水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

それでもユーモア短編集 (71)気まぐれ

2019年05月20日 00時00分00秒 | #小説

 ふと、心に浮かんだら、すぐやることを、人は気まぐれ・・と言う。すぐやるのだから、当然、準備は整っておらず、道具や材料が足らない場合がある。それでも気まぐれな人はやってしまうから困りものだ。^^ 子供の場合に気まぐれが多いのは脳の発達から理解できるのだが、大人の場合は十分発達しているだろうから困りものだ。^^ まっ、気まぐれな人が発達していないとは言わないが、それでもやってしまう性分(しょうぶん)はよくないから改めるべきである。^^
 とある商店街の一角(いっかく)に福引抽選会のブースが設けられている。一人の男が、そのブースにヒョコヒョコと歩いてやってきた。
「気まぐれで買ったら、この券、くれましてね…。ここですか?」
「はい、ここです」
「そうですか。じゃあ、気まぐれに引いてみようかなっ!」
 係員は、引きたいからやって来たんでしょうがっ! とは思ったが、口には出さず思うに留めた。
「回してくださいっ!」
 男は言われたとおり、福引の玉が入っている回転台を勢いよく回した。
「ははは…ハズレです」
 男は、笑うこたぁ~ないだろっ! とは思ったが、口には出さず思うに留めた。
 まあ、気まぐれとはこんな感じになりやすいから、それでも! と力まない方がいいようだ。^^

                                  


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