前回に鑑賞した舞楽は「海神への供物Ⅰ~住吉大社」だった。
今回は場も替わって厳島神社。
とは言っても、場は正真正銘の広島県にある厳島神社ではなく大阪・中之島フェスティバルタワーホール。
前回の「海神への供物Ⅰに続く、天王寺楽所(がくそ)が演舞を披露するシリーズ2回目になる海神への供物Ⅱ~厳島神社である。
素晴らしい演奏鑑賞券を贈ってくださったのは天王寺楽所(がくそ)(以和貴会)に属されるMさん。
第二部の奉納舞楽に演奏される鳳笙演奏者である。
前回に受けた感動をまた一人だけではもったいない。
そう思って写真家のKさんを誘った。
舞楽を舞台で鑑賞するのは滅多にないこと。
また、私の好きな管弦舞楽の「蘇利古(そりこ)」を是非見てほしいとと伝えたら、速攻で承知してくださった。
前回の鑑賞で反省した遠眼鏡がある。
ある、のではなく持っていったらどれほど良かったかと反省する点である。
干渉波オペラグラスが良いのだが持ち合わせている遠眼鏡は自然観察会で活用していた双眼鏡。
8倍ズームしかないので鮮明に見えるかどうか心配だが。
その反省点はKさんに伝えていたら同じような双眼鏡を持って来られた。
さて、本日の演目である。
厳島神社の高舞台(※国宝)は大阪・四天王寺の石舞台(※重文)、住吉大社の石舞台も重文。
これを日本三舞台と云われている重要な奉納場。
特に厳島神社の高舞台は、海に張り出した独特な景観を浮かび上がらせる場である。
この三舞台すべてにおいて古来より天王寺楽所が舞楽を奉納してきた。
第一部の演目は、和琴が加わる管弦祭から始まる。
曲目は平調音取(ひょうじょうのねとり)、「早甘州(はやかんしゅう)」、「太食調音取」に管弦「抜頭(ばとう)」、夜多羅拍子(やたらびょうし)の演奏、祭式行事作法を経て、厳島神社の古様の装束で舞う「蘇利古」。
五人舞で演じる管弦舞楽である。
15分の休憩を挟んだ第二部は奉納舞楽。
修祓より始まって舞楽は2曲。
振鉾(えんぶ)に萬歳楽である。
続いて、楽曲の十天楽(じゅってんらく)を奏されて祭式行事作法が行われる。
そして舞楽の「蘭陵王」である。
届けてくださった鑑賞券を指定席券に引き換えてもらって指定席を探す。
探すといっても座席がどこにあるやら調べているうちに時間が・・。
迫ってきた時間に大慌て。
ホールにおられる職員さんに指定席券を提示して誘導してもらう。
案内された席に座った途端にホールの照明が落とされて緞帳があがってきた。
間一髪間に合った公演が今まさに始まった。
騒めいていた会場は一瞬に静寂を奏でる。
舞台に照明があがって目が慣れてきた。
腕時計をみれば午後6時半ジャスト。
間に合ってほっとする中、演奏が聞こえてくる。
和琴、鳳笙、太鼓、篳篥、龍笛に楽琵琶などの音色で幕開き。
矛を左右に剣を立てて、中央に鳳凰を配した舞台が美しい。
双眼鏡で覗いてみれば、その周りいっぱいに天から降り注いでいるかのように見える榊、シデ。
忘れずに双眼鏡を持ってきたことに感謝する。
6時ジャスト、緞帳があがって演目が始まる。
第一部は厳島神社の管絃祭。
日本三大船祭とされる管絃祭仕立てを天王寺楽所(てんのうじがくそ)が奏そうする。
和琴、太鼓、鉦鼓に龍笛、篳篥、鳳笙、楽琵琶の音色で幕開き。
鉾を左右に剣を立て、中央に配置した鳳凰。
周りいっばい榊とシデ(紙垂れ)シデを設えた舞台。
腕を組んだ眠りに、神官が献饌をしたら、いったんは退室する一幕。
1曲目に平調音取(ひょうじょうのねとり)。
そして2曲目の管絃・早甘州(はやかんしゅう)、太食調音取(たいしきちょうのねとり)から3曲目の管絃・抜頭(ばとう)を夜多羅拍子(やたらひょうし)で演奏される。
厳島神社からは斎主を務める宮司に権禰宜が管絃祭における祭式行事作法を執り行う。
そして、第一部の幕締めに管絃舞楽・蘇利古(そりこ)を演奏披露される。
安芸の宮島、厳島神社で行われる本来の管絃祭に登場する舞楽・蘇利古の姿を観たいが、今回は演奏のみ。
不思議、としか言いようのない雑面(ぞうめん)を被り、白楚(※ずわえ・ずばえ)」という棒をもつ舞うその姿を拝見するには広島へ行くしかないが、この年の4月22日に行われた大阪・四天王寺で行われた聖霊会舞楽大法要の場で拝見できたから、良しとしよう。
午後7時15分にもよおすそれに、ソロリと音を立てずに退出する。
第二部の楽奏は太鼓に鞨鼓、鉦鼓の管方。
鳳笙、篳篥、龍笛はそれぞれ15名程度が奏でる奉納舞楽。
振鉾(えんぶ)、萬歳楽(まんざいらく)・・・しっかり見て、聴こうとするのだが、どうしてもうとうとしてしまう。
時間帯も、演目に演奏の夢見心地。
ここで一眠りしてしまった。
・・なんらかの神事(※祭式行事作法の付楽十天楽“じゅってんらく”)があったのかのように思えるが、それは夢の中。
蘭陵王の舞が終わるときの拍手で目が覚めた。
退出音声(まかでおんじょう)の長慶子(ちょうげいし)を耳にしながら、会場を後にした大都会の灯り。
ご招待してくださった高野山に修行され得度されたMさんに感謝するとともに、この夜の宴にまでご縁を繋げてくださった。
この場を借りて厚く御礼申し上げる次第である。
(H30.11.26 SB932SH撮影)
今回は場も替わって厳島神社。
とは言っても、場は正真正銘の広島県にある厳島神社ではなく大阪・中之島フェスティバルタワーホール。
前回の「海神への供物Ⅰに続く、天王寺楽所(がくそ)が演舞を披露するシリーズ2回目になる海神への供物Ⅱ~厳島神社である。
素晴らしい演奏鑑賞券を贈ってくださったのは天王寺楽所(がくそ)(以和貴会)に属されるMさん。
第二部の奉納舞楽に演奏される鳳笙演奏者である。
前回に受けた感動をまた一人だけではもったいない。
そう思って写真家のKさんを誘った。
舞楽を舞台で鑑賞するのは滅多にないこと。
また、私の好きな管弦舞楽の「蘇利古(そりこ)」を是非見てほしいとと伝えたら、速攻で承知してくださった。
前回の鑑賞で反省した遠眼鏡がある。
ある、のではなく持っていったらどれほど良かったかと反省する点である。
干渉波オペラグラスが良いのだが持ち合わせている遠眼鏡は自然観察会で活用していた双眼鏡。
8倍ズームしかないので鮮明に見えるかどうか心配だが。
その反省点はKさんに伝えていたら同じような双眼鏡を持って来られた。
さて、本日の演目である。
厳島神社の高舞台(※国宝)は大阪・四天王寺の石舞台(※重文)、住吉大社の石舞台も重文。
これを日本三舞台と云われている重要な奉納場。
特に厳島神社の高舞台は、海に張り出した独特な景観を浮かび上がらせる場である。
この三舞台すべてにおいて古来より天王寺楽所が舞楽を奉納してきた。
第一部の演目は、和琴が加わる管弦祭から始まる。
曲目は平調音取(ひょうじょうのねとり)、「早甘州(はやかんしゅう)」、「太食調音取」に管弦「抜頭(ばとう)」、夜多羅拍子(やたらびょうし)の演奏、祭式行事作法を経て、厳島神社の古様の装束で舞う「蘇利古」。
五人舞で演じる管弦舞楽である。
15分の休憩を挟んだ第二部は奉納舞楽。
修祓より始まって舞楽は2曲。
振鉾(えんぶ)に萬歳楽である。
続いて、楽曲の十天楽(じゅってんらく)を奏されて祭式行事作法が行われる。
そして舞楽の「蘭陵王」である。
届けてくださった鑑賞券を指定席券に引き換えてもらって指定席を探す。
探すといっても座席がどこにあるやら調べているうちに時間が・・。
迫ってきた時間に大慌て。
ホールにおられる職員さんに指定席券を提示して誘導してもらう。
案内された席に座った途端にホールの照明が落とされて緞帳があがってきた。
間一髪間に合った公演が今まさに始まった。
騒めいていた会場は一瞬に静寂を奏でる。
舞台に照明があがって目が慣れてきた。
腕時計をみれば午後6時半ジャスト。
間に合ってほっとする中、演奏が聞こえてくる。
和琴、鳳笙、太鼓、篳篥、龍笛に楽琵琶などの音色で幕開き。
矛を左右に剣を立てて、中央に鳳凰を配した舞台が美しい。
双眼鏡で覗いてみれば、その周りいっぱいに天から降り注いでいるかのように見える榊、シデ。
忘れずに双眼鏡を持ってきたことに感謝する。
6時ジャスト、緞帳があがって演目が始まる。
第一部は厳島神社の管絃祭。
日本三大船祭とされる管絃祭仕立てを天王寺楽所(てんのうじがくそ)が奏そうする。
和琴、太鼓、鉦鼓に龍笛、篳篥、鳳笙、楽琵琶の音色で幕開き。
鉾を左右に剣を立て、中央に配置した鳳凰。
周りいっばい榊とシデ(紙垂れ)シデを設えた舞台。
腕を組んだ眠りに、神官が献饌をしたら、いったんは退室する一幕。
1曲目に平調音取(ひょうじょうのねとり)。
そして2曲目の管絃・早甘州(はやかんしゅう)、太食調音取(たいしきちょうのねとり)から3曲目の管絃・抜頭(ばとう)を夜多羅拍子(やたらひょうし)で演奏される。
厳島神社からは斎主を務める宮司に権禰宜が管絃祭における祭式行事作法を執り行う。
そして、第一部の幕締めに管絃舞楽・蘇利古(そりこ)を演奏披露される。
安芸の宮島、厳島神社で行われる本来の管絃祭に登場する舞楽・蘇利古の姿を観たいが、今回は演奏のみ。
不思議、としか言いようのない雑面(ぞうめん)を被り、白楚(※ずわえ・ずばえ)」という棒をもつ舞うその姿を拝見するには広島へ行くしかないが、この年の4月22日に行われた大阪・四天王寺で行われた聖霊会舞楽大法要の場で拝見できたから、良しとしよう。
午後7時15分にもよおすそれに、ソロリと音を立てずに退出する。
第二部の楽奏は太鼓に鞨鼓、鉦鼓の管方。
鳳笙、篳篥、龍笛はそれぞれ15名程度が奏でる奉納舞楽。
振鉾(えんぶ)、萬歳楽(まんざいらく)・・・しっかり見て、聴こうとするのだが、どうしてもうとうとしてしまう。
時間帯も、演目に演奏の夢見心地。
ここで一眠りしてしまった。
・・なんらかの神事(※祭式行事作法の付楽十天楽“じゅってんらく”)があったのかのように思えるが、それは夢の中。
蘭陵王の舞が終わるときの拍手で目が覚めた。
退出音声(まかでおんじょう)の長慶子(ちょうげいし)を耳にしながら、会場を後にした大都会の灯り。
ご招待してくださった高野山に修行され得度されたMさんに感謝するとともに、この夜の宴にまでご縁を繋げてくださった。
この場を借りて厚く御礼申し上げる次第である。
(H30.11.26 SB932SH撮影)