小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原駅周辺の商店街に活気のあった昭和時代には、各商店街で販促を目的としたサービス券の発行や福引などが行われていた。小田原銀座商店街では独自のリング・スタンプを発行していて、スタンプの数によって景品や商品割引券と交換するサービスを行っていた。数年前の大掃除の際、昭和時代に小田原銀座商店街が発行したリング・スタンプ4冊を発見。私自身はあまり馴染みのあるものでは無かったが、親が集めていたので子供の頃には良く目にした。リング・スタンプの台紙の構成は中巻4つ折り8ページ。中面4ページにリングスタンプを貼り付けるようになっていて、1ページに25枚で4ページ計100枚のリングスタンプを貼ると商品引換券か景品との交換が行える。リング・スタンプは切手状で買い物金額に応じて貰える仕組み。昭和48年までは100円毎に1枚だったが、昭和49年からは200円毎に1枚に変更。リング・スタンプの色もピンクから黄色へと変更された。発見した4枚の台紙のうち、一番古い台紙が昭和48年度版のもの。表紙はなんとも時代を感じる写真とデザイン。台紙の冊数によって交換出来る景品がグレードアップするようになっていて、景品数は100種類近く記載されたいる。1冊だと小皿5枚や資生堂ホネケーキなど6種類。5冊だとウイスキーやマガジンラック。10冊だと毛布や小型手提バッグなど。面白い景品は生花用剣山・ウクレレ・顕微鏡・スエーデンバッグあたり。昭和48年版のリング・スタンプで豪華な景品は295冊で交換出来る冷蔵庫2ドアと630冊で交換出来るカラーテレビ17型。リング・スタンプとカラーテレビ17型を交換してもらうためには当時、630万円分の買い物が必要だった計算になる。リング・スタンプの台紙で最も興味を引くのが加盟店を記載した地図。ニチイが開店した頃だが、まだオービックビルの建設前で交差点角には茶又玩具店の記載があって懐かしい。小田原銀座リング・スタンプの加盟店で当時から変わらぬ店構えで現在も営業している店舗は数店ほどで三橋仏具店は私が子供の頃から変わらぬ佇まい。小田原駅周辺の商店街の活気や、独自のサービスの記憶は時代の流れの中で段々と遠ざかっていく。

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