最近の世の中は、いろいろと驚く出来事が多い。というのは、メディアによって知らされる出来事が増えたからである。例えば今日の夜、九時前のニュースなんかでも、『関東地方で竜巻が発生する可能性がありますから注意して下さい』などとアナウンサーがいい声で語っておられたが、関東地方の人々は驚くだろうが、それ以外の人々は聞いても時間のムダだろう。というか、どうしろというんだっ! と怒る人も出るに違いない。これが最近のメディア症候群という病気なのである。^^
とある地方の普通家庭である。少し早い夕食が済んだ食卓前のテレビが、ガナっている。
『交番では入れ歯を落としたという老人の届け出に、どうしたものかと難儀しているようです』
「ははは…これはドラマか?」
「ニュースですよ、お父さん」
「だよな…」
「こんな驚くニュース、面白いけど、私達が聞いてもね…」
「ああ…」
「他にニュース、ないのかしら…」
「昨日なんか、ドコソコの老人が押されて転んで怪我したらしい…」
「まあ、お気の毒に…。でも、私達が聞いてもね…」
「そうそう。どうしようもないからな…」
ご夫婦は食後のスイカを食べながら小笑いした。
どうも、最近のメディアは発達し過ぎたように思えます。^^
完