気温の上下が激しい。前日と10度も違う事もしばしば。これでは体調の万全で無い自分には堪える。

　●あまえたし熱上がり出す春の風邪

　○眠らんとすれば頭骸骨の寒し

　●肉体の弱み狙いて寒波くる

　○海光を受けてエリカの咲き満ちる

　●娘から羊羹届くバレンタイン

　○居酒屋の看板となる牡蠣の殻

　●チューリップ揺れて一日の始まり

今日、我が家の和室にお雛様が並んだ。娘のためにと妻が昔こしらえたものだが、飾ってみると少しもあせていない。華やかなままだ。

　　○心音を子守り歌にし浮寝鳥

　　●うららかや蛸焼ソースたっぷりと

　　○くしゃみせぬように雲雀を空に追う

　　●日の暮れを忘れ囀る雲雀かな

　　○雑巾の捻じれたままで凍りをり

　　○バレンタイン歯科医の一階ケーキ屋さん

　　●一人居の熱燗口へ迎え行く

昨日、霙の降る中新宿と渋谷に行った。病む身には深い地下を歩くのは大変だった。階段、エスカレーター、エレベター、疲れる。

　
　○梅の蕊目立たぬ仕事してをりぬ

　●心音を子守り歌にす浮き寝鳥

　○うららかや自転車忘れ帰宅かな

　●手をかざし囀るひばり視野に入れ

　○うららかに尺取り虫の測初め

　●今日も又昨年のごと燕来る

　○くしゃみせぬように空飛ぶ雲雀追う

寒い日が続く。が、日脚は日々伸びている。光がきらきらとするようになった。今日は節分。もう春は近い。

　
　　○二三日見ぬ散歩婆冬深し

　　●鉄アレー置いて白菜漬け終る

　　○かりかりと人参かじりコップ酒

　　●着ぶくれて携帯探すポケット

　　○冬ざるる鴉生ごみにて生きる

　　●霜柱踏みて一大決心す

　　○春待つや咲く順に鉢並べたり