水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

驚くユーモア短編集 (23)病院

2023年12月15日 00時00分00秒 | #小説

 最近の病院は驚くことに出くわすことが多い。まあ、場所柄、ということもあるが、恐らくは新型コロナの関係で神経過敏になっておられるのだろう。今朝の早朝なんかも、面識がないにもかかわらず「どこへ行くの?」と夜間通用口で言われたのには驚くどころか怒れてきた。どうも派遣社員の方らしいのですが、こんなことでは困りますよね。^^
 とある地方の八大病院にも入っていない総合病院である。一人の男性が夜間通用口で女性の係員らしき人物に呼び止められた。
「何しに来たの?」
 そう言われた男性は、一面識もない女性のタメ口に、『悪いから来てるんだろうがっ!』と、一瞬、ムカついたが、そこはそれ、グッ! と我慢した[偉いっ!^^]。気短な人なら口喧嘩(くちげんか)ぐらいでは済まなかったかも知れない。腹の鬱憤(うっぷん)が治まらないまま、男性は待合室で待っていた。すると、タメ口で話した女性が近づいてきてひと言ふた言ボソボソと言ってきた。男性は益々、腹が立った。というのは、初対面なのに話す口調が横柄(おうへい)だったからである。陰気で驚くことが多い病院で、驚くタメ口は嫌ですよね。患者の皆さんは、少なからず心が敏感になっておられるのですから…。^^

                 完


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