夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『火口のふたり』

2019年08月31日 | 映画(か行)
『火口のふたり』
監督:荒井晴彦
出演:柄本佑,瀧内公美
 
なかなかにヨレヨレなのですが、観たい映画はいっぱいある。
自分を奮い立たせてシネ・リーブル梅田へ。
 
予告編を観て気になっていたR18作品。
直木賞作家・白石一文の同名小説を脚本家・荒井晴彦がメガホンを取って映画化。
 
画面に映っている人はもちろんふたりだけではないのですが、
きちんと台詞のある登場人物は柄本佑瀧内公美のみ。
柄本佑演じる主人公が電話で話す父親役を実父・柄本明が担当しています。
 
永原賢治(柄本佑)のもとへ、父親から電話が入る。
同郷で家族ぐるみのつきあいの佐藤直子(瀧内公美)が結婚するらしく、
賢治にも必ず出席してほしいと連絡があったらしい。
 
プータローの賢治は特にすることもなく、結婚式の10日前に故郷の秋田へ。
戻った途端、早朝に訪ねてきたのは直子。
大型テレビの買い物につきあわされた賢治は、
そのまま直子の新居まで車を運転させられて荷物を運ぶはめに。
 
用事が済んだら帰ろうとする賢治だが、直子が引き止める。
かつて恋人関係だったときのことを思い出して一晩だけ一緒にいてくれと言い……。

音楽は下田逸郎。
オープニングロールに流れる昭和感漂うその曲にまずやられます。
伊東ゆかりの『早く抱いて』。
不覚にもこの曲だけで泣きそうになってしまった。
 
何年かぶりに再会した直子は、ものすごく思わせぶり。
「しようよ」、そう言っているのと同じです。
 これだけその気丸出しで来られたら、乗らない男もどうかと思うんですが、(^^;
賢治は紳士というのか、すがる直子を振り切って帰ろうとする。
それでも帰そうとしない女に逆壁ドンされたら、そら押し倒しますよねぇ(笑)。
 
強く言っておきたいことですが、男が女を飲みに誘った場合、
一緒に飲みに行くことをOKしたからって、その先までOKということでは決してありません。
むしろ、そんな気持ちはさらさらなくて、そんなことになるとは夢にも思っていないから、
飲みに行くよ〜と返事するわけなんですけれど、
ふたりきりで飲みに行くのをOKした時点でその気ありとされて、
驚いて断ると「その気だったくせに」と言われるのはまったくもって理不尽です。
 
あ、話がそれましたが、直子の場合はその気満々なわけで。
で、自分で誘ったくせして、翌日も賢治がその気になっちゃうと
直子は「一日だけって言ったのに」。これは同性から見てもヒドイです。(^o^;
 
この展開で、しかもR18となると、もう先はドロドロだろうと思うわけですが、
そうはならないんだなぁ。
どうしてこんなにも想い合っているふたりなのに、
一緒になることを特に賢治がそんなにも恐れるのかと思ったらなるほど。
 
世界が終わるかもしれないとき、大好きな人と抱き合っていられたら。
ちょっとニヤリとしてしまうラストです。
 
どうせ裸を見るならば柄本佑よりもタイプなイケメンのほうがいいけれど、
この映画は嫌いじゃない。

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『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』

2019年08月29日 | 映画(あ行)
『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』
監督:瑠東東一郎
出演:田中圭,林遣都,志尊淳,沢村一樹,吉田鋼太郎,内田理央,
   金子大地,伊藤修子,児嶋一哉,ゆいP,眞島秀和,大塚寧々他
 
封切り日だった金曜日の晩、TOHOシネマズ伊丹へ。
なんかやたら客が多いと思ったら、公開初日の舞台挨拶中継付きの回
こういうのはたいてい図らずも鑑賞ということになっている私。
この日もそんな回だとはつゆ知らず、行ってみて驚く。
 
主要フルメンバーによる舞台挨拶は、テレ朝のアナウンサーがいるにもかかわらず、
田中圭がほぼすべて仕切っていました。圭くん、MCも上手です。
 
気になったといえば、今というのかずいぶん前から流行りの(笑)、
「〜させていただく」の多用。
こう言っておけば丁寧だという風潮があるけれど、本当に丁寧ですか。
「頑張らさせていただきました」なんてのがなかっただけマシですが、
どの出演者も「何々役を演じさせていただきました」と言うんだなぁ。
2名だけそう言わなかった俳優がいて、
「栗林歌麻呂を演じました金子大地です」、「黒澤武蔵役の吉田鋼太郎」です。
吉田さんは昔から知っているとして、金子くんを知らなかった私は、
彼のイメージめちゃめちゃUPしました。
 
さて、実はTVドラマ版『おっさんずラブ』も一度を観たことがありません。
そりゃもう噂には聞き続けていましたから、観てみたかった。
しかし毎週ドラマを観る時間はどうにもつくれず、いきなり劇場版。
初心者用の親切な説明はないけど、話にはついて行けます。
 
上海香港の駐在を経て東京へ戻ってきた春田創一(田中圭)。
天空不動産東京第二営業所では部長の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)をはじめ、
武川政宗(眞島秀和)、栗林歌麻呂(金子大地)、瀬川舞香(伊藤修子)、
そして新入社員の山田正義(志尊淳)から温かく迎え入れられる。
しかしそこに牧凌太(林遣都)の姿がない。
牧は本社の狸穴迅(沢村一樹)率いるプロジェクトチームに引き抜かれたという。
 
同棲中の春田と牧なのに、牧は何も相談してくれない。
毎日仕事に忙殺されてろくに話す時間もない牧を春田は不満に思うが、
口を開けばすぐ喧嘩になってしまう。
 
そんな折り、黒澤がうっかり足を滑らせて転倒、頭を強打する。
部下と共に元妻の西園寺蝶子(大塚寧々)も黒澤の様子を見守り、
やがて目を覚ました黒澤にひと安心。
 
ところが、退院した黒澤は春田のことだけを忘れている。
なんとか記憶を呼び戻そうとする春田と黒澤自身だったが、
春田と初対面のように感じている黒澤は、
ふたたび春田に心をときめかせるようになってしまい……。

これはあくまでもTVドラマ版ファンだった人のための映画です。
「ドラマを観ていなくても絶対楽しいよ」などと薦めている人がいるとしたら、
それは相当な贔屓目が入っています(笑)。
 
みんな芸達者だし、確かにそこそこは笑えますが、
周囲の大ウケと涙止まらぬようで鼻をすする音に私は苦笑い。
TVドラマ版を観たことのない者が初めて本作を観た場合、
くどすぎるシーンがいっぱいです。
 
春田と牧が火の中で語り合うシーン、長いよ。
もう少し巻きでお願いしたいところだけど、大いに涙を誘っていました。
きっとこんなに冷めていたのは私だけ。(^^;
 
いずれTVドラマ版は観ようと思います。
全巻観てからもう一度この劇場版を観たら、私も泣けるかも。
 
こうして同性同士のカップルも普通に手を繋いで歩ける世の中になるといいね。

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『ダンスウィズミー』

2019年08月28日 | 映画(た行)
『ダンスウィズミー』
監督:矢口史靖
出演:三吉彩花,やしろ優,chay,三浦貴大,ムロツヨシ,宝田明他
 
迷います、ダンナの出張時。
終業後に映画を2本観れば帰宅は早くても23時。
それから高校野球およびプロ野球の結果を確かめて、
洗濯してお風呂に入ると就寝は1時を回る。
帰宅後についアルコールを摂取してしまうと2時になる。
 
こりゃ体に悪いやと、映画を観ずにまっすぐ帰るとどうなるか。
ちょっとだけ飲んでDVDでも観て本を読んで……ならいいんですけれど、
美味しい缶酎ハイを教えてくれた友人がいて。
 
缶のアルコール飲料なんてどれでも同じだと思っていました。
そうしたら、全然ちがうやんか。目からウロコ。
教えてもらったのは2種類。タカラの焼酎ハイボールとキリンの本搾り。
先に入手した本搾りの美味しさにビックリ。
果汁数十パーセントとウオッカのみしか使用していない。添加物なし。
翌日入手した焼酎ハイボールは香料と酸味料を添加している。
 
映画を観ずに直帰したら、2本空けてしまった。
酔っぱらってDVDを観はじめた瞬間に寝てしまい、何をしているのやら。
 
で、まぁ2本は空けずに済むように、1本だけ観て帰ることに。
 
レディースデーの109シネマズ大阪エキスポシティ。
お昼にオンライン予約したときは客はまだ私ひとりでした。
まさかね。そのままひとりっきりのはずがない。
ところが、予告編が始まってもほかに誰も来ない。
おかげでまもなく公開の『アナベル 死霊博物館』と
ひとりで観るはめに。怖いがな(泣)。
本編が始まって10分以上経過した頃、のそっと入ってきた客が。
“おひとりさま”ではなくなったけど、ふたりもなかなか気まずくて怖いです(笑)。
 
『ウォーターボーイズ』(2001)で売れっ子になった矢口史靖監督ですが、
私が矢口監督作品のなかでいちばん好きなのは、なんといっても『ひみつの花園』(1997)。
あのときヒロイン役だった西田尚美が、今はいいお母さん役ばかりですからね。
ちょっと残念な気もしている今日この頃です。
 
一流企業に勤務するOL・鈴木静香(三吉彩花)。
ある日、女子社員に大人気の社員・村上涼介(三浦貴大)から
企画書の作成を週明けまでにと頼まれ、引き受ける。
仕事を自宅に持ち帰り奮闘していると、
姉(黒川芽以)が小学生の娘を一日預かってほしいと押しつけてゆく。
 
なんとか仕事を片付けた静香は、つれなくした罪滅ぼしをしようと、
姪っ子を遊園地へと連れてゆく。
そこで姪っ子が興味を示したのは、どうみても怪しい催眠術コーナー。
催眠術師・マーチン上田(宝田明)の前で、ミュージカルスターになりたいと願う姪っ子。
そんな願いが叶うはずもないと思っていたのに、
なぜか静香のほうが音楽を聴くと歌って踊らずにはいられない体質になり……。
 
ケータイの着メロでさえ鳴れば踊り出してしまう静香が心療内科にかかり、
マーチン上田によって催眠術を解いてもらうしかないという結論に達します。
催眠術コーナーを再訪すると、借金の取り立て屋が3人、マーチン上田はトンズラした後。
仕方なくムロツヨシ演じる探偵を雇ってマーチン上田探しを依頼。
 
おおむね面白いのですが、途中からはわりと普通のロードムービーに。
一緒に旅をする元マーチン上田のアシスタントがかなりウザい。演じるのはやしろ優
ウザいなんて言ってごめんなさい。でもウザい。(^^;
 
旅の途中にヤンキー同士のダンス対決に巻き込まれたり、
chay演じる復讐女に誘われて、彼女の元彼の結婚式で“ウエディング・ベル”を歌ったり、
取り立て屋が歌って踊り出したりするシーンは楽しかったけど、
全体的に「やっぱり矢口監督だ!」という面白さは控えめ。
 
『ひみつの花園』みたいなやつをもう一度観たいなぁ。

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『ライオン・キング』〈吹替版〉

2019年08月27日 | 映画(ら行)
『ライオン・キング』(原題:The Lion King)
監督:ジョン・ファヴロー
声の出演:賀来賢人,佐藤二朗,江口洋介,亜生(ミキ),門山葉子,大和田伸也他
 
ダンナの出張初日がちょうど109シネマズのポイント会員感謝デー。
前述の『イソップの思うツボ』1本だけというのももったいなくて、
109シネマズ箕面へ移動、前週にIMAX2D版を観た本作の吹替版を鑑賞。
 
吹替版でシンバの声を担当するのは賀来賢人だとわかっていたはずなのに、
この日はそのことをすっかり忘れていて鑑賞中には誰だか思い出せず。
賀来賢人ってこんな声でしたっけね。
 
すぐにわかるのは佐藤二朗の声。プンバァにピッタリ。
スカー役の江口洋介もわりとわかりやすい。
でも事前に調べていなかったらわからなかったかも。
声っておもしろいなぁ。
 
最近のミュージカル映画は、歌の点で字幕版も吹替版も甲乙つけがたい。
普通なら吹替版のほうが劣りそうなところ、どっちもイイ。
『アラジン』もそうだったから、ついつい字幕と吹替どっちも観たくなります。
ナラ役の門山葉子、実にいい声をしていました。
 
どちらかといえばやっぱり字幕版が好きだけど、
これは吹替版でも楽しいんじゃないでしょうかね。
それにしても子ライオンがカワイイ。
 
2度目の鑑賞は「アンタらスカーを疑わなさすぎやろ」と思いました。
卑屈で意地悪な叔父さん丸出しなのに、どうしてシンバを預けるのさっ(笑)。

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『イソップの思うツボ』

2019年08月26日 | 映画(あ行)
『イソップの思うツボ』
監督:上田慎一郎,中泉裕矢,浅沼直也
出演:石川瑠華,井桁弘恵,紅甘,斉藤陽一郎,藤田健彦,高橋雄祐,
   桐生コウジ,川瀬陽太,渡辺真起子,佐伯日菜子他
 
ダンナがまた出張へ。
前回の出張時は終業後も休日も映画を観に行っているか飲みに行っているかでした。
思う存分あそびすぎて、ダンナ帰国後に体調を崩し、
夏風邪がまるまる1カ月治らず、結膜炎に罹って蕁麻疹まで発症。
今回はそんなことにならないように自重するつもりだったのですが、
ダンナ出発の日にふと映画館の上映スケジュールを見たら、
109シネマズのポイント会員感謝デーで。
 
行かないわけにはいかんでしょう。いや、行かなきゃいいんですけど(笑)。
終業後にまずお盆休み明けのクリーニング店に寄り、
もう一度職場のある万博公園に戻って109シネマズ大阪エキスポシティへ。
本作を鑑賞しました。
 
なんだったんでしょうね、『カメラを止めるな!』(2018)の盛り上がりようは。
あんな社会現象まで巻き起こしたら、次の作品が大変です、上田慎一郎監督。
今回は、『カメ止め!』で助監督とスチールを担当したおふたりと共に、3人共同監督体制で。
割引料金ありの日だというのに、客は私を含めて3人でした。(--;
 
内気な女子大生・亀田美羽(石川瑠華)。
美羽とは対照的な明るい同級生・兎草早織(井桁弘恵)はタレント一家。
世界一仲の良い家族として揃ってテレビに出演している。
早織とその取り巻きをいつも遠くから見つめている美羽。
 
ある日、臨時教員として大学にやってきた八木圭佑(高橋雄祐)。
早織は彼に一目惚れした様子で、デートに誘おうと必死。
しかし実は圭佑は早織の母親・裕子(佐伯日菜子)と不倫中。
 
早織の父親・信司(桐生コウジ)は裕子に複数の浮気相手がいるのを知り、
復讐代行屋なるものにまずはひとりめの浮気相手へのリンチを依頼。
やってきた代行屋は戌井連太郎(斉藤陽一郎)とその娘・小柚(紅甘)。
思い通りの復讐に信司はスッキリ。後日圭佑をターゲットにするつもり。
 
仕事を終えた連太郎の前に現れたのは、かつて連太郎が裏切った相手・近藤(川瀬陽太)。
近藤は小柚を殺されたくなければある家族を誘拐しろと連太郎に言い……。
 
90分を切る作品なのですが、半分くらいまでは胸糞が悪かった。
佐伯日菜子のオバサンぶりと演技におののき(すみません)、
髪をかき上げる仕草が鼻につく高橋雄祐演じる圭佑にゲンナリ。
不愉快きわまりなくて途中で退場したくなるほどでした。
 
けれどそのままでは終わらないところはさすがに『カメ止め!』の監督。
そういうことだったのねとわかってからはまぁまぁ面白かった。
 
唯一カッコええなぁと思った紅甘ちゃん、内田春菊の娘なのね。へ~っ。
 
でもねぇ、そりゃ『カメ止め!』と比べるとちぃとも面白くない。
そのうえ、基本的に嫌な話だから、観終わってからの爽快感もなし。
ただただ「予期せぬヒット作を生んだ後って大変」と思うばかり。
 
もうこういう展開の作品はやめて、
えっ、あの監督がこれを?っちゅうのを撮るしかないっしょ。

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