ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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Pal Joey パル・ジョーイ

2010-10-04 07:33:05 | ヅカOG その他舞台

 本日は雨です。昨日は表参道から明治神宮まで歩き、

表参道ヒルズなるものを見物し(って田舎もんですね)素敵なマントが

あって「欲しいーー」と叫び、しかしながら値段のすごさに「貧乏人なんてさ」

といじけ・・・でも冬物が出ているのに、妙に暑くて汗ばかりかいているのでした。

 

 パル・ジョーイ  (坂本ファンは読まないように)

 

 本当に古い作品なのね

青山劇場は幕が開いたばかりで、まだ花の香りが強いのでした。

彩吹真央には水夏希安蘭けいからお花が届いていました。

それにしても・・・青山劇場のトイレって少ない・・・・

さて、この「パル・ジョーイ」ですが初演が1940年。戦前ですっ

宝塚でも星組の日向薫で上演した事があるそうですね

友人の「何でこんな古い作品を見せられないといけないの?」という疑問は

ごもっとも 古くても作品がよければ・・ってのはわかる。

でもそういう「古い名作」ばっかりってのも

今回は初演に最も近いものらしいです。

 

 構図としては

1930年代のシカゴ。

ジョーイ・エヴァンスはどこへ行っても長続きしないダンサーで、だけど

女性には妙にモテる男。

プレイボーイが年増の女性を恋に落とす。清純な乙女を恋に落とす。

昔馴染みの女を再び恋に落とす・・そうやって好き勝手にやってる罪な

 でも、最終的には全てを失う滑稽な話。

多分、ブロードウエイの観客はそういう「手玉にとったつもりが逆に

操られ利用され裏切られる馬鹿な奴」という所に面白さを感じるんだろうけど

日本人の場合、ジョーイの性格の悪さに嫌悪感が先に立って

「何でこんな男がモテのかわからん」で終わっちゃってるかも

 

 全体的な印象

とても面白かったです ブロードウエイ作品の特徴である

 妙に差別的な表現

 直接的会話

 露出度

これらがあまり激しくなく(いやーーでもアンサンブル&彩吹は延々と

下着姿だったけどね)

あまり嫌らしさは感じず、適当にギャグも入って面白かったです。

あまり曲がよかったとは思えませんが

 

ストーリーとしてはありきたりなんでしょうね

ジョーイのキャラの扱いが「スター芝居」って感じで、確かに宝塚で

やってもいいっていうか。

私は正直、水夏希&彩吹真央でみたかった・・・・

 

 際立つ高畑淳子&彩吹真央

一応、主人公はジョーイ=坂本昌行

ヒロインはリンダ=桜乃彩音

という事?らしいけど、どうみたって影の主役は

高畑淳子=ミセス・シンプソン

彩吹真央=グラディス

じゃないかと

正直、この二人とアンサンブルの完璧さで舞台がもっていたような

気がします。

ミセス・シンプソンは大金持ちの奥様でプライドが高く高飛車

旦那はいつも家にいないので若い男をツバメにしている。

そんな彼女がジョーイみたいな男に惚れてしまうというのはお約束とはいえ

高飛車な彼女が恋に落ちた途端に「可愛い尽くす女」に変わるあたりが

絶品

歌唱力はまあ・・・・だけど、それを演技力でカバー。

年上の女性としての包容力や優しさを兼ね備えた、とても素敵なおば様

ぶりでした (ふぶきちゃんもかくありたい

特にラスト、ジョーイの目を覚まさせようと必死になってるグラディスに

大丈夫よ、お嬢さん」って言う台詞にはほろっ

自分だってジョーイを愛してる。でもこの娘みたいに自分を投げ出して

まで必死に男を守ろうとは出来ない。そんな風に愛して破滅は出来ない

叫んで怒鳴って引きとめようとするグラディスを羨ましいと思う。

でも、この時点でミセス・シンプソンは多分「母親」的なんだろうなあ。

だからこの台詞が出て来たんだろうと思います。

 

グラディスはジョーイの元彼女でジョーイのいい所も悪い所も全部

知り尽くしている女性

再開して喧嘩ばかり。ジョーイに嫌味を言われても意地悪されてやり返しても

最終的には「味方」になっちゃう・・・究極のダメンズ

不幸が似合う」彩吹真央の真骨頂なんでしょうけどね。

そしてグラディスはパブの花形ボーカリストでダンサーなので、とにかく

歌・歌・歌・・・・細くって長い足を惜しみなく出して、180度開脚ありーの

ドレスをばんばん脱いでいくシーンありーの、いやー大活躍って言うか。

この方が歌って踊るから「ミュージカル」なのねーと認識できる。

(でもあの足も肩もモロ出しでちょっとHなダンスを踊るゆみこちゃんに

ファンは引くかなあ・・・・ でも、色気ないし・・妙にさっぱりしてて

清く正しいから日本人向き?とにかく長い足を見て見てっ)

 

最終的にただ一人、ジョーイの元に戻ってきて、叫ぶように愛を告白

そのいじらしさに思わず「だからそんな男に関わっては駄目って言った

でしょ・・もうっとお姉さんは心配してしまいましたよ

しかも、別れるっていうのに延々と「今度こそ甘えず自立しないと駄目よ」

とこんこんと言い聞かせる女・・・本当に、どこまで損する女なんだか

 

究極の「大人の女性」&「究極に甘やかしてくれる女」に囲まれたジョーイは

幸せ者だよな・・・と。

 

 一番存在感がなかったのは・・・・

ごめん・・・やっぱり坂本君なのよ。

ジョーイは何をやっても長続きせず、夢を追い、いう事なす事嘘ばかり。

女は利用してなんぼ。そんな嫌な性格なのになぜか憎めない。

まさに「スター芝居そのもの」なんですよね

個性的な女優に囲まれてスター性を発揮するというのは難しいとは

思うんです。

でも、やっぱりそれなりの見せ場や決めポーズなどがあるわけだし、

そこを外さないで欲しかったなあ

歌っていても印象に残らず、踊っていてもさらっとしてて、台詞を言っても

感動しない・・・これじゃあ主人公じゃないでしょ。

 

桜乃彩音に関しては、よくも悪くもヅカ時代と全く変わってなくて。

それなら相手役が真飛聖の方がよっぽどヒロインらしく振舞えたのでは

ないかとすら思いました

ヅカ時代から桜乃は、相手が強烈に自分を引っ張ってくれるキャラだと

光るタイプ。古式ゆかしい「日本女性」を演じられる人だと思うので、

今後はその路線でお願いします。

 

木曜日にまた見ます。

待ってて ゆみこちゃん

 

コメント (3)
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