マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大阪・住吉大社の五大力石守運拾い

2020年06月04日 10時12分43秒 | もっと遠くへ(大阪編)
初辰さんの幟がたくさん並ぶ大阪・住吉大社。

市内住吉区に鎮座する住吉大社から数km離れた住之江区の北島が我が故郷。

生まれも育ちも北島であるが、初詣は地元北島の高砂神社に住吉大社だった。

育った地だけに、「すみよっさん」と今でもそう呼んでしまう。

この日は初詣でなく初めて拝見する卯の葉神事である。

祭場はご本宮の第一本宮のすぐ近く。

南側にある若宮八幡宮との間。五所御前(ごしょごぜん)の玉垣の区画である。

神功皇后が住吉大神をお祀りする地を探していたときである。

杉の木に3羽の白鷺がとまったこの地に、住吉大社を祀ることを決めた。

それがこの玉垣の区画。



参拝を済ませた人たちのうち数人が、砂利石を敷いた玉垣内部を覗いていた。

そのとき、動いた腕。

玉垣の間から手を伸ばして何かを掴んでいた。

なにをされているのか、聞いてみたご婦人は手のひらを広げて見せてくれた。



文字を書いていた小石が2個。

一つは「五」にもう一つは「力」。願わくば、「五」、「大」、「力」の小石を集めること。

五大力に願いを叶えてもらう運拾い。

手前にあれば、また見つかるが、向こうの方なら手は届かない。

願掛けは何であるかは聞くことないが、運試しのような3種の小石集め。

その場に表示してあった案内。



「心願成就の五大力石守は、墨書の五・大・力をご自身で拾ってください。寿力、福力、体力、智力、財力、などの“運力“を授かる」という。

へぇーそうだったんだ。もう一つ、見つかればいいですね、と話したら、大阪・八尾から来られたその婦人。

見つかりましたわ、と笑みの顔で広げてくれた手のひら。



運拾いの小石は一つ増えて、「五」、「大」、「力」。願掛けが叶いますね、といえば、そうでなく、まだ続きがある、という。

隣で運を拾っていた婦人もまた運拾いの三つが見つかった。

なんでもこの日は、遠方から参られたツアー客。

単独行動したおかげで見つかったと喜ぶ婦人。



次の参拝社は、楠珺社(なんくんしゃ)。

五大力専用の小石袋を求めに行かれたのか、それとも初辰参りであるのか・・・。

楠珺社に種賃社、浅澤社、大蔵社の四社を巡拝する初辰参りであるが、本来は1日参り。

ツアーだけに、日にちは合わなくとも五大力石守の五所御前から巡拝するのだろうか。

ところで、「五」、「大」、「力」が3種揃ったところで、どうすれば“運”を授けてくれるの?である。

これもまた案内にあった御礼参りである。

「願いが叶えば、ご自身が住むご近所で3個の小石を拾い、それぞれ「五」、「大」、「力」を墨書する。

そして、授かった運拾いの「五」、「大」、「力」とともに、合計6個の小石を、ここ玉垣に投げ入れる。

願い事が叶ったら、お返しにお礼参り。

つまりは運の“倍返し”である。

(H30. 5.11 SB932SH撮影)
(H30. 5.11 EOS7D撮影)