フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

貧しい夫婦の物語

2012-02-02 08:43:12 | Weblog
      貧しい夫婦の物語

 あるところに貧しい老夫婦がいました。
 楽しみといえば仕事休みのひとときに 
 公園で夫婦そろっての日向ぼっこでした

 足元にはすずめたちが寄って来ています
 「すまないね おまえたちにあげるパン
 くずすらもってないんだよ」
 夫婦は貧しくてその日食べるのがやっと
 の暮らしでした。
 それでも自分達の暮らしに文句や不平を
 言いませんでした。
 「この世には人間だけでなくすずめや鳩
 や他の動物たちも生きていける世界がある
 からね」と思うのが夫婦の思いだったから
 です。陽は柔らかく、風は穏やかな午後の
 ひととき。二人はお互いを見つめ少し微笑
 んで「帰ろうか」と言いました。

2月2日は夫婦の日というらしい。ほんの少し前まで貧しくとも幸せな夫婦がまわりに沢山いたように思えたけどな。どこへいったんでしょうねあの人たち。2月3日は節分。会うは別れのはじめなのか。
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