子どもの頃、近所に花好きのおばさんがいたので、春になると、よく花畑の手伝いをした。
子どもたちは、みな自分のちいさな花畑を持っていて、おばさんのお余りのダリアなどの球根をもらって育てた。
サクラソウやクリンソウ、苧環、山百合など、山の花や思い思いにお気に入りの花を植えていた。
大きな落葉松の木の下の、あまり日当たりも良くない場所。5~6センチも掘れば、浅間山の噴火で飛んできた軽石がごろごろと 出てくるようなーー。それが子どもたちの花畑だった。それでも、せっせと世話をしては、花が咲くとおばさんを呼びに行った。
「まあ まあ、きれいに咲きましたこと。ほんとうにようございましたに」
ちょっと太目の、和服姿のおばさんは、子どもたちに案内されて、5-6箇所の花畑を見て回っては、ほめてくれる。
おばさんに子どもはいなかったが、毎日のように遊びに行って、石灯籠や錦鯉
泳ぐ 池のある日本庭園を、自由に駆け回っていた。今考えると、さぞ迷惑だったことだろう。が、おばさんは、いつもおおらかだった。 石楠花や、牡丹、ケマンソウを知ったのもこの庭から。
”遠山さんのおばさん”、私の花好きのルーツは、あなたでしたね !
2005年4月19日 (火) *画像は、季節の花300さん よりお借りしました。。
<今、私たち大人は、子どもたちに何か伝えているものがあるだろうか。>