私達は日本語を、さも当たり前のように日常、使って生活をしている。だが、よ~く考えてみると、日本語ほど語彙[ボキャブラリー]に富んだ言葉は世界で少ないということを認識していない。例(たと)えば、英語でI am. と言ったり書いたりした場合、その意味は私だ、おいらだ、僕です、拙者じゃ、俺だ、おいどんでごわす、わらわじゃ・・などと、様々(さまざま)に分岐し、多くの語彙でそのもの、そのことをズバリ! と言い表せる訳だ。ところが近年では、英単語が会話内に含まれるようになり、「私はあなたをリスペクトして尊敬しております」などと意味不明に使用され、^^大層、乱れているのは嘆(なげ)かわしい。^^ 政治家や学識者、評論家の方々がテレビ討論などで多用されておられるが、一般聴衆には? と、意味不明な点もあることをお含み願いたい。確かに、外国語を会話に織り交ぜれば、私はこんな言葉も知ってる知識人なんですよ・・という強調にもなる。^^ なるが、日本語は残念ながらどんどん負のスパイラル[下方へ向かう渦巻]を見せるのである。…私も日本語を乱しそうだから慎(つつし)みたいと思う。^^
とある会場で著名(ちょめい)な識者を交えた公開討論会が開かれている。
「そりゃ、学術的に怪(おか)しいんじゃないでしょうか。禿(は)げ頭の子供が必ず禿げ頭になりますかっ!?」
「私はそうは言ってないっ! 禿げ頭の子供が禿げ頭だったと言っとるのですっ!」
「言ってるじゃないですかっ! パーフェクトに禿げ頭だとっ!」
「いやっ! そんなことは断じて言っとりませんっ!」
「まあまあお二方(ふたかた)っ! パーフェクトでもソフトクリームでもいい訳ですからっ!」
激高(げきこう)する二人の識者に、司会者が割って入った。
「なんですか、それはっ!! パーフェクトはソフトクリームでもアイスクリームでもありませんぞっ!」
「そりゃそうだっ!」
いつの間にか二人の識者はタッグを組み[連携(れんけい)して]、司会者を攻め始めた。日本語のトラブルで司会者はタジタジと防戦一方になった。
近年、ややこしくなったとはいえ、それでも日本語は外国語を含んで進化し続けている。^^
完