「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

母が彫った、軽井沢彫りのお盆

2006-11-03 | 99歳Umeさんの軽井沢物語

    

ところどころでこぼこだったり、彫がはみ出していびつな線だったり、けっして上出来とはいえない軽井沢彫り のお盆を愛用している。                                                           

 裏を返すと、H9.UY の刻印(?)。
<平成9年ume > 今から、9年前、umeさん82歳の作。
まだ軽井沢で一人暮らしをしていた母が、老人会か何かの催しで、みんなと一緒に彫ったものだ。
少し古びてはいるが、毎日、重宝している。

疎開して、軽井沢で苦しい生活を送っていた若い日々、母はこう思っていたそうだ。
「自分たちは今、この池の淀みに沈んで朽ちかけている落ち葉だ。今は日も射さなければ、泥にも埋もれていようけれど、風が吹いたり、わずかでも水が流れてきたり、なにかの変化で、きっと浮かび上がることもあるはずだ」 と。
軽井沢彫りのお盆は、人生の端っこに訪れた、その小春日和のような日々の産物だろう。ヘタな彫りであるところが、いっそういとおしく思えてくる。

母は今、老人病院のベッドで暮らし、車椅子で、自力で移動している。
受け入れなければならないことの多い日々だ。
都合がつかず、二度も、妹が行くのを代わってくれた。せめて今度こそは行って、明るい話題で、笑いあってきたい。

 

コメント (8)
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