しさに
私はぐいぐい引き込まれました。
スパイスを通じて、祖父から人生を学ぶファニス。
その例えのおもしろさ。

祖父は、美食家の中には天文学者が潜むと言い、胡椒を太陽に例えます。
世界のすべてを見つめる太陽は、すべての料理に必要。
金星はシナモン。ヴィーナスのごとく、苦くて甘い。
地球は生命。その生命を保つには食事が欠かせない。
人生も食事も味気ないと惨めだから、味付けには塩。

縁談の相手にふるまう料理を作るため、
肉団子用のクミンを買おうとやってきた女性に
「想いを伝えるには意外なものを使え。
縁談に乗り気なら、クミンではなくシナモンを。
クミンは人を充足させて内にこもらせる。
シナモンは人を近づけ、互いを見させる」と祖父。
本作ではシナモンが常に大事なスパイスとして挙げられています。

わが家ではクミンは常備しているものの、使い道に悩むスパイスでした。
ところが、大好きなお店で、とてもいい感じにクミンの効いたお料理を出してくださるので、
こうして使えばいいのかと真似ているうち、
いつのまにか使用頻度No.1のスパイスとなりました。
本作を観た直後、それならとお肉系のパスタにシナモンを使用。
しかし、映画のようにドバドバと入れる勇気はなく、
味見したらやっぱりクミンを入れないと物足りない。
結局クミンに頼ることに。けれど、楽しい試みでした。

茄子の「音」まで吟味する彼らが印象的な、
ちょっと寂しい、初秋を思わせる作品です。

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『アイス・プリンセス』

2005年09月21日 | 映画(あ行)
『アイス・プリンセス』(原題:Ice Princess)
監督:ティム・フェイウェル
出演:ミシェル・トラクテンバーグ,ジョーン・キューザック,キム・キャトラル,
   ヘイデン・パネッティア,トレヴァー・ブルーマス他

これは往路の機内にて。
天下のディズニー映画ですが、日本公開は未定のよう。
原題の“Ice Princess”をそのまんまカタカナにしてみましたが、
まさか前述の『旅するジーンズと16歳の夏』みたいに
予測不能な邦題が付くなんてことはないですよね?
唖然とする邦題になったら笑い死にしちゃうかも。

成績優秀な高校生、ケイシー。
女手ひとつで彼女を育てあげた母親は、
娘が奨学金を得て一流大学に入ることを熱望している。

ケイシーは得意の物理を生かして、
フィギュアスケートのスピンやジャンプの解析を試みる。
デジタルビデオカメラを携えてスケートリンクに通ううち、
スケーティングのおもしろさに取り憑かれたケイシーは、
自ら滑りたい欲求に駆られる。

ケイシーにリンクへの立ち入りを許可したコーチは
やがて彼女の熱意をくみ取り、練習を認める。
親の期待を背負ってスケート中心の生活を送るほかの子どもたちを
ただ羨ましく思うケイシー。
勉学に励んでいると信じている母親には
練習のことを打ち明けられないまま時間が過ぎ、
彼女はますますスケートにのめり込んでいく。

母の夢を叶えるか、自分の夢を遂げるか。
スポ根でもあり、母娘の愛を語るものでもあり、彼女を見守る心優しい青年も登場、
ちょっとだけ意地悪なライバルも出てきます。
ディズニーらしく、安心して観られる1作にはちがいありませんが、
ガリ勉少女をスケートに目覚めさせる話は新鮮。
スケーティングのシーンは力強く、見応え十分。

母親役のジョーン・キューザックは秀逸です。
コメディの『イン&アウト』(1997)ではゲイを疑われる男性教師の妻役、
サスペンスの『隣人は静かに笑う』(1998)では主人公一家の怪しい隣人役、
ブラック・コメディの『ポイント・ブランク』(1997)では秘書役。
『スクール・オブ・ロック』(2003)では堅物の女校長役と、
高校生のお母さん役というイメージはありませんでしたけど、
本作であらためて素晴らしい女優さんだと感心。

なんとなくいつものディズニーとはちがう良さを感じたので、
日本でも公開されるといいなと思います。
あぁ、野球の後に気分よく更新できるのってええなぁ。

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