ドフトエフスキーの「白夜」の娘の名前は何だったのでしょう?と思い出そうとしてたらナースチェンカで場所はペテルスブルクだったと思い出した。空想家と言う人種。それぞれシチュエーションはちがうが彼らは古くから生存し続けてきた。感傷的ロマンではあるけれどそれこそ表舞台に立つことなくそこはかとなく彼らは営々と自分たちの役割をこなしてきたと思う。それが今、絶滅品種となっている。「最後のロマン人」なんて本が出るのではないか。空想の世界から現実の世界へと出て行くナースチェンカそれを見送る主人公。そして自分のこれからの現実も空想という癒しで解決していこうとすることに何かほっとしたものを感じる。この小品でドフトエフスキーの偉大さを感じる。スケールでは、罪と罰やカラマーゾフにはかなわないけどあの大作よりこの作品のほうが凄さを感じるのは自分が年老いた岩になってきたことが影響してるのでしょうか。でも本当のところ年老いた岩って何のことか分からないのです。「生涯ロマン人」のことかな。そう言えば、ランボーも空想から現実へと戻って行きましね。砂漠の蜃気楼が見えるようだ。
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