Yu Miriのアメリカでナントカ賞をもらった「JR上野駅公園口」という本を読んだ。賞はアメリカの本屋大賞みたいなものとしか認識してないけどスゴイ賞らしい。だけどこの本の内容アメリカ人にわかるのかなぁというのが感想。テーマは重いが文章は言葉が研ぎ澄まされてて読みやすい。ホームレスの物語なんだが彼の過去現在未来が交叉してその悲しみを通り越して乾ききった目で淡々と語られていく事実が切ない。近代日本を背負ってるような東北の人たちと都会人のすれ違う感覚が妙に生々しく天皇制そのものにも斬り込んでいるような迫力も感じるが主人公は去っていく天皇陛下に手を振る。そこに日本人の何たるかを見せてくれたように感じた。「臭いものには蓋をしろ」とばかりの為政者の施策に過去を、現在を未来永劫に葬り去っていいのかという力のないアンチテーゼが津波のようにのしかかってくる。「間もなく2番線に池袋・新宿方面行きの電車が参ります。危ないですから黄色い線までお下がりください」で物語は終わってる。そう言われてもなぁ、この鈍くこみあげてくる怒りはどうすればいいんだろう。
人の数だけ人生があって
と言うけれど
誰も人の人生ナンカ
気にしてはくれない
都会の孤独のなかで
ひっそりと
寄り添って生きる
その人の
過去現在未来
寄り添う者だけが
垣間見ることができる
それで?
と言われれば
それまでのことだけど
生きた証とか記憶とか
欲しいと思うのです
他には何も要りませんけどね
人の数だけ人生があって
と言うけれど
誰も人の人生ナンカ
気にしてはくれない
都会の孤独のなかで
ひっそりと
寄り添って生きる
その人の
過去現在未来
寄り添う者だけが
垣間見ることができる
それで?
と言われれば
それまでのことだけど
生きた証とか記憶とか
欲しいと思うのです
他には何も要りませんけどね